タイトル:【KB】月下氷人・運搬マスター:神宮寺 飛鳥

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/07/24 22:42

●オープニング本文


 崑崙は、大きな転換期を迎えていた。
 対バグア戦を見越してUPC軍は崑崙を軍事拠点として接収。月面を舞台にした戦いを経て、いよいよ大規模な改修が始まろうとしている。
 
 生まれ変わる、崑崙 。
 多くの希望を背負い、新たなる出発へ向かおうとしている。



 月面基地、崑崙。その廊下で足を止め、シン・クドウは外の景色を眺めていた。
 現在崑崙は大掛かりな改修の真っ最中にある。作りかけの宇宙基地には多くの人々が訪れ、完成に向け作業を進めていた。
「いやぁ、凄いですねぇ。ついこの間まで宇宙にいけるのかどうかという話をしていたと思ったら、もうこれですから」
「‥‥コジマ少佐」
 振り返り敬礼するシン。ベネトナシュの艦長であるこの温厚な男は影が薄く、リェンに至ってはたまに『ねえウルスラ、知らないおじさんがいるんだけど』等と暴言を吐いたりするが、シンはちゃんと彼の事を覚えていた。
 シンに歩み寄りコジマは並んで窓の向こうを眺める。月の裏側ではあんな大騒動があったが、今は既にその影響も鳴りを潜めつつある。
「クドウ君としては感慨深いんじゃないですか? こうして今、当たり前のように我々が月にいる事が」
「いえ。自分はただ命令に従ってきただけですから。ただ、この景色からは人類の底力を感じます」
「あはは、そうだねぇ。実際、バグアが現れてからの人類はすごいですよ。良くも悪くも、技術は進歩しましたからね」
 うんうんと頷くコジマ。そうして咳払いを一つ、何か話を切り出そうとする。
「あー、うん。えーとねぇ、クドウ君。実は‥‥」
「シン、ちょっといいかしら?」
 と、正にその時見計らったようにウルスラが現れ声をかけた。コジマはすっかり言い出す機を失い、すごすごと引き下がる。
「あら艦長。もしかして男同士の話を邪魔してしまったかしら?」
「いや、問題ない。ただの雑談だ」
 シンのあっさりとしたセリフにもちょっと心が痛む。段々とコジマは背景と一体化していくのであった。
「次の仕事が決まったわ‥‥と言ってもやる事自体はこれまでと変わらないんだけど」
 眼鏡のブリッジを中指で押し上げながら手帳を開くウルスラ。ベネトナシュに次に与えられた任務は、やはり輸送であった。
「今崑崙は大規模改修の真っ最中で、彼方此方から技術者が入ってきてるわ。勿論人手は足りてないから、傭兵の力も借りる事になってるわね」
「傭兵が絡むと急に呼び出される気がするな」
「まあ、正直彼らとの窓口的な役割もあるのよ、うちは。それで、必要な資材を輸送する任務を預かったわ。厳密にはそれだけじゃないんだけど」
「と、言うと?」
「どこも人手が足りてないから、単に輸送するだけじゃなくて納品までやれって」
 腕組み思案するシン。そこでコジマがおずおずと手を上げる。
「つまり、運んだ物資の整理や機材のチェックもしろという事じゃないかな? うん」
「その通りです艦長。それで、リェンが今伝票の山に囲まれてオーバーヒートしてるから、救出してあげて欲しいんだけど」
 その有様は容易に想像出来る。というか、戦闘以外の事をあいつにやらせてはならない。
「わかった。それで、ベネトナシュはいつ出る?」
「二時間後にカンパネラに向かって、そこでついでに傭兵と合流。資材の輸送隊の護衛をしつつ崑崙に戻り、持って来た物資を必要な部署に届け、直ぐ使用しない物は整理して保管、ね」
「月周辺の治安は一時に比べると大分落ち着いているからねぇ。護衛と言っても、大した戦闘は起こらないでしょう」
「何にせよ、やる事が山積み‥‥か」
 輸送艦なのだから輸送をするのは当たり前なのだが、何やら仕事の内容に雑務が混じり始めている気がする。
「はいはい、二人とも溜息ついてないで動く。シンはリェンの所に。艦長はベネトナシュの発進準備を」
 手を叩きながら仕切るウルスラ。男二人は彼女に言われるがまま、各々の仕事へと戻るのであった。

●参加者一覧

壁(ga0285
20歳・♂・FT
地堂球基(ga1094
25歳・♂・ER
乾 幸香(ga8460
22歳・♀・AA
上杉・浩一(ga8766
40歳・♂・AA
時枝・悠(ga8810
19歳・♀・AA
夢守 ルキア(gb9436
15歳・♀・SF

●リプレイ本文

 カンパネラから崑崙への物資輸送第一便は、これといった問題と遭遇せずに目的地へと荷物を運び込む事が出来た。
 ベネトナシュを初めとした輸送艦隊が次々に崑崙に停泊し、物資の積み下ろしを始める。その作業員達の流れの中に、依頼に参加した傭兵達の姿もあった。
「おおー。なんだ、存外様になってきたなあ、崑崙も」
 基地に入りながらヘルメットを外す時枝・悠(ga8810)。上から見下ろした時にも感じたが、急ピッチで完成に突き進んでいる崑崙の活気はかなりのものだ。
「最初見た時は掘っ建て小屋か何かかと思ったものだが‥‥驚くべきは時間の経過か、人の力か」
「それだけ重要な施設だって事だろ。月面の戦いが静まっても、まだ決戦が残ってるんだしな」
 笑みを浮かべながら周囲を眺める地堂球基(ga1094)。崑崙完成という目的の為に一致している人々の姿を見ていると、何だか気分も高揚してくる。
「一気にこの基地を仕上げる‥‥か。そううまくいくものだろうか?」
「ちょっと、不吉な事言わないでよ‥‥せっかく落ち着いてきた所なのに」
 上杉・浩一(ga8766)をジト目で睨むリエン。そこへ遅れてシンとウルスラが歩いてくる。
「皆ご苦労様。とりあえず次の便の出発までは持って来た荷物の搬入をお願い出来るかしら?」
「いいけど、荷物凄い量じゃない。こんなごちゃごちゃしてたら配達するだけで日が暮れるってば」
「まあ日は暮れないわけだが、それにしたって凄いな」
 自分達が運んできたわけだが、改めて見ると驚いてしまう。大型の建材もあるので、先ほどから物資と人の行き来が凄まじい。
 移動するコンテナを避ける悠。リエンはすっかり目が回ってしまっている様子だが、そこへ乾 幸香(ga8460)が声をかけた。
「大丈夫ですよ、曹長。どこに何を搬入するのか、リストを作っておきましたから」
 リストと見比べ、伝票の束をてきぱきと仕分けする幸香。リエンはそれを感心した様子で眺めている。
「ほわー。あんたマメねぇー」
「事前に段取りを決めておけば、それだけスムーズに作業を進める事が出来ますからね。そこで手間を惜しんでしまうと余計に仕事が煩雑化してしまいます。それでは本末転倒ですから」
「うーん、だってそういうの地味じゃない。あたしは敵をドカーっとやっつけるとか、そういうのがわかりやすくて好きっていうか‥‥」
「確かに地味ではありますけど、重要な事ですよ。ほら、ものぐさしないで一緒に頑張りましょうね」
 笑顔でリエンの手に伝票の束を乗せる幸香。シンとウルスラはその様子を腕組み見つめていた。
「リエンのお守りは彼女に任せておけば良さそうね」
「そうだな」
「そういや、またカンパネラに向かうんだろ? 第二便の出航予定時刻はどうなってるんだ?」
 球基の声に手帳を開くウルスラ。そこで少し考え、言葉を続ける。
「そうね。大体二十分後くらいかしら。他の便の発着が多いから暫定だけどね。それとやっぱり航路に危険は少ないみたいだし、護衛の数は減らして大丈夫でしょうね」
「そっか。なら俺はKVドックを見てこようかな。それなりに力になれると思うんだよね」
「あ、それなら私も一緒にいいかな? KVドッグにちょっと顔出したいんだよね」
 背後で手を組みながら歩み寄る夢守 ルキア(gb9436)。球基は彼女の提案に頷いた。
「護衛は俺とリエン‥‥と、幸香が担当するとして‥‥」
「あ、私はもう決定なんですね」
「ああ。あんたは荷物を降ろし終わったらリエンを引っ張ってきてくれ。スケジュール通りに行くかどうかはあんた次第だ。頑張ってくれ」
 両手でがしりと幸香の肩を掴むシン。無表情だが何か鬼気迫る様子で、思わず苦笑を浮かべてしまった。
「俺も護衛を続けようと思う。勿論、出発までは手伝おう」
 挙手する浩一。これで護衛継続組は大体決まったのだが。
「そういえば、そちらはどうする?」
 声をかけられたのはここまで一言も口を利いていない大男、壁(ga0285)である。実はずっと皆の後ろにいたのだが、仁王立ちしているだけで会話に参加する気配がない。
「ああ‥‥自分か」
「ああ。壁さんはどうするんだ?」
「自分は‥‥」
 頷く浩一。壁は困った様子で後頭部をがしがし掻いている。
「どうすればいい?」
 一瞬の停止。傭兵達は互いに顔を見合わせた。
「じゃあ、俺と汲んで護衛するか? こう見えても小隊長でな、連携行動も学べるならありがたいが」
「ああ。ではそうしよう」
 頷く壁。非常に口下手な彼の戸惑った様子になんとなーくシンパシーを感じる浩一なのであった。
「とりあえずさ、崑崙は広いし行き先もバラバラになるだろうから、連絡だけは取れるようにしとこうよ」
 ルキアの声に頷く一同。こうして傭兵達はそれぞれ荷物を搬入する為、慌しく行動を開始するのであった。

「それじゃあ、この荷物を運んでもらえますか?」
「ああ。これを持っていけばいいんだな」
 大きなコンテナを担ぎ上げる壁。その様子を文字通り見上げ、幸香は道を指示している。
「行ってくる‥‥ウオオオオオ!」
 覚醒し、雄叫びを上げながら突撃する壁。その後姿が見えなくなるまで、幸香は頬に手を当て見送った。
「大丈夫でしょうか‥‥?」
「何だか良くわからないけど、負けてられるかー!」
 同じく荷物を担いで走り出すリエン。浩一も荷物を持ち上げ溜息を吐く。
「二人とも若いな」
「上杉さんだって、まだまだですよ」
「‥‥だな。それも持とう。君は指示をしてくれると助かる。あの調子だと直ぐに戻ってくるだろうしな」
 幸香が持ち上げようとした荷物も抱える浩一。そこへ猛然と競うように突進してくる壁とリエンの姿が‥‥。
「ウオオオオオ! 次!」
「早く渡して早く! 負けちゃうでしょ!」
「えっと‥‥何にでしょう?」
 騒ぎを跡目に腰を叩きながら歩く浩一。出航までにどれだけ運べるか、ここらが勝負時である‥‥。

「ちわーす。お届け物でーす。この辺に置いときまーす」
 部屋の隅に荷物を降ろし、さっさと出てくる悠。借りた台車の上には山積みになった荷物、ポケットには夥しい数の伝票。これを見て全くうんざりしない筈はない。
「ま、嫌いじゃないけど」
 台車を押して歩き出す。ポケットから次の行き先を記した伝票を眺め、慣れない崑崙の曲がり角で立ち止まりながらも進んでいく。
 強力な戦闘力を持つ悠ではあるが、実はこういう地味な仕事も好きである。こんな事をしていても戦っているのと同じくらい報酬が貰えるのだから、むしろ得なくらいに感じていた。
「地味にあちこち探検出来るしな」
 ふと、そこで足を止める。壁には行き先を表示する案内板が点灯していた。
「研究エリア‥‥か」

「球基君も整備士なんだ。私も、整備士資格持ってるんだ」
 一方、KVドックへ向かう球基とルキア。こちら方面の荷物を纏めて預かってきた為、荷台は山になっていて前方確認も困難な程だ。
「うん。それと俺はKVハンガー系の兵舎を運営してるんだよね」
「KVハンガーかぁ。愛機の整備してると、時間を忘れちゃうよね」
「まあ、元々はKVじゃなくてロケットを弄る予定だったんだけど」
 荷台を押しながら窓の向こうを眺める球基。彼からしてみれば、ここで仕事をする事は昔の夢を叶える事に等しい。
「そっかぁ。それじゃあここのKVハンガー、気になって当然だよね」
「全部関わるのは無理だけどな。とりあえず各々やれる事やってさ、良い環境にしていきたいんだよ。果てに向かう旅路はまず足元からと‥‥そいつが爺さんとの約束だしな」
 少し照れくさそうに頬を掻く球基。その時荷台が段差に乗り上げ、荷物が大きくグラリと揺れた。
 二人は無言でそれを同時に取り押さえる。なんとも言えない表情の球基と猫のような目をしたルキアがそーっと荷物を戻し、溜息を漏らす。
「まさに足元から‥‥だな」
「‥‥だね。そこ行ったらもうドックエリアだから、慎重にいこっか」
 
 そんなこんなでそれぞれ荷物を搬入し、二十分後に再びベネトナシュへと集まった‥‥のだが。
「荷物ぜんっぜん配りきらないし!」
 絶叫するリエン。まあそりゃそうなのだが、搬入どころか仕分けもまともに終わっていない。
「そうだな‥‥」
 一生懸命運んだのだが、終わりはまだ見えない。壁も流石に少し疲れた様子だ。
「とりあえず私達は次の輸送があるからそろそろ出ないと。残りの仕分けと搬入は作業員に任せましょう」
「一応残ってやってくから、そっちはそっちで宜しく」
 ウルスラの言葉に手をひらひらと振る悠。また往復が終わる頃には同じ状況が出来上がる事だろう。
「あ、私達のKV降ろしていって貰って良いカナ? 何かあるかもしれないし、作業にも使えると思うから」
「そうね。でもKVでの搬入は隊単位でやってるから、一人で行くとちょっと混乱しちゃうかもしれないわ」
 ルキアの言葉にそう返しつつ、とりあえず残るメンバーのKVは置いていく事になった。次にベネトナシュが戻ってくるのは何時間後だろうか。
「うーん、それじゃどうしよっか?」
「とりあえず私は荷物運びを続けるよ」
 伸びをするルキア。悠はまた荷台にせっせと荷物を積み込んでいる。
「俺達はどうする? KVドックに戻るか?」
「それもいいけど‥‥私はちょっとそこまで。そっちは球基君で間に合ってると思うしね」
「そうか。じゃ、何かあったら連絡してくれ」
 手を振り立ち去るルキア。悠は欠伸をしながら荷物と共に去り、球基は腕まくりをしてドックへと戻るのであった。

 崑崙を出発した傭兵達は輸送艦隊の周辺を並走する。周囲の敵影を探しながら、浩一はぽつりと呟く。
「宇宙、か‥‥」
 こうして崑崙での作業に参加していると、嫌でも宇宙での決戦が迫っている事を思い出させられる。
 そう、この戦争の幕が下りる時は近い。その時人類は‥‥自分達はどうなっているだろう?
「俺が今までしてきたことは‥‥多分、間違いだったんだろうな。しかし、俺にはこれしかできん‥‥」
「任務中に考え事とは感心しないな」
 傍を飛ぶシンの声。浩一は苦笑を浮かべる。
「そうだな。すまなかった」
「過去を悔いる事はいつだって出来る。あんたが死んで悔いる人を増やさない為に、任務には集中する事だ」
 そう言い残し先行するシン。更にリエンの機体が近づいてくる。
「悩む暇があるなら前進あるのみよ、おっさん! 壁もそう言ってるわ!」
「え? あ、ああ」
 急に話を振られて困惑する壁。先程から何か上手い言葉をかけようと思うのだが、中々思いつかず。
「大丈夫だ。きっとな」
 そんな事を呟く事しか出来ないのであった。
『護衛各機へ連絡。進行方向上にキメラの存在を確認したわ。数は多くないしこちらには気付いていない様子だけど、一応撃破しておいてくれる?』
「了解」
「‥‥よし、行くとするか」
 ウルスラからの通信に頷く壁と浩一。二人はKVを加速させ、進行方向上のキメラへと突撃するのであった。

「あれ? きみ、ここで何してるの?」
 研究区の一角、そこでルキアは悠と再会を果たしていた。別々の方向に向かった筈だが、用事を済ませて合流する形になったようだ。
「サボ‥‥休憩中」
 二人が対峙するのは研究エリアにある実験用の植物園であった。地上の物と比べればお粗末だが、そこには確かに命が息づいている。
「わぁ、本当に咲いてる。友達から聞いてたんだケド、ホントだったんだね」
 前屈みに花を眺めるルキア。その隣で悠はどっかりと台車の傍に腰を下ろす。
「ツナギ君の所にはいかないのか?」
「球基君? KVドックでイキイキと仕事してるよ。カレ、ロケット飛ばすのが夢だったらしいからね」
 球基はもうすっかり現地の作業員に溶け込んでしまい、何だか声をかけたり手伝う余地がルキアにはなかった。それで空気を呼んでここに来た次第である。
「宇宙の花、かぁ。勝手に触ったら怒られちゃうかな」
「実験用らしいしな」
 宇宙に咲く花、その美しさに地上の花との違いはあるだろうか?
 ルキアにはその違いはわからなかった。宇宙でも地上でも花は花だ。その価値は、存在は、何も変わりはしない。
「見せたい相手がいるんだケドさ。相手、敵なんだよね」
「へえ」
「何も言わないんだね」
「私が口出しする事でもないだろ」
 腰に手を当て目を瞑りそっけなく語る悠。ルキアは手を伸ばし、触れるか触れないかの所で花に迫る。
「軍事拠点として崑崙が本格的に動き出せば、飽きる程ここに来る事になるかもしれないな」
 戦いが最終局面を向かえ、その時崑崙もまた戦場になるかもしれない。先の事はわからないのだ。誰にも‥‥。
「ここの花が、枯れないといいな」
 ルキアに背を向け、伝票を取り出し。
「無機物ばかり見ていると気が滅入る。こういう憩いの場がなくなったら、皆困るだろうから」
 荷台を押して立ち去る悠。ルキアはその音を聞きながら花から手を引くのであった。

 こうして傭兵達は引き続き作業に貢献し、崑崙の大規模改修は急ピッチで進められていくのであった。
 宇宙に出る事さえ出来なかった人類が、今は当たり前に月に降り立ち、そこで命を育んでいる。
 技術と歴史の進歩は、ついにバグアとの決戦を手繰り寄せようとしている。
 その時人類が何を見るのか、どんな答えを得るのか。それはまだ、誰にもわからないままである――。