タイトル:私の大事なお薬‥‥7マスター:優すけ

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/10/04 22:48

●オープニング本文


「うぅ〜ん‥‥やっぱりこの色が出てきたら、コッチの反応を比べて‥‥」
「ホント、あんたのやってる事は一つも理解できないわ‥‥そのフラスコの中身って、一体何なの?」
「あ、これは【開けたら温風の吹き出る袋】の中身を作ろうとしているんですわ。また寒くなってきたら、こういう暖房系が売れ筋になるでしょうし♪」
「あ、そう‥‥」
 ここはリアナの店の奥にある実験室。よく闇の実験室というと地下室を思い浮かべるが、通気性・換気性を考えて一階の大広間にその実験室はあった(というか、ただのリビング)。その中央に置いた実験器具の数々を扱いながら、リアナは今日も実験に勤しんでいたのだったが‥‥
「‥‥でも、やっぱり何かが足らないようですわ。【アレ】があればもう少し捗るのですけど‥‥」
「【アレ】? アレって何よ‥‥まさか、またキメラを材料にする気じゃ‥‥」
「いえいえ〜。今度はあくまで【資料】を取りに行くだけですわ♪」
「そ、そう‥‥でも、きっとスムーズにはいかないのよね‥‥」
 がくっと肩を落としたマリー。その内心は【大丈夫かしら‥‥】という思い一つである。キメラの持つ不思議な特性を、一般人でも使える薬に仕立て上げる彼女の腕は確かに凄いと思うのだが‥‥大抵その道中【何か】が起こるのはどうにかならないものか。とりあえず実験中の機材を置いておいて、二人は近くの椅子へ腰掛けて一服をすることになった。



「それで、何を取りに行くのよ‥‥以前みたいに変な場所じゃ無いでしょうね?」
「はい〜。今度は熱くも寒くもありませんわよ〜? ‥‥え〜と、ここですわ〜」
 クスクスと微笑んだ彼女が出した地図を広げて指差した場所は‥‥歩いて数日かかる場所にある【廃校となった学校】であった。
「ふ〜ん‥‥こんな場所に何かあるの?」
「はい〜。ここの学校の本校舎には、かなり大き目の資料館があったのですけど‥‥その一番奥がちょっとした実験施設になっているのですわ」
「へ〜、それで私達だけで大丈夫なの?」
「う〜ん、それがですね‥‥その資料館にはちょっとしたキメラが住み着いているという噂が‥‥」
 リアナの話を纏めると、その実験施設の奥にはまだ数々の研究資料が残っているのだという。そして出てくるキメラの特徴と言うのは‥‥【ゾンビ系キメラ】なのだという。
「系? 系ってどういう事なの?」
「つまり‥‥犬さんだったりおサルさんだったり、見た目や大きさ・種類が多種多様なのですわ」
「う、うぅ‥‥やっぱりロクな場所じゃないわね‥‥」
 こんな場所にまで付いて来てくれる能力者がいるのかどうか分からないが、とりあえずダメ元で連絡をする為に電話を取るマリーであった‥‥

●参加者一覧

比良坂 和泉(ga6549
20歳・♂・GD
シン・サギヤ(gb7742
22歳・♂・EL
蒼 零奈(gc6291
19歳・♀・PN
エリク・バルフォア(gc6648
18歳・♂・ER
宇加美 煉(gc6845
28歳・♀・HD
住吉(gc6879
15歳・♀・ER
パステルナーク(gc7549
17歳・♀・SN
ローティシア(gc7656
14歳・♀・DG

●リプレイ本文

●道中も相変わらず
「‥‥そして、その時彼女が振り向いたその先には‥‥」
「や、やだやだやだ〜〜〜!! もう止めてよシンさ〜ん!!」
「‥‥もうそのくらいにしておけ。流石に刃霧が泣くぞ‥‥」
「え〜と‥‥もう泣いちゃってるんだけど‥‥」
 ここは施設へ向かう道中のキャンプテントの中。無表情ながらも、どこか嬉しそうな雰囲気で怪談を話しているシン・サギヤ(gb7742)の横で、えぐえぐと涙を流している刃霧零奈(gc6291)がいた。彼女にとってこの手の話は『非常に』怖いらしく、ゆさゆさと隣のエリク・バルフォア(gc6648)の肩を揺すっている。そしてマリーががその様子を見て冷や汗を流していた‥‥
「‥‥久しぶりに会えて嬉しいのは分かるが、彼女はこういう話に免疫が無いんだ‥‥」
「ふむ、そうか。こういうのはいわゆる『作法』かと思っていたのだが‥‥」
「そんな作法なんてもういいから〜〜!! ね、ねえリアナさん!?」
「そうですわね〜‥‥あ、そういえば資料館の奥にはたくさんのゾンビさんが‥‥」
「ふにゃ〜〜〜!!??」
 ぽ〜っとしたまままのリアナの呟きを聞いて、さらに滝涙を流しながら布団を頭に押さえつけてしゃがみ込む刃霧。
 何やら色々と考えてしまったのか、もしくは明日には到着する資料館でのゾンビキメラを想像したのか‥‥とにかく今はそっとしておくのが得策だろう。
「‥‥まあ仕方あるまい。そろそろ見張り交代の時間だ、このぐらいにしておこうか」
「うぐ、うぐ‥‥よ、良かったよ〜‥‥もう眠れないかと思っ‥‥」
「は〜い、では続きは私がお話いたしましょ〜か♪ その振り向いた彼女の先には〜‥‥♪」
「ひゃう!? ‥‥‥キュウ」
「ちょ、ちょっと住吉さん!? 刃霧さんが完全に意識を失いかけているわよ!?」
 いつの間に近づいていたのか、こそこそと背後に近寄っていた住吉(gc6879)がぼそっと囁いた瞬間に、刃霧は意識を放棄してリアナの腕の中へ倒れこんでしまった。
 ぽふっともたれかかる巨乳美女同士の姿は『非常に』絵になるのだが‥‥ここで言うのは野暮と言うものだろう。
「も〜、そんな楽しそうな話を私抜きで話しているなんて〜♪ ここは是非参加させて頂きますよ〜♪」
「え、ええと‥‥その嬉しそうな顔が非常に気になるんだけど‥‥」
「おやおや〜? 御姉様ももしかして怪談が苦手なんですか〜? でしたらとっておきのお話を‥‥♪」
「だからどうしてそうなるのよ!?」


 きゃいきゃいと皆が騒いでいる中、ようやく交代の時間が来て外から比良坂 和泉(ga6549)と宇加美 煉(gc6845)が戻ってきた。
「おや、もしかして怪談ですか? それは少し聞いてみたいような‥‥」
「うふふ‥‥お帰りなさ〜い♪ 比良坂さんに会えなくて寂しかったですわ〜♪」
「ちょ、ちょっとリアナさん!? そんないきなり唐突に強く抱きしめられると‥‥!!(ダバダバダバ!!!!)」
「え〜と、戦闘前からいきなり死にかけてるんだけど‥‥大丈夫ぅ〜?」
「‥‥大丈夫じゃないだろう。長い付き合いになるが、これは恐らく最短記録だ」
「〜〜〜?」
 いきなりリアナに強く抱きしめられて意識を失いかけている比良坂を見ても、普通にのんびり空気の宇加美。
 エリクがぽつりと呟いているが、リアナの依頼初参加である彼女の頭には『?』マークが浮かぶだけであった。
 そして、ここに彼女の依頼初参加である人物がもう一人‥‥
「ちゃちゃちゃ男がエろ西瓜見て〜♪ 鼻血ブー屑鉄100個止血した〜♪」
「ちょ、ちょっとローティシアさん!? どこでそんな歌を覚えたんですか!?」
「え〜と、妹がいつも歌っているので思わず口ずさんじゃった♪」
「忘れてください!! 今すぐ!!」
 可愛らしいパジャマを着込んでいたローティシア(gc7656)だったが、その歌う歌はどこか特定の人物を指すような内容に満ち溢れている。
 その『特定された』比良坂が大慌てで制止していると、さっきまで向こうの怪談に加わっていたらしいパステルナーク(gc7549)がニコニコと戻ってきた。
「えへへ♪ こういうのって何だか楽しいよね♪」
「そうだねぇ。こうしていると、何だか今が依頼の最中だって忘れてしまいそうだよ」
「彼女の依頼って、こんな感じが多いのかな〜? だったら嬉しいんだけど♪」
「ま、私もこういう空気は嫌いじゃないけどねぇ〜‥‥それじゃ、後はお願いね〜?」
 そう言ってごそごそと布団に潜り込む宇加美。さあ、資料館はもう明日である。



●資料館にて‥‥
 ようやく到着して中に入った能力者達。中はとても薄暗く、高くそびえ立つ本棚がさらに窓の光を遮っている。能力者達はどうやら護衛組を二つに分けて、彼女達の前後に配置するよう決めたようだった。
 こちらは後衛組‥‥別名『乳部隊(+1)』である。お馴染み【ツインメロン】刃霧に、【むっちりスナイパー】パステルナーク。そしてその存在を強烈に象徴している【爆乳ドラグーン】宇加美‥‥もし代われるならすぐにでもエリクとその場所を変わってもらいたいものである!!(断言)
「わ、私は後詰だからね!? べ、別にキメラが怖い訳じゃ無いんだけど!!」
「‥‥分かった分かった。それとリアナ、勝手な行動だけは控えてくれよ?」
「うふふ、りょ〜かいですわ♪」
「うぅ、絶対何か起こりそう‥‥刃霧さんも無事に帰れると良いんだけど‥‥」
 エリクが一応念押しをしていたが、果たしてどこまで効くのやら‥‥とにかくゆっくりと奥へ進んでいく皆。若干(?)ビクビクと震えている刃霧だが、ここは能力者としての意地。何とか頑張って貰いたい。
「それにしても、ゾンビって嫌ですよね〜」
「まあ好きな人も少ないだろうけどね〜。とりあえず何とかなるんじゃない?」
「お風呂にも入らないから臭そうですし、食べられないのも残念ですし‥‥」
「ん〜と‥‥問題って、そこかな〜‥‥ん?」
 警戒しながら歩いていても、あくまでのんびり空気の宇加美。さり気なく『胸元』から取り出した懐中電灯で周囲を照らしている様子を苦笑いしながら見ているパステルナークだったが‥‥ふと横の本棚の奥から気配がした。
「‥‥皆!! 気をつけて!!」
「いきなりのお出ましか。さて‥‥片付けるぞ!!」
 エリクが武器を構えたその瞬間、本棚をなぎ倒して現れたゾンビ集団。動きは非常に遅いものの、振り下ろすその爪にはしっかりと毒が塗られている。
「そう簡単にはやらせんよ‥‥落ちろ!!」
「こんな感じでいいのかなぁ〜?」
 しっかりと距離を離してのエリクと宇加美による超機械攻撃。ゾンビキメラは知能が全く無い為か、ただひたすらに突撃しての接近攻撃しか無いので、直接触れさえしなければ‥‥
「うぐぅ〜〜‥‥手、手にべちゃって〜〜〜!!」
「お、落ち着いて刃霧さん!!刃霧さんは後で二人を守っていて、ね!?」
 思いっきり直接攻撃しか無かった刃霧の手や身体には、べったりと飛び散ったキメラの体液が纏わりついていた。どろっとした粘液が胸や髪に滴り、とても扇情的な光景なのだが‥‥本人にとっては地獄以外の何物でも無い。パステルナークが何とかふき取って後に下がらせようと努力しているが、まだまだ戦闘は続いていくようだった‥‥合掌。



「うっひゃ〜〜!! いきなり団体さんのお出迎えだ〜〜♪」
「うふふ‥‥ではでは、リアルバイ●ハザードをスタートさせましょうか〜♪」
「ふむ、研究内容としては60点といったところか‥‥まあ楽しませてもらおう」
「え、ええと‥‥皆さん何だか楽しそうですね‥‥」
 どうやら前からも気配が近寄ってきたようであるが‥‥前衛組は逆に嬉しそうな空気が漂っている。(注:比良坂を除く)。相手の動きが遅い事を狙って、しっかりと弱点を突いていく能力者達。あらかじめ渡されたリアナの資料によると、ゾンビ集団はどうやら腰部分が弱点らしいのだが‥‥
「ふふふ‥‥その中身、ド派手にぶちまけろ〜!! ですね♪」
「お〜りゃぁ〜〜!! こ〜れでもくらえ〜〜♪」
 ‥‥住吉は全く関係無しに自分の持てる最大の火力を【惜しみなく】撃ち込み、ローティシアは真っ直ぐ上から敵の体ごとクギバットを叩きつけて潰していた。その容赦ない攻撃の前には、どうやら弱点も何もあったものでは無さそうである‥‥(涙)
「さて、こっちはこのぐらいでいいか。‥‥む、どうした?」
「何と言いますか、主目的は戦闘では無いんですけど‥‥」
「問題ない。結果的に依頼人が無事にたどり着ければそれで良い」
「ま、まあそうですけど、ね‥‥うわぁ!?」
 シンの超機械でバラバラにされていくキメラを見ながら、どこかとろんとした目で皆を見ている比良坂‥‥とその時、不意をつかれたのかいきなり天井から落ちてきた『ゴリラゾンビ』に反応が遅れてしまう。何とか回避をするにも足元が紙の束だった為か、ずるっとバランスを崩してしまった。そしてそこを逃すゴリラでは無い。一瞬で目標を定め‥‥リアナとマリーの元へ突撃していく。
「く‥‥させるか!!」
「リアナさんには‥‥指一本触れさせません!!」
「ウホウホウホ〜〜〜!?」
 全力でキメラの背後から突撃し、何とか注意をこちらに向けさせる事に成功した二人。そして振り向いた瞬間にお互いの一撃が見事にヒットし、ゴリラは大きな音とともに崩れ落ちていった‥‥。
「こっちはぜ〜んぶ終わったよ〜♪ 楽しかった〜♪」
「クスクス‥‥あんなゾンビごときに、御姉様の髪の毛一本渡すわけにはいきませんものね‥‥♪」
 そして向こうからニコニコと満面の笑みで戻ってくる住吉とローティシアを見ながら、お互いの顔を見て苦笑いをし合う二人であった。


 そして、無事に資料館奥へたどり着いたリアナ達。若干資料を探すのに手間取っていたのだが、何とか無事に発見。敵の追撃も振り切って資料館を後にしたのであった‥‥


●温泉での休息
「ゾンビ‥‥ゾンビ‥‥前も後も‥‥」
「あらあら、とっても楽しそうな経験をされたようですわね♪」
「あんたのせいでしょうが!!」
 依頼も終わって何とか『さらさの湯』へ休息に戻って来れた能力者達。えぐえぐと半泣きになっている刃霧をよしよしと抱いているリアナに、思いっきりツッコミを入れるマリー。どうやら完全に疲れ切っている様子で、身体を全く隠さないままぐったりと身を任せていた。
 キメラの粘液はしっかり拭い取ったのだが、今度は代わりに温泉の粘性ある湯がねっとりと刃霧やリアナ達の、その豊かなメロンや肩に絡みついている。そして普段以上に密着しているリアナが、どこか嬉しそうにそれを眺めているのは‥‥決して不順な動機では無いと信じたい。
「それにしても、今回はまた凄かったわね〜‥‥あやうく私も‥‥」
「ふぅ〜、こういう大浴場でのんびりするのも良い雰囲気です」
「‥‥あやうく、私も‥‥(号泣)」
 途中まで出掛かった言葉の途中で、思わず滝涙を流して目を見張った先には‥‥ゆったりと湯に入ろうとする宇加美の姿があった。恐らく今までの依頼の中で最大級の大きさかと思われるその巨乳は、見るもの全てを圧倒する『何か』が感じられた。
「‥‥マリーさん? どうしたの‥‥うぅ!?」
「御姉様〜♪ 今こそ私と一緒に禁断の花園へ〜‥‥あやや〜」
 カチンと固まっているマリーの元へやって来たパステルナークと住吉だったが、その圧倒的戦力の前には同じく固まるしか無かった。それほどまでに彼女の『破壊力』は絶大だったのである!!(またもや断言)
「‥‥な、何て言うかその‥‥悩む事すらバカバカしくなっちゃうわね‥‥」
「ま、まあ良いんじゃない? マリーさんだって十分綺麗なんだし、ね?」
「そうですよ御姉様♪ どんな身体をしていても御姉様は御姉様です♪」
 ぽんぽんと肩を叩いている三人の元へ、バシャバシャと元気良く近づいてくるロティシア。しばらくその様子を見ていた彼女だったが、不意にぽむと手を叩いた。
「そういえば〜、確か女の人の胸は『揉めば』大きくなるって聞いた事が‥‥」
「ば、バカ!! あんた彼女達の前で何て事を言うのよ!? そんな事を言ったら確実に‥‥」
「‥‥御姉様〜。今とっても良い事を聞きましたね〜‥‥」
「え、え〜とその〜、マリーさん‥‥? も、もしあの人の胸が気になるんだったら、その〜‥‥」
 どこか怪しげに目を光らせながらじわじわと近寄ってくる住吉に、若干顔を赤くしてもじもじしながら近寄ってくるパステルナーク。お互いの様子を見て、お決まりの如くお湯の中で後ずさっていくマリーだったが、何故か足元に転がっている【クギが抜かれたクギバット】。
「ちょ、ちょっと何でこんな所にこんな物が〜〜!?」
 スッテ〜ンと尻餅を付いてしまった哀れな子羊に、もう狼の牙から逃れる術は無い。わきわきと手を動かしながら近寄る住吉に、赤い顔のままぽ〜っと近寄ってくるパステルナーク‥‥さぁ、どうなる事やら。


「そういえば、こうして入るのも久しぶりだな‥‥」
「確かに、シンさんと会うのも久しぶりですね。でも元気そうで何よりです」
「相変わらずの研究男だったな‥‥ちなみに資料はあの後戻しておいたからな」
「‥‥なん、だと‥‥!?」
 男湯の方では、久しぶりに会ったシンと皆がゆっくりと会話を楽しんでいた。今までの事件やイベントの事を話していると、時間が経つのもすっかり忘れてしまう三人。しかし疲れからか、段々と比良坂の瞼が落ちてきた‥‥
「そういえば、あれからあんたの女性耐性は少しでも治ったのか?」
「い、いえそれは‥‥まだ、鋭意努力中と言いますか‥‥」
「何と言うか、二歩進んでは一歩戻っている感じだな。そろそろ自分から‥‥ん?」
 湯の淵に体を預けて軽く寝息を立て始めた比良坂を見て、ふっと苦笑いする二人。しかしのぼせてしまうとマズイので起こそうとしたその時‥‥


『ちょ、ちょっと‥‥そんなに強くしちゃ‥‥ひゃん!?』
『ふふふ〜♪ やっぱり御姉様のお肌は最高ですね〜♪』
『以前はゴメンね‥‥? でも、やっぱりマリーさんって‥‥綺麗なんだよね‥‥』
『だ、だからそんな赤い顔で囁か‥‥ぅん!? そ、そこは本気でマズイわ‥‥!!』


「‥‥こういう流れも、相変わらずなんだな」
「‥‥ああ。特に比良坂の鼻血率は9割を超える」
 竹壁の向こうから聞こえてくる甘美な声に、軽くため息をつく二人‥‥しかし、その時ふとシンがエリクの表情の変化に気付く。所々で聞こえるマリーの喘ぎ声(?)に、ほんの僅かだがエリクの表情が変わっている。
「‥‥どうした? 以前より少し反応があるようだが‥‥」
「‥‥何の事か分からないな。僕はあくまでいつも通りだ」
「すぅ‥‥すぅ‥‥」
 そして平和そうに眠っている比良坂。このままもう少し彼が目覚めない事を祈っておこう‥‥もし今目覚めると、きっと周囲が血の色で染まるだろうから‥‥合掌。