タイトル:【G3P2】輸送作戦マスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/04/25 20:19

●オープニング本文


 北九州熊本基地――。
「それで、作業の方は順調か中佐」
 熊本基地司令官は、無線の向こうの相手に問うた。司令官の声は、福岡南で現場を指揮している中山中佐に届いていた。
「作業は予定通りです司令官。大型ヘルメットワームから慣性制御装置は切り離しました。輸送の任に当たるガリーニンの滑走路は、間もなく完成します」
「頼むぞ。ユニヴァースナイト3号機は北極作戦を終了次第、アジア方面へ帰還する予定だ。無事であることを祈るが」
「無事でしょう。苦労して手に入れた大型慣性制御装置が待っています。これらのテストが進めば、いつか、あの三号機も空を見ることが出来るでしょう」
「油断は禁物だ。準備が整い次第、ラストホープに連絡を」
「了解しました――」

 ――北九州太宰府市の中山中佐は、目の前で解体されて行く大型HWを双眼鏡で見上げた。先日、傭兵たちが苦心の末に確保した大物である。今のところ、この大型HWから切り離された慣性制御装置は、東アジア軍に委ねられ、ユニヴァースナイト3号機に取りつけた後にテスト運転が行われることになっていた。慣性制御装置は相変わらずブラックボックス扱いだった。
「それにしても、壮観な光景だな。HWの解体ショーだな――」
 中佐が言うと、副官の若い少尉は肩をすくめた。
「良く確保出来ましたよ。本当に運が良かった。春日基地陥落に、出来過ぎた戦果が手に入ったものです」
 KVが一帯を制圧しており、瓦礫を撤去する重機の群れが、巨大輸送機ガリーニンの滑走路を作り上げていた。
 ガリーニンはすでに到着していて、すでに大型慣性制御装置の積み込みは完了していた。
「あとどれくらいで飛べますか」
 未来研からやってきた若い博士が、中佐の下へ歩み寄って来る。
「もうじき滑走路が完成する。一両日中には、スリランカへ向かって飛んでいるよ」
「待ちきれないですね。あれを3号機に積み込んで動かせるかと思うと」
「その仕事は君たちのものだが、UPCも期待しているよ」
 そこで、作業の責任者が滑走路がほぼ完成したと告げてやって来る。中佐は頷いて地図に目を落とした。
「ご苦労さん。――KV隊、全機引き続き警戒態勢を取れ。この場所で何が起こっているか、バグアには衛星で全て筒抜けだろう。今のところこちらへ向かう敵の姿は確認されていないが、油断するな」

 ――インド洋上空で、滞空するビッグフィッシュの姿があった。内部の司令室で、バグア人がUPCの無線傍受を試みていた。
「キングスレー司令官――」
 オペレータの強化人間が、男の姿をしたバグア人の名を呼ぶ。
「クアラルンプール経由でUPCの秘守回線の通信を補足しました。ガリーニンが北九州太宰府市からスリランカへ向かって飛ぶようです。秘密作戦のようです」
「それだな。護衛は何機だ」
 キングスレーは思案顔で問う。
「六機です」
「航路は」
「東南アジア経由で、途中南シナ海と、最後にベンガル湾で空中給油を行うようです」
「よし。部隊に連絡しろ。東南アジアを出たところでガリーニンを捉える。正確な時間を測れ。俺も出る。ティターンの準備を整えろ」
「了解しました」

 やがてUPCからラストホープに隠密作戦の連絡が入る。北九州太宰府市からスリランカへ、先日確保した大型HWの慣性制御装置を輸送する作戦の護衛任務である。

●参加者一覧

藤田あやこ(ga0204
21歳・♀・ST
ソード(ga6675
20歳・♂・JG
ユーリ・ヴェルトライゼン(ga8751
19歳・♂・ER
美虎(gb4284
10歳・♀・ST
孫六 兼元(gb5331
38歳・♂・AA
ソーニャ(gb5824
13歳・♀・HD

●リプレイ本文

 東南アジア上空――。
「‥‥こちら美虎(gb4284)。現在周辺に異常なしなのであります。ガリーニンは、現在の高度と進路を維持して下さいなのであります」
 美虎のワイズマンから流れる言葉に、ガリーニンのパイロットはコンソールを操作しつつ応答する。
「了解美虎、高度四万フィート、進路西南西を維持する」
「周辺に敵影は無しであります。ここまで四千キロ以上を飛んできましたが、バグアのジャミング一つ感知していません。作戦は順調‥‥と言うところでしょうか」
「確かに、ここまでバグアに全く動きはありませんでしたね」
 ソード(ga6675)は言って、レーダーに目を落とした。
「黙って通してくれる相手とは思えないのですが。油断は禁物ですね。尤も、これは隠密作戦ですし、敵と遭遇する可能性は無いかも知れない」
「そうであると良いのですが。自分も北九州の中山中佐が言われていたことが気になっています。バグアには、監視衛星で地上の様子は筒抜けだろうと言うこと」
「それはそうかも知れませんが、その不利の中でも、俺たちはずっと戦い続けてきましたしね。今に始まったことではないですから。と言って、敵が現れてくれるのは避けたいところではありますが」
「これはせっかく手に入れた大型慣性制御装置だからな。最後までしっかり送り届けてやりたいよ」
 ユーリ・ヴェルトライゼン(ga8751)の言葉に、一同頷く。
「先の戦闘は凄かったけど、大型の確保なんて大規模作戦でもないとまずないからね。これをユニヴァースナイト3号機に積み込むまでは、見届けたいよ」
 そこで、未来研の博士が通信に入って来た。
「ヴァルキリー級の実用化、これまでのデータの蓄積は十分ですし、装置を動かすだけなら、さしたる障害は無いでしょうね。まあ、あの3号機の巨体を飛ばすとなると、話は別ですが。また最初からデータを取り直さないと」
「ユニヴァースナイト3号機は、まだ簡単に飛ぶわけにもいかないんですよね? 防空システムが全くありませんから、飛んでしまうとただの的ですからね」
 ソードの指摘に博士は唸った。
「まあそれはそうです。今後、その辺りは課題でしょう。技術的な支援は、私たちも惜しまないつもりですが。あの3号機を装備を整えるのは並大抵のことではないでしょうねえ」
「今後の課題は置くとしても、何をおいてもこれをまずは送り届けないとな!」
 孫六 兼元(gb5331)はそう言って、思案顔で先の戦闘を思い出す。大型ヘルメットワームの生身での制圧作戦。凄まじい激戦であった。
「先の制圧作戦では、ワシの担当ブロックの爆破を許してしまった‥‥。その汚名を返上する為にも、今回の作戦は必ず成功させる!! 此処で活躍出来ねば、武士の名折れだな。ウム!!」
「兼元さん、報告書は拝見しました。あのブロックが吹き飛んだあと、フォローがありませんでしたから、どうなったのかと思ったのでありますよ」
「ウム、美虎氏! あの時はさすがに焦った。いきなり背後で大爆発で混乱状態であったからな! 尤も、ワシは無事に生きておるし、悪運強くダメージも最小であったがな! ガッハッハ!」
「‥‥この空を飛べるなら何でもする‥‥そんなことを思って来たけど‥‥ボクの旅路はまだまだ続きそうだね」
 ソーニャ(gb5824)は少し蒼空を見上げて、太陽を振り仰いだ。
「これはボクの勘だけど、バグアは必ず来るよ。これを見過ごすほどに、敵も甘くはないよね」
「慣性制御装置が破壊されずにUPCの手に渡るのは、避けたいでしょうからね」
「うん、最悪、敵の精鋭部隊が奇襲攻撃に出てくるかもね。制御装置が海に落ちたら、さすがに回収するのは不可能だから‥‥狙い目としては、危険なところ、ここまで何事もなかったところをみると、東南アジアを出たところが最後の敵の攻撃ポイントになる可能性が大きいんじゃないかな」
「海上戦か‥‥最後にスリランカへ向かうところは、こちらも手薄になるからな。その可能性は高そうだ」
 美虎は、コンソールを操作して、レーダーを注視していた。
「もうすぐ東南アジアを出ます。ベンガル湾で最後の空中給油が待っていますけど、危ないところなのであります。ガリーニンが身動きとれない状況だと、守るのは不利なのであります」
「そうですね‥‥俺も最初のレギオンバスターで可能な限りの敵を落とすつもりで行きますから」
「ああ、俺たちは、そこから漏れた敵を削るのがベターかな。敵も少数精鋭で来るだろうしね」
「ガッハッハ! ソード氏の火力であれば、普通に敵エースなら粉砕出来そうなものだがな!」
「油断は禁物だけどね。何が起こるか分からない。ボクたちは、北九州で、信じ難い強敵たちとも戦ってきたからね。あれほどとは言わないけど‥‥ソードさんの機体を上回るティターンとかいましたからね」
「そう言えば、ソードの機体、オーストラリアに運ばれたままなんだよな。あの強化人間もやってくれたよな‥‥」
 一行が東南アジア上空を抜けて行く。

 ――アレン・キングスレーはUPCの軍人であったが、このバグア人は元々高い作戦指揮能力を持つ戦闘経験豊富な人物だった。
 インド洋上空で、部下を率いてビッグフィッシュから飛び立つ。
「時間だ。行くぞ。護衛の数は、最後に更新されたUPCの情報によると、6機から5機に減っている。絶好の機会だ。護衛もろともガリーニンを破壊する」
「了解しました」
 ティターンを先頭に、ワームの集団が発進する。
「尤も‥‥慣性制御装置の一つや二つ、手に入れたところで、我々の本星には遠く及ばぬが‥‥」
 キングスレーは思案顔で操縦桿を傾けると、ティターンを加速させた。

 ――傭兵たちは、レーダーの乱れを察知して、戦闘隊形を取る。
「敵か?」
 その言葉は、すぐに現実のものとなる。
「ティターン×1、カスタムタロス×1、エースタロス×1、強化タロス×2、カスタムヘルメットワーム×2、エースヘルメットワーム×2なのであります!」
 美虎はその編成を確認して、唸った。
「これは貧乏くじ引いたかもしれないのであります」
 難しい任務とはわかっていた物のそれでもどこかしらに油断があったのか‥‥。最初に哨戒網に引っ掛かった敵の編成を見た瞬間に、ちょっとやばいかもと不安に思ったのは内緒である。こんな時は通信がクリアなハイコミュニケーターが恨めしい。まあ、敵がどうだろうが、己のやることには変化がないので、逡巡したのはほんのわずか、即座に仲間に対して警戒を発令するのであった。そしてその間も、任務遂行の為に目まぐるしく脳を回転させるのであった。
「敵は九機なのであります! 全機ガリーニンを後ろに、ソーニャさん直衛をお願いします! 防御隊形を取りつつ迎撃なのであります!」
「九機ですか‥‥いきなり不利ではありますが、やれるだけのことをしましょう」
 ソードは先陣切って加速すると、コンソールを操作していく。
「兵装1、3、4、5発射準備完了。PRM『アインス』Aモード起動。マルチロックオン開始、ブースト作動」
 ピピピピピ! とモニター上の敵を捉えていく。
「ロックオン、全て完了!」
 そしてソードは2000発以上のミサイルを放出した。
「『レギオンバスター』、――――発射ッ!!」
 必殺技『レギオンバスター』ブースターとPRMを起動。錬力100全てを状況に合わせた能力に使用しミサイル2100発を発射するフレイアの空戦必殺技である。
 フレイアの凄絶な破壊力を持ったミサイル群がHW四機と強化タロスに叩きつけられる。
「レギオンバスターが来る! フレイアだ! 回避せよ!」
 強化人間たちの緊迫した叫びが回線に響く。
 しかし、逃げるワームに、次々とミサイルが着弾していく。
「うおおおおお‥‥!」
 爆炎が炸裂して、ワームの戦列を粉々にした。
「全機油断するな。敵にはフレイア、エルシアン、孫六兼元のオウガ、ユーリ・ヴェルトライゼンのR01がいるぞ。ダム・ダルを落とした連中だ」
 キングスレーの冷たい声が響く。
「ティターンですか‥‥さて、どんなものですかね」
 ソードはそのまま前進して、残りのミサイルをティターンと周囲のタロスに叩き込んだ。再び炸裂する爆炎。ティターンに向かって斬り込むソード。
「ソード傭兵か。噂に聞く実力を拝見しよう」
「何ですあなたは」
「俺はアレン・キングスレー。バグアの上級戦闘員だ。分かっているのは、記録によると、お前の著しい戦歴にはほぼ失敗が見当たらないと言うこと」
「世間話で時間を潰すのもいいですね」
「世間話が出来るだけ、時間が持つかな」
 キングスレーは言うと、ライフルを連射してきた。直撃がフレイアの装甲を弾き飛ばす。
「やりますね――」
 ソードは加速しつつエニセイを叩き込む。キングスレーはアクロバットに回避する。
「行くぞ! アグレッシブファング――カプロイアミサイル発射!」
 ユーリは接近してくるHWにミサイルを撃ち込んだ。500発のミサイルがHWを捉える。全弾命中――!
「ち‥‥さすがにレギオンバスターが効いてる‥‥あの野郎!」
 強化人間は舌打ちして、どうにか機体を持ち上げたが、機体が失速する。
「空対空ミサイル、発射――」
 ユーリはよろよろのHWにミサイルを叩き込んだ。直撃がHWのフォースフィールドを貫通する。直撃!
「やられた――! 脱出する!」
 HWは一機爆発四散した。
「ガッハッハ! 何とかキングスレーとやらは、またいずれの機会に決着をつける! 今日はガリーニンを守ることが先決!」
 孫六は、突進してくるHWに立ち塞がった。
「ここから先へは通さん!」
 ミサイルを叩き込み突撃すると、ブレードウイングでHWを切り裂いた。凄絶に爆発四散するHW。
「ガッハッハ! ワシの天剣の錆にしてくれるぞ!」
「調子に乗るなよ孫六兼元!」
 エースタロスが加速してくる。
「ガッハッハ! 来い!」
「落ちろ孫六!」
 エースタロスはアクロバットな機動でマシンガンをかわすと、フォースフィールドを使った体当たりをぶちかましてくる。
 激しい衝撃がオウガを襲う。体当たりを連続で撃ちこんで来るタロス。オウガの機体が一部爆発した。
「ぬう‥‥!」
 孫六はブースターで加速して反転すると、真正面からタロスに突っ込んだ。
「孫六兼元ぉ――!」
 タロスはプロトン砲を連射してきたが、兼元は構わず加速して、ウイングでタロスを真っ二つにした。
「な、何だと‥‥!」
「ここは通さんと言ったはずだ!」
 美虎は戦況を確認しつつ、友軍をタクティカル・プレディレクションBで適時サポートする。
「ガリーニンは早く後退して下さい。巻き込まれたらそれでおしまいなのであります」
「やっているが、敵軍の牽制が激しい。迂闊には動けん」
「サポートしますから、どうにか逃げ延びて下さい。そちらが落とされては、自分たちの守りの意味が無いのであります。自分たちが引き付けますから」
「何とか頼むぞ! ガリーニンの兵装など、ワームの前には何の役にも立たんからな」
「現在南の交戦地域でどうにか防衛線を敷いています。ソーニャさん、ガリーニンの護送をお願いします。敵が大挙抜けてくる前に、西へ移動して下さい」
「了解美虎さん。こっちは今、タロス一機と交戦中。どうにかみんなが押さえてくれてる」
「よろしくお願いします」
 美虎は言いつつ、呼吸を整える。これほどの戦闘は実に久しぶり。大規模を除けば、普段は余り出撃する機会が無かった美虎。緊張しないと言えば嘘になる。他の仲間たちは歴戦のつわものだ。それでも、どうにかやりこなして見せる。美虎は強い気持ちで臨んでいた。
「敵機は現在六機、各機、そのまま足止めに務めて下さい。ガリーニンがどうにか撤退します」
 美虎は言って、吐息した。
「勝つことだけが戦争がではない事を教育してやるのであります」
 ソーニャはタロスと激しいドッグファイトを演じていた。
「奪ったとは言え、みんなで手に入れた明日への希望。傷付けさせるわけにはいかない。名付けてソーニャのタマゴ‥‥ネーミング再考の余地ありだね」
 言って、ソーニャはエルシアンを加速させた。
「さすがにしぶとい‥‥エルシアン、ソーニャ傭兵。だが、ガリーニンはもらっていく!」
 強化人間は突進してくるが、ソーニャは立ち塞がり、レーザーを叩き込んだ。
 タロスとプロトン砲で撃ち合う。ソーニャはローリングして回避する。
「くそ!」
 急加速してエルシアンの下方をすり抜けるタロス――。
「そうはさせないよ」
 ソーニャはスプリットSでタロスの背後に回り込むと、タロスをロックした。
「FOX2ミサイル発射――」
 G放電ミサイルがタロスを追尾、直撃する。エルシアンの知覚はかなりの高性能。G放電ミサイルの威力は実際凄まじい。機動力も兼ね備えたエルシアンだが、強烈な知覚攻撃を発揮する。
「う‥‥おおおおお!」
 タロスは炸裂する放電に巻き込まれてばらばらになっていく。
 ユーリと孫六は、最後のタロスを切り捨てると、ソードの加勢に向かった。
 キングスレーは、予想以上の強敵だった。フレイアと互角以上の戦闘力を見せる。
「ソード、大丈夫か」
「いえ。このキングスレーと言うヨリシロ、並みのバグア人ではありません」
 ソードらは、目の前に滞空するティターンを見やる。
「さすがに、バグアの上級戦闘員と言うだけはありますよ。俺のフレイアでも捉え切れない」
「ヴェルトライゼンに孫六、ソードか、俺の邪魔をするか、データ通りの強敵だな。驚きはせん」
 キングスレーは言うと、機体を翻した。
「今日はここまでが潮時のようだが、ひとつ言ってやろう。例え慣性制御装置を手に入れたところで、我々の星までは遥か遠い。例え宇宙に上がって来たところで、お前たちに勝ち目はない。ゼオンジハイドすら倒しつつあるようだが、お前たちは重力から解き放たれたとしても、夢は潰える」
「キングスレー、それは負けの捨て台詞ですね」
「そうかも知れん。だが、まだ終わったわけじゃない。それだけは言っておく」
 キングスレーはそう言うと、ソードとのドッグファイトでもほぼ無傷の機体を後退させた。
 ティターンは飛び去った――。

 ――戦闘は終結し、ガリーニンは無事にベンガル湾で空中給油を受けて、スリランカへ到着した。
 傭兵たちも、スリランカへ着陸する。
「高速宅配便、只今到着だ! ワシの仕事は此処まで、後は宜しく頼むぞ!」
 孫六は、現地のUPC軍の担当者と握手を交わした。
「御苦労さま。良くやってくれたわね。感謝してる」
 ガリーニンから降りて来た、未来研の博士も、傭兵たちの下へやって来た。
「ありがとうございました皆さん。早速ユニヴァースナイト3号機と連絡を取ってみますよ。ありがとう」
 傭兵たちは、慣性制御装置の到着を無事に見届け、帰還の途に着いた。