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■オープニング本文 前回のリプレイを見る 武天を貶めようと陰謀を張り巡らせたアヤカシ『御怨』は開拓者達の活躍によって瘴気の塵と化す。武天国王の娘・綾姫のお忍びの食べ歩きが偶然に功を奏したとはいえ、これまでの尽力があったればこそである。 武天国王・巨勢宗禅は別の事案に奔走。発見されたばかりの新大陸『希儀』に関連していた。 希儀までの移動手段は飛空船に限定されている。それを解消すべく開拓者ギルドは急遽精霊門の建設に着工しようとしていた。 開拓者ギルドからの要望を受けた武天の巨勢王はいくつかの国に精霊門建設に関しての協力を求める。 泰国は武天との友好協定から多数の飛空船を提供。輸送能力を協力してくれる。他に理穴、朱藩も加えて資材輸送が行われている状況だ。 希儀の噂はさらに噂を呼ぶ。 綾姫の耳にも当然届いていた。 「希儀で新たな食べ物が見つかっているのは本当かや?」 此隅城の一室。綾姫は呼びつけた希儀の事情に通じる若いサムライにいくつかの質問を投げかける。 「その通りで御座います。天儀本島でも栽培されている野菜や果物も御座いますが、色や形が少々異なるものも発見されていまして。まったく未知の食材も発見されているようで御座います。ただ、よい調理法が見つからず、料理人が四苦八苦しているとも聞き及んでおります」 綾姫が若いサムライの話しに耳を傾ける。 「それらの中に『苺』は? どうじゃ?」 綾姫の一言に若いサムライは持ってきた資料の頁を焦りながら捲った。 「今のところ苺の報告は‥‥ないようで御座います」 「そうか。それは残念じゃ。下がってよいぞよ」 綾姫は若いサムライが部屋から消えると難しい表情から一変して笑顔を浮かべた。 (「これまでと違う品種の苺を自ら手に入れる機会など滅多にあるものではない。これは好機じゃ。希儀で探すのじゃ! 新しい苺の名称は『綾苺』で決まりなのじゃ! 近日中に得られれば次の春までには収穫できようぞ!!」) 苺好きの綾姫にとって春は至福の季節。 冬の間は指折り数えて待つしかないが今年は違う。新しい苺探しの探検に出かけられるのだから。 (「しかしぃ〜父様に知られたら反対されるのはわかっておる。城下にお忍びで出かけるのとは訳が違うからのぉ〜」) 綾姫は腕を組んで考え込んだ。 「‥‥‥‥‥‥‥‥そうなのじゃ!」 よい案が浮かんだのは二日後の真夜中。それからさらに三日をかけ策を巡らせて秘密裏にギルドへと依頼を出した。 広く募集をかけた希儀への同行者募集だが、懇意の開拓者には参加してくれるよう手紙でお願いしてある。 綾姫は冒険の旅を楽しみにしていた。 |
■参加者一覧
雪ノ下・悪食丸(ia0074)
16歳・男・サ
無月 幻十郎(ia0102)
26歳・男・サ
紙木城 遥平(ia0562)
19歳・男・巫
西中島 導仁(ia9595)
25歳・男・サ
フェンリエッタ(ib0018)
18歳・女・シ
ジークリンデ(ib0258)
20歳・女・魔
将門(ib1770)
25歳・男・サ
蒼井 御子(ib4444)
11歳・女・吟
ライ・ネック(ib5781)
27歳・女・シ
藤本あかね(ic0070)
15歳・女・陰 |
■リプレイ本文 ●探検 晴れ渡る希儀南部の低空を飛ぶ中型飛空船一隻。 乗船していたのは武天国王の娘、綾姫と開拓者十名。 多くの者は綾姫からの手紙を読んではせ参じてくれた。それがとても嬉しかった綾姫である。新種の『苺』を求めて探検は続いていた。 「むうっ‥‥」 綾姫が船倉下の窓の前に陣取ってから四時間が経過。疲れた様子はあったものの、綾姫は地上の観察をやめようとはしない。 天儀から希儀に到着するまでの間、綾姫と開拓者達は会議を重ねた。見知らぬ土地で新種の苺を発見するにはどうすればよいかを。 作物を栽培する際に環境を整えるのが普通だ。育てるのに水が必要ならば灌漑を、区分けするためには石垣や土手を作る。 たとえ人がいなくなって放置された土地でも痕跡は必ず残っているはず。それらを低空飛行で発見した上で徒歩で探る作戦を立てたのである。 「お、悪食丸か。フェンリエッタ殿も」 「根を詰められているご様子ですね」 雪ノ下・悪食丸(ia0074)はフェンリエッタ(ib0018)が淹れてくれたお茶で綾姫に休憩を勧めた。目が離せないと綾姫がいうので窓の外を眺めながらお茶を頂いた。 「ところで姫、苺の種とは一体どのような物でございましょうか?」 「真っ赤な苺が種の正体ではなくてな。凹んでいるところにある小さいのが種なのじゃ。育つと株ができるのじゃぞ」 綾姫は紅茶の香りを楽しみながら雪ノ下に答える。 「志体は、仙人骨、テイワズ、ジンと呼び方は違うけど、アヤカシはどこでもアヤカシ。何故かしら‥‥綾姫はどう思います?」 「わらわも考えたことがあるぞよ。もしやアヤカシとはすべての世界にとって根元的な何かかも知れぬとな」 フェンリエッタの疑問を綾姫も感じた時期があったという。ただ此隅城の資料を持ってしても解き明かせなかったようだ。 『綾姫様、進路方向右側を見てっ。ひがしっ!』 甲板近くの展望室で待機していた蒼井 御子(ib4444)から伝声管による連絡が入る。 綾姫はすぐさま立ち上がって示された方角の小窓へと飛びついた。遠くに石垣のようなものが見える。 「御子殿が発見した石垣らしき場所へ急行じゃ!」 『了解だ、綾姫』 綾姫から指示を受けた主操縦席の無月 幻十郎(ia0102)が飛空船の船首を東へと向けた。 「危険はなるべく避けたいですからね」 船倉に移動した紙木城 遥平(ia0562)は瘴索結界を張った。 アヤカシと思しき瘴気を感じたのなら即座の離脱を無月に伝えるつもりである。幸いなことに石垣上空へたどり着いても怪しい存在は感じられなかった。 飛空船は地上数メートルの高さで留まる。西中島 導仁(ia9595)とジークリンデ(ib0258)が先に飛び降りて危険がないかを確認する。 「危険はないな」 「そのようですわね」 意見が合ったところで二人は空を見上げて手を振った。その合図で飛空船が着陸する。 「宿泊地での情報収集では未確認の地域だな。ま、探検されていないところを選んでいるのだから自然にそうなるのだが」 将門(ib1770)は船内の地図に新たな印を書き込んでおく。 「私は遠くを調べて参ります。教えて頂いた苺に適した土が見つかればよいのですが」 「うむ。頼んじゃぞ」 シノビのライ・ネック(ib5781)は下船するとすぐに綾姫の視界から姿を消す。 綾姫は他の開拓者達を連れて着陸地点周囲の植物分布を確かめる。とはいえ、ほとんどが冬枯れの状態だ。緑のままはほんのわずかである。 「綾姫様、これって麦穂だよね」 藤本あかね(ic0070)が拾ってきた枯れた茎の束を綾姫がじっと見つめた。 「大麦じゃな。ということはこの周辺はかつて麦畑だったのかのぉ」 他の開拓者達が拾ってきたものもすべて大麦である。 「おーい!」 西中島が石組みの小屋を発見したので探ってみる。すると宝珠付き石箱が発見された。 (「むむむ? これは‥‥かさかさって音ってことは皆の想像通りかな?」) 石箱は飛空船に持ち帰る。蒼井御子が石箱を揺すりながら耳を澄ませた。もしやと期待しながら開けてみたが、やはり大麦が詰まっていた。 「お待たせしました。こんなものを見つけたのですが――」 だが二時間後、ライが持ち帰ったのは麦ではなかった。 「葡萄‥‥瑞々しい葡萄なのじゃ!」 「これは美味しそうですね。お先に失礼します」 濃い紫に染まる大粒の葡萄。綾姫が驚いているところに雪ノ下が先に一粒を頂く。綾姫が口にする前に毒味をしたのだ。 熟れすぎている感はあったものの、とても甘くて美味しい葡萄であった。 「この葡萄は‥‥ワイン用ではなさそうな‥‥」 次にフェンリエッタが味見。酒作りに使うのではなく生食用の葡萄ではないかと見当をつける。 飛空船でひとっ飛びして数分後には葡萄の木が並ぶ土地へ到達した。 「これが苺ならば大喜びなのじゃが‥‥。いや、この成果はかなりのものじゃ」 かつて葡萄園だったと思われる土地は荒れ果てていた。それでも小川近くの葡萄の木にはたわわな果実がぶら下がる。 「葡萄酒用なら少しは興味が湧くところなんだがな。それはそうと弁当しよう」 酒好きの無月が枝から直接、葡萄をもいで味見する。詳しい調査の前に昼食の時間となった。野外で茣蓙を敷いて弁当を頂いた。 「美味いのう〜♪」 「そりゃよかった!」 綾姫は無月が選んだ弁当を非常に喜んでくれた。彼女は酒のつまみ的な総菜も好きなようである。酒呑みの巨勢王の影響に違いない。膝に座った綾姫が巨勢王から摘みを食べさせてもらっている様子が目に浮かんだ。 「生食で頂く葡萄は苺に通じるものがありますね。そういった人達用の畑だったのかも知れません」 「ほー、それは面白い推理じゃな‥‥よし!」 ジークリンデの感想で綾姫が閃く。お腹がいっぱいになったところで、周辺調査が再開されるのであった。 ●危険 徒歩で探索するといろいろとわかるものがある。 道ばたに倒れている石碑を読み解くと、この一帯は単なる畑ではなく神殿の一部だった可能性が出てきた。 なぜ神殿の敷地内で畑なのだと疑問が浮かんでしまうところだが、古今東西祭事の際に豊饒を占うのは常識的な風習といえる。また一部の指導者が種まきの日付などを定める取り決めがあったのなら、その目安としての畑があっても不思議ではなかった。 そうであるのならこの一帯には多種多様の畑が用意されていたのかも知れない。それ故に種子が詰まった宝珠付き石箱の発見も期待出来るというものだ。 「姫様、少しお待ちを」 紙木城が前に出て綾姫の歩みを止めた。 「兎じゃな」 「天儀の兎とは、毛並みがちがうね」 蒼井御子も綾姫の盾になれるよう兎との間に入る。 「‥‥ケモノでなく普通の兎ですね」 雪ノ下はわざと隙を作りながら兎の前に立ってみたが特別な反応はなかった。驚いた仕草で逃げてしまう。 「ん? これとは葉の形が違うか‥‥人参かねぇ」 無月はその先にあった畑で野草図鑑を取り出して摘んだ葉を調べる。どうやら足下は荒廃した人参畑のようである。 「こんな色の人参があったなんて」 藤本が土の中から人参を抜いて驚く。紫色や黄色、様々な色をしていたのである。 遠くに見えた林らしき場所に近づいてみれば林檎の樹木が並んでいた。 「大した林檎の木じゃな。樹齢はいかほどあるのかの〜」 木登りをするライを綾姫が視線で追う。 「いきます」 「いつでもどうぞ」 ライがもいだ林檎の実を地上へと落とす。ジークリンデは一つも逃さず受け取ってくれた。 「果物が立て続けに見つかっているが、綾姫の希望通りに苺もあるといいのだがな」 「まあ、後は時間が許す限り虱潰しだ。綾姫の引きの強さに期待しよう」 西中島と将門が話していると藪から物音が。警戒しながら将門が近づいてみると、巨大な熊が隠れていた。 豊富な食物があるところにたくさんの動物が集まり棲むのは道理である。 「綾姫! 離れていてくれ!」 将門は『太刀「救清綱」』を抜いて巨大な熊を牽制する。ケモノでなければよいのだがと心の中で呟いた。同行させている甲龍・妙見に綾姫を乗せて逃がすことも出来るが、それは最後の手段である。何度か攻防をやり取りして普通の熊だと判明する。 「勝手にこの地へ足を踏み入れたのわらわ達じゃ。殺さずに追い返してたもれ」 「なら俺がやった方がよさそうだな」 綾姫の願いを叶えるために西中島は背中のアーマーケースを降ろす。そして碧甲に乗り込んで起動させた。 将門が避けに徹していたおかげで熊は大分疲れている。アーマーの西中島は相撲のように熊と四つに組んで睨み合う。何度か転ばすことで戦意を喪失させて追い返すのであった。 ●喜びの綾姫 着陸の飛空船内で一晩を過ごして翌朝。腹ごしらえを済ませてから一行は調査を再開した。 「今日こそ苺を見つけるのじゃ♪」 「見つかるよ、きっと♪」 綾姫と蒼井御子は一緒に片腕を挙げて気合いを入れる。 「見つかったら『綾苺』ですね♪」 「そうなのじゃ〜♪」 フェンリエッタとは笑顔を交わす綾姫だ。 雑草が生える石畳を歩きだして三十分。背の高い雑草をかき分けてジークリンデと無月が戻ってきた。 「こちら実はついていませんが苺の茎や葉ではありませんか?」 「図鑑に載っているのとそっくりな葉なんだが」 ジークリンデと無月が根っこごと運んできた苺らしき苗を綾姫に見せる。 「お、おおおおっ! 間違いなく苺の苗なのじゃ」 「よかったですね♪ それでは集合をかけましょう」 綾姫に頷いたフェンリエッタが呼子笛を吹き鳴らして、散らばっていた仲間達を呼び戻した。そして苺の苗が見つかったところへと赴く。 苺は多年草なので一年中緑を維持していても不思議ではない作物だ。雑草と入り交じっていたものの、苺の苗の一帯が広がっていた。 「さすがに実はつけていないようですね」 「うむ、苺は季節はずれの実をつけるときもあるが、この寒さじゃからの」 紙木城と綾姫は屈んで苺の苗を確かめる。 「これを持ち帰ればいいのかな?」 「そうするつもりじゃが‥‥問題が残っておるのじゃ」 藤本の問いに綾姫が難しそうな表情を浮かべた。 ここに広がる苺の群生は長い間、放っておかれて野生化している。 交雑の可能性は否定出来ず、実がついても本来の味からかけ離れてるかも知れない。それに人の舌による選別から長く離れていることも不安材料だ。実がなっていれば味を確かめられるが今は術がなかった。 「‥‥‥‥これだけの作物が植えられている場所なら、石箱が保管されている倉庫なりが必ずあるはずじゃ。苺の畑があるのなら種もまた残っていようぞ。探すのじゃ!」 綾姫の希望で探索の目的が苺の種の入手に絞られる。雑草に埋もれた石碑などのわずかな手がかりで場所を特定しようとした。 ようやく発見した場所は苺の群生から一キロメートル程離れていた。 ●ヌシ 「ここにありそうだと踏んだんだが」 将門の案内で訪れた場所は瓦礫の山になっていた。正確には石造りの建物が何からの理由で崩れた跡である。天儀の一般的な蔵と同程度の大きさだとだったと思われる。 「瓦礫を取り除かないとどうしようもないな」 西中島はアーマー・碧甲を再び起動しようかと考えたが、すでに夕暮れ時。綾姫が突貫を望まないのであれば明日からの作業になる。 「‥‥この足跡。警戒して」 地面に屈んだフェンリエッタが小声で仲間達に注意を促す。ポツリと一つだけ地面に深く残された小さな足跡がとても不自然だったからだ。 余程の跳躍力がなければこのような足跡は残らない。疑わしき順番はアヤカシかケモノ、大分下がって精霊である。 「瘴気は感じられませんね。アヤカシではないはずです」 紙木城の瘴索結界によれば瘴気は感じられなかった。 『ここ数日、この辺りを彷徨いているようだが、何用か?』 仲間の誰のものでもない高めの声が辺りに響く。開拓者達は綾姫を護るために一斉に囲い、武器を抜いた。 「姫様、相手はケモノのようです。どう致しますか?」 「わらわに話させてたもれ」 紙木城は綾姫の希望を聞き入れる。雪ノ下と一緒に前へ出て綾姫の完全なる盾となった。蒼井御子は綾姫のすぐ近くで竪琴を構える。 「わらわは天儀本島・武天の国、巨勢宗禅の娘、綾姫じゃ。これ以上訊ねたいのなら姿を見せい!」 はっきりとした物言いで綾姫は声を張り上げた。すると瓦礫の中から四つ足の何かが現れる。 「き‥‥つね?」 『わたしはヘロという名だ。この辺りを統べておる』 ジークリンデが呟いた通り、呼びかけの主はケモノの狐であった。ヘロと名乗る。 「ヘロ殿よ。わらわ達は作物の種子を、特に苺のものを探しておる。その瓦礫の下を探させてはもらえんか?」 『よそ者が何をいうか。長く人の姿を見ずに済んでいたのに一体、どういうことなのだ?』 綾姫はケモノのヘロに自分達が他の儀から来たことを伝えた。 逆にこの地の人が何故いなくなったのかと綾姫はヘロに質問してみる。ヘロはアヤカシに殺されたとしか答えなかった。 押し問答が長く続いた。 夜空に星が輝くようになってもヘロは瓦礫下の調査を拒否し続ける。 開拓者達の力を借りればケモノの一頭など即座に片づけることはできた。しかし綾姫はそうしようとはしなかった。時間がかかってもヘロとは話せば通じ合えると確信していたのかも知れない。 「この地の保全については滅多に人が立ち寄らないよう、わらわが各所に掛け合おう。人は強欲なのでな。わらわが諦めたとて別の者がやってくる。これまでのようにまったく関わりないようにするのは無理だと考えよ。拒否するのならば戦うしか残っておるまいて。それはとても残念なことじゃ」 綾姫のこの話しの後でヘロは長く黙り込んだ。 『人がどのような存在かは知っておる。そなたのような者と最初に出会えたのが幸運といえるのだろうな。わかった、信じよう。但し嘘ならば必ず探し出し、その喉笛を噛み切ってくれよう』 深夜、綾姫とヘロの交渉は成立した。 綾姫はお腹が空いていたようだが、睡眠の誘惑の方が勝ったようである。雪ノ下に背負われている間に熟睡。翌日まで目を覚まさなかった。 ●苺の種 瓦礫の撤去は三日間を要した。 西中島のアーマーで大きな柱などを取り除いて後は人力で片づける。 一階の付近にも宝珠付き石箱はあったが、建物が崩壊した際にすべて破壊されていた。ただ地下室にも残っており、それらの中に苺の種と思しき石箱が発見される。 「野生化した苗と種の両方の苺を育ててみるのじゃ♪ 綾苺、春が楽しみじゃの〜」 帰りの空において綾姫は始終ご機嫌である。 報酬におまけが足される形で今回の冒険はお開きとなる。ちなみに後日、綾姫が巨勢王に怒られたかどうかは誰も知らぬ謎となった。 |