タイトル:【BD】密林のアタックマスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 10 人
サポート人数: 1 人
リプレイ完成日時:
2010/10/02 06:35

●オープニング本文


 大破し、後退したブリュンヒルデは、サン・ホセ・デル・グアビアレ市に停泊していた。グアビアレ県の首都となっている小さな町だ。本来ならばボゴダまで帰還したい所だが、不調を来たした動力ではアンデス山脈を越えることができない。
「第一フェイズにて突破を許した複数の高速ビッグフィッシュは、キメラ製造プラントを搭載していたようね」
 グアビアレ川に浮かぶ艦内で、マウルは状況を説明する。
「コロンビア国内の密林、あるいは河川へ姿を消したこれらの艦を、速やかに発見、破壊しないと厄介なことになるわ。確認しきれなかった物もあるけれど、何とか追跡できた物も‥‥」
 図上、コロンビアの国内図の中の数箇所が赤く光る。広い物もあれば、狭いポイントだけが光る場所もあった。これらが、軍の予想したビッグフィッシュの到達地点だという。
「干草の山から針を探すよりはマシだと思うわ。あんた達には厄介を押し付けるけど、正規軍は動く余裕が無いの」
 艦内を走り回る兵の様子を見れば、それは言われずとも判った。

 コロンビア南部のジャングル――。傭兵たちは密林の中をKVで進んでいた。
「こちらアルファ、ビッグフィッシュを確認。距離は3000。方位05。周辺にタロスとゴーレムの機影あり。数は10体余り」
「ブラボー確認しました。やはりここでしたか。ビッグフィッシュ、大型ですね。全長800メートルサイズでしょうか。チャーリー、見えますか?」
「チャーリーだ。今確認した。こっちからはゴーレムの集団が見える。こちらにも10体以上」
「こちらデルタ。どうやらキメラプラントはすでに稼働しているようだぞ。ビッグフィッシュから続々と異形の化け物たちが現れている」
「時間はないか‥‥一気に仕留めるしかないようだな。アルファ、ブラボー、チャーリー、デルタ、各チーム、同時に突入するぞ。敵の型から、恐らくタロスとゴーレムは有人機と思われる。気を引き締めて行こう」
「了解。速攻ですね。ビッグフィッシュを逃がすわけにもいきません。マウル少佐に吉報を持って帰ることが出来ればいいけど」
「が、護衛のワームも侮れないぜ。数はこっちの倍か。間に合えばいいがな」
「少し待て、このまま行くのか? さすがに奇襲は難しいだろう。完全に敵に悟られずに近づくのは不可能に近い」
「それはそうだが、さて、どうするかな」
 傭兵たちはビッグフィッシュを包囲したところで一旦停止すると、タイミングを図る。現在傭兵たちは四方からビッグフィッシュに接近していた。そのまま突入するか、配置を変えるか、集合するか、傭兵たちは短時間で戦術を確認すると、動き出した。

●参加者一覧

漸 王零(ga2930
20歳・♂・AA
終夜・無月(ga3084
20歳・♂・AA
シリウス・ガーランド(ga5113
24歳・♂・HD
周防 誠(ga7131
28歳・♂・JG
夜狩・夕姫(gb4380
15歳・♀・FC
アーク・ウイング(gb4432
10歳・♀・ER
草薙・樹(gb7312
18歳・♀・SN
エイミ・シーン(gb9420
18歳・♀・SF
秋月 愁矢(gc1971
20歳・♂・GD
ネオ・グランデ(gc2626
24歳・♂・PN

●リプレイ本文

 傭兵たちは、東と西から陽動を仕掛け、南から突入を敢行する算段で計画を立てた――。

「さて、最大の敵は時間か‥‥まぁこちらは陽動が目的‥‥単純計算タロス2のゴーレム10か‥‥くくく‥‥重体明けにはちょうどいい相手だな」
 漸 王零(ga2930)は言って、雷電を待機させる。今日はどこかテンションが昂ぶっているのか、口許の笑みが吊り上っていた。
「さて、戦況はよくはないものの熱くなってきましたね!」
 こちらは元気っ子のエイミ・シーン(gb9420)。溌剌とした声で仲間たちに声を掛ける。
「東班の陽動ですね! 戦い方は援護と闇討ちですね。陽動なので気がつかれない程度に確実に暴れないと! 難しいところではありますけれど!」
 早口でまくしたてるエイミ。
「‥‥とにかく時間との勝負だな」
 ネオ・グランデ(gc2626)は冷静な口調で言うと、コンソールを操作して敵の様子を探る。
「東西から陽動の後、南方から突撃してBFを破壊、手薄な所から撤退、といった流れになるかな。自分の役割は東班で陽動・退路確保だな。漸さん、エイミさんと連動、彼らとの連携優先だな。さて、派手に行こうか‥‥重武神騎乗師、ネオ・グランデ、推して参る」

「俺たちは西からですね‥‥西よりBFに進攻。陽動の役目として‥‥速攻にて西に展開する敵の早期殲滅を第一目標に行動しましょう。可能なら敵に対し‥‥友軍が驚異的な速さで堕ちた事実を叩き付け‥‥脅威と畏怖を感じさせて敵の目を惹きつけることが出来れば‥‥」
 実質西班チームリーダーの終夜・無月(ga3084)は、コンソールに映る敵影の姿を確認しつつ、突入のタイミングを図っていた。
「先輩と御一緒できるなんて光栄っす〜♪」
 非覚醒で目をキラキラさせる夜狩・夕姫(gb4380)。この娘、非覚醒時はどたばたと慌ただしく賑やかな能力者であった。
「月狼の隊長と一緒に戦えるなんて、こんな幸運はないっすよ〜♪」
「必ずお守りいたします、お屋形様」
 草薙・樹(gb7312)は熱を帯びた口調で、無月に言葉を投げた。草薙は、忍の血を色濃く継ぐ家に生まれ、幼少の頃より忍者八門や遁術等の古術含め銃火器等の現代術も叩き込まれ育つという経歴を持っていた。そして、類稀なる才能と血の滲む努力で英才教育に生き残るが、師である祖父の影響で思考指針や口調が江戸時代である。江戸時代――?
「お屋形様、この草薙、任務のためならば、全てを投げ打って、お屋形様のために身命を賭す所存でございます。必ずお役に立ってみせますれば」
「草薙さん‥‥心意気は買いますが、生きて帰りましょう。そうでなくては‥‥みなが悲しみます。例え任務のためだろうと、傭兵であろうと‥‥俺たちは誰一人捨て駒じゃありませんよ‥‥」
 無月の言葉に感銘を受ける草薙。
「お屋形様‥‥もったいないお言葉」
「草薙さん‥‥(汗)」
 そして覚醒する夕姫。雰囲気が一変すると、死天使の二つ名を持つ傭兵へと姿を変える。
「先輩‥‥お願いします‥‥」

「さて、我が銃撃に穿てぬものなし。ビッグフィッシュがいかに巨大であろうと、内部から破壊されては、身動きできまい」
 国籍不詳のクールガイ――シリウス・ガーランド(ga5113)。北欧の貴族の末裔と自称しており、普段から高級スーツを着こなしている。今日もコクピットに身を置き、高級スーツを着用している。
「我らが失敗すれば、作戦全体が崩壊する。我らの任務は重要だな」
「奇襲は無理‥‥となれば、のんびり敵に見つかるのを待つ必要はありませんか」
 周防 誠(ga7131)言って、コンソールを操作して、ピピピピ‥‥と映像をズームアップする。相変わらず、ワームはビッグフィッシュの周りに待機して、警戒態勢を取っている。速さと連携が作戦の鍵になるのは間違いない。
「これは時間との勝負になりそうだね。強引にでもビッグフィッシュに接近して、キメラプラントを破壊するしかないかな」
 アーク・ウイング(gb4432)は呟き、同じくモニターに映る電子映像を確認する。
「あのBF、キメラを生産してるのか‥‥」
 秋月 愁矢(gc1971)は言って、こちらもビッグフィッシュの様子を確認する。キメラが放出されるのを確認する。
「ここで仕留めておかないと今後が心配だな。かなり大物のBFだ、外からでは中々破壊できないだろう‥‥だが、中からならどうだ? ‥‥皆が攻撃を惹きつけている間にBF内部に侵入してプラントを破壊する、やれるか? 勝機は十分にある、やってやるさ」
 巨大なビッグフィッシュは800メートル級のメガトンクラスである。確かに、外部からの攻撃では間に合わないかもしれない。そして今回は逃がすわけにはいかない。
「進入できそうなポイント‥‥キメラを生産していれば排出する所があるはずだ、そこから破壊して進入可能なポイントがあれば」
 メインカメラのズーム機能等で自機を露見しない様に探索する。ポイント探索実行を提案。
「あそこ、ビッグフィッシュ後方の射出口みたいなものが見える。キメラが放出されているところだ。攻めるならあそこじゃないか」
「うむ、良い観察眼だな秋月。こちらへ回り込んだ我々の目標を伝えよう」
 シリウスは回線を切り替えると、西と東の陽動班に呼び掛けた。
「こちら南、シリウスだ。どうやら、ビッグフィッシュのキメラの射出口らしきポイントを確認した。東班と西班の突撃を確認次第、一気にビッグフィッシュ船内に突撃を敢行する」
 ややあって――。
「こちら東班、王零だ。了解したシリウス。任せておけ、周りのタロスどもは生かさずに一掃する。戦闘が始まって護衛が離れたら速攻で仕掛けてくれ」
「西班の無月です‥‥、シリウスさん、こちらも了解です‥‥。東班と同時に突入しますので‥‥護衛はこちらに目が向くはずです。キメラプラントおよびビッグフィッシュの破壊を頼みます‥‥時間との勝負ですね‥‥」
「よろしく頼むぞ。では、幸運を祈る」
 シリウスは回線を切った。
「さて、出立の準備を整えよう。じきに始まるぞ」

「こちら東班、仕掛ける。西班どうぞ」
「西班配置に付きました‥‥合図と同時に突入します」
「では、テンカウントで作戦を開始する」
「了解しました‥‥」
「10‥‥9‥‥8‥‥7‥‥6‥‥5‥‥4‥‥、突撃体制‥‥3‥‥2‥‥1‥‥ゼロ‥‥!」
「行くぞ!」
「お屋形様!」
「一機たりとも逃しませんよ‥‥」
 加速するKV、ブースターで一気に突進した。
 ジャングルを突っ切って、時速400キロを越えるスピードで悪路をものともせずに踏破していく。
「出た! 行くぞ!」
 王零は操縦桿を傾けると、ライフルの銃口を持ち上げ、ゴーレム目がけて銃弾を叩きつけた。凄まじい銃撃がゴーレムを直撃して、装甲を吹き飛ばしていく。
「敵襲だ! 奇襲攻撃だ! ビッグフィッシュを守れ!」
 バグア軍のパイロットの怒号が鳴り響いた。
「残念だが、そうはいかん」
 リロード。
「行くよ!」
 エイミは側面に回り込むと、ライフルを叩き込みつつ、流れるように動く。
 ネオはレーザーバルカンとガトリングを叩き込み、同じく側面に展開する。
 基本的にはゴーレム狙いで、1機ずつ確実に撃墜する。
「散れ‥‥剣閃烈花・躑躅」
 敵の反撃が来る。閃光がほとばしって、プロトン砲の応射が来る。空を切り裂く怪光線が、傭兵たちの機体を直撃する。
「やってくれるね!」
 エイミとネオは操縦桿を傾け、加速した。
 さすがに微動だにしない王零の雷電は、真正面から突撃する。
「ゴーレムのプロトン砲か‥‥くくく‥‥この程度、我の機体を貫くには程遠いわ!」
 加速する王零。剣を振りかざして、ゴーレムを叩き斬った。ゴーレムの腕が一撃で飛ぶ。
「それ以上させるか!」
 タロスが突進してくる。
「くくく‥‥来い! 丁度いい肩慣らしだ! 我の力がどこまで回復しているか、確認させてもらう!」
 王零は打ち掛かった。
 タロスは盾で弾き返そうとしたが、盾が真っ二つになった。
「何――!」
「ふん!」
 コレダーでフォースフィールドを突き破ると、タロスの受防をそのまま粉砕して大打撃を与える。
「せやあああああ‥‥!」
 王零の猛攻に、タロスが耐えることが出来たのはわずか3ターン。撃沈して爆発する。
「さすが王零さん! でも、北からも南からも敵がやってきます! 数ではこちらが不利です!」
「ちっ‥‥来やがったか」
 ネオはゴーレムを叩き斬ると、ばらばらとやって来る敵機体に舌打ちする。
「ここで持ち堪えるぞ!」
「機体特能――フィールドコーティング!」
 エイミは加速して防御を上げると、ゴーレムに突撃する。
「敵の数が多いので、どちらも均等の数になるとは思えないですし‥‥少し数が多いなら一気に持つのではなく確実に落としていかないと‥‥」
 フィールドコーティングを使用しつつ真ツインで受け流しながらすれ違いざまに斬る!
「親友の様には出来ないかもですけど、この子でなら!」
「超電導アクチュエータVer2起動」
 加速するネオは、ゴーレムと切り結び、どうにかこうにか退ける。
「‥‥が、数が多いっ」

「俺たちも一気に突入しますよ‥‥」
「承知‥‥」
「はいお屋形様!」
 無月、草薙、夕姫らは突進した。
 ジャングルから飛び出して、速攻を仕掛ける。
「何だ――!」
 タロスのパイロットが機体を向けた瞬間――無月の粒子砲が炸裂。閃光がタロスを貫通して、一撃で沈めた。
「行きますよ二人とも‥‥」
 ばらばらとなだれ込んで来るゴーレム。
「支援します先輩‥‥」
 夕姫はレーザーガトリングを撃ち込み、草薙はショルダーキャノンを叩き込む。
「お守りしますお屋形様!」
 場は瞬く間に混戦と化していく。
 戦闘隊形を組んで銃口を構えるゴーレムから、一斉にプロトン砲が放たれる。
 衝撃がコクピットを襲う。
「夕姫さん‥‥草薙さん‥‥しっかり」
「大丈夫です‥‥これくらい」
「お屋形様をお守りします! 退くわけには!」
「敵は数が多いです。俺が前に出ますから、二人は確実に支援に回って下さい。攻撃は俺が受け止めます」
 無月は言ってミカガミを前進させると、ロンゴミニアトを振るって、ゴーレムを串刺しにした。連打を浴びせて瞬く間にゴーレムが沈む。
「さすが先輩‥‥偉大です‥‥」
 夕姫は無月の側面に回り込み、ゴーレムと打ち合う。
 激しい応戦の末に、ビームサイズを叩き込んだ。
「貴方の死の宣告はされました‥‥御覚悟を‥‥」
 暴れるゴーレムにスパークワイヤーを叩きつける。
「無駄ですよ‥‥死から逃げる事は誰も出来ないのですから‥‥」
 圧倒的な大軍の中にあって、猛威を振るう無月を前に、草薙は自身の隊長が改めてラストホープ屈指のレベルにいることを目の当たりにする。
「お屋形様、何とお強い‥‥勇猛果敢」
 プラズマリボルバーを叩き込み、草薙は裂帛の気合とともにゴーレムを撃ち抜いて行く。

「今だ! 突入!」
 秋月、シリウス、誠、アークはブースターで加速した。一気にジャングルを抜けてビッグフィッシュの後部射出口に達する。
 誠がエニセイを連打し、アークもシリウスも銃撃を浴びせかけ、秋月がミサイルポッドを叩き込むと、フィッシュの後部が崩壊して穴が開いた。
「よし、行くぞ!」
 秋月は先陣切って乗り込んだ。
「フローラさん‥‥今回もあなたの運、借りるぜ!」
 明滅する明かりの中、ビッグフィッシュの内部を探る。内部はうねうねとしたパイプが走っていて、無数のカプセルにキメラが培養されていた。
「こいつらか! ‥‥よし、全兵装ロック解除! 手当たり次第にぶち壊していくぜ!」
 秋月は機関砲を構えると、トリガーを引いた。激しい銃撃が次々とキメラプラントを破壊していく。
「ここは任せる。我らは奥へ行くぞ」
「ああ、任せとけ! 退路も確保しておく!」
 シリウスたちはさらに奥へと進入する。
「これは‥‥」
 ビッグフィッシュの中央に達したところで、巨大な生体装置を発見する。資料で見たことがある、バグアの大型プラントである。恐らく動力部もこの辺りなのだろう。
「よし、こいつを叩きつぶして、フィッシュの動きを封じる」
 シリウスはファルコンスナイプを起動させると、スピリットゴーストに搭載されている四連カノン砲を叩き込んだ。
 砲撃が装置を破壊して、内部が赤い光に照らされる。何かを警告するように、赤い光とサイレンが鳴り始める。
「入り込めばこっちの物ってね。さぁぶっ壊しますよ!」
 誠はエニセイ、D02、アテナイの乱射で内部を破壊していく。そのまま攻撃を続け、破壊し続け別のキメラプラントを探し移動する。
「ここが‥‥エンジンですかね」
 誠は大型の生体機械を発見する。ひときわ大きな装置で、グリーンランドの地下で見たことのある形と似ている。
「こちら周防です。こっちでも大型の装置を発見しました。エンジンかも知れません。破壊します!」
 誠は銃撃を叩き込むと、装置を破壊した。
「さて、いよいよ大詰めだね。まだ飛んでいる気配はなさそうだけど、余り猶予はないかな」
 アークはPRMシステムを攻撃にマックスで振り分け、止めの一撃を叩き込んだ。
 凄まじい爆発がして、ビッグフィッシュはあちこちで連鎖爆発が発生する。
「こちらアークです。ビッグフィッシュがそろそろ崩壊寸前かも知れません。爆発に巻き込まれる前に、脱出に向かった方がいいかも」
「了解しました! ではこっちもそろそろ脱出します! アーちゃんは間に合いそうですか!」
「アーちゃんは壁を吹き飛ばして脱出します。オーバー」
「了解! 気を付けて!」
 アークは吐息すると、壁に向かって練剣白雪を構えると、びいいいいいいん‥‥と壁をくり抜いた。壁を足で蹴り飛ばして、外へジャンプする。振り向きざまに、ライフルを浴びせかけて後退する。
「シリウスさん!」
「誠か――」
「そろそろ爆発が起きそうです。脱出しましょう」
「ああ、そのようだな。どうにか、無事にキメラプラントは破壊出来た。吉報を持って帰ることが出来そうだ」
「行きましょう」
 誠とシリウスはブースターで加速すると、残骸を蹴散らして、一気にフィッシュの後部へ急いだ。
「シリウスさん! 誠さん!」
 秋月が脱出口を確保して待っていた。
「秋月さん、お待たせしましたね☆ 出迎えどうもです」
「みんなグッジョブだったな。急いで脱出しよう!」
「さらばだ、ビッグフィッシュ」
 シリウスは皮肉げに言葉を投げると、外に出た。
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオオオオ‥‥と爆音と震動が大気を震わせ、やがて、ビッグフィッシュはそこかしこから爆炎を上げ始める。そうして、遂に閃光とともに大爆発を起こして消失した。
「よし、任務は完了――全機撤退する」
 王零は仲間たちに合図を送る。そして、傭兵たちは全機その場を離脱するのだった。