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■オープニング本文 ●小人の家 秦国の山奥。幽谷めいた秘境を、一人の旅秦が歩いていた。 隊商の皆とはぐれて、もう数日が経つ。近くの村で休ませてもらおうと考えていたが、肝心の村への道が分からない。地図にも載らない場所に迷いこんだらしく、なんだか同じ場所を幾度も巡っているようだ。 甲連《こうれん》は一人寂しく、どことも知れない山道を徘徊していた。 やはり焦って夜中も歩いたのが良くなかった。周りはべっとりと張り付く闇に覆われ、数歩先の地面すら危うい。 ときたま覗く月明かりが何よりの救いだ。 そんな不安の募る道辻に、ぽつりとした明かりが見える。この際火の玉だろうと構わないと、疲れた体に鞭打って急ぐ。 「もし! 旅の者です。一晩だけでも泊めていただけませんか!」 何ら返事は無いが、だからといって易々と帰ることなど出来ないほど、甲連の状況は切迫している。 後ろめたさを払いつつ扉に手を掛けると、驚いて手を引いてしまうほどの軽さで開いてゆく。 誘われていると誤解しても、無理からぬことだろう。 恐る恐る屋敷に入ると、奥の部屋に明かりが見える。そこから微かに太鼓と笛の音が聞こえる。人がいるのは確かなようだ。 「あの、宿をお借りしたいのですが……」 首を伸ばして覗き込み、甲連は言葉を失った。 そこにいたのは人ではない。無数の鼠が呑めや唄えやのどんちゃん騒ぎだ。数匹掛かりで器用に笛を支えて吹き鳴らし、太鼓を囲んで叩いている。 最初こそ慄いていた甲連も、鼠たちの遊行を見ていると、自然と顔が綻び始めた。必死になって人家を捜し求めていた自分が、途端に馬鹿らしく思えてくる。 甲連は壁にもたれかかり、ほうと小さく息を吐くと、そのまま小さく可愛らしい鼠たちのお囃子を眺めていることにした。 聞いているうちに緊張が解け、ほんわかと暖かい心地になってくる。先ほどまで一人心細く山を歩いていたのが、まるで何かの間違いのようにも思えてくる。 そんな甲連の弛緩した右肩から、下げていた荷物がするりと流れ落ちてゆく。 抱えていた荷物が、どさりと地面に落ちた。これはいけないと甲連が抱え直した時、彼はふと気がついた。 笛の音や太鼓が、ぴたりと止んでいる。しんと深く沈みこんだ屋敷の中には、寂寞を強調するように小さな虫の音が反響している。 きち、きち、きちと、硬い何かを擦る音がする。虫の鳴き声と思われたそれが、波紋のように広がって、甲連を包囲する。 静寂の後に来た音の波を受け、甲連は急ぎ荷物を抱え込んで後退る。いけない。ここにいてはいけない。何がいけないのかは明確には察せていないが、それだけは疲れた頭でも理解できていた。 擦過音が輪を狭め、体のそこかしこに手を差し伸べられているようなむず痒さを感じる。もうあと少しで体を捕らえられる幻覚に、甲連を踵を返して扉へと向かった。 扉に鍵は掛かっていなかった。すぐさま開いて外に飛び出したい衝動が、足をこれでもかと急かしてくれる。 なのに、いつまで経っても扉が近づかない。自分の体が、扉に近づけない。 一昼夜、山を歩いた体がぜい鳴を上げても、甲連は走り続けた。そうしなければならないと、体が知っていた。 目さえも霞んで、ろくに前も見えない甲連が、何とか手を伝って扉に辿り着く。あとは扉を押し開いて、外へ飛び出すだけだ。 必死に歯を食いしばり、力の限り押すが、扉はびくともしない。入る時はあれほど容易く開いたのに、出る段になって開かないとはどういう了見か。 「このっ、開け。開かないか、このっ!」 そうこうしている間に、きちきちと鳴る音が、すぐ後ろまで迫ってくる。見たところで意味もなく、そして見たくもないのに、甲連は、後ろに振り返ってしまった。 そして彼は、背を扉に預け、愕然たる心地で鼠と対峙した。 彼を追ってきた鼠達の体躯が、甲連と変わらぬほどに大きくなっている。まるで牛か馬のような量感だ。そんな鼠が鳴らす前歯が、がりがりと甲連の正気を削り取ってゆく。 打ちひしがれた甲連が頭をがくりと後ろに傾けると、遥か上に大きな取っ手が見える。本来は自分が握るはずだった、取っ手である。 「は、ははっ。如何なことか。これは、如何なことか……」 仲間から託された荷物を抱え、誰にともなく問うてみるが、返ってくるのは鼠が前歯を立てる音だけである。 それが肉に突き立てられ、破られる音に変わったのは、それから程なくしてのことだった。 ●旅秦探し 「甲連という商人が行方不明だそうで、探していただけませんか?」 受付の青年が言ったのは、それだけだった。事実、依頼の内容もその程度のものだった。 そんな仕事は自警団にでも任せれば良かろうと思われるが、どうやらそうもいかないらしい。 「どうやらその山には、小人屋敷なるものが存在するそうで、曰く、山道に忽然と人家が現れ、屋敷に足を踏み入れたが最後、二度と出ることは叶わないそうです。 まあ、単なるヨタ話と言われればその通りなのですが、自警団の方々が、それで二の足を踏んでいるのです」 なのでこうした荒事に向いた開拓者に、依頼が回ってきたということなのだろう。 「甲連という商人の方は、普通の旅泰と変わらぬ服装で、肩掛けの、絹布を満載させた木箱を持っているそうです。もし、甲連さんが見つからなくとも、せめてその木箱だけでも持って帰ってきてくれとのことです」 養蚕が盛んな泰国の絹は、各地に輸出されている。貿易が主な産業である泰国にとっては、重要な外貨獲得物資なのだろう。 「それでは、よろしくお願いします」 人を探し、あるいは荷物を持って帰るだけの、簡単な仕事。そう思っているからこそ、受付の青年の口調は、殊更軽いものに聞こえた。 |
■参加者一覧
鈴代 雅輝(ia0300)
20歳・男・陰
澄野・歌奏(ia0810)
15歳・女・巫
焔 龍牙(ia0904)
25歳・男・サ
滝月 玲(ia1409)
19歳・男・シ
ルティス・ブラウナー(ib2056)
17歳・女・騎
瞳 蒼華(ib2236)
13歳・女・吟
リリア・ローラント(ib3628)
17歳・女・魔
弔電寺 宝(ib3964)
15歳・女・吟 |
■リプレイ本文 ●山へ 「よくぞ来てくださいました」 開拓者の面々を、自警団の顔役であろう壮年の男が迎えた。彼らは挨拶もそこそこに、男性の案内で山道を登って行った。 「小人屋敷、ですか。……どういった物なんでしょうね?」 ルティス・ブラウナー(ib2056)は道すがら、早速小人屋敷なる怪異について男に尋ねた。 「まあ、単に、この辺りに伝わる昔話でして」 「何でもいい。聞かせてくれ」 滝月 玲(ia1409)は、恐縮する男の迷いを断つように、あえて強い口調で聞いた。 「はい。曰く、夜に一人でここらの山道を歩いていると、忽然と屋敷が現れ、中に入ると鼠が騒いでいて、それを見つめていると、いつの間にやら鼠に取り囲まれ、食われてしまうというものです。そして、二度と帰ってくることがないとのことです」 今回の依頼にあった甲連の件に当てはまる事態だ。村の者や自警団が、旅秦の失踪と昔話を重ね合わせてしまうのも、無理からぬことだろう。 「……お屋敷が、人を食べてしまうんですの?」 瞳 蒼華(ib2236)が恐る恐る尋ねると、男は困ったふうに頭を抱えた。 「さあ、どうなのでしょうか。屋敷が喰らうという者もいれば、屋敷にいる鼠が喰らうのだと言う者もおります」 ならばと、焔 龍牙(ia0904)が声を上げた。 「誰か戻ってきた人はいるのか? いるのなら話を聞きたい」 「いいえ。老齢の者にも尋ねてみましたが、そのような話は聞いたことがないそうです」 何分、昔話であるためか、そのような情報は望むべくもないのだろう。 入った者は例外なく喰われ、外に出ることは叶わない。既に一帯の山は自警団が探しつくしたという。残されているのは、小人屋敷出るとされる周辺だけだ。失踪した甲連がいるとすれば、そこの可能性が高い。 「……人ひとりが居なくなる、こと」 ぶるりと体を震わせて、リリア・ローラント(ib3628)が誰ともなく呟いた。 甲連のことを考えると、身を竦ませずにはいられない。他人であるリリアでさえこうなのだから、彼の親族に至っては、一層堪えているだろう。 そんなリリアの心を慮《おもんばか》ってか、鈴代 雅輝(ia0300)は彼女の小さな肩を力強く引き寄せた。 「焦んじゃねぇぞ。気持ちはわかるが、俺達がやられてやる訳にゃあいかねぇんだからな」 その一言で、リリアの迷いは断ち切られた。ここで震えていても、事態は進展しない。 自身を納得させるように、リリアは力強く頷いた。 「おうりゃぁぁぁ、わしの演奏聞きやがれじゃけ」 弔電寺 宝(ib3964)は、小人屋敷の話に関心があるのか無いのか、ジルベリアの民俗楽器であるバラライカを掻き鳴らしていた。 そんな弔電寺を、澄野・歌奏(ia0810)はぼうっと見つめていた。歌奏《かなで》という名前だからといって、別段歌うことが得意ではなく、むしろ消極的に捉えている彼女だったが、大勢の前で臆面も無く歌声を披露する弔電寺を見ていると、不思議な心地を覚える。 そんなむず痒い感覚を振り払い、目の前のことに集中しようと努める。 小人屋敷の詳細が分かっていない以上、何が起きてもしっかりと仲間を支援する。それを常に意識し、巫女としての役割を果たさねばならない。 案内役の男が帰り、皆は本格的に捜索を開始した。 まずは自警団が調べていない部分の捜索である。もしかすれば、この辺りで甲連が助けを求めている可能性もある。 滝月は自警団から借りた地図をいちいち確認しながら、道々の木にナイフで印をつけていった。 「助けに行って迷子になったら、噂になりかねないからね」 捜索の際に気をつけるべきは、二次遭難である。探す人間が遭難しては、元も子もない。 「あの、リリアさん、瞳さん。どこかでお会いした事ありませんか?」 ふとルティスは、リリアと瞳を前にして、そんなことを聞いてしまった。 この二人を見ていると、どこか懐かしい、胸をすくような思いが募ってゆく。それで思わず声を掛けてしまったが、その後でしまったと感じ、さっと口に手を当てた。 気を悪くしてないだろうか。何を言っているのかと、混乱させただろうか。伺うような視線のルティスの手を、リリアと瞳は握り締めた。 その柔らかな感触に驚くルティアへ、二人は柔和な笑みを返す。 「……ルティちゃんといると、何だか懐かしい」 「私も、ルティスさんといると、安心」 思わず涙が滲むのを、ルティスは寸でのところで堪え、二人と同じくらい柔らかく微笑み返した。 懐かしさを存分に堪能してから、三人は甲連の捜索を再開した。 滝月の的確な指示の元、皆は順調に捜索範囲を消化していったが、甲連が見つかる気配すらなく、辺りはすっかり夜になっていた。 「こらあ見つかんねえなあ。一旦帰るとすっか」 がっはっはと鈴代が豪快に笑いながら言うと、皆もそれに従った。甲連の手がかりも見つからず落ち込み気味だったのも、鈴代の笑い声で吹き飛んだのか、皆は気を持ち直して、村への帰路についた。 ●屋敷へ 最初にそれを見咎めたのは、心眼を用いていた焔だった。 「滝月、あれが見えるか?」 「ああ。ばっちり見えてるよ」 同じく心眼を嗜む滝月が、焔に同意する。 「ならば、俺の幻覚ではない、ということか」 既に彼ら二人だけでなく、皆がそれを見ていた。 森の中に忽然と現れた、黒い屋敷。締め切った窓から僅かに光と、鼓を打ち、笛を鳴らす音が洩れている。 それこそが小人屋敷だと、誰しもが確信していた。 「見つけちゃったんだから、調べないわけにはいかないよね……」 少し声を震わせながら、澄野が確認するように言った。 改めて相対すると、その威容が際立つ。夜であることも相まってか、屋敷と闇との境界が曖昧になり、際限なく広がってしまいそうだ。 家を見ているというよりは、黒い毛皮の猛獣と対峙しているような、緊張せずにはいられない気配がある。 「だりゃああああああ!」 張り詰めた空気を、文字通りに引き裂く弔電寺の弾き語りが轟いた。 「さあ、アヤカシにわしらの演奏を聞かせてやるんじゃけえの」 皆を驚かせたというのに悪びれることなく、弔電寺はずいと屋敷へ進み出た。それに連れられ、皆も覚悟を決めたように、屋敷へと踏み込んでいった。 ●小人へ 内部に突入する四人と、外で待つ四人とに分かれ、彼らは小人屋敷の調査に取り掛かった。 焔に荒縄を括りつけてもらった滝月とルティスが、慎重に扉を押し開ける。その後に澄野とリリアが続く。 そのまま扉を開け放し、荒縄を握る焔、鈴代、瞳、弔電寺は、暗がりに消えてゆく四人を見守った。 明かりのほうから、笛や太鼓の音が聞こえる。四人はその音から遠ざかるように、足音を立てぬよう進んでいく。昔話によれば、鼠の賑やかしを見てしまい、帰れなくなるということだった。ならば同じ轍は踏むまいと、あえてそこを外して屋敷を捜索する所存だ。 此処こそ小人屋敷に間違いないのだから、四人は今正にアヤカシの腹の中を進んでいるも同然である。自然と顔が引き締まり、神経が研ぎ澄まされてゆく。 心眼を用いていた滝月が、すっと腕を横に上げて制した。それで、先に何かあると察した他が目を凝らすと、一様に息を呑む音がした。 部屋の真ん中に、大きめの木箱が見える。そしてその上には、真っ白な棒が乗っかっていた。幾分欠けてはいるものの、それは紛れも無く、人間の腕の骨だった。 今にも声を漏らしてしまいそうなリリアを、ルティスがきつく抱きしめる。その背にぴたりと澄野が張り付き、こちらも声が上がるのを堪えていた。 女性三人が動揺する中、滝月はだからこそ冷静に努め、骨を静かに箱から退かし、木箱を開いて中身を確認した。 中にはやはりと言うべきか、風を編んだように滑らかな肌触りの絹布が満載していた。依頼人が言っていた甲連の荷物と合致する。 滝月は木箱の中に、腕の骨を入れ、厳重に閉めてから担ぎ上げた。あの骨は十中八九、甲連のものだ。ならばせめて、遺族の元に届けてやりたい。 もう用は済んだと滝月が目配せしたとき、不安そうな面持ちで、皆は見つめ合った。 鼠の賑やかしが、静まっている。代わりにきちきちと、何かを擦るような音がする。 小波がそぞろ立つように、何かが迫ってくる。 「出口に戻れ!」 滝月の掛け声を待たずして、彼らは一気に開け放たれていた扉に向かった。荒縄はきちんと外に出ている。焔がきちんと握ってくれている。 その希望めいたものが、黒い扉に荒縄ごと押し潰された。頑丈に縒り合わさった繊維を、扉の角が噛み千切ってゆく。 四人が扉の前に来た時には、荒縄は張りを失い、だらりと床に投げ出されていた。彼らの背には、むず痒いまでの擦過音が近づいていた。 扉を背に振り向けば、やはりと言うべきか、自分達の腰くらいの高さから、鼠が見上げている。 小人というほどではないが、明らかに異常な体躯である。 「滝月さん、荷物を」 言うに早いか、ルティスが滝月の抱えていた木箱を取り、盾を構える。守りは自分に任せ、遊撃に徹してくれということらしい。 鼠から目線を外さず、滝月は頭を下げてルティスに謝意を伝え、腰に佩いた刀で抜き放ち様に斬りつけた。 縦横に鼠の肉を四散させながら、際限なく鼠共は食らい付こうと殺到してくる。その度に、彼らは自分の体が縮んでいくのを感じていた。 ●中へ 「玲! 返事をしろ!」 焔は荒縄を握り締めながら、必死の形相で扉に手斧を叩きつける。 まさか荒縄さえ千切るほど、アヤカシの力が強力だとは思わなかった。まんまとアヤカシに、戦力を分断させられてしまった。 「焔さん、落ち着いてください!」 珍しく大声で瞳が制し、焔はようやく落ち着いた。 それでも扉を叩く音が絶えなかった。それは、中から響いてくるものだった。 「鈴代さん、聞こえますか!?」 叩く音がリリアの声に代わり、呼ばれた鈴代が耳を傾ける。 「扉を斧なり何なりでぶち破ってください! 合わせますから!」 その言葉で要領を得た鈴代は、裾から符を取り出した。 符が式を呼び、式が風を呼び、颶風を伴って扉に斬撃を刻む。 斬りつけられた扉の隙間に赤い光が滲んだと思うや、木っ端の如く砕け散った。 早速突入する四人を、ファイヤーボールを撃ったばかりのリリアが迎えた。 「良かった。元に、戻った」 外にいた者たちには窺い知れないが、再び開けられた扉を見て安堵するほどのことが起きていたらしい。 「とと、あたしはか弱いんだから、あんまり本気で狙わないでよねっ!」 迫り来る鼠を澄野は月歩で惑わし、するりと脇を抜けて遠ざかると、流麗な神楽を踊り始めた。勇壮で力強い舞が、味方を更に鼓舞する。 「ぎゃははは、くだばるがいいねんじゃけ」 本来は弦楽器であるバラライカを豪快に振り回し、弔電寺が戦陣を掻き分けてゆく。 それに負けじと、焔も積極的に前に出る。 「俺の名は焔 龍牙!古より語られし『焔龍』の後継者だ!」 抜き放った刀身に炎を漲らせ、足元に群がる鼠を草のように薙ぐ。闇に浮かぶ赤目が、熱い光に飲み込まれてゆく。 天井と言わず壁と言わず、びっしりと張り付いている鼠を一匹たりとも逃さぬよう、扉に陣取った開拓者達がアヤカシを追い詰めていった。 ●屋敷の跡 全ての鼠を駆逐し終わったころ、皆は森の中に佇んでいた。黒く聳え立っていた屋敷は、夜の闇の中に霧散していた。 「どうやらあの鼠たちが、屋敷を形作っていたみてえだな」 がっはっはと豪快に笑い、鈴代が辺りを見回した。最早アヤカシの気配が完全に失せているのを確認すると、 「では、これを届けに行きましょう」 ルティスが甲連の荷物を指し、皆は村へ下りる山道に戻った。 甲連が仲間から承った絹布と、彼自身の腕を入れた木箱を抱え、開拓者たちは山を降りていった。 |