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■オープニング本文 少し都会から離れた田舎にある、小さな村。 その村人の一人、吾平は今朝も、村の中央にある井戸に水を汲みにやって来ていた。 「今日はお天道様もご機嫌だぁなぁ。毎日これならありがてぇんだが」 桶を両手に、のんびりと空を眺めていた彼は‥‥しかし、それゆえに足元に気付かなかった。 「さて、と、んじゃま今日も水汲みを‥‥んっ!?」 地面とは違う、柔らかい感触を踏みつけ、吾平は顔を顰める。だが、それが何を確認する前に、彼に青い塊が跳びかかった。 「な、なんだぁねこれはっ! ‥‥う、わああっ!」 5体の塊は、次々と吾平に張り付き、ぴったりと密着して引き剥がす事も出来ない。 吾平の身体は塊に包み込まれ、そして‥‥。 「真っ裸の姿を村の娘御達に見られて、吾平は家に引き篭ってしまったんじゃ」 「‥‥それはそれは、ご愁傷さまです」 依頼人である村長の言葉に、ギルド職員は微妙な表情で答えた。 「命に別状が無かったのは不幸中の幸いじゃが‥‥」 それどころか、どうやら攻撃能力は無いようで、吾平には傷ひとつ無かった。 しかし着ていた服は完全に溶かされた上で放り捨てられ、そこを村人に発見されたそうだ。身体に傷が無くても、心には大分傷を負ったようである。 「どうにも間の抜けた話かもしれんが‥‥ワシらにとって井戸は生命線。そこにあんなものが住み着いては生きていけん」 人は水無しでは生きていけない。近くに水場の無い村にとって、井戸は生活用水を確保するほぼ唯一の方法。例え直接的に命の危険が無くても、放置しておく訳には行かないのだ。 「‥‥真っ裸で水を汲みに行けば良いのかもしれんが」 「それは、流石に‥‥アレですね」 微妙な表情で見つめ合う村長と職員。 「‥‥分かりました、では開拓者の派遣を手配しますね」 こうして、アヤカシ退治の依頼書がギルドに貼り出された。 なお、職員が『綺麗どころ推奨』とか勝手に依頼書に書こうとして、上役に大目玉を喰らったのは別の話。 |
■参加者一覧
神町・桜(ia0020)
10歳・女・巫
斎賀・東雲(ia0101)
18歳・男・陰
雪ノ下 真沙羅(ia0224)
18歳・女・志
志藤 久遠(ia0597)
26歳・女・志
葛切 カズラ(ia0725)
26歳・女・陰
荒屋敷(ia3801)
17歳・男・サ
シエラ・ダグラス(ia4429)
20歳・女・砂
ルーティア(ia8760)
16歳・女・陰 |
■リプレイ本文 ●はじまり。 「人を食わないアヤカシとは面妖な‥‥」 「いやそこか? まずそこなのか?」 志藤 久遠(ia0597)の呟きに、神町・桜(ia0020)が鋭くツッコミを入れる。 「はい、変わってはいますが、被害がないわけではありません。早急に退治しましょう」 「‥‥まあ、おぬしがそれで良いと言うなら、良いのじゃろう」 桜だってあんまり深く突っ込みたくはない。 「ふ、服を溶かすアヤカシ、だなんて‥‥ま、万一女性の方が、襲われでもしたら、大変です‥‥!」 「おぅ、全く大変やな‥‥」 雪ノ下 真沙羅(ia0224)の言葉に、頷く斎賀・東雲(ia0101)。だが二人の言う『大変』には食い違いがあるような気がする。 「いやーんな状態の美人な嬢ちゃんねーちゃんが拝めるんやからな‥‥そりゃあもう大変や」 もとい、明確に食い違いがあった。 「てかその服は何なん?」 「え? えと、何でも、ジルベリアで流行っている服らしくて‥‥今度の依頼に行くなら是非、と、知人に頂いたものですが‥‥変、ですか?」 メイド服姿で首を傾げる真沙羅。これ結構高いので、服を必要経費として補償すると言った村人さんたち涙目。 「素敵よ、とっても。でも、溶かされたら大変な事になりそうね!」 「‥‥いや、今一番大変なのはカズラの方では無いだろうか」 興奮した様子の葛切 カズラ(ia0725)を、微妙に直視出来ずに顔を赤くするルーティア(ia8760)。そのカズラさんは‥‥。 「あら、最初から裸になれば、服を溶かされて恥ずかしい事も無いでしょう?」 と言う事になっています。確かに道理ではある‥‥ような気がするのは多分騙されてる気がする。 「でも‥‥あんまり見ないで、恥ずかしいわ」 言いつつ、なんか恥じらいと言うよりは興奮してるような気が。 「くっ‥‥さらしやぱんつだけは残しておこうなどと、やはり自分には覚悟が足りないのか‥‥いやしかしっ‥‥!」 お気に入りの服を溶かされない為には脱ぐしかない、と恥ずかしがっていたらもっと大胆な人が他にいたので、自分の信念と羞恥の間で葛藤しているルーティア。 「‥‥直視すべきなのか、もっと恥らいを持つべきと忠告すべきなのか‥‥空気を読んで目を逸らすのがいいのか、本能に従うべきか‥‥」 横でそんな事をされているものだから、荒屋敷(ia3801)もまた別の葛藤中。 「くそぅっ、俺が陰陽師なら、後衛から安全安心にほくほくだったのにっ!」 「前衛は敵と直接相対して、攻撃に身を晒さなければいけませんからね」 そう頷くのはシエラ・ダグラス(ia4429)。彼女はしとやかな微笑みを浮かべ‥‥。 (もし荒屋敷さんがそうなったら‥‥いや、それとも私が‥‥あんなことや、こんなこと‥‥) なんか妄想に耽っていた。 まあ、そういう訳で、今回はそんなアヤカシさんです。 ●べとべと。 「おお、ようけおる。なるほど確かに粘っこい感じやなぁ」 アヤカシを発見した東雲が、他人事のように感想を漏らした。井戸の回り、青い粘塊が五体、うにょうにょと蠢いている。 「いざ、天儀志士の名におい‥‥って‥‥うわあ、気持ち悪い‥‥」 翡翠の刀を抜き放ち、名乗りを上げようとしたシエラが、思わずその口上を途切れさせる。生理的嫌悪に、頬が赤く染め、吐息を漏らし‥‥ってなんか反応おかしくない? 「確かに‥‥思った以上に嫌な感じだな。だが‥‥これでっ!」 ルーティアはその姿を見るや服に手をかけ、一気に脱ぎ放つ。スキル『背水陣』によって、羞恥心を捨て去り覚悟を決めて。 「さらしとぱんつは〜?」 「ぐっ‥‥!」 が、カズラの言葉に覚悟が即座にくじけかけた。 「や、やはり、全部、脱ぐしか‥‥?」 「いや、そんな覚悟は決めんでよいじゃろ」 思考の堂々巡りに入りかけるルーティアを制止する桜。 「ともあれ、捕まると危険じゃな。まずは距離をおいて、慎ちょ‥‥」 「先手必勝ですっ!」 その横、慎重も何もなく太刀を手に突っ込んで行く真沙羅。 「耐久力が高いなら、一撃必さ‥‥きゃあっ!」 が、勢い余って即座に粘塊に飛びつかれた。 「わざとやってるんやないかっちゅうくらい、芸術的な動きやなぁ」 「じゃがあやつは、あれで天然じゃから‥‥ではない、言ってる傍からおぬしは!?」 東雲への返事もそこそこに、咄嗟に助けようと追いかけ‥‥た瞬間、何故か桜の脳裏に走る既視感。 「って、しまっ‥‥」 「ふぁっ、ぁっ‥‥さ、桜、様っ‥‥ぁ、ぁうんっ!」 助けにいった桜も捕まる→真沙羅が桜だけでも助けようとする→抱き合って絡まってごにょごにょごにょ。 「いやぁ、様式美やなぁ。ごっそさん」 「‥‥助けてやらなくて、良いのかな」 描写しにくい光景を前に、楽しげに手元の紙へと筆を走らせる東雲と、真剣に悩んだ表情を見せる荒屋敷。 「この光景は正直いつまでも見ていたいような‥‥でも女の子たちのためにも早く倒してやりたいような‥‥!」 「悩んでいる場合では有りません、早く倒しましょう!」 素早く間合いを詰める久遠。紅葉の如き燐光を纏った薙刀が鋭く舞い、2人を粘塊から救出する。 「くっ、しまっ‥‥間合いにっ‥‥!?」 が、引き剥がされた粘塊は代わりに、久遠へと飛びついた。間合いの内側に入られては長物には分が悪く、鎧も隙間に入り込まれては役に立たない。 「鎧が、邪魔で‥‥!」 シエラが救出しようとするが、久遠の鎧と身体の間にしっかり入り込んでおり容易には引き剥がせない。 「こ、これは、隠れた能力が無いか‥‥んぁっ‥‥警戒して‥‥決して‥‥決して、肌を晒したくないなどと‥‥そんな‥‥」 必死に薙刀を握り締めて、何かに言い訳しながら耐える久遠。身を捩るのは、粘塊への抵抗かそれとも別の要因か。 「そういう事なら、もう鎧は要らないわよね! 任せて!」 と、久遠の台詞を待ってましたと言わんばかりにカズラは爛々と目を輝かせる。手にした錆壊符から、生み出されるは白いスライム。 「眼には眼を、刃には刃を、ネバネバにはネバネバ!!」 久遠にかかったそれが鎧の継ぎ目を溶かし、粘塊を露出させる。詳しく何があったのかは絶対に描写できません。 「ぐはっ‥‥」 「こ、これは、やりすぎっ!?」 荒屋敷がそのあまりにも刺激的な光景に鼻を抑え、ルーティアが思わず叫ぶ。まあ、そのくらいの光景だと思ってもらえば間違いないです。 (私も鎧を着ているから、襲われたら同じ事をされるのでしょうか‥‥それとも、助けて貰えずに、鎧の隙間を‥‥いえ、もしかしたらもっと‥‥) その一方、シエラは目の前のその様子にドキドキと鼓動を早めつつ、目を反らせない。 じっと見ていたせいかどうか、久遠の服を喰い尽くした粘塊は今度はシエラに飛びついた。 「きゃっ!?」 咄嗟に、巧みな動きで刀を使い払いのける‥‥が、それではただ刀にくっつくだけ。そのまま腕へと移動し、鎧の隙間へニュルニュル。 「く、はぁ‥‥だめぇ‥‥」 途端にガクリとその場に崩れ落ちるシエラ。肌に這う粘塊の感触に、全身を紅潮させ身悶える。 「こ、こんなことで、士が情けない、姿を晒す訳には‥‥あぁ、いやぁっ!?」 シエラの一番近くにいる久遠はなんとか助けようとするが、羞恥に耐えきれずその場に座り込んだ。 滅多に出さない可愛らしい悲鳴をあげるほど、すっかり心が折れている。 「なら、自分が!」 「あ」 ルーティアが助けに入ろうと介入する‥‥のだが、そこに後ろからかかる声。 「あ、って? ‥‥うわぁっ!?」 シエラの鎧めがけて放たれたカズラの錆壊符が、ルーティアを思いっきり巻き込んだ。さらしがあっという間に劣化して‥‥。 「ちょっ、こらー! やめろーーっ! くっつくなー! あぅっ!?」 敵よりも先に味方に服を喰われる大惨事。さらしで抑えていた胸がばゆんっ、と弾けて、必死に腕で隠す。 しかも、敵は敵でちゃんと襲ってくるからさあ大変。 「ぎゃー! さらし食べるなー! ぱんつもだめー!? ぶっとばすぞ、このー!」 「は、んっ‥‥ぁぅっ、もぅ‥‥お嫁に、いけない‥‥」 上や下への大騒ぎ、シエラを助ける所ではなく、そのシエラも蹲ったまま身体を震わせるのみ。 「い、今助ける!」 刺激的な光景に行動不能寸前だった荒屋敷が、なんとか回復して助けに向かう。 「た、助けるなら、こっちも助けて貰えると嬉しいのじゃが!」 「おおっ!?」 さっき久遠が救出したのにまた別の粘塊に捕まっている真沙羅と、それを助けようと悪戦苦闘する桜。 つい先程巻き込まれたばかりなので、桜の方は微妙に及び腰になっている。 「んぁぁ‥‥な、何だか‥‥んふぅぅっ‥‥変な気持ちに‥‥ふぁぁ‥‥っ、あぁぁ!」 「しっかりせい、真沙羅!? 正気を保つんじゃー!!」 危ない方に向かいつつある純真な少女。もはや一刻の猶予も無い。 「しゃあねえな、背に腹は代えられねえ‥‥うおおおお!!」 顔を真っ赤にしながら、覚悟を決める荒屋敷。腹の底から、咆哮を迸らせる。 「おおおぉぉぉっっ!!? やっぱ全部来ンのかよぉぉぉぉっっ!?」 そして咆哮はすぐに悲鳴に変わる。近くの敵を全て引き寄せるサムライのスキルは、的確過ぎるくらい的確に発動した。 「い、今だ後衛のみんな! 俺に注意が行ってる内に陰陽術で‥‥」 「ああ、まあがんばれやー」 「ん〜〜、小麦色の肌と青いアヤカシがなかなか良いコントラスト」 「っておおおおいっ!」 のんびり応援する後衛2人に向けて、思わず叫ぶ荒屋敷。 「いや、一応働いとるで? ほれ、呪声とか飛ばしとるし」 その言葉通り、確かに、粘塊の一体が崩れ落ちて消滅する。が、複数に取り付かれているのに一体倒しただけではどうしようもない。 「はぁ‥‥大丈夫、ですか‥‥?」 そんな様子を熱っぽい視線で見つめるシエラ。粘塊から解放されたのに息は荒く、頬は熱い。 「お、おーい。シエラー?」 「助けないと‥‥んぁっ‥‥!」 心配そうにルーティアがその呼びかける中、荒屋敷を助けに割って入る。 「あぅっ‥‥だめっ‥‥んぁっ‥‥」 で、捕まる。 「くっ‥‥俺のためにすまねぇ‥‥!」 服を全部喰われ、下を隠して戦線離脱する荒屋敷。本当ならシエラを助けたいのだが、この状態でそれは危険。いろんな意味で。 「シ、シエラ様‥‥今、助けに‥‥」 「おぬしも正気でないからやめておけ! これ以上は本気で危険じゃから!」 同様の表情を浮かべた真沙羅も助けに入ろうとするが、こちらは桜に制止される。 「わしが真沙羅を止めておるうちに、早くっ!」 「え? あ、え、うん」 なんかいろいろ違う気がするが、シエラの鎧を慎重に外すルーティア。 「はぁ‥‥はぁ‥‥んんっ‥‥」 「えー、まあとりあえず、今助ける!」 ハルバードの間合いの長さを生かして、武器に張り付く粘塊を巧みに遠くに投げ捨てる。 「じゃあまあ、そろそろ片づけましょうか。コッチは遊び無し、正真正銘の新兵器よ!!」 カズラの呼びかけに応じて、呼び出されるは九尾の白狐。陰陽師の秘儀たる獰猛なアヤカシが、その爪と牙を剥く。 ‥‥じゅっ。 「んー‥‥あんまり手応えがないわねぇ、つまんない」 「‥‥そりゃ、一瞬で蒸発したし」 本来ならここで『最初から真面目にやって』とか突っ込む所なのに、うっかり誤射してたら仲間が消し飛んだので突っ込めないぐらいの大火力。 「よし、今がチャンスや!」 その隙に最後だけ真面目にやって『ちゃんと仕事しました』的に振る舞おうとする東雲が、氷柱を呼び出して別の粘塊を打ち付けた。 「そうじゃ、変態なアヤカシはさっさと歪んで消えるのじゃ!」 それを契機に、反撃を開始する開拓者たち。割と必死な感じの桜が空間を歪ませ、粘塊をねじ切っていく。 「真沙羅、今度は転ぶでないぞ!」 「は、はいっ‥‥恥ずかしい、ですけどっ‥‥!」 合わせて、真沙羅の紅蓮紅葉。赤き燐光が咲き乱れ、太刀が粘塊を切り刻んで、一体を霧散させる。 その動きに合わせてなんか見えてる気がするけど見ちゃ駄目。 「よし、自分、も‥‥?」 その攻勢に参加しようとしたルーティアが、不穏な気配を感じて横に飛び退く。 気配は敵からではなく、むしろ背後から‥‥。 「うぅ、ぅ‥‥こんな‥‥士が、このよう、な‥‥不覚を‥‥」 ゆっくりと粘塊に歩み寄るのは、鎧に応急処置をした久遠。 髪留めも喰われたため、髪型が乱れて表情が良く見えない。 「断じて‥‥許せませんっ‥‥!」 粘塊に刀を叩き付ける久遠は、白狐と同じくらい危険な感じがしたと、後にルーティアさんは語ったとか語らなかったとか。 ●かいけつ。 「これで完了じゃな‥‥これからは安心して水を汲みに行けるのじゃ」 そんな感じで、粘塊は掃討された。桜がどっと疲れた表情で口にする。 「一生の、不覚です‥‥こんな‥‥このような‥‥」 どんよりと沈み込んでいる久遠。しばらく浮かび上がって来そうにない。 「すまんなぁ、治癒符は心の傷は治してくれへんねんで」 何か良い事言ってる風の顔で慰める東雲。被害受けてない人が言っても説得力は無いが、説得する気も無い。 「うー、べとべとするな」 「じゃあ、水浴びしましょうっ! 私が洗ってあげるわ!」 嫌悪感を示すルーティアに、にこやかに迫るカズラ。 「服を脱いだせいで私自身が襲われなかったのよね‥‥だから、肌を重ねてその感触を!」 「い、いや‥‥それはちょっと」 思わず後ずさる‥‥のだが、その際、身体が反り返ったのが悪かったのか。 ボロボロになって、千切れかけだったさらしが、ぷつんっ、と。 「っ‥‥!!!!」 強めに押さえつけていたのも災いしたようで、白く大きな球が2つ、勢い良くこぼれ落ちる。顔を真っ赤し、口を開閉させるルーティア。 「ル、ルーティアさんっ、早く隠さないと‥‥っ!」 慌てた真沙羅が、それを隠そうとして‥‥だが、彼女の服ももう、肌にかろうじて張り付いているような状態で。 「って‥‥きゃーーーーー!?」 当然動くと脱げる。 「いかんっ、隠さんと‥‥」 それをなんとか隠そうとする桜だが、彼女の小柄な身体では隠し切れない。 あと、服の縫い目が丁度溶けてたらしく、はらりと脱げた。 「ぬ‥‥? ‥‥ぬぁーーー!?」 まさか自分もそうなるとは思っていなかったようで、思い切り狼狽する桜。踞って、顔を真っ赤に染める。 「み、見るでない! あっちを向かんか!」 見事なまでの三連鎖で、裸の少女達がなんとか隠そうと大わらわ。 「平常心、平常心‥‥」 そんな様子を間近で、しかも裸で見せられ、なんだか悟りが開けそうな気がする荒屋敷。 「風呂入ってると思えばいーんだよ、畜生め‥‥」 この状態では、隠す物が無いかと言う事も出来ない。視線のやり場に困って横を向くと‥‥。 「ああ、もし5体どころで無く沢山いたら‥‥それに、仲間がいなくて自分一人だったら‥‥」 どこか遠い目をして、妄想に耽るシエラがいました。 |