|
■オープニング本文 「おっしゃ、春だし。イチゴ食おー」 どかんと開拓者ギルドの扉を蹴破り、顔を見せたのは酒天童子。 唖然としているギルドの係員はさておいて。早速、依頼の束に目を通す。 「あ、いいのあるじゃん」 中から一枚の依頼書を取り出す。 「おいおい。そいつは‥‥」 取った依頼書に覚えがあり、係員は渋面を作る。 依頼主は畑作農家。今の時期は丁度いちごを出荷している。 しかし、畑傍にある溜池に最近ケモノが陣取るようになり、恐ろしくて畑作業が進まない。このままでは折角のいちごも台無しになってしまうと、開拓者ギルドにケモノ退治を要請してきたのだ。 「ケモノ退治して、ついでにイチゴもせしめりゃいいじゃん。っつー訳で行ってくる」 「待たんかい」 早々と出ようとする酒天を、係員が強引に止める。 「そのケモノが面倒なんだろ。三竦みが睨みあい、下手にちょっかい出せばすぐに混戦。周囲に被害が出かねん」 陣取るケモノは、大蛞蝓、大蛇、大蛙。いずれも春の陽気に、活発になったのだろう。 大蛞蝓はイチゴを荒しに来たが、大蛙に狙われ身動きが取れなくなった。大蛇は大蛙を狙うが、大蛞蝓が苦手らしく傍に近付きたくない。大蛙は大蛞蝓を餌にしたいが、大蛇に狙われて動けない。 互いが互いの都合で動けない。 動きが取れないといっても、何の弾みで動くかも分からない。動き出せば、それぞれが喰うか喰われるかの死闘を繰り広げる事になる。 畑の周囲には一応柵もあるが、こんな奴らが暴れようものならひとたまりも無い。 「という訳で、やるには迅速な対処が必要。昔はどうか知らんが、今のお前さんでは一度に相手は無理だ」 「別に一人でやるとは言ってないだろ。そんな強いケモノでも無いなら何人かでかかればいいだけじゃん」 あっさりと返され、係員は肩を竦める。 実際、それぞれの強さは大体駆け出し冒険者でも何とかできそうな程度。特殊な能力も無く、ただ大きいぐらい。 といっても、その大きさが厄介。手こずって暴れられたり逃げられたりする可能性は、どんな場合でもある。 面倒そうに答えた後、酒天はギルドにいた開拓者たちへと向く。 「という訳で、邪魔を排除し、畑の主からイチゴせしめに向かう奴募集すっぞー。上手くすれば大蛙と大蛇も食える」 「主旨が違うぞ」 依頼主の希望はあくまでケモノ狩りである。 「それと、一応蛞蝓も喰えるぞ?」 「イチゴと合うかが問題だよなー。ってか、無理に食いたいモンでもないだろ。いや食いたい奴は止めないけどな」 指摘され、酒天は眉間に皺を寄せ考え込む。 「そういえば、護衛はどうした。そいつらも一緒か?」 ふと気付き、係員は周囲を見るがその気配は無い。 「野暮用で留守。大体開拓者がいるなら奴らが来る必要は無いだろ。つかそもそもいらんし」 それこそ面倒そうに答える。 和議はなったのだし。いつまでも付き纏われるのは彼にとっても不服か。 |
■参加者一覧
羅喉丸(ia0347)
22歳・男・泰
葛切 カズラ(ia0725)
26歳・女・陰
からす(ia6525)
13歳・女・弓
ケロリーナ(ib2037)
15歳・女・巫
ルー(ib4431)
19歳・女・志
緋那岐(ib5664)
17歳・男・陰
雪刃(ib5814)
20歳・女・サ
ルゥミ・ケイユカイネン(ib5905)
10歳・女・砲 |
■リプレイ本文 香る苺畑。 緑茂るそこかしこに、赤く実った姿も見える。 「春だねー」 欠伸をかみ殺した緋那岐(ib5664)は、一つ伸びをするとしゃんと背を伸ばして畑を見る。 丸々と太った実は瑞々しく甘い匂いを漂わせている。まさに収穫の時。 だが、その畑に堂々入るには多少勇気が必要だった。少なくとも一般人にとっては。 「お、いるな」 どこか楽しげに羅喉丸(ia0347)はそちらに目を向けた。 苺が実る畑の傍で、三体の大きなケモノが睨み合っていた。 蛙と蛇と蛞蝓。三竦みの話は有名ではあるが、実際に起こるモノでもない。 「蛞蝓は蛙を恐れ、蛙は蛇を恐れ、蛇は蛞蝓を恐れる。蛞蝓の粘液は蛇を溶かしてしまうと伝えられているからね。本当はそんな事無いんだけど」 からす(ia6525)の説明も確かな事。 通常の蛇や蛞蝓が出会っても、餌にされるか見逃されるか。とにかく、そんな強弱関係は考えられない。 そういう意味では、この蛇が変わり者なのだろう。ケモノだから、というのも考えにくい。 そう、相手はケモノ。案外どんな能力を持っているか分かったものではない。中には、開拓者が束になってかからねばならないような奴だっている。 「ケモノたちについて、何か注意点はある?」 「特に無い。他にこれといった被害も出てないから、見た目通りのただでかい相手と考えていいだろ」 考え込むルー(ib4431)に、気軽に答えたのは酒天童子だった。 依頼主から頼まれたのはケモノ狩りであるが、彼はそっちへの関心は薄い。というか、ケモノ狩りも手段の一つに過ぎず、目的はあくまで苺である。 「久しぶり。結構顔を合わせてなかったけど、自分から手を借りる事を是とするようになった、かな?」 「目的が違うからな。とにかく今は苺を守るのが一番大事!」 雪刃(ib5814)が首を傾げると、相手はあっさり手を上げる。 「苺、きっと美味しいですの。けろりーなも食べてみたいですの♪」 変わったのか、変わってないのか。 拳作って断言する食欲魔に、ケロリーナ(ib2037)も笑みを浮かべる。 が。 「えー! かえるさん、助けないんですかー!?」 ちょっかいかける前に、もう一度行動を確認していると、ケロリーナの表情が曇った。 かえる大好きケロリーナ。できれば無事にお帰り願いたかったが、皆の意見は少々違うようで。 「退くなら無駄に戦う必要も無いだろうが、蛇がどう動くかにもよるからの」 妙に落ち着いた態度で、からすが諭す。 苺を狙って出て来た蛞蝓は率先して叩く。それは別に異論無い。 そして蛞蝓がいなくなれば、蛙は餌を失って天敵の眼前に置かれ、蛇は苦手が消えて蛙を襲うばかり。 「一度攻撃をすれば均衡が破れ、場が動き出す。初撃は一斉に攻撃するとして、以後はどうなるか臨機応変な対応が必要だな」 羅喉丸が周辺を注意深く見る。 畑との距離は近い。何の拍子で戦闘がそちらに流れるか分からない。 対策は取るが、長引かせるのも不利になる。 「大きいだけでも、ケモノはケモノ。暴れられたらどんな被害が出るか分からねぇからな」 「ふえええぇ」 困ったように諭す酒天に、ケロリーナはがっくりと肩を落とす。 「そういや。術を使うらしいけど、どんな術が使えるんだ?」 戦力の確認も大事。緋那岐が尋ねるが、酒天は舌を出す。 「大雑把にいろいろ。古い術が多いから、一概にどうこうと言い辛いな」 「ふーん」 何か言いたそうな眼差しを緋那岐は見せるが、今はとりあえず黙っていた。 ● かえるを不憫に思えど、ケロリーナとて開拓者。いつまでも沈んでなどいない。 まずはケモノたちと畑の間にストーンウォールを立て、争いが簡単に畑まで及ばぬよう配慮する。 立てられる石壁に気付きケモノたちが身じろぎしたが、それが同時に他のケモノへの牽制とも見え、やはり凝り固まってしまう。 「面白い状況になってるわね〜〜。どういう結果になるか解らないけど、苺は確保させてもらうわ」 見事なまでの三竦み。動くに動けぬ彼らを一通り笑ってから、葛切 カズラ(ia0725)は焙烙玉を用意。 ケモノたちは互いに注意を向け合い隙だらけだ。 「まずは蛞蝓! これだけでも倒せば、苺に積極的に手を出そうとするケモノはいなくなる筈!」 ルーは先手を取ると宝珠銃「皇帝」を抜き、撃ち放つ。 にらみ合っていたケモノは避けようが無い。轟音と共に蛞蝓が爆ぜた。 「眼、目‥‥。そういえばナメクジもカタツムリも似たものか」 動き回る触覚の先の小さな目。からすは呪弓「流逆」を落ち着いて引き絞るが、わずかという所で掠めた。小さく舌打ちすると、今度は胴を狙い番えた矢に音を込める。 「触覚ねぇ? もうちょっと長ければいいのに‥‥。まずはあきらかな害獣からね」 どこか残念そうにカズラが黄泉より這い出る者を召喚する。 途端、大蛞蝓が激しく悶える。血反吐の代わりに、粘々の体液が辺りに振りまかれる。 ルゥミ・ケイユカイネン(ib5905)は、皆からはやや離れた場所にいた。 鳥銃「遠雷」は近距離だと却って不利になるのだ。照準眼鏡を覗き、対象に狙いを合わせる。 「よーし、ケモノ狩りだ! レッツパーティー!」 無邪気な声は、発砲音に消えた。弾道は急カーブを描き、瞬時に巨体を打ち抜く。 接近戦に挑む開拓者に当たらないかが心配だったが、狙いが大きい分当てやすい。 「はぁ!」 鬼腕で体力を向上させると、雪刃は斬竜刀「天墜」を全力で叩きつけた。 裂かれた蛞蝓の身体を割って、長い鞭のようなものが伸びてきた。 大蛙の舌だ。獲物を盗られると焦ったか、開拓者を餌だと認識したのか。その考えまでは分からない。 とっさに逃げた雪刃。その目の前で、空から降るように蛇が釜首を下ろし大蛙を捕まえる。 「かえるさあああああーーん!!」 「ちょっと待て。危ないから!」 ケロリーナが悲鳴を上げる。とっさに動きかけたのを、酒天が止める。 蛇は蛙を捕まえ締め上げるが、開拓者たちも気になる様子気もそぞろ。結果、蛙を縛るのも疎かになり、脱出しようと暴れる蛙に振り回され、あちこちに動き回る。 その際、何度か石壁にぶつかる。硬い石を揺らぐ勢いに、慌ててカズラは結界呪符「黒」で畑の遮りを増やす。 「だが、このままじゃいずれ畑の方に転がりかねない。悪いが見過ごす事はできんな」 少しだけケロリーナに目を向けた後、羅喉丸はケモノたちに拳を構える。 緋那岐が呪縛符でケモノたちの動きを弱める。 危険な事もあってだが、それ以上に目的もあって。 「昔の偉〜い人の言葉だ。『働かざる者食うべからず』! という訳で、行って来ーい」 「何を!?」 どーんと酒天を蹴りだし送り出す。 酒天童子の昔はどうあれ、今は駆け出し開拓者の動きしか出来ていない。それでいて、大アヤカシから目をつけられている。 力の差は歴然。自身の身を守れない上に、守りたい者も守れない。それが護衛のつく要因であるが、本人不満なのは感じ取れる。 ならば、護衛など必要ない程度に強くなればいい。 ケモノ相手なら練習として悪くない。 と、心を鬼にして送り出す緋那岐だが、しかし、動きが鈍ったケモノは他の開拓者にとっても絶好の好機。 羅喉丸は破軍で気力を攻撃に変えると、一気にケモノたちへの差を詰め前方に回りこむ。 「せめて、奥義を持って応えよう!!」 全身をかけてぶつかると、蛇と蛙がもろともに吹っ飛ぶ。単なる体当たりではない。ぶつかった瞬間に練力を叩きつけ、内部からも傷を与える。先の破軍と合わせて、その威力は計り知れない。 吹っ飛んだ蛇と蛙が地面に叩きつけられる。蛇は蛙を締める力も無く、ばらばらになって二匹は転がった。 「小さければ生け捕りにしたんだけどねぇ〜。漬けれないし」 蛞蝓に焙烙玉を放り込んで止めを刺すと、カズラは蛇の動きを呪縛符で止める。 ただ、羅喉丸の攻撃は蛇の方に入ったようで。符の力が無くともほとんど動かない。 対し蛙は、締め付けと体当たりの余波はあっただろうが、蛇に比べるとまだ確かな動きで体勢を整えた。 「これ以上暴れまわっては困るからね」 その強靭な足に向けて、ルーはリベレイターソードで斬りつける。 途端に、大蛙が跳ね上がった。蹴倒されそうになり、飛び退いたルーの前で、大蛙が無様に引っくり返る。 ルゥミからの空撃砲だ。弾丸を装填しないので攻撃は出来ないが、充填時間も短くてすむ。 「起き上がっても蛇が蛙を狙うとは思えないが‥‥、まぁ、いいだろう」 からすも素早く矢を番え、蛙を牽制。 それらの遠距離からの攻撃に合わせ、雪刃が手早く捌いていく。 「ぶっちゃけ。ただ守られるだけってどんな気分よ」 「おもしろくはねぇな。‥‥ま、目的が得られるなら、今は些細な事だろうけど」 手際のよい動きで次々とケモノの動きを止めていく開拓者。 軽く息を吐いて尋ねる緋那岐に、酒天は口を尖らせる。 「んー、ごめん。まぁ、‥‥許して?」 そのやり取りを聞いた雪刃は、やっぱりというような表情で軽く謝罪。 酒天と一緒に戦闘依頼に出る事もあったが、腕前もだが、護衛で監視対象の酒天が前に出るという無茶ぶり。 なので、さっさと決めて無事を保つというのが何となくお約束になり、今も雪刃にはその意識が残ってしまっている。 その言葉をどう受け取ったか。 酒天は軽く肩を竦めると、僅かに頭を浮かそうとしていた蛇に刀を投げつける。刀は脳天から顎へと抜け、蛇は身を横たえると二度と動かなかった。 ● 一行が報告に戻ると、依頼主は喜んで畑に向かう。 「それで‥‥不躾だけど、苺も少しいただけないかしら? 勿論相応の対価は支払わせてもらうわ」 妖艶な笑みと共に、カズラが依頼主に迫る。開いた胸に、落ちる目線がなんかねちっこいのは気のせいではあるまい。 「構わんよ。少しでいいなら金なんぞええよ。お礼も兼ねて、食って行きねぇ」 「それはありがたいが‥‥その前に、湯を貸してくれぬか? どうも蛞蝓がのぉ」 からすが自分を見た後、他の開拓者にも目を向け同意を求める。 距離は充分とったつもりだったが、粘液が散ったか、離れて攻撃して開拓者も何となく糸を引く。 順番に戦いの跡を流している間、何名かは台所も借りて料理も手がける。 そして、羅喉丸は畑仕事の手伝いをかって出る。 「なんで俺まで畑仕事」 「出荷作業で働く依頼人の横で宴会もどうだ。これも鍛錬と思えば少し手伝ってもいいだろう」 畑の出荷作業の手伝いに出た羅喉丸に、酒天も引っ張られる。 文句を言う割には、きちんと手は動いている。真面目にやるのを見て、羅喉丸も作業に勤しむ。 「出来たよー。依頼人さんもどうぞー」 女性陣の呼び声に、畑作業は一寸休憩。 「酒は葡萄酒。苦手な方にはお茶を用意した」 「ふむ。こっちは甘酒を用意してきた。飲むか?」 からすと羅喉丸が酒を出したのを見て、緋那岐も「あ」と小さく叫ぶ。 「これ預かってたんだっけ。今春出たばかりの新酒で試飲を頼まれたんだと」 「へー」 取り出した新酒に、酒天の目が輝く。 「ふふ、じゃあ一献どうかしら。肴もしっかりあるしね。蛇の血は滋養強壮に効くって言うし。いつか二人で遊びましょう」 「悪くないけど。なーんか後が怖そうだな」 しな垂れかかるカズラのお酌に、酒天も満更ではなく。もっとも双方どこまで本気で冗談なのか。 摘み立ての苺に、それを使った苺大福。クッキーもある。 そして、菓子以外にも肉類幾つか。なぜか鍋。 ‥‥その正体は、先程まで睨みあってたケモノたちである。 「大きいのは大味になるからどうかと思ったけど、焼いたらそれなりだったわ。‥‥ギルドでわざわざ言った以上は、酒天も食べるよね?」 「まぁな。‥‥だから刀に手をかけるのは止めろ」 蛙を勧める雪刃だが、何気に戦闘態勢に入っている。顔の笑顔が妙に怖い。 「で、蛙に蛇に‥‥蛞蝓も、なのね」 ルーが並ぶ料理をじっと見つめる。 料理自体は良く出来ている。何も知らなければ普通に食べたかもしれないが、知ってしまった以上はしこりが残る。 「大丈夫! あたい、山育ちでじいちゃん猟師だったから、ケモノ捌くの慣れてるんだ! 蛙と蛇は唐揚げとステーキにしたけど、蛞蝓はぬめりを取って茹でて三杯酢と、味付けして鍋で炒めたのがあるよ!」 「だそうだぞ? 喰うか?」 「遠慮しておく。私、苺でお腹いっぱい」 堂々と胸を張るルゥミに、酒天も皿を進めてくれるが、ルーは苦笑いで苺に手を伸ばす。 「だな。生きてるの見た後だときついわな」 「‥‥でも、食べるのね」 「あるし」 言葉の割に気にならないのか。酒天はどの肉にも躊躇無く手を伸ばすし、酒も遠慮無い。 「苺だけど、少し持って帰っちゃダメか?」 「構わんが、日持ちはしないんで早く食べにゃならんぞ」 詰まれた苺の山に、緋那岐は承諾を取る。 「じゃあ、私も少し。苺酒作りたいの」 了解が出ると、カズラも取り分ける。 量は多く無いが、それでも土産としては充分だった。 「『え、これを私に? ありがとう大好き♪』なーんてな。開拓者になる前はいつも一緒、何でも半分こにしてたんだよな」 緋那岐の嬉しそうな顔に、ふとケロリーナは酒天を見遣る。 「そういえば、酒天くんのパパさんやママさんはどんな人だったです?」 「親父とお袋?」 苺大福を食べていた酒天は口元を拭いつつ、何やら考える。 「修行と称して千尋の谷に突き落とすを実践するような人たちだったな。さっさと寿命でくたばったけど」 「お名前は?」 「聞いてどうする。とっくの昔に土の下。もう骨も無いだろうさ」 ケロリーナの質問に、酒天は苦笑する。 そんな談笑する様を見て、雪刃はほっと胸を撫で下ろす。 「和議、上手く行って良かったって、本当に思う」 「でも、まだ和議もようやく一歩。弓弦童子もいる。‥‥でも、いずれこうやっているのが普通の日がくればいいわね」 ルーは目を細めると、茶を一口啜った。 |