●リプレイ本文
●川辺のひと時‥‥(平和編)
リアナの思惑など知る由も無く、ただピクニックと信じて集まった能力者達はすでに戦場へとたどり着いていた(注:ただの静かな川岸です)。
「さ〜て、早速ここで泳ごうかな〜♪ せっかくだし思いっきり楽しもっと♪」
「‥‥さて、今回はのんびりまったりするか」
川辺に張られたテントからバサッと飛び出してきたのは、その豊満なツインメロンを真紅のビキニに包み込んだ刃霧零奈(
gc6291)である。相変わらずはちきれんばかりに存在を主張している胸を揺らしながら彼女が飛び出したテントの横では、ゆったりとチェアに寝転がって気を抜いているシン・サギヤ(
gb7742)の姿があった。傍らに珍しく酒を用意している所を見ると、どうやら普段のんびりする時は酒を飲む傾向があるらしい。
「あらら? シンさんは泳いだりしないの〜?」
「‥‥せっかくのピクニックだ。ゆっくりと楽しませてもらうさ」
「ふふ、また気が向いたら一緒に泳ご♪ それじゃ〜行ってきま〜す!!」
にっこりとシンに笑顔を向けた刃霧は、そのまま川に向かってスパッと美しく飛び込んでいくのだった‥‥
そんなのどかな空気をかもし出している二人から少し離れた場所では、今にもゾンビとなって周囲を彷徨いそうな男が一人‥‥
「‥‥ハハハ‥‥ピ、ピクニックたぁ久しぶりだなぁ! めーいっぱい楽しもうなぁ!」
「わーい!! 私もクーお兄ちゃんと一緒に遊ぶ〜♪」
「でもでも〜、しゅけべな事をしちゃ〜ダメだよ〜?」
顔は爽やかな笑顔ながらも、その目はまるで種の弾けたSE●Dのような赤槻 空也(
gc2336)の横で、きゃいきゃいセラ(
gc2672)が騒いでいる。そして朝に彼と顔を合わせてからずっとねちねちといじって楽しんでいるのは、今日もしっかりとカウボーイ姿のミティシア(
gc7179)であった。
「だ、だから俺はそんな最低男なんかじゃね〜!! 第一今までの事はほとんどが‥‥」
「う〜わ〜、自分でさいて〜って認めちゃったよ〜。さ〜いて〜♪」
「て、てめ〜!! 人の話を聞きやがれ〜〜!!」
「わ〜いわ〜い!! クーお兄ちゃん、何だか元気になった〜♪」
どたばたと川岸で追いかけっこをして遊んで(?)いる赤槻とミティシアを見てピョンピョン飛び跳ねて喜んでいるセラから、また少し離れた岩辺の上では‥‥
「メ、メル姉お弁当作ってきたよ? ‥‥あちきの、手作りの」
「ふふ、そうか。それでは後でゆっくり堪能させてもらうよ」
どこか良い雰囲気をかもし出している常木 明(
gc6409)とメルセス・アン(
gc6380)(注:二人とも女性)が肩を寄せ合って座っていた。どこかもじもじとしながら話しかけている常木の横顔を、とても愛しげに見つめているメルセス‥‥その光景をいつまでも見つめていたい気持ちに駆られるが、それは漢なら仕方の無い事であろう(ぁ
「え、えとその‥‥上手く作れたかは自信ないんだけど‥‥」
「気にする事は無い。明の作ったものが美味しくない訳が無い‥‥そうだろう?」
「メ、メル姉‥‥」
すっと微笑んだメルセスを見て、常木が思わず頬を染めて見つめ返す‥‥そんな幸せそうな光景を傍目で見ながら、グサグサと心を痛めている表情で料理を用意しているのはマリーである。
「うぅ‥‥ホントに何だか色々と申し訳ないんだけど‥‥」
「あらあら〜、一体どうしたのですか〜? せっかくのピクニックなのですから〜、楽しい顔をしませんと〜♪」
「あんたのせいでこんな顔になってるのよ!!」
のほほんとリアナが声をかけたのに対し、思わずツッコミを入れてしまうマリー。そんな彼女達に向かってとことこと歩いてくる人影が一つ‥‥
「リアナ様〜、マリー様〜、そっちの準備は出来ましたか〜?」
「はい〜、もうテーブルの上は【お料理】で一杯ですわよ〜♪」
「‥‥出来ればもっとゆっくりでも良かったんだけど」
着物に電気機械という、実にシュールな装備で今回の依頼に参加したのは住吉(
gc6879)である。どうやら彼女も何も知らずにピクニックとして参加しているようなのだが‥‥果たしてどうなる事やら。
「うわ〜、凄く美味しそうな料理ですね〜!! これ全部リアナさんが作ったのですか〜!?」
「いえいえ〜、ほとんどマリーが作ってくれましたんですよ〜。マリーは本当に美味しいご飯を作ってくれますので〜♪」
「ま、まあこれくらい大した事じゃないわよ‥‥リアナを放っておいたら、確実にインスタント生活になるし」
テーブルの上には色とりどりのお弁当が【大量に】置かれていた。もちろん中にはリアナ特製の【お薬】が仕込まれているのだが‥‥残念ながら(?)知る者は誰もいなかった。
「さて〜、そろそろ皆さんを呼びませんと〜。‥‥うふふ、上手くいくと良いのですけど♪」
「‥‥神様、本っっっ当に何も起きませんように‥‥」
●川辺のひと時‥‥(地獄編)
「‥‥きっとコレぁ片道切符だ‥‥物理的に刑務所行き‥‥いや、海の藻屑‥‥」
「はい、クーお兄ちゃん。あーん♪」
「お、おう‥‥く、ついに俺も覚悟を決める時が‥‥こ、こうなったらヤケ食いしてやろ〜じゃね〜か!!」
「うわ〜!! とっても美味しそう〜!! いっただきま〜す♪」
ようやく食事時間が始まったのだが‥‥やはり顔を死刑囚(執行後)の顔をした赤槻がじ〜っとお弁当を見つめていた。どうやら今までの経験から何かを感じ取ったようなのだが‥‥そんな事を許すような甘い運では無い。しっかりと横から鶏肉のから揚げを箸でつまんでにっこり口に迎えているセラに、
目の前の料理を目を輝かせて食べているミティシア。三者三様の顔を見せているにこやかな光景(?)なのだが‥‥おや? 三人の様子が‥‥?
「な、何だ‥‥何だか、セラとミティシアの顔が‥‥やけに可愛く‥‥」
「ありゃりゃ〜、少し変な気持ちになってきたよ〜‥‥何なのかな〜?」
「ふにゃふにゃ〜‥‥く〜に〜ちゃ〜ん〜‥‥」
どこか危ない雰囲気になった目を光らせて、ゆっくりと近づいていく赤槻を何の抵抗も無く迎え入れようとするセラとミティシア。そして‥‥ゆっくりと赤槻の手が彼女達の肩にかかっていく。
「‥‥ぅん!? な、何なの‥‥このドキドキ‥‥」
「く、くうに〜ちゃん‥‥私、今とってもお胸が熱いの‥‥おかしいの、かな?」
「ふ、二人とも‥‥待ってろ、今俺が、お前達を楽にさせてやる‥‥!!」
ぴくっと身体を震わせて真っ赤な顔を向けるミティシアと、同じく真っ赤な顔で潤んだ瞳を不思議そうに見上げるセラ達に、かなり虚ろな様子の目でがしっと力強く抱きしめる赤槻。その耳に二人分の熱い吐息がかかった瞬間、何かのリミットが弾ける音がした。
「お、俺に必要な‥‥半身‥‥支え‥‥」
ロボットのように片言で言葉を発しながらその手がゆっくりと二人の服のボタンに手がかかる。そしてはぁはぁと荒い息を吐きながら手を動かしていき、プチンと音がした後には真っ白な肌をした彼女達の下着姿が‥‥
「‥‥はいはい、そこまでかな。それ以上は私としても黙っているわけにはいかないのでね」
セラ、いや【アイリス】となった彼女がすっと目を細めて赤槻の手をがしっと掴む。どうやら流石にこれ以上はマズイと判断したのだろう、抱きしめられた下着姿を隠す事も無く子守唄で二人を眠らせてから治療していく。
「‥‥‥‥ばたんきゅう」
「くう‥‥すやすや」
「まったく‥‥しょうがないな。ある程度は予想出来ていたが‥‥まぁ後は【彼女】達に任せるかな」
‥‥そして、目覚めた赤槻と【下着姿で抱きしめられている】ミティシアとセラ‥‥果たして、彼らはこの後どうなったのか、それはまた別の話である‥‥合掌。
●川辺のひと時‥‥(幸せ編)
「ねぇ‥‥ところでシンさんってさぁ、イケメンだよねぇ‥‥♪」
「‥‥ふむ、惚れた相手からそう言われて喜ばない男はいないだろう」
きわどいビキニ姿のまま身体ごとシンに寄りかかっているのは、どうやら刃霧のようだった。この二人はさきほどまで一緒にお酒を飲みながらにこやかに談笑していたのだったが、ふとした瞬間に黙って見詰め合ってしまっていた。普段は何事にも冷静なシンのはずだったが、今の刃霧に対してはどこか熱っぽい雰囲気を出している。
「もう、そんな事言っちゃって‥‥本気にしちゃうよ‥‥?」
「‥‥構わない。お前の望みはすなわち、俺の望みでもある」
「ふふ‥‥そ・れ・じゃ・あ、ちょっとだけ‥‥良いよ、ね‥‥」
くすっと色っぽく微笑んだ刃霧は、その寄りかかった状態から更に胸ごと全身を密着させていった。上着を脱いでランニング姿だったシンの素肌の腕に、ぎゅむっとたわわなメロンが押し付けられ卑猥に形を腕の形に変えていく。すでにビキニはその役目を果たしておらず、完全に果実の上部分に押し上げられていた。
「‥‥ぁん、何だか‥‥触れているところが熱くなってきちゃった‥‥」
「そうか‥‥その格好では他の部分が寒いだろう。俺が暖めてやる‥‥」
「ぁ、ふん‥‥もっと、暖めて‥‥いい、よ‥‥ひゃう!? そ、そこまでは、別にいいよう〜‥‥」
「‥‥気にするな。お前が寒がってるところは、全部暖めてやる‥‥」
普段はまず見せないような優しげな雰囲気で話しかけるシンは、そのままゆっくりと刃霧の背中から臀部にかけて手を這わせていく。少し汗と川の水で湿った真っ白な肌は、触れた所から徐々に赤くなって行き、そして‥‥
……………
…………
………
完全に意識がピンクの世界になってしまっている二人だが、どうやら世界はまだまだ続いていくようである‥‥そして、そんな世界を広げているのがもう一組。
「明‥‥今日はいつも以上に美しいな、愛しているぞ」
「メ、メル姉‥‥そんな目で見られたら、あちき‥‥」
しっかりと身体ごとメルセスに抱きしめられている常木の顔は、完全にとろけ切っていた。少しリアナのお弁当に危ない気配を感じていた常木だったが、ほんの一瞬をついてリアナが差し出したおかずを当たり前のように【しっかりと】食べたメルセスは‥‥
「明‥‥愛している‥‥」
「メル姉‥‥あ、あちきも‥‥」
完全に薬の影響を受けて、常木を捕らえてしまっていた。最初は驚きと少しの危険を感じた彼女だったが、愛する人の囁きを耳元で受け続けた結果‥‥常木自身も意識がぼんやりとしてしまっていた。そんな顔を見て艶っぽく微笑んだメルセスの手がすっと動き、ごく自然な動作で常木の襟首のボタンを外す。そしてさらさらの黒髪を梳きながら、さらにゆっくりと囁きかけていった‥‥
「ふふ‥‥明の肌は、本当に綺麗だ‥‥この髪も‥‥」
「ひゃうん!! メ、メル姉‥‥そ、それ以上は‥‥はふぅ」
「安心しろ、これ以上はしないさ‥‥しなくても私の気持ちは伝わる、だろ?」
「だ、ダメ‥‥そんな事を言われたら‥‥あちき、愛しすぎちゃうよ‥‥」
緩んだ胸元から水色の下着と、ほんのりと赤らんだ刃霧に負けず劣らずのツインスイカが顔を出し、見事に扇情的な光景をかもし出している。決して大事な部分までは触れようとせず、しかしまるで焦らすかのようなメルセスの指の動きに、常木は完全に虜になってしまっていた‥‥
「ぅん‥‥あ、あちきから‥‥離れちゃ、イヤだよ‥‥?」
「離れるわけがないだろう‥‥明は私の大切な恋人なんだから、な」
……………
…………
………
「ああ〜〜〜!! ちょっとちょっとどうするのよこの状況!! あんたホントに収拾出来るんでしょうね!?」
「あらあら〜、お薬の効果は抜群だったようですわね〜♪ これで依頼主に安心して渡せますわ〜♪」
頭を抱えてぶんぶん振り回しているマリーの横で、のほほんと喜んでいるリアナ。しかし危機はまだ去ったわけでは無かった‥‥
「ふ、ふふふ‥‥お・ね・え・さ・ま♪ 恋した時って、きっとこんな感覚なんでしょうね‥‥♪」
「え‥‥ちょっと住吉さん? その目が何だか怖すぎるんだけど‥‥」
「マリー御姉様‥‥貴方のハート、下さいな‥‥?」
思わずマリーが後ずさった視線の先には、すっかり顔が火照った様子で迫ってくる住吉。そしてその手には何故か光る機械剣が‥‥
「わ、分かってるのよね‥‥私達、女同士なのよ‥‥?」
「私、好き嫌いしないので‥‥女性の方でも美味しく頂けるのですよ‥‥ふふふ♪」
「い、いや〜〜〜!! ちょっと誰か助けて〜〜!!」
きっと現在この場にいる10人の中で一番正気を保っているはずのマリーだったが、流石にバチバチ火花の散る機械剣を見せられて正気を保てるはずが無い。わき目も振らず脱兎のごとくその場から逃げ出すのであった。
「うふふふふ〜、待って下さいマリー御姉様〜〜♪ 今こそ私と一緒に新しい世界を垣間見ましょう〜〜♪」
「ぜっっったいイヤ〜〜!! リアナ〜〜!! 全部あんたのせいだからね〜〜!?」
「さ〜て、それではそろそろ片付けましょうか〜♪」
「う、う〜ん‥‥こ、ここはどこだ‥‥って、どうして俺は巨大な釣竿の先に縛り付けられている!?」
「さ〜てと〜、こっちに確かザリガニさんが〜‥‥あ、いた〜♪」
「ちょ、ちょっと待ってくれ〜〜!! あれは決して俺の願望じゃないんだ〜〜!!」
「空お兄ちゃん‥‥言ってくれれば、その‥‥恥ずかしいけど、私‥‥」
「だ、だからそこで頬を赤らめるな〜〜!! 誰か、助けてくれ〜〜!!」
「うるさいです。餌は黙ってるです」
「ふふふ‥‥シンさん♪ もっともっと暖めて‥‥ね?」
「‥‥さて、一体俺はどうしてこんな状況に陥っている‥‥本来こういう役割はあいつらの‥‥」
「も〜、シンさん〜? 他のほうを見ちゃ‥‥イヤだよ‥‥」
「‥‥‥本当に心からよく分からんが、とにかく済まない‥‥」
「‥‥ん? 明、どうしてそんなに密着している‥‥ふふ、甘えん坊さんだな」
「はふぅ‥‥メル姉〜‥‥」
「ふむ、若干記憶が曖昧になっているが‥‥とりあえず悪い事が起こったわけでは無さそうだな」
「‥‥あちき、ずっとずっとこれからもメル姉の事を‥‥」
「あやや‥‥? 何やら記憶の一部がありませんね‥‥はてはて?」
「はぁ‥‥はぁ‥‥やっと効果が切れたみたいね‥‥疲れたわ‥‥」
「う〜ん、何やらマリー様にご迷惑をおかけしたみたいですね。よく覚えていませんけどすみませんでした‥‥御姉様」
「‥‥!? あ、あんたもしかしてまだ効果が‥‥!?」
「はい、それではこれでお開きにしたいと思います〜。皆さん〜、そろそろ帰りましょう〜♪」
「あんた本当にこの状態で帰れると思ってるの〜〜!?」
ちなみに、今回の薬を渡した依頼人から予想以上の報酬を受け取る事となったのだが‥‥理由は秘密である(ぇ