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■オープニング本文 ●つかれた なう 戦い終わって日も暮れて。もうすぐこの辺りもまっくらです。 依頼は、アヤカシ退治は無事終わりました。大きな怪我をした人もいません。 だけど、戦いは物凄く長く続きました。朝早くから戦って一日かかってしまったのです。 一日戦えばいくら丈夫な開拓者といっても生きているんだもの、疲れます。 それに怪我がないといってもずっと駆け回って戦っていたのですから、汚れもひどいです。 そんな疲れた、汚れた状態の皆さんは帰り道に温泉宿を見つけました。 これから帰るにはちょっと遅いし、何と言ってもおふろにははいりたい。帰れば報酬もあるわけだし。それならば『自分へのご褒美』なんて‥。と誰もが同じ考えを持ちます。 そして、誰かが言いました。 「寄って行こうかな‥‥」 大きな浴槽にあったかいお湯。一仕事終えたことだし一杯なんてのも、いいかな。 皆さんの頭の中に温泉のいめーじが広がります。 もうこうなると、ね? こうして皆さんはそろってその宿の方へ足を伸ばすのでした。 ●やつらがきた なう 予定外の宿泊となりましたが、思ったよりもこの宿はいい感じ。 露天からの眺めもいい感じ。こういう時に満月って、いいよね。なんだかとっても魅力的。 でも、月って満月だからって増えないよね? なんかおつきさま、たくさんいる‥‥よ? あと、目なんてない、よ‥‥ね? 出たぞー!闇目玉仮面が出たぞー!! 市場に大量に出回ったら、たくさん来たぞー!! おっと武器はないぞ。部屋においてきてしまいました。 服を着ようにも闇目玉仮面は脱衣所にも来ているみたいです。あ、入り口が塞が、れ? なにを、して、いるの‥‥? |
■参加者一覧
神町・桜(ia0020)
10歳・女・巫
天河 ふしぎ(ia1037)
17歳・男・シ
神咲 輪(ia8063)
21歳・女・シ
ウィリアム・ハルゼー(ib4087)
14歳・男・陰
宮鷺 カヅキ(ib4230)
21歳・女・シ
ルー(ib4431)
19歳・女・志
リンスガルト・ギーベリ(ib5184)
10歳・女・泰
各務原 光(ib5427)
18歳・女・砲
アナス・ディアズイ(ib5668)
16歳・女・騎
悠・フローズヴィトニル(ib5853)
13歳・女・泰 |
■リプレイ本文 ●注意 なう ※このリプレイは男の人には読んでて股間を押さえたくなる箇所がある可能性があります。 ●男湯 なう ここは本当に男湯なのでしょうか? おかっぱの子と巨乳の子がいます。 おかしいです。 絶対に何かおかしいです。 「僕は男なんだからなっ、最初女湯に案内するなんて宿の人も酷いんだぞっ‥」 おかっぱの子がそう言います。名前は天河 ふしぎ(ia1037)さん、16歳くらい。 「それはしょうがないのです。ほら、みんなこっちを見てますよ?」 巨乳の子、ウィリアム・ハルゼー(ib4087)さんが言うとおり、二人を遠巻きにみんなが見ぬフリをしながら見ています。だってここ男湯ですから。女の子がいる場所じゃないですから。裸の女の子とかいたらいけないんだから! そんな本当に女の子としか見えない二人ですが、それでも『彼ら』は男です。 ついてます。 とっても残念だけど、ついてるのです。 だけど周りの人はそれを知りません。だから、やっぱり見てしまうのです。この様に騒ぎが起こる前からすでに男湯ではおかしな空気になっているのでした。 ●女湯 なう さて、女湯です。男の娘もいいけど女湯もね! こちらは概ね普通。ちょっと違うといえば美人が多いくらい。 十代前半から二十代まで選り取り見取りの素敵空間です。熟女好きのお友達はごめんなさい。 「いい気分‥」 とゆったりお湯に浸かっているのは悠・フローズヴィトニル(ib5853)さん。 無駄な肉は日々の鍛錬で削げ落ちていますが、でもそれでいて女の子らしい柔らかさがあります。 それもそのはず今まさにこの時が、開花のタイミングなのかもしれません。 その柔らかな‥‥。おっとここまで。危ない危ない。 「ええ、いいお湯ですね」 肩まで伸びた金髪が綺麗です。アナス・ディアズイ(ib5668)さんは温泉という場所にも関わらず、緩みきることなくどこかしゃきっとしています。 「ふぅ、依頼の疲れが消えていくようじゃのぉ‥‥」 神町・桜(ia0020)さんは年寄りの様な言葉遣いですが、幼女です。 「妾はこれ無しでは駄目なのじゃ」 髪を洗うにはそれ用の帽子がないと駄目だと言うリンスガルト・ギーベリ(ib5184)さんももちろん幼女です。温泉ですから、幼女がいたって何の不思議もありません。幼女イン温泉なのです。 そして温泉だから、お姉さんがいる事もごくごく自然な事です。 「んんん〜ん〜♪」 と上機嫌なのは神咲 輪(ia8063)さん。お湯にお盆を浮かべていい気分。束ねた髪のおかげで、普段は見えないうなじがとってもせくしー。 「ルー(ib4431)さんもいかが?」 そう言いながら輪さんがルーさんにお酒をすすめつつこっそり大きさを比べてます。何をって、それはアレです。やわらかくてまるいアレです。 「せっかくだから、もらおうかな」 もちろん注がれる側はそんな事など知りません。 そしてそれは大きいです。とても大きいです。そしてその大きさと質量でありながら崩れぬそれは芸術なのです。また、注ぐ方のそれも小振りではあっても整った形。これはこれでまた素晴らしく良いものです。 そんな二人をよそに疲れているのでしょうか、八条 光(ib5427)さんは湯船にぼーっと浸かっています。並ぶように宮鷺 カヅキ(ib4230)さんも黙って外の景色を眺めています。 「あと10数えたら出よう」 と心の中で呟いて、ひとつ、ふたつ、と数えます。 しかし、十を数え終わる前に事件は起きてしまったのです。 ●襲撃 なう 「きゃーっ!!」 悲鳴が響きます。そうです、闇目玉仮面が現れたのです。 ‥でも悲鳴は男湯から。その声の主、ふしぎちゃんは何故か胸元を隠すようにして湯船に沈みます。 なんで男湯にまで現れたのかは、きっと二人を見間違えたからですね。 もちろん女湯には男湯以上に闇目玉仮面が押し寄せていました。 「なんで変態がこんなにまとまって出てくるの!?」 わかりません。 「‥‥こいつらぶっ飛ばしてもかまわんなう?」 かまいませんなう。 というわけで、温泉は戦場になりましたなう。 しかし百戦錬磨の開拓者といえども、今は入浴中です。 「武器ないと私は何もできませんしねぇ」 と光さんが言う様に鎧もなければ刀もありません。それどころか服もありません。このまま戦うのは危険です。とりあえず最低限身を隠す衣服が欲しいところです。そこで桜さんは一路脱衣所に向かいます。 「人がせっかく疲れを癒しておるというのに変態とは‥‥って、既に脱衣所まで!?」 そうです。すでに変態は、闇目玉仮面は脱衣所にもいっぱいでした。そしてそのうちの一人は何か見覚えのある白い布を手に持っています。さらにはその布を‥。 「ま、まさかその布は‥‥」 その布はさっきまで自分の胸元を保護していたものの様な気がしてなりません。 すごくいやな予感がします。このままではぺろぺろされてしまうかもしれません。 「何たる破廉恥な!!」 ショーツを嬉しそうに(表情はわかりませんがきっとそうです)握る闇目玉仮面にリンスガルトさんの怒鳴り声。どうやらそれが自分の物だとわかったようです。 なんということでしょう。服を着るどころか、下着は闇目玉仮面達の手に落ちてしまった模様です。 「汝らは罪の深さを知ることになるぞ?」 リンスガルトさんの声に凄みが出ても、闇目玉仮面は怯みません。だって変態ですもの。幼女に罵られるのもきっとご褒美の類です。 『胸の膨らみはおろか腰のくびれすら無い』体を見て喜ぶ者などいないと考えていたようですがそれは大きな誤りなのです。広い世の中には残念な変態も生息しているのです。 そして開拓者の中に一人だけおかしな動きをする人がいました。 どこから取り出したか、闇目玉の面を身につけるウィリアムさん。 「諸君。私は女性が好きだ」 突如として始まる演説。他の闇目玉仮面達は大人しくそれに聞き入っています。 「綺麗な髪が好きだ。澄んだ目が好きだ」 演説が続きます。 「ただの女性を望むか?」 まだまだ続きます。いつまで続くのでしょうか。 「(前略)よろしい、ならば女性だ(中略)覗くぞ諸君!!」 漸く演説が終わったかと思うとうおーっと湧き上がる歓声。その熱狂っぷりは女湯を覗くというだけには収まりません。こっそりと覗くなんて物足りないとばかりに彼らは壁を突き破ってしまいました。これではもう混浴と変わりません。 ●混浴 なう 仁王立ちでした。 「非常事態ですし、時々目に入る分には容認しますが」 とアナスさんは言いました。タオルで隠すところは隠れていますけれど、どうもこの感じだとタオルがなくても仁王立ちのままの様な気もします。 「人々を守る矢面に立つ騎士という身である以上、肌を見られる程度で動じるわけにはいきません」 では、じっくりと眺めることにいたしましょう。 「じっくり眺めるようでしたら今叩きのめしてるこの連中同様見物料を徴収し、お仕置きの列に加えますので覚悟のある方だけどうぞ」 だめでした。 「これはまずいんだぞっ」 一方、ふしぎさんは慌てて目をそらして隠れる様にお湯に潜りました。 「違和感ないんだよね‥」 男湯と女湯が繋がりましたが、悠さんには男湯から来た人達が女湯にいたとしてもそんなに違和感はないようです。 ●はぷにんぐ なう 「逝きなさい!」 輪さんは風呂桶を手裏剣のように投げつけます。 まるでそれは本物の手裏剣のように見事な軌道を描いて、闇目玉の面を砕きます。 だけど勢いが良すぎたのでしょうか? 身を包んでいた輪さんのタオルがはらり、と緩やかに落ちていくではありませんか。 するとどうでしょう、薄布に包まれていた細身の体に均整のとれたアレ。 それはまるでそれは天女の様です。 そうです、いやらしい気持ちではなくて、そうだ、芸術なんです! 芸術だから人の目を集めるのは当然です。 「きゃっ!」 一時停止後、輪さんは湯船に身を隠します。ああ、芸術は儚いのです。 真っ白なものを自分の色に染め上げたい。 そんな欲情を沸き立てるような魅力的な人がいました。 「ああもう、寄って来ないでよー!」 反応がたまりません。 しかし、悠さんのガードは固いのです。 だけどもし触れる事が出来るのなら、その時彼女はどんな声を出すのだろうかといくら蹴られても変態達のやる気は尽きないのです。 変態達が跋扈する中、全裸で出て行くのは危険。ルーさんはそう考えます。 でもずっと湯船にいたところで奴らはきっと潜水でも何でもしてくるに違いありません。ならば、出来るだけ早く片付ける方がいいはずです。 恥ずかしいけど、どうにかしたい。 そんな時にはこれ、『背水心』。何者にも打ち勝つ覚悟なのですから、羞恥心にも打ち勝つ覚悟というわけです。適切な使い方ですね。 「いちおう、念のため‥‥」 片手はタオル。いくら羞恥心を押さえ込むとはいえ、見られることには違いないので。 「うおおぉっ!」 そして、注意を引き付けるために叫びます。 え?本気? タオル一枚だけで体を隠している巨乳美女が『私を見て』とばかりに堂々と立って叫ぶのです。 どうします? そりゃ行きますよ。当たり前じゃないですか。 というわけで、ルーさんに変態達が殺到します。 「このっ」 文字通り彼らを蹴散らすルーさん。だけど、風呂場は滑りやすくて危ないのです。 「あっ」 と思った時には闇目玉仮面を巻き込んですってんころりん。 そして、とってもお約束な感じに手がジャストフィットなう。 「───!」 と幸せな一瞬を得た闇目玉仮面はやはりお約束にぶっ飛ばされてフェードアウトなうなのでした。 「はぁい、ご注目‥♪」 扇情的なポーズで変態を誘うのは光さん。尻尾で隠した部分を少しづつずらします。 そんな事をしていいんですか? いいんです。 「はいお疲れさまでした」 こうして引き寄せられきた闇目玉仮面をぼこり。 男なんて単純です。そこに罠があるとわかっていても行かないといけないのです。 だけど、そんな光さんにも危機が訪れます。 「ゃっ‥!駄目、離しなさい‥!」 艶っぽい声があがります。光さんの弱点は尻尾です。尻尾を握られると力が抜けてしまうのだそうです。 だから光さんにあんな事やこんな事をしたい人はちゃんと覚えておきましょう。そして今、まさに光さんはそんな状態です。ぴんちなう。これ以上は表現的にもぴんちなう。 桜さんはにじみ寄る変態を避けるため、月歩で滑る様に歩きます。最初は両手で体を隠していましたが、それではどうにもならないのでその辺りは諦めたようです。 「掴まりはせ‥‥ぬぁっ。つぅ‥‥きゃ!?」 だけど、そのまま本当にすべって尻餅でさあ大変。 「ちぃ、近づくでないわ!」 桜さんもぴんちなう。これ以上は倫理的にもぴんちなう。 しかし、そんなぴんちに救世主登場なう。 「‥‥いい加減にするなう」 武器はありませんが、使えるものはいくらかあります。 使う物は風呂桶の底。ただそれでタコ殴りにするのももちろん痛いです。 角とか使ったら危ないです。 それに加えて、もし足の小指を狙ったりしたら‥‥。 とても痛いです。カヅキさんは鬼です。 だけど他の人はみんなもっと鬼でした。悪魔でした。 「スイッチを蹴り上げて動くのならば同じ様にして止める事も出来るはずじゃ!」 男の人にはスイッチがあります。 具体的な場所は両足の付け根の中間地点です。どう考えても股間です。本当にありがとうございました。 以前、リンスガルトさんは幼くして男のスイッチの存在を知ってしまいました。 あの時は意識を失った男を起動させる事が目的でしたが、今回はその逆を狙うのです。 しかも手加減なしです。全身を武器として蹴って殴るのです。最悪です。スイッチはそんな乱暴に切り替えるものではありません。 「本当に残念な連中ですね」 アナスさんも蹴ります。ポイントアタックです。これほどポイントアタックなポイントアタックはないくらいポイントアタックです。何を言っているかわからないと思いますが、ポイントアタックです。 「あはははだらしなぁい!」 他の人も蹴ります。 踏みます。 ちょっと問題がありそうな踵落としまでもあります。 遠慮とかそういうのがありません。 「絶対の絶対に許さないんだからぁ」 そんな仕打ちの後に手拭を首にかけられて、投げ飛ばされる闇目玉仮面もいます。 冷水の追打ち付きです。極悪非道です。 こうして断末魔にも似た叫びを上げながら、次々と闇目玉仮面は数を減らしていきました。 「訓練された闇目玉仮面は最後の一兵たりとも諦めたりはしない!!」 最後の一人になっても往生際の悪い闇目玉仮面司令官のウィリアムさんは、一秒でも長くこの風景を脳内に焼き付けようと孤軍奮闘です。 「闇目玉仮面の変態力は天儀一ィ!」 タオルで隠しているのならそれを剥ぎ取ればいいのです。 手近にいた人の背後からウィリアムさんは精一杯の力をこめて、タオルを引き抜きます。 だけど、運命は残酷でした。 「僕は男だっ!」 はずれでした。僕らが夢見たものはあくまでも夢に過ぎなかったのです。 ふしぎさんは逆にウィリアムさんの背後を取ると空高く飛び上がります。 「裸で首を刎ねてこそ、一人前のシノビなんだぞっ!」 「そ、そんな。しくじっ‥た」 こうして裸のシノビ(男)に首を跳ね飛ばされることはなかったものの、最後の闇目玉仮面も力尽きるのでした。 ●おしおき なう 「粗大ごみ粗大ごみっと」 悠さんがぐるぐるに縛られた闇目玉仮面達を引きずっています。 ウィリアムさんを含む闇目玉仮面は全員倒れ、騒ぎは収まりました。しかし、皆の怒りは収まりません。 「罪を償わせねばならぬな。極刑としたいところじゃが‥」 そう言うとリンスガルトさんは鞭を鳴らします。この場合、鞭打ちでしょうか? 「正座させて石抱きかしら?」 いいえ、輪さんの考えは違いました。もっと過酷な刑が待っていました。 「それが終わったらちゃんと片付けもさせないと」 アナスさんも止めはしません。それどころか労役刑もつきました。 「じゃあ、私はこの辺のをおしおきしないと」 と光さんは何人かの男を連れて行こうとします。その中にはウィリアムさんも含まれています。 「ボクには御主人様が〜!」 引きずられ、遠ざかっていくウィリアムさんの声。 そして『おしおき』とは一体どんな事が行われるのでしょう。 そもそも本当にそれはおしおきなんでしょうか? 「いやあ、この後が楽しみです」 光さんは一人、そう呟きます。 そしてこの後、彼らがどんな事になったのかはわかりません。 翌朝開放された元闇目玉仮面達は決してこの時の事を口にしなかったそうです。 |