●リプレイ本文
●道中の能力者達‥‥
「竜ですか‥‥そういえば、以前4mの鎧武者とか居ましたけどねぇ」
少し複雑そうな表情で山を登っている比良坂 和泉(
ga6549)。
どうやら以前に受けた依頼を思い出したのか、少し表情が硬い。
「あらあら〜、でもきっと皆さんなら大丈夫ですわよ♪」
のん気に微笑んでいるリアナの横では、リアナに劣らぬ『ナイスメロン』を揺らしながら歩いているラフィール・紫雲(
gc0741)の姿。
「そういえば、現地の詳しい地図等はあるのですか〜?」
「はい〜。何回か探索した時に描いた地図がありますので、それを見て下さいな」
何だか同じ様なおっとり雰囲気を醸し出している二人だが‥‥こういう女性はどうして皆揃って『メロン』なのだろうか(ぇ
「と、とにかく無事に終わらせて温泉でゆっくりしましょう!! 俺、この戦いが終わったら思いっきりのんびりするつもりなんです!!」
「う〜ん‥‥何だかその言葉、フラグが立っている雰囲気ですよ〜?」
「〜〜〜?」
ラフィールがクスクスと微笑んでいる横でひょっこり首を傾げているリアナ。
果たして、彼の運命やいかに‥‥?
「え、ええと‥‥とにかく、大丈夫?」
「‥‥正直死にそう‥‥というか死ぬ‥‥」
いくらまだ涼しい季節とはいえ、ここは地熱の暑い火山。
完璧に着込んだプレートアーマーの中身はきっと地獄になっているであろう旭(
ga6764)を、若干心配するように顔を覗き込んでいる常木 明(
gc6409)。
その表情はフルフェイスの鉄仮面で覆われていて分かりにくいものの、その足取りを見ればすぐに想像がつく‥‥
「まああちきでも暑いと思うくらいだし‥‥せめて頭だけでも脱いだら?」
「‥‥そうはいかん。なんせ強力なドラゴン相手なんだからな‥‥気は抜けん」
ガシャリと音を立てて口元の部分を動かし、スポーツドリンクを一気に飲む旭。
‥‥正直、凄まじく暑苦しい。
「ま、まあ旭さんが大丈夫なら別に良いんだけど‥‥到着したらへばっていた、なんて事にならないでね?」
「勿論気を抜くつもりはないさ‥‥なんせ僕は、終わったら温泉でゆっくりするつもりなんだから‥‥」
「‥‥ええと、とにかく気をつけるんだよ?」
思いっきりフラグ臭がする言葉を吐いた彼に、常木は冷や汗をかきながらも山登りを続けるのであった‥‥
「がぅ‥‥使うのは初めてだったかも‥‥でも、ちゃんと動いてる」
「ふむ、随分重苦しい姿であるな。どうせドラゴンの攻撃なら、着ても着なくても同じである」
少し離れた場所で皆の後を追って歩いているのは、全身をAU−KVで包み込んだ佐倉・咲江(
gb1946)と、逆に上着も全身鎧も脱いで随分軽装な姿で歩いている美紅・ラング(
gb9880)であった。
「‥‥でも、何かあった時に怪我をしては困る‥‥温泉、入りたいし‥‥」
「それは美紅も同じであるが‥‥でも、全てはドラゴンを上手く退治してからである」
ふんと気合をいれる美紅の顔は相変わらずの仏頂面だが‥‥しかし、内心はわくわくが止まらない様子であった。
「しっかりと周囲を確認し、皆必ず無事に戻るのである!! 絶対に誰も死なせないのである!!」
「がぅ‥‥さっきからフラグが立ちまくっている雰囲気が‥‥」
佐倉が妙に冷や汗をかいている(注:あくまで雰囲気)ようだが‥‥とにかくさっき見つけた硫黄の塊を袋に放り込む彼女だった‥‥
「やっぱりドラゴン討伐というのはファンタジーの王道ですね〜♪」
「や、やけにあんたノリノリね‥‥」
緊張感など欠片も見せない顔で山登りを続けている住吉(
gc6879)の後ろで、若干冷や汗をかいているマリー。
「それは勿論じゃないですか〜♪ 襲い掛かるドラゴンに立ち向かう正義の勇者達‥‥くぅ〜!! 燃えますね〜!!」
「‥‥むしろ、こちらから相手のテリトリーに侵入して襲い掛かる事を考えると、僕達の方が悪者になるんじゃないのか?」
歩きながらもバイブレーションセンサーで周囲をしっかり索敵しているエリク・バルフォア(
gc6648)がぽつりと呟く。
まあ相手にとって見れば、勝手に入ってきて勝手に暴れられるような感じであろう‥‥しかし、それを言わないのが『お約束』である。
「‥‥というか、リアナの蔵書ってどうなってるんだ‥本当に彼女にエミタ適性が無くて良かった‥‥」
「ま、まあそれは私も常々思っているわ‥‥きっと今以上に『物凄く』無茶をしていたと思うし‥‥」
エリクの言葉に深くため息をつくマリーだったが‥‥とにかく、今は無事に終わる事を祈るしかできなかった‥‥
●ドラゴンとの決戦!!
「ふぅ‥‥それにしても相変わらず暑い場所だね〜」
「がぅ‥‥こんな調子で飲んでいると、あっさりドリンクが無くなりそう‥‥」
常木と佐倉が汗をかきながらも周囲を索敵していると、リアナが何やら発見した様子で喜んでいる。
「〜〜〜♪」
「あら、変わった石ですね〜」
「ラフィール殿、今はそういう事をしている時では‥‥む!?」
のほほんとその石を見ていたラフィールを見て、少し注意しようと美紅が近づいた‥‥その時!!
彼女の敏感なセンサー(?)が異常な気配を感じ取る。
「ついに出てきたか‥‥マリー、リアナを連れてきてくれ。まずは避難だ」
「わ、分かったわ‥‥気をつけてね?」
同じく感ずいたエリクの言葉に、出来るだけ音を立てないように歩き出すマリー。
そうこうしている間に、気配はますます大きくなっていく。
「キタキタ〜〜!! まずは遠距離からの射撃から‥‥」
「いえ、とにかく今は開けた場所に移動しましょう!!」
気分はまさに王女を助ける勇者気分の住吉だったが、それを止めるように比良坂が前に出る。
流石に傾斜のある場所での戦闘は、明らかにこちらが不利‥‥ならば何人かが誘導しつつ戦いやすい場所に移動、それが皆の作戦であった。
幸いこの近くには開けた岩場もある。
「まだ敵は姿を出していない‥‥今は準備を整えようか」
常木も装備を確認しつつ、ゆっくりと自分のポジションに移動していく。
こうして上手く遠距離班・誘導班を分けた‥‥その数分後、ついにドラゴンがその姿を現した!!
『グギャ〜〜〜〜〜!!』
「な、何て迫力ですか〜〜!? 伝わるプレッシャーが桁違いです〜〜!!」
既に覚醒を終えていたラフィールの角にも、凄まじい気配が伝わってくる。
現れたドラゴンは図鑑に載っていた供述ほどでは無かったものの、充分見上げるほどの大きさはあった‥‥しかし、ここで引き下がるわけにはいかない。
「こっちだよ怪物!!」
常木の放つ射撃を受けても、ひょっこりと首を傾けるだけのドラゴン。
どうやら単純な攻撃だけではほとんどダメージを与えられないようである。
「明様!! 同時に仕掛けましょう!!」
「そうだね!! いくよ、よっしー!!」
住吉の射撃に合わせて、撃ち込む常木のライフル。
上手く同時に当たった部分の鱗は弾け飛んだものの、まだまだ元気なドラゴン。
「ぬぉ〜〜!! 秘儀!! エアスマ〜ッシュ!!」
上手く弾け飛んだ継ぎ目へ振り下ろしたのが功を奏したか、ようやく旭が少しばかりの痛手を与えた様子。
‥‥しかし、逆に厄介な敵と見なされたのか、その振り上げた爪が彼に襲い掛かる。
「ぬ、ぬぉ〜〜〜!!??」
「あ、旭殿!? 大丈夫なのか!?」
何とか起動を変えようと大剣を振るったものの、ほとんど変わらないままプレートアーマーごと直撃した一撃。
吹っ飛んで岩にぶつかった旭を助けようと近寄った美紅だが、幸い命に別状は無さそうであった。
「むぅ‥‥旭殿はしばしここで休んでもらおうか‥‥」
「ここは私に任せて、皆さんはとにかく怪我に気をつけて下さいな〜!!」
美紅が渋い顔をしている横で、皆が少しずつ怪我をしてしまう度にちょこちょこと走り回って治療を続ける住吉。
危なくなれば硫黄を投げつけて動きを鈍らせるものの、なかなか致命傷を与える事が出来ない。
「がぅ‥‥!! とにかく少しでも部位破壊を‥‥!!」
佐倉の超機械が敵に当たるものの、やはり少し鱗を削るだけで終わってしまう。
こっちはちまちまとしか効かないのに、向こうの一撃は凄まじい唸りを上げて飛んでくる‥‥これほど精神的に辛い戦いは無い。
「これは大変ですね〜‥‥おや、エリクさんが戻ってきました〜♪」
「すまない、少し遅れた‥‥では、早速受けてもらう!!」
ラフィールが指差した先から走ってきたエリクが、すかさずドラゴンに対して超機械をかざす。
すると、先ほどまで頑強だった鱗が若干柔らかくなった雰囲気が‥‥
「さて、それじゃ〜反撃開始だね‥‥!!」
「美紅も行くのである!!」
常木の後ろから一気に追いかける美紅の射撃は、惜しくも逆鱗を外したものの周囲の身体に当たって鱗を弾き飛ばした。
「黄昏よりも暗きもの‥‥って、唱えている暇はありませんね〜〜!!」
「あ、当たり前じゃないですか‥‥ってちょっと!?」
一生懸命に詠唱(?)を続けていた住吉だったが、ドラゴンが大きく息を吸い込んだ様子を見て大慌てでエネルギーキャノンを放つ。
ツッコミを入れていた比良坂も、そんなドラゴンの様子を見て思わず前へ飛び出した‥‥その時!!
「く、くぅ!! 皆さん危ない!!」
口から噴出した高熱のブレスは、前方に出ていた人間を焼こうと集中して放たれた。
このままでは前衛が‥‥という場面で、比良坂の身体を張った全力防御!!
「比良坂!!」
吹き飛んだ彼を回復するために、大急ぎで近寄るエリク。
ブレスを吐き終わったドラゴンはどこか勝ち誇ったように周囲を見下ろしていたが‥‥それが僅かな油断となってしまった。
「僕が死んだとでも‥‥思っていたか!!」
「がぅ‥‥もう、容赦はしない‥‥!!」
「美紅の一撃、受けるがいいである!!」
いつの間にか足元に近寄っていた旭・佐倉・美紅の三人が、一斉にドラゴンの逆鱗目掛けて攻撃を加える。
当然自分の急所を攻撃されて怒り狂うドラゴンだったが‥‥もう遅い。
「神よ‥‥我の手と指に、戦う力を与えたまえ‥‥!!」
「詠唱が出来ないのは残念ですけど〜‥‥ドラグ○レイブ〜〜〜!!」
「油断大敵、ですよ〜‥‥うふふ♪」
仰け反った瞬間に合わせて、常木・住吉・ラフィールのトドメが決まり‥‥長い時間をかけてようやく大地にその身体を沈み込ませたドラゴンであった‥‥
●温泉での一時‥‥
「ふぅ‥‥今日は少し厳しかったね‥‥」
「そうですね〜‥‥でも無事に帰れたのですから良しです♪」
チャップンと音を鳴らして温泉に浸かっている常木と住吉‥‥その横で浸かっているマリーを横目で見ながらふと呟く。
「あー、そういえば男組は大丈夫かな〜? 今回ばかりは一緒に入っても‥‥」
「だ、ダメに決まってるでしょ!? 何て言うかその‥‥そう!! 比良坂さんの命的に!!」
「‥‥ま、それもそうかな‥‥よっと♪」
「ひゃう!? ちょ、ちょっと何してるのよ!?」
マリーが顔を真っ赤にして声を上げた後ろには、すす〜っと近寄った常木がバシャッと彼女の腰周りを掴んでいた。
ほっそりとした腰周りはきゅっと括れており、相対的に胸がふんわりと美乳になっているマリー‥‥そんな様子を見ていた住吉が、同じ様ににや〜っと近寄ってくる。
「うふふ〜‥‥久しぶりですし御姉様〜、一緒に身体を温めあいませんか〜♪」
「あ、あんたまた目が怖い事になってるじゃない!! だから私にそういう方面の趣味は‥‥ぅん!?」
「ほ〜ら、逃げちゃダメだよ〜♪」
ツインスイカと百合百合な少女に揉みくちゃにされている青髪の美女‥‥詳しく描写出来ないのが残念でならない。合掌。
「温泉とっても気持ちいい‥‥外のお風呂は開放的な気分になりそう‥‥」
「うむうむ、こういう裸と裸の付き合いは大事なのである」
全身余す事無くさらけ出して、まったりとお湯に入っている佐倉と美紅だが‥‥ふとその視線がお互いの『ある一点』に向けられる。
「‥‥‥がぅ」
「‥‥その気持ち、どうやら美紅達は同じ同士のようである」
何も身に着けずとも、『決して』身体に負担のかからないすべらかな肢体‥‥悲しいほどに同じ体型をした二人は、揃って深いため息を吐いている。
‥‥そして、そんな彼女達の前では『メロンとボムの収穫祭』が開かれていた(ぇ
「へ〜、そんな効果があるんですね♪ リアナちゃん少し試してみたいです♪」
「うふふ‥‥まああまり凄いのはありませんけど〜、少しだけなら‥‥」
「何だか美味しそうな色ですね‥‥おや、何だか香りを嗅いでいたら‥‥?」
『妙に』隣同士でくっ付きながらはしゃいでいるラフィールとリアナ。
むにゅむにゅとくっ付きあう度に形を卑猥に変化させ、湯で火照った顔はますます扇情的な雰囲気を匂わせ‥‥
「‥‥うふふ、こうして見るとリアナちゃんって〜、可愛いお顔をしてますね〜♪」
「あらあら〜‥‥ラフィールさんこそ、頬っぺたが赤くなっちゃってますよ〜?」
何やら段々『桃色空間』が出てきた様子‥‥果たしてどうなることやら‥‥
少し離れた場所で、男達はそれぞれぐったりと寝転んでいた‥‥直撃を受けた旭・比良坂もさることながら、必死になって回復・弱体に走り回っていたエリクも結構な疲労が溜まっていたのであった。
「うぅ‥‥鎧がひしゃげてしまった‥‥今度修理に出さなくちゃ‥‥」
「あ、旭さん‥‥俺は防具無しでブレスを受けたんですけど‥‥」
「二人とも、あまり喋るな‥‥余計に疲れが抜けん‥‥」
少し離れた向こうでは、女性達のきゃっきゃっとはしゃぐ声が聞こえる。
流石にこういう場面でも紳士達の集まり、ちゃんとレディーファーストは忘れないのであった。
「‥‥ところで少し聞きたい事があったんだけど‥‥二人って、あのリアナさん・マリーさん達とどういう関係?」
「「‥‥!?」」
旭の声に、思わずお互いの顔を見合わせてビクッとするエリクと比良坂。
そしてエリクから口を開こうとした、その時‥‥
「ぅん‥‥あ‥‥だ、だからそこは弱いのよ‥‥んん〜〜!!」
「おやおや〜? マリーさんってこんなに感じやすい身体だったんだね〜‥‥♪」
「うふふふ‥‥兵舎でお預けだった分、今思う存分味わわせてもらいましょうか、お・ね・え・さ・ま♪」
「ふふ‥‥ラフィールさ〜ん‥‥ますます身体が熱くなっていますわよ‥‥ん‥‥♪」
「そ〜いうリアナちゃんも〜、こ〜んなに火照っていますね〜‥‥あぁん♪」
「が、がぅぅ‥‥何だか、見てるだけでこっちが恥ずかしい‥‥うぅ‥‥」
「‥‥こういうのも試練、であるか‥‥何とも酷なものである‥‥」
「い、一体向こうで何が起こって‥‥エリクさん!? 比良坂さん!? ど、どうしたんだ!?」
「‥‥気にするな。ただの立ちくらみ、だ‥‥」
「ええ‥‥ほんの少し、周囲が見えなくなる程度の‥‥貧血、です‥‥」
‥‥リア充皆爆発すればいいのに‥‥合掌。