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■オープニング本文 「いやぁ、それにしても平和だなぁ〜」 砦の上に立つ男が見張りという立場でありながらのんきな呟きを漏らした。 ここは天儀のとある砦、といっても砦と言っているのは村人だけで戦い慣れた開拓者から見れば見張り台に小屋がついてきているようなものだ。 丘の上に作られたこの砦は村と森のちょうど中間地点に立っている。十数年前、餓えた鬼達の集団が村を襲うという惨劇が起きた。それ以来村と森の半ばにある丘に砦が建ち、村人達が交代で見張りを続けている。 だが鬼達はどこかへ行ってしまったのか、それとも砦の効果か、再び惨劇が起こるようなことはなかった。 アヤカシが出なかったわけではない。だがどれもが小さく、武装した村人だけで追っ払うことができた。 砦には見張り台の他に小屋がある。この中には五人の村人がいたのだが‥‥ 「実はさ、俺‥‥この見張りが終わったらお通に告白しようと思って」 一人の若い村人が頭をかきながら仲間達に自分の望みを語った。 「お、ついにか! おめでとう! お前も俺んとこみたいに幸せになれよ!」 いち早く反応したのは彼よりも少し年上であろう村人だ。 「ちゃっかりのろけるんじゃねーよ。そういえばもうすぐ一人目生まれるんだっけ?」 「へへ、そうなんだよ。子供ができるって妙な気分だけどさ、でも悪くないぜ」 そして相槌を打ったのは少し離れた場所で壁を背に腰かけている壮年の男だ。顔に刻まれたシワは今までの苦労の証でもある。 「ああ、守るべきものがあるってのはいいことだ。悩みも増えるけどな。明日は娘の誕生日なのにまだ何も買ってないんだよ‥‥」 大きくため息を吐く壮年の村人。だがその顔は悩みに苦しむというよりもどのように明日を迎えようかという希望に満ちあふれたものだ。 ほとんどの村人がのんびりとした雰囲気の中、おどおどと落ち着きなく視線を動かす村人もいた。彼はつい最近この村に引っ越してきたばかりで見張りも今回が初めてだ。 「それにしても見張りをたった一人に任せて大丈夫なんすかねぇ? なんか俺嫌な予感がするんすよ。さっき下駄の鼻緒が切れちゃったし」 「お前は引っ越してきたばかりだからなぁ。強いアヤカシなんてもうこねぇからな。弱いヤツを適当に追い払うだけでいいんだよ。なぁに、開拓者がいなくても俺達だけで大丈夫だ」 その瞬間、全員が持っていた湯飲みが真っ二つに割れた。 一方その頃、見張りに立っていた一人はアヤカシ以外のものを見ながらなごんでいた。 「はは、こんなところに黒猫の親子がいるよ。かわいいなぁ」 |
■参加者一覧
天津疾也(ia0019)
20歳・男・志
柊沢 霞澄(ia0067)
17歳・女・巫
三笠 三四郎(ia0163)
20歳・男・サ
和奏(ia8807)
17歳・男・志
琉宇(ib1119)
12歳・男・吟
将門(ib1770)
25歳・男・サ
レビィ・JS(ib2821)
22歳・女・泰
マリアネラ・アーリス(ib5412)
21歳・女・砲 |
■リプレイ本文 ここは天儀のとある村‥‥の近くにある森の奥。 小さな鬼が自分より一回りも二回りもいやそれ以上に大きな鬼に何かを必死にごふごふと訴えていた。この鬼ほとほと弱く、つい先日も砦の村人に追い掛け回され這う這うの体で逃げてきた。 恨みはらさでおくべきかと小鬼は森の奥に眠る大きなアヤカシの力を借りることにした。もちろん鬼達に敵討ちなどという言葉はない。だが話を聞いた大鬼の口端から涎がだらりと垂れた。どんな話かはわからないがうまそうな人間が大量にいる、そんなところだろう。 全てを聞き届けた大鬼は森の奥に向かい「轟ッ!」と吠えた。 光の当たらぬ枝葉の奥、茂みの奥、ゆっくりと黒い影達が動き出した‥‥。 柔らかいがほんの少し寒い風が村の中に吹いた。季節は春であるがまだ暖かみを実感できるほどではない。 「んー‥‥なんかこう後頭部がちりちりするというか、なんか厄介ごとの予感がぷんぷんするなあ」 黒猫に猫じゃらしを振りながら天津疾也(ia0019)が呟いた。子猫が必死に穂先を掴もうとするが匠の技でするりと抜けてしまう。 「今日は随分鴉が多いね。‥‥あ、8の字で飛んでる」 レビィ・JS(ib2821)は空を見上げた。暗澹とした灰色の空に闇のような塗れ羽で鴉達が飛び回っている。 「――説明できんが妙な感じだな」 将門(ib1770)もつられて大きく空を見上げた。 何かが起こる気がする。 戦い慣れていない村人はともかく、死線をくぐり抜けてきた開拓者だからこそ感じる何かがある。 「これはどこに持ってたらいいんだ?」 村人が干飯の入ったザルを抱えながら将門に聞いた。 「ああ、それはあっちで袋を用意してるからそっちに詰めてくれ。それが終わったら竹筒を村人全員ぶん用意するんだ」 将門は村人と一緒に避難時の道具をまとめていた。 愛らしい眉間にシワを寄せながら琉宇(ib1119)が村の外から戻ってきた。 「どこに行ってたんだァ? もしかして便所かい?」 マリアネラ・アーリス(ib5412)が茶化しながら尋ねてきた。 「そんなんじゃありません。ちょっと崖の方を見てきたんです。崖崩れの心配とかはないみたいだけど嫌な予感が‥‥何だろう?」 「さて何だろうねェ。俺様には楽しい予感しかないがなァ、ヒヒッ」 琉宇の生真面目な答えにマリアネラは軽口で答えた。この場は不安を煽るよりも軽口が叩けるほど冷静さを保っていた方がいい、琉宇はそう気付いた。 「さて銃を教えてやりてェとこだが女子供に渡すのはなァ。俺様は目潰しあたりでも教えてくるさァ」 マリアネラは片手をひらひらと振りながら村人が談笑している場所に向かった。 一方村の外にある砦では。 「いいですか、皆さん。包帯はこんなふうに巻くんですよ」 村人の一人に包帯を巻きつけ柊沢 霞澄(ia0067)は手本を示した。神秘的な巫女に腕を握られ村人はでれでれと顔を緩ませた。 「あの、真面目に聞いてください」 普段は自己主張をしない霞澄がぴしりと村人を叱りつけた。村人達は慌てて真面目な素振りを装う。 そして砦の見張り台、三笠 三四郎(ia0163)が村人の代わりに風にざわつく森を睨みつけていた。 「嫌な予感がします‥‥まさか魔の森の進出?」 後で村人に話を聞いておかねばならない。もし魔の森が近くにあるのなら即座に離脱しなければ。無力な村人を護るために。 村と砦の間にある平原。 道はないが視界を遮るものがほとんどないぶん村と砦、そしてざわめく森がよく見える。和奏(ia8807)は手すきの村人を一人連れて若芽の息吹きだした平原を踏みしめた。 「強いアヤカシが来ちまったらあっちの砦からはこっちを通ってあっちの道まで行くことになってんだぁ」 村人は大きな街に続くという道を指差しながら和奏に教えてくれた。 「んでももう大鬼みたいなアヤカシなんてこないと思うけんどな」 「その昔の大鬼について詳しく聞かせてくれませんか?」 笑う村人に和奏は尋ねた。 「オラはその後に来たからなぁ。村に戻ってから聞いた方がええべ」 「‥‥ではそろそろ戻りましょう」 和奏は村へ戻る前にもう一度森を睨みつけた。鴉達がかぁかぁと喚きながら森の外へと群れを作って飛んでいる。餌を探すなら森の中の方が適切そうだろうに。 「鴉達が恐れるような何かがいる‥‥?」 ただの勘が確信へ変わった。和奏はそう感じた。 「‥‥みんながそんな風に感じてるって事は、本当に何かが起こってしまうのかも知れないね」 仲間の話を聞きレビィはむぅっと唸った。 「ええと‥‥ちょっと、村の人達を集めて貰えませんか? 少し気になることがあって」 レビィが村人達に呼びかけると「気になることってなんだべ?」と村人の一人が聞いてきた。熟練の開拓者に言われるとさすがに不安に思うようだ。 ポロンポロン。 琉宇がリュートをかき鳴らす音が響いた。 「だいじょうぶ、不安はありませんよ。お茶でもいかがですか」 「これから逃げ方についてみっちり教えるからな。いいか、逃げるんに一番大切なんは協力することや。だから聞き逃しのあらへんよう集まってもらったんや!」 にこにこ笑う琉宇と疾也の言葉に村人はほっと安堵のため息を吐いた。 「助かったよ」 レビィはこっそりと疾也に耳打ちした。 「ええねん。何が起こるかわからへんからな。予想はできるだけしとくに限るわ」と疾也も音を潜めて返事した。 「せっかく来てもらったんだしなぁ」 「そうだなぁ、手伝わねぇと」 畑仕事があるからと勝手な行動をしていた村人も他の村人に呼ばれてしぶしぶと集まり始めた。そんな村人の様子を和奏はつぶさに観察していた。 「あの人は協力的ですね。あの家から出てきた人は少し自分勝手でしょうか」 遠目であったが和奏は村人の顔をしっかりと頭に刻み込んだ。後々名前を聞いて把握しておくつもりだ。 「十数年前に鬼共を退治した奴ってのはどいつだ? 出来りゃその時の話を聞きてェんだがよ」 「いやぁあんときはとにかく大勢で街まで走ってなぁ。街についてから開拓者に討伐を頼んだんだ。走れない年寄りや子供が後ろから喰われていったよ‥‥」 マリアネラの問いに村の長老が答えた。恐ろしい出来事を思い出したのか長老はなむなむと念仏を唱えた。 二人の話はすぐ近くの和奏の耳にも届いた。 「なるほど‥‥やはり殿を護ることが重要ですね」 起こる可能性、和奏は昔話からもそれを模索していた。 「あの森、おかしいですね」 三四郎の言葉に霞澄はこくりと頷いた。 森から野鳥や野兎が飛び出してきている。普段は肉食の鳥に襲われないように森の中に身を隠している弱い動物達がだ。様子は逐一村人に報告させている。これも訓練の一つだと言うと村人達は真剣な顔で村への伝令に走った。 キィー! 小動物の悲鳴が響いた。中小の獣達が森の外へと逃げ惑う。そしてそれを追う黒く大きな姿がぬっと現れた。 「‥‥‥‥!」 慌てる素振りもなくだが素早く霞澄が見張り台から降り、三四郎は鐘を鳴らした。 大きな鬼だ。 村人から聞いていた普段の小鬼とは明らかに違う。しかも一匹や二匹ではない。鎧を纏った鬼が次々と姿を見せている。十、いや確実に倍以上いる。小さい鬼まで数えるとどれくらいになるのか見当もつかない。 「皆さん、落ち着いてよく聞いてください。鬼の集団が現れました。これは訓練ではありません。私と一緒に村まで戻りましょう。殿軍は私が務めます」 霞澄は淡々と事実だけを告げた。訓練でないという言葉に砦の村人達は顔をさっと青ざめさせた。十数年前の事件が頭をよぎったからだ。 「だ、だけど追いつかれたら」 「大丈夫、伊達に経験は積んでません。できるだけ長くアヤカシを惹きつけてみせます。そのうちに早く!」 鐘を鳴らし終え見張り台から降りてきた三四郎が村人に鋭く指示した。 後ろを憂う必要はない、そう知った村人達は慌てながらも混乱せずに村へと走り出した。村人を後ろから護る霞澄が立ち去る前に三四郎に目線を送った。そちらも無理はしないで。三四郎は言葉なき意思に強く頷いた。 「とは考えても今は一人ですからね」 村まで逃げる村人を護るためには少々の無理の必要だってある。 「ちょっと待たせてしもうたな!」 その背に疾也が声を投げかけてきた。村人を定期的に伝令に出していたからこそ鐘の音を聞きすぐに行動できた。 「オラオラオラァ! お前らの相手はこの俺様だ!」 マリアネラも銃を撃ち鳴らしながら登場した。その挑発に鬼達は汚く濁った黄色い目で開拓者達を睨みつけてきた。 「途中で会った村人に聞いたわ! もう他の奴らはおらへんよな?」 「ええ、ここには」と三四郎。 ここに来る途中村人が「こ、こんなアヤカシがいるところにいられるか! 俺は村に帰って一人で寝る!」などと叫んでいたので「アホ! さっさと逃げんか!」と突っ込みを入れたことを少し思い出す。 「まああれやな、時間を稼ぐんなら‥‥倒してしまってかまへんのやろ?」 疾也は弓を構えながらにやりと笑った。 「何故でしょう、嫌な予感が増えました」 その台詞を聞いた三四郎がぶるりと震えた。何故か十二回殺さないと死なないような大鬼の姿が脳裏を過ぎる。 「こんだけ出揃ってるくせに予測不可能な的をぶちヌいた時の達成感ってのは格別だろうなァ! さあて、楽しい旗狩りにでも行こうか‥‥ヒヒッ!」 銃身で肩を叩きながらマリアネラは心底楽しそうに笑った。 「断罪‥‥開始ィィ〜〜!」 人とアヤカシの闘い、その火蓋が鬨の声と共に斬って落とされた。 「早くこちらへ!」 砦の村人が早く他の人達と合流できるように霞澄が導く。村の住人達は鐘の音を聞いた時点で街へと逃げ出すことになっている。合流地点は和奏が確認済みだ。 だが小さい鬼達は思った以上に素早かった。砦の前の開拓者には敵わないと知った小鬼達が見通しのいい平原を走る村人に目標を移すのはそう遅くなかった。 「この数では‥‥」 後ろから迫る鬼と村人の数を見比べ、霞澄が己の身を晒してでも村人を護らねばと決意を固めたときだ。 「大丈夫ですか? 村の皆さんは既に避難を始めています。さぁ、こっちへ!」 レビィだ。速さを武器とする泰拳士だからこそ村の避難を見届けた後に最も早く砦の方角に向かうことができた。 「さ、ここは私に任せて。あなた達は先に行って!」 明らかに何かの旗がもう一本立った。 「レ、レビィさんのことは忘れません‥‥!」 袖で涙を拭いながら霞澄は仲間の犠牲を無駄にしないことを誓った。 「え、ちょ、なんでそんな反応!? と、とにかく皆さんを守らないと!」 逃げ去る村人を確認しながらレビィはアヤカシの前に立ちはだかった。 鐘を聞いても村の人達はどこかのんびりとしていた。だが砦から命からがら逃げてきた見張りの知らせを受けて皆血の気の失せた顔をした。訓練をしたとはいえ平和に慣れた村人には衝撃的すぎる知らせだ。 慌てものがたった一人で大きな道へ駆け出そうとした。一人では途中に鬼に追いつかれてしまうかもしれない。 「落ち着いてー!」 琉宇の口笛の音が動揺する村人の耳に届いた。鎮静効果のあるこの口笛の音に村人はハッと我に返った。 「良かったぁ〜」 ほっと琉宇は胸を撫で下ろした。一人でも身勝手な行動に走れば小さな災害が大きな災害にもなりかねない。 「避難用の道具は持ちましたか? 呉作さんはお年寄りの方を手伝ってあげてください」 多くのアヤカシが来たというのに和奏は動じずに、しかし適確な指示を村人に出した。名前は長老から聞いて覚えておいた。 「あんだけ落ち着いてるんだ、きっとだいじょうぶだべ」 村人達は落ち着いた開拓者達の行動に安堵のため息を吐いた。誰一人散り散りになることなく街への道を急いだ。平原の向こうでは鬼を喰い止めるために戦う開拓者の姿が見える。 「生きてさえいれば帰る事もできます‥‥」 「そうだ! 今は生き延びることだけを考えろ!」 霞澄と将門の言葉に村人達は振り返ることを止め歩くことだけを考えた。 冬から明けたばかりで平原には短い草しか生えておらず身を隠すことはできない。開拓者がそれぞれ足止めをしているがやはり数体のアヤカシが村人の存在に気付き向かってきた。 「手を出させるわけにはいかねぇんだよ!」 将門は吠えた。 「――――ッ!」 敵をひきつける力のこもった咆哮。殺気だったアヤカシ達は村人ではなく将門に狙いをすました。向かってくる鬼は小鬼が三体、そして鎧を纏った鬼が一体。 「この手の届く範囲なら必ず守ってみせるさ」 刀を構え将門は薄く笑った。 「クキキーッ!」 一人ならばと調子付いた小鬼が将門に襲い掛かる。 将門の刃に練力が宿り、新陰流の技が煌いた。 「キキ?」 小鬼はどうして自分の視界が二つに裂けたかを理解する前に塵となって消えた。 戦いの中でただの木屑となった砦の前。 「‥‥だいぶ、追っ払ったかいな?」 疾也は弓から持ち替えた刀を手に呟いた。 開拓者の反撃を喰らうと多くの小鬼達は慌てふためきながら森の中に逃げ帰った。いつもなら追いかけて討伐するところだが優先すべきは村人の安全の確保だ。 だが大きな鬼達は自分達が敵うと思っているのか、それともアヤカシにも自尊心があるのか開拓者達に牙をむき出しにして唸り声をあげ続けた。 「まっ、最悪の場合はてめぇのプライドなんざ捨てて唾やら他の体液やらをぶっかけて逃走するのも考えておいた方が良いぜェ?」 にやりとマリアネラは笑いながら銃口を向けた。 「グオアアアアアアアア!!」 それでも鬼は怯むことなく金棒を振り上げてきた。臭い涎が汚い口の端から撒き散らされる。 「しゃーなしだなァ」 マリアネラが銃の基部に手をかざす。さきほど弾を撃ちつくしたはずなのに銃口から新しい弾丸が飛び出た。 金棒を握りしめていた鬼の右手が弾丸によって貫かれ、その隙を逃さぬように 「とどめや」 疾也の神速の刃が鬼の首を斬り落とした。 村人達は全員避難することができた。途中の道のりでケモノに襲われたり慌てた村人が怪我をしたりしたが霞澄の技により大怪我を負ったままのものはいない。 街につくと同時に有志の開拓者が共にアヤカシを討伐することに名乗りをあげたが開拓者達が村に戻った頃には鬼の姿は一匹も見当たらなかった。 様々な理由はあるが村人を救えたのは最初に予感を感じてありとあらゆる策をうった開拓者達のおかげだ。 「‥‥いやぁ、うん、まさか本当にこんな事になるなんて思いもしなかったよ」 旗を立てたはずのレビィが村の中で出されたお茶を飲みながら一息ついた。 「でもやっぱり平和が一番です♪」 隣で茶菓子を頬張りながら琉宇は村人の無事を喜んだ。 |