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■オープニング本文 ●魔法少女、続けてます 「え、何?もう一回言ってくれる?」 不月 彩(フヅキ アヤ)は机にだらーっとなりながら不機嫌そうに言った。都は、開拓者ギルドは寒い。 「だからぁ、すごく良い匂いがするの。とっても甘そうな」 「へー」 「いつも通りやる気が無いわね‥‥」 「で、結局何の用なのよ、イツカ」 「私の零神愚心臓(れいじんぐはーと)を取り戻して欲しいの!!」 イツカと呼ばれた女そうは言い放つ。何やら大事なものらしいのだが、名前からでは想像がつかない。まあ知っている人は知っているかもしれないが。 「れいじんぐはーと?‥‥あー、あれ?」 「そう、私の杖」 「また失くしたの?バカなの?」 そう、イツカは以前も『零神愚心臓』を失くしている。あの時は確か居眠りをして置き引きに‥‥。 半年もたたぬうちにまた同じような事をしたのであればそれはちょっとどうかしている。 「違うの!とられたのよ!」 「誰に?あんな杖をほしがる人なんていないわよ。ほしがるなら常識的に考えてアヤカシくらいね」 元は質素な『マジカルワンド』を非常に柔軟な発想でグレードアップした、もはや原型を留めていないアレ。 改造に改造を加えるので、時を経る度にその異常さは増している。 桃色やら白いリボンが巻きついて、先端に素材は良く分からないけど赤い珠がついていたヤツ。なんか金属片みたいのもついていた気がするし、杖っていうか鈍器という方が相応しい代物だった事は覚えている。 確かこの前はそんな感じ。それから何回か改造をしているはずで、火薬を搭載だかなんだかと聞いたかもしれない。 「そう、アヤカシにとられたの!!」 ●茶色い奴 「で、あれがそのアヤカシ?」 彩の目の前には茶色い球状の物体があった。それは生物というよりも謎の物体と言った方がしっくりくる。 そして、確かにおいしそうないい匂いがする。 「うん、あれ。なんかさっきより大きくなってる気もするけど‥」 大の大人でも一人くらいなら悠々入りそうな大きさ。それが街のはずれとはいえ存在しているのは変。変ならばやっぱりアヤカシなのだろう。 「どうしてあれに近づいたの?」 「だっていい匂いがするし‥‥」 「まさか食べようとなんて思ってないわよね?」 「そ、そんな事ないわょぅ。近づいて確かめようと思ったの!」 そして零神愚心臓でつついたら、すごい勢いで吸い込まれたのだとか。 幸い驚いて手をすぐに離したから良かったものの、無理に堪えていたらイツカもろとも吸い込まれていたかもしれない。 「バカねー。私達には魔法ってものがあるじゃない」 と彩が杖を手に取る。開拓者ギルド職員とはいえ、一応は志体持ちで魔術師としての心得がないでもない。 「じゃ、こんなもんでどうかしら?」 杖を一振りすれば、ほとばしる雷光。それは確かに茶色い物体を射抜いた、が。 「反応ないわね?」 と思ったのもつかの間。物体から茶色いつぶてがお返しとばかりに放たれる。 「ちょっ!何これ!」 「今日のところはこれで勘弁してやるわ!」 こうしてまた新たに一枚の依頼書が『開拓者募集中』と張られるのだった。 |
■参加者一覧
華御院 鬨(ia0351)
22歳・男・志
剣桜花(ia1851)
18歳・女・泰
猫宮・千佳(ib0045)
15歳・女・魔
エルディン・バウアー(ib0066)
28歳・男・魔
シャンテ・ラインハルト(ib0069)
16歳・女・吟
繊月 朔(ib3416)
15歳・女・巫
リンスガルト・ギーベリ(ib5184)
10歳・女・泰
烏丸 紗楓(ib5879)
19歳・女・志 |
■リプレイ本文 ●さようなら神父さん 「食べ物に逆に食べられるなんてなんとも変な感じど〜す!」 華御院 鬨(ia0351)の声が響く。 この世は弱肉強食。例え相手が食材であろうとも、食材が自分より強ければ食べられるのは自分という事も‥。 そう、無慈悲なアヤカシはあの男を食べてしまった。姿形まるごと飲み込んでしまった。 もっともアヤカシは食べられないので一方的な関係ではあるが。 「神父殿の貴い犠牲は忘れません!」 剣桜花(ia1851)の頬を涙が伝う。 戦いに犠牲は付き物だ。だが、そうとわかっていても簡単に割り切れるものでもない。 悲しい別れは突然。そしてその唐突さと悲しみは耐えるには辛いものがある。 「神父さん、貴方の事は忘れません‥‥」 尊い犠牲。せめて忘れずにいる事が弔いになるだろうかと繊月 朔(ib3416)は思う。 毎年この季節になったら花を手向けよう。骨も何も残らなかったけど小さなお墓をここに作って。 さようなら、エルディン。ありがとうエルディン・バウアー(ib0066)‥‥。 ●時は少し前にさかのぼる 「私のこの『霊蕃点(ればんてぃん)』でアヤカシを退治しますからね、イツカさんっ!」 「我が鉄槌に砕けぬものなどありはせぬ!」 朔は木刀(カミナギはただの木刀ではないが)を『霊蕃点(ればんてぃん)』と呼び、リンスガルト・ギーベリ(ib5184)は長柄槌を『蔵阿父愛全(ぐらーふあいぜん)』と呼んで、全体的に赤っぽい服装でまとめている。とりあえず何でこんな名前になったのかは触れないで置く。 「ほんまに、魔法少女っておるんど〜すね。演技の練習に観察させてもらいや〜す!」 見た目は少女としか思えぬ鬨だが、今日は魔法少女の演技との事でより可愛らしさが際立つ装いである。 ただ彼は『ついてる』のでいくら可愛くとも魔法『少女』にはならないのだが‥。 「う、うん。よろしくお願いします」 そして魔法少女を名乗るイツカに元気はない。自分の獲物である零神愚心臓(れいじんぐはーと)という杖がなければ戦えないというのだ。 それでその杖は戦うべき敵の体内にある。 アヤカシの中に取り込まれてしまった杖を取替えさなければならないのだ。 「杖は魔法少女の命にゃ!絶対取り戻してあげるのにゃ♪」 そんなイツカを励ますように手を力強く握って猫宮・千佳(ib0045)は杖の奪還を誓う。 同じ魔法少女として杖の存在とはどういったものなのか、それを失うというのは何を意味するかといった事を千佳には痛い程良くわかる。 魔法少女にとっての暗黙知。他人には理解できぬ絶望があるのだ。 そしてその敵は茶色の大きな球体で、一見すると巨大なチョコレートの様でもある。 何を思ってこういう姿になったかはわからない。烏丸 紗楓(ib5879)は『なんていうか面妖なアヤカシもいたものねえ』と思ったものの、 「ん‥アヤカシなんだから面妖でいいのか‥」 と呟く。そう、アヤカシだし。 「えぇっと、あの姿は‥‥泰国のお菓子、でしたか?」 「いや、あれはチョコレートじゃろ。‥しかし、良い香りがするのう‥‥」 シャンテ・ラインハルト(ib0069)とリンスガルトもその面妖な敵を前に思う所もあるらしい。 風に乗って漂う甘い香りの発生元がアヤカシというのが残念でならないが、それでもいい匂いだ。リンスガルドも知らぬ内に顔が緩む。 「匂いで、獲物をおびき寄せるような意図でもあるのかもしれませんね‥‥」 面妖ではあるが理にはかなう。だが、もう少しあの見た目はどうにかならなかったのだろうかと思うのだが。 「まあ、それはとにかくがんばりましょう」 紗楓はそう言って気合を入れる。姿形が変わっているからといって油断をしてもいいという事はない。油断させるためにわざとこんな事をさせているかもしれないのだ。 ●突入 「そこまでにゃ!甘くて美味しそうなアヤカシを倒すため、マジカル♪チカ参上にゃ♪」 魔法少女としてお約束のポーズをばっちり決める千佳。例えどんな緊急時や危機が迫っていたとしても魔法少女とかある種色々な職業の者は登場時にポーズを決めるものだ。 そして、敵はそこがチャンスと知っていても攻撃してはならない。それが鉄の掟である。しかし、アヤカシにはそんな事なんて関係なかったか問答無用でつぶてを打ち付けてくる。 「にゃー!思ってたよりも痛いにゃー!!」 「おいしそうな匂い‥‥はっ!ダメです、あれはアヤカシの攻撃‥‥あとで甘味食べにいこう‥」 チョコ風つぶては芳しき匂いこそするものの、意外と痛い。丸っこいため貫通力はないが、まともに喰らうと殴られる様な痛みがある。射程距離もなかなかでやっかいだ。 「この後ろに下がっていてください」 この壁の後ろなら大丈夫ですよ、とエルディンはストーンウォールを拵えてイツカに勧める。確かにこの後ろならつぶてが来ようとも直撃することはないし、そう簡単に壊れる壁でもない。安全だ。 「貴女の大切な宝物を取り返してあげましょう」 何時もどおりの笑顔が輝くエルディン。だがこれが彼の最後の輝きになろうとは‥‥。 石の壁で囲まれたステージに勇ましげな曲が流れ出す。だが、勇気を鼓舞するような調べの中に時折どこか悲しげなフレーズが混じる。シャンテの奏でる『共鳴の力場』はエルディンを包み込むように流れて行く。 「エルディン様、どうかご無事で‥‥」 杖の回収のためにアヤカシの中に自ら進んで入るなんて無謀だ。せめてこの守りが役に立てばと思えば、曲に悲哀の情が篭るのも仕方がない。 「少しでも助けになれば良いのですけど」 朔の神楽舞もエルディンの無事を願ってこその舞。曲と舞との加護を得ても果たして充分と言えるかどうか。 しかし、彼を止めようとしても、彼の強い決意は揺るがないだろう。ならば例え焼け石に水かもしれなくても、やれるだけの事でもやるしかない。 「神父殿、特別攻撃よろしくお願いいたしますね?」 そういう桜花は『どう考えても無事では済まないだろう』と心の奥底では思いながらもその考えを表に出すことなく、エルディンににっこりと微笑みかける。 アヤカシをただ退治するだけなら簡単なように思えるのだが、中にある杖が壊れるのは困る。 そう思っていた所に自殺志願者、いや勇敢な挑戦者が現れたのだからそれを止める理由もない。 「崇高な自己犠牲の精神というやつじゃな」 そう言いつつもリンスガルトは内心『この男‥‥正気か?』と顔に表情が出てしまって、こちらは嘘が隠せない。 兎角、誰一人ともエルディンが無事に帰ってこれるとは思っていないのだ。 「うまくいったら合図をしてくださいね?」 特攻者の命綱をしっかりと握りながら紗楓は念を押す。合図は来ないかもしれない。もしかしたらアヤカシと引っ張り合いになるかもしれない。不安はないでもないが、多分何とかなるだろう。無闇に不安がるのはいけないと紗楓は気合をいれる。 「いっちにっ、さんしっ‥‥では行ってきます!」 「妾の後ろをついてくるが良い!!」 リンスガルトは盾を構えて先頭に立つ。茶色いつぶてが盾を撃ち、すぐ横を掠め、時には守りきれない部分に当たる事もあるが、彼女は決して歩みを止めることはない。 歩みは遅くとも着実に歩を進め、弾丸のごときつぶてを受け止めながらアヤカシの前に詰め寄って行く。 そして次第に距離は狭まり、もうすぐ直接触れる事も出来そうな具合である。 「神父よ、準備は良いか?」 「問題ありません!さあ、安らかに眠りなさい」 「‥‥どうなったのじゃ?」 エルディンが唱えたのは眠りの魔法『アムルリープ』。だが、球体状のアヤカシに目や口はない。魔法が効いて眠っているのか外見では全くわからない。後から遅れて効くのか、それとも全く効果が無かったのかすらわからない。 二人は様子を伺っていると、後ろから走りこむ人影が。 「神父殿いってらっしゃいませえええ!!」 「神よ我を救いたまええぇぇ!?」 素早く駆け寄った桜花が『えい☆』とエルディンに蹴りを入れ、哀れ吹き飛んだエルディンはアヤカシの体にストライク。そしてそのままずぶずぶと吸い込まれてしまったのだ。 ●そして時は動き出す 「‥‥合図がありません‥‥」 紗楓が呟く。やはり無茶だったのだ。アヤカシに食べられて生還するなんて。 今頃エルディンはぐっちゃぐちゃのドロドロになっているに違いない。 紗楓の言葉に誰も応じるものは無く、深い悲しみが皆を襲っていた。 それでも、甘い香りは途切れない。空気を読まぬ匂いが一層物悲しい。 さらには心に思う者へチョコを贈る、贈らないで世間は浮かれているのにというのに、その話題のチョコレートを模したアヤカシ相手に身と時間を削っているかと思えば悲しいなんてもんじゃない。 「心が折れることがないように‥‥」 シャンテはそう気を遣って、また別の曲を奏で始める。寂しさと悲しさで心が折れてしまっては戦いにはならない。 中には毎年この時期になると憎悪と怨念の力を借りないと、生き延びれない程の者もいるのだ。 「やるしか、ないんやろか‥‥」 合図が無いとは言え、中にエルディンがいるのは間違いない。『多分死んでる』が、そのまま攻撃しても良いものかどうかは判断に迷う。 「でも、中にいるんですよ?」 「うに、凄く攻撃したいにゃ。ダメといわれると‥‥」 命綱を引いても引き返してくることは無いが、まだ手ごたえがある。骨になってしまったかもしれないが、中にまだいるのは確かだと紗楓は言う。 だが、駄目だと言われれば何故かやりたくなるものだ。 「やっぱり我慢できないにゃー!マジカル♪ブリザードにゃ!」 「今ならクッションがありますしね♪」 そしてもう一人、桜花は吹雪の中の球体目掛けて走り出す。 中に杖があろうとも、今なら中にそれを守っていてくれている者がいるはず。 それなら、例え全力で攻撃をしても壊してしまうことは無いはずだ。 蹴る、殴る、蹴る。一切の遠慮はいらぬとばかりに畳み掛けられた攻撃はアヤカシの形を歪めていく。 「まだ終わりませんよっ?」 どこまで息が続くのだろう激しい攻撃はさらに唸りをあげる。 「これで、止めです!」 最後に桜花の拳がアヤカシに一段と強く打ち込まれた時、アヤカシの体から大きな何かが飛び出した。 「エルディン様!?」 シャンテが演奏の手を止めて叫ぶ。吹き飛ぶ何か、それは物凄く茶色くはあるが人型。恐らくはエルディンと思しきが勢いよく空の彼方に吹っ飛んでいった。 「‥‥お星様になられたのですね‥‥」 シャンテは再びフルートを口に当てて曲を奏でる。そして今度は澄んだ笛の音が流れ出すのだった。 杖が無事かどうかはわからないが、とりあえずアヤカシの体内からエルディンはいなくなったようだ。これなら遠慮することも無い、紗楓は刀を抜いて炎を纏わせる。 「チョコなら溶けるわよね」 似ているからといってチョコと同じかは限らないが、似ているのなら熱で削り取ろうというのも効果があるはず。 「‥‥それに、コレも、ね」 炎々と燃え盛る松明を片手に紗楓はその隙を伺う。刀で攻撃を受け流し、斬り付ける。炎を帯びた刀がアヤカシをよぎる度、焦げた様な匂いがする。 「燃えてしまいなさい!」 紗楓の手から放れた松明はアヤカシを熱く焦がす。 「霊蕃点いくよっ!」 飛んでいったエルディンの安否は気になるが、彼の元に駆けつけるにはこのアヤカシを抜けねばならない。つまりアヤカシを倒さなければ。 朔の霊蕃点から炎が噴出す。この清浄なる炎は木刀を焼かぬ。この炎が焼くはアヤカシと人間だけ。 「貴方がただのチョコレートなら心躍る戦いでしたが‥‥」 朔の炎は球体を焼く。これがアヤカシに相違ないと炎を上げる。 「ぶち抜け愛全!羅鶏店範馬(らけーてんはんまー)!」 リンスガルトは真紅のオーラに身を包み槌を振り回す。小さい体躯が勢い良くぐるぐる回る。 最初はゆっくりとした回転が回数を重ねる度その速度は速まって、加速が頂点に達っすると同時に渾身の一打を叩き込む。轟音と共に舞う土煙。 そんな土煙をよそに鬨は短剣を手にくるりと舞う。 「いっくよ、ホワイトプラムアロマ!」 要するに『白梅香』なのだが、こういうのは雰囲気作りが大事と彼なりに工夫をこなしているのだ。現に何とも違うものの様に感じられる。 魔法少女としてはいささかバイオレンスな感じにざっくりと突き刺さった剣は刀身こそ短く、刺突のため範囲は限定的だが、瘴気をごっそりと浄化している様に見える。 「まだまだいっくよ〜!」 その様は可愛らしくもあるが、短剣はアヤカシを貫いて、アヤカシに円錐状の穴を作っていく。 そして何度かの刺突後、ついに球体は姿を崩し瘴気となって消うせた。 「浄化完了ど〜す!」 「うに、依頼完遂にゃ♪魔法少女は絶対負けたりしないのにゃ♪」 魔法少女達は揃って喜びの声をあげるのだった。 ●まみれ 「神父さん、貴方の犠牲は忘れません‥って、無事だったんですねよかったです」 「体張ったわねえ、生きてる?」 朔と紗楓がゆっくりと歩いてきたエルディンに声をかける。至る所茶色の神父は何と表現すればいいだろうか、体を張ることの代償の大きさがわかる凄惨な姿であった。目立った外傷は打撲傷だが。 「せっかくのバレンタインですからチョコになった私はいかがですか?」 ふらふらしている癖にどこにそんな余裕があるのか、エルディンは大きく手を広げて迎え入れる準備をとる。 そしてその片手には零神愚心臓を持っているのを見て、イツカの目が輝く。イツカは軽やかに走り出すと、エルディンの胸に飛びこ‥‥まない。 「ありがとうエルディンさん!‥く、臭っ!!」 そう、彼は臭かった。 アヤカシは何種類かの甘い匂いを出していたが、混ざらないように分けていた。 いい匂い×いい匂いが必ずしもいい匂いではないのだ。絵の具も混ぜれば黒になる様に、香水も混ぜれば元の匂いとは全く違うものになる。 中に入ったエルディンはその匂いにやられて気を失い、そのまま原液とも言うべきものを複数たっぷり浴びて漬かっていたのだ。 「色が色だけに別なものに塗れているように見えるのう、神父よ」 鼻を手で塞ぎながらリンスガルトはかなり的確な表現をする。まるで本当に『あれ』に塗れているかのような対応に色、匂いと揃ってしまえばそれはもう‥‥。 とはいえ匂いはともかく、全員結構汚れてしまっている。 「女の子皆でお風呂屋さんにでも行きましょ♪」 「そうですね、その後は何か甘い物でも」 「甘い物食べたくなっちゃったよね〜」 「うちも〜」 チョコレートの甘い香りが何かを刺激したか、少女達(?)の話に花が咲く。戦いを終えた乙女達はかしましく戦場を後にするのだった。 「あの〜私は‥‥?」 アラサー男性に冷たい風が吹く。頑張れエルディン。負けるなエルディン・バウアー。 |