●リプレイ本文
●海上での一時‥‥
先ほど村から雇い入れた中型船の船上‥‥集まった能力者達は一様にのん気な雰囲気を醸し出していた。
普段はなかなか無い水上戦、潮風に吹かれる皆もゆっくりと身を任せている。
「武器も用意したし、これなら万が一落ちても大丈夫‥‥」
「あ〜んサキ〜〜♪ やっぱりその水着似合ってるね〜〜♪」
「が、がう!? れ、レイチー苦しい‥‥!!」
既に現地に着いた時点で服を脱いでしまい、白色の紐タイプ水着を着ている佐倉・咲江(
gb1946)を、まさに見事な『豊乳メロン』で押しつぶしているレイチェル・レッドレイ(
gb2739)。
いつも仲の良い二人だが、今回はいつも以上に『むぎゅむぎゅ♪』している気がする‥‥と、いうか‥‥
「そ、その‥‥レイチー? その水着‥‥激しすぎ‥‥」
「そうかな〜? でもまあ気にしちゃダメダメ♪ う〜ん、風が気持ち良い〜♪」
う〜んと彼女を抱きしめたまま甲板で髪をなびかせているレイチェル。
そんな彼女の姿は‥‥最早隠している部分を探すほうが難しいくらいの『超』マイクロビキニなのだ!!
その思わず揉みしだきたくなるような豊満ボディーを、これでもかと朝の光の中で強調する彼女‥‥まさに放送ギリギリの状態である(断言)!!
「今回終わったら〜‥‥うふふ、な〜んでも無い♪」
「‥‥何だか邪悪な笑みが‥‥がぅ〜‥‥」
汗が滴るのも構わずに、肢体を押し付けあっている二人‥‥果たして、どうなることやら。
「‥‥何と言うか、凄まじい光景ではあるな‥‥」
「そ、そうね‥‥うぅ、私ももっと可愛いのを探してくれば良かった‥‥」
「‥‥?」
そんな魅惑の場所から少し離れた場所では、どこか眩しそうにその光景を視界の隅に収めているエリク・バルフォア(
gc6648)と、その恋人であるマリーが立っていた。
勿論エリクは深い意味を込めて言ったわけでは無いのだが、何やら自身の夏用半そで服を恨めしそうに見つめている彼女。
「しかし海上か‥‥今まで以上に気をつけておかんとな。とりあえずライフジャケットを‥‥マリー?」
「‥‥リアナなら何か持ち込んで‥‥いえ、むしろレイチェルさん自身に御願いして‥‥」
「‥‥深く追求しない方が良さそうだな。とにかく索敵を続け‥‥む?」
ぶつぶつと呟いているマリーをそのままに視界を巡らせると、離れた場所でリアナ関係任務を初参加のD‐58(
gc7846)が『じ〜〜っ』と海を見つめていた。
どこか無機質な雰囲気の彼女だが、これまでの経験で少しは感情を出せるようになっているらしいのだが‥‥
「あ〜‥‥D‐58、で良いんだな? そっちの方は大丈夫か?」
「はい‥‥問題ありません」
淡々としつつも、決して小さい訳では無い彼女の声。
そんな様子を見て、何かを思い立ったのか声をかけるエリク‥‥決して向こうで繰り広げられるイチャイチャ姉妹(?)から視界を背けたかった訳では無い(ぇ
「‥‥エリク・バルフォア。あなたは『あ〜いった行為』に興味があるのではないのですか?」
「‥‥い、いきなりの会話で出てくる話題とは思えないが‥‥というか、見ていたのか」
「はい‥‥バッチリ」
天然なのか何と言うか‥‥掴み所の無い彼女に、少しだけ苦笑いしてしまうエリクであった。
「う〜ん、やっぱり海は良いね〜‥‥疲れている身体が休まるよ‥‥」
「あらあら〜、それはもしかして『この格好』のせいではありませんか〜?」
「ふふ、さあね‥‥でも休まっているのは確かだから、ありがちウソでは無いかな♪」
少し離れた船室の影で、ゆったりとリアナの膝枕に気を許している常木 明(
gc6409)。
何の気なしに彼女が提案した膝枕に対して、いとも簡単に承諾したリアナは相変わらずのぽわぽわ笑みである。
「どうも最近疲れる事が多くてね‥‥でも、お陰で‥‥休まりそう‥‥」
「うふふ‥‥少しでも休んで下さいね〜♪ 着いたら起こしますから‥‥♪」
段々と目を閉じ始める常木の頭を、ゆったりと撫でながら微笑んでいるリアナ‥‥そんな二人の元へ近づく好奇の影。
「あらー? もしかして寝てしまいましたー? でも何だか気持ちよさそーです♪」
「あらあら〜、アクアさんも一緒にお昼寝しますか〜?」
「いえいえー♪ 今はこの光景を見ていたい気分ですからー♪」
何だか普段以上にわくわくしている雰囲気のアクア・J・アルビス(
gc7588)がやって来ると、リアナも顔を向けてにっこりと微笑む。
‥‥いつも思う事だが、この二人が合わさると『ぽわぽわ空間』が何倍にもなるような気がするのは気のせいだろうか(ぁ
「えーっと、依頼者さんは百合っ子でしたっけ? それもちょっと楽しいですよねー♪」
「あら〜、『百合っ子』というのはどういう関係でしょうか〜‥‥?」
「うふふー、例えるならリアナさんとマリーさんのような関係ですー♪」
「〜〜〜?」
ひょっこり首を傾げているリアナを、変わらない雰囲気で微笑んでいるアクア‥‥とにかく、もうすぐ目的地の海洋に到着であった。
●キメラとの海上戦、そして‥‥
「相手の攻撃をかわせるのは良いけど‥‥歌だと範囲が広いんだね‥‥!!」
「はいは〜い♪ これはいかがでしょ〜か〜?」
ローレライの音波が上手く届かない位置に立ち回りながら攻撃をしかける常木の近くで、持っている天狗の団扇を振り回しているアクア。
流石に小型船よりは足場がしっかりしているものの、若干皆が戦闘行為をするには手狭のようである。
「これで何とか‥‥く!! 当たらない‥‥!!」
「がぅ、落ち着いて攻撃する‥‥当たれば脆い」
D‐58が何とかエネルギーキャノンを海面に撃ちこむものの、揺れる船上の為かなかなか当たりにくい。
そんな彼女をフォローするように、佐倉の抱えるギターが音波をかき鳴らした。
「私の歌を‥‥もとい、レイチーの歌を聞けー‥‥」
「おや〜? そんなにボクの声が聞きたいのかな〜♪ それじゃ〜‥‥ボクの歌をきけ〜!!」
佐倉のリクエストを受け、ノリノリでマイクを握り締めるレイチェル。
なかなか見ない超機械ではあるが‥‥彼女の歌力(?)もあってか、響き渡る声に少しずつ弱まっていくキメラ達。
「うふふ♪ それじゃ〜今度は〜‥‥って、エリクちゃん?」
「‥‥く、視界が‥‥上手く‥‥」
さっきまで皆のサポートをしていたエリクだったが、ここに来て当たってしまった歌声による異常。
どこかふらついた頭を何とか振りながら自身に治癒を施す彼を、思わず飛び出してきたマリーが戦場から遠ざける。
「だ、大丈夫!? と、とにかく今はここでゆっくりしてなさい!! 良いわね!?」
「すまない‥‥では、少しだけ‥‥む!?」
離れた場所でマリーに抱えられたエリクだが、思わずその目が大きく開かれる。
というのも、今抱えている彼女の姿が‥‥
「‥‥マリー‥‥そ、その姿は‥‥?」
「え!? こ、これはその‥‥さっきレイチェルさんに相談したら、何だかあっさりと貸してくれて‥‥」
肩から掛かったパーカーでも隠せない、その薄青の『超』マイクロビキニ。
戦闘直前まで彼女達がアレコレと試着していたそうだったらしいが、着替える暇も無く訪れた戦いにそのまま飛び出してしまったのだという。
「‥‥す、すまない‥‥少し、休ませて貰う‥‥ガク」
「ちょ、ちょっとエリク〜!? 何でさっき以上に視界を朦朧とさせているの〜!?」
彼にとって、一番の魅了攻撃を仕掛けてくる相手は‥‥身近にいたのであった。合掌。
「‥‥任務再開、これより砲撃を開始します」
「では私がサポートしますねー? みーんなしっかり強くなーれー♪」
改めて近づいてきたローレライに対し、アクアのサポートを受けたD−58が攻撃を再開する。
今度は見事に命中し、一体のキメラが沈み込んでく。
「‥‥命中しました。では次の標的を‥‥」
「あらあらー、待って下さいー。目的は鱗の採取ですよー?」
「‥‥どうやら問題無さそうです。向こうでリアナ・フロスティアが採取を頑張っています」
指差した方向をアクアが見やると、何やら嬉しそうな顔で網を放っているリアナ‥‥その横では、佐倉とレイチェルがしっかりと護衛を続けている。
「がぅ‥‥こっちも捕れた‥‥でも、傷ついてる」
「そうですね〜。とりあえず綺麗な物を多めに取っていきましょうか〜」
「ボクも手伝うよ。‥‥ふふ、ちゃ〜んと完成しないとね〜♪」
「‥‥何だか邪な空気が漂っているような‥‥?」
そして三人が採取を頑張っている横で、常木が銃をしっかりと構えて警戒を続け‥‥そうやって数刻経つと、キメラの方から撤退を開始し始めた。
こちらも鱗の数が揃った今、長居をする理由は無い。
無事に依頼を終えた一向は、すぐさま陸へ戻るのであった‥‥
●そして、始まる奇劇‥‥?
無事に戻って来た一行は、街の宿屋の一室でささやかな宴会を開いた。
「今日はありがとうございました〜♪ お陰様でオクスリも作成出来ますわ〜♪」
「ホント、海って大変だったわ。ほら、腕とかも真っ赤に焼けちゃった‥‥」
「そ、そうだな‥‥確かに‥‥少し、赤くなったな‥‥」
マリーが何気なく捲ったパーカーの袖からは、薄く日焼けした彼女の肌。
しかしエリクは、むしろ『マイクロ』ビキニ型に焼けた跡の方が目に入り‥‥そして話題を変えた(ぁ
「そ、そういえば帰る途中リアナが何かごそごそと船室で作業していたが、何か知らないか?」
「う〜ん、私にも見せてくれなかったけど‥‥ん? このジュース‥‥変な味がしない?」
「そうか? 僕には感じないが‥‥」
むしろ他に気になる事が多い旅だった‥‥とは言えない、純情なエリク。
しかし、異変は既に始まっていたのを彼らは知らなかった‥‥
「うーん‥‥何だか暑いですねー‥‥」
「もう夏ですから‥‥暑いのは仕方ないです‥‥?」
さっきまでぽ〜っとお酒を飲んでいたアクアが胸元をパタパタと動かしている横で、D‐58が無表情のままオレンジジュースを煽っていたのだが‥‥少し異変に気付く彼女。
特にさっきまで何とも無かったアクアの様子が、どこかおかしい。
「‥‥あらー、何だかディーさん‥‥お顔が赤いですよー‥‥うふふー♪」
「私は変わりません‥‥というか、明らかにおかしいのはアクアなのでは‥‥」
「そ〜んな事はありませんよー? 無事な証にー‥‥ほらー♪」
いつの間にか真横まで移動していたアクアの腕が、『むぎゅ〜♪』っとD−58を包み込む。
口から漏れる吐息は妙に艶かしく、彼女の耳を撫でていく‥‥
「‥‥!?」
「うふふー‥‥どーしてこんなに可愛いんでしょー♪ お持ち帰りしたいくらいですー‥‥♪」
「しょ、正気に‥‥ここは皆が‥‥!?」
「‥‥静かにしていればー、誰も気にしませんよー‥‥? 静かに‥‥ですわ♪」
妙に密着してくるアクアを、どうしても振りほどけないD−58‥‥お互いの青髪が触れ合い、火照った胸が押し付けられ‥‥その時点で、彼女は考える事を放棄した(ぁ
「‥‥何だか少し変な空気が‥‥というか、このお酒‥‥変な味だね」
常木が少しだけ傾けた杯だが、妙な気配を感じて飲むのを止めたのは‥‥能力者の見事な警戒力である。
今更言うまでも無いが、実験と称してこっそり飲み物に『オクスリ』を混ぜたリアナは、何やら嬉しそうに周囲を眺めている。
「‥‥リアナさん、もしかして‥‥」
「あらあら何の事でしょう〜? 私は全く知りませんわ〜♪」
「‥‥まだあちき、何も言ってないんだけど‥‥」
常木が項垂れたようにグラスを置き、椅子から立ち上がって二人の元へ歩いて行く。
最初は『毒を喰らわば皿まで』の精神で参加した彼女だったが‥‥もう慣れたもので、こういう時の警戒心はしっかりと怠っていなかった。
「あらあら、もう収まってしまいましたわ〜‥‥でも、一般人に対する効果を考えて‥‥」
何やら常木がアクア達を介護(注:というか、介入?)している様子を見ながら、ますます思考を深めるリアナであった‥‥
そんな様子とは裏腹に、あくまで普段通りのお喋りを続けているレイチェルと佐倉。
そう、彼女達にとっては‥‥『普段通り』の光景が広がっていた。
「うふふ‥‥サ〜キ♪ ちゃ〜んと飲んでる〜?」
「が、がぅ‥‥お酒じゃ無いけど‥‥飲んでる」
「あら〜? ほっぺたにクリームが‥‥ちゅっ♪」
「れ、レイチー‥‥恥ずかしい‥‥」
ほんのりと赤く火照った顔を佐倉に押し付けあったり、汗に濡れた胸元をこれでもかと強調してくっ付けあったり‥‥まさに普段通りである(断言)。
「う〜ん‥‥サキ〜、何だかボク‥‥暑くなってきちゃった♪」
「がぅ‥‥れ、レイチー‥‥」
「うふふ‥‥それじゃ、舞台を変えよっか‥‥サ・キ♪」
妖艶に潤んだ目で見つめるレイチェルの顔は、既に戦闘準備万全。
ぽ〜っとした表情の佐倉も『ソレ』を感じ取り‥‥そして、二人は別の部屋へ移って行った。合掌。
「あ、あらー? 何だかさっきまで頭がふわふわーっと‥‥何ででしょーか‥‥?」
「‥‥思い出さないほうが‥‥良いです‥‥恥ずかしい‥‥」
「全く、リアナさんの『オクスリ』は仕方ないね‥‥あちきが止めなかったらどうなっていた事だか」
「あらあら、これも『一夏の経験』というものですわ♪ きっと皆さんの楽しい思い出の一ページになります♪」
「ふふ‥‥何だかサキも熱くなっちゃってるみたいだね‥‥♪ それじゃ、もっと熱くしてあげる‥‥」
「レ、レイチー‥‥そ、そういう‥‥熱いのは‥‥が、がぅ〜‥‥」
「な、何だか‥‥エリク‥‥少し、私‥‥身体が熱くなってきちゃった‥‥」
「マ、マリー‥‥!? どうして今そのパーカーを脱いで近づいてくる‥‥!!」
後日、リアナの店に妙に仲の良さそうな女生徒二人組が腕を組んで御礼にやってきたのだが‥‥その仲は決してクスリのせいだけでは無かったと信じたい。合掌。