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■オープニング本文 ●花ノ山城 魔の森の近くには、どこの国でも、アヤカシを食い止める砦がある。 伊織の里や高橋の里も例外ではない。 「敵襲ーっ!!」 がんがんと櫓の鐘が鳴り響く。眼下を見れば、「花ノ山城」へ向かって、凡そ荷車ほどの大きさはあろうかと言う化け甲虫が、まるで鋼鉄のアーマー部隊の様に整列して迫っていた。 どうやってかはわからないが、各地の砦近くに、甲虫達が、忽然と姿を現したのだ。 そんな甲虫達の群れを見下ろすのは、それらの中でも、さらに大きな個体。 「さぁおいき、可愛い子供達。たっぷりとね」 その上部には、会話を交わせるほどの形となった、美しい女性の姿が埋まっていた‥‥。 ●近辺―――とある村。 魔の森からアヤカシがやってくる。 その報せは瞬く間に里周辺の村々にも伝えられる。 それとほぼ同時、とある村に妙な噂が流れ始める。 いつの頃からか日が落ちてくると、どこからともなく赤ん坊の泣き声が聞こえてくるようになった。 そしてその声が聞こえた夜が明けた後には必ず―――誰かが亡骸となって帰ってくるという。 この日もまた、あの泣き声が村に木霊する。 「おい、聴いたか!?」 「あぁ‥‥またあの声だ‥‥急げ! 皆家に入って今日は外に出るでねぇぞ!」 村人たちは口々に叫びながらしっかと戸締りをしに家路へとつく。 夕日が辺りを数刻だけ赤く染め上げ、やがて闇が全てを飲み込もうとする瞬間。 再びその音は響き渡る。 ぶえ〜ん。ぶえ〜ん。 ●開拓者ギルドにて。 「というわけで、村の被害を押さえてきて欲しいのです」 手元の依頼用紙に視線を這わせた小さな受付係―――名瀬 奈々瀬は、それを静かに机に置いた。 現時点で判明しているだけで犠牲者は十五人。 最初は一日に一人だったが、数日後、二人に増え、更に数日後には四人になったという。 「村の人たちは怖がって外には出ていませんので原因はわかっていません。ただ、戸締りして家の中にいれば安全、ということはなさそうです。現に何名かは室内で襲われています」 言いながら奈々瀬はもう一枚の紙を取り出す。 それは村全体の地図のようだ。 「最初の犠牲者は村の東端で倒れていたようです。二件目は東端と西端にある墓地。三件目は東側と西側、それと南側にある家でした」 それぞれの場所を指し示しながら奈々瀬は言う。 「ある程度は予測可能かも知れませんが‥‥最悪後手に回ることになるかもしれません。何とか被害を最小限に留めてください」 そう言って奈々瀬はぺこりと頭を下げた。 |
■参加者一覧
菊池 志郎(ia5584)
23歳・男・シ
リューリャ・ドラッケン(ia8037)
22歳・男・騎
以心 伝助(ia9077)
22歳・男・シ
利穏(ia9760)
14歳・男・陰
南風(ib5487)
31歳・男・砲
サイラス・グリフィン(ib6024)
28歳・男・騎 |
■リプレイ本文 ●調査。 まだ日が高く顔を出している頃、開拓者たちは早速調査に取り掛かった。 「では泣き声を聞いた人は他にもいたということだな?」 サイラス・グリフィン(ib6024)の問い掛けに村人はこくりと頷いた。 音を聞いた人間に異変があるかもしれない。そう予測したサイラスだったが、該当する人間は結構な数になるようだ。 「泣き声のような怪音‥‥やはり羽音、なのではないでしょうか」 こちらは利穏(ia9760)。現状では特定できる要因がこの音だけ。それ故に何とか予測をつけようと頭を捻る。 「とにかく出来る限り調べてみやしょう」 以心 伝助(ia9077)の言葉にサイラスと利穏も頷きを返した。 一方、遺体のある場所へとやってきていたのは菊池 志郎(ia5584)と竜哉(ia8037)の二人。 今回被害にあった者は、それぞれ家に埋葬されている者、既に墓地に埋葬されている者など様々であった。 二人が目をつけたのは一番最近に亡くなったとされる者の遺体。それは遺族の下にあった。 「‥‥これは‥‥」 一目で言葉を失ったのは志郎。遺体は腹部の損傷が激しく、何より強引に開かれたかのような傷が目立つ。 「どう考えてもアヤカシの仕業、なんだろうな」 眉を顰めた竜哉。そうではないかと予想はしていた分、驚きはしない。だがいい気もしない。 「‥‥家の方を見ましょう。それでだいたいの大きさや行動パターンがわかるはずです」 「あぁ。後地面の硬さもな。地中を移動するような奴らなら、ちと厄介だ」 二人は視線を合わせて頷くとすぐさま移動を開始した。 さて、こちらは墓地。 「墓地、ねぇ‥‥何だって奴さんは、そんな場所に居た?」 一人歩く南風(ib5487)はただひたすらに思案を巡らせる。 現状で出来ることは考え、予測すること。その南風の脳裏に一つの嫌な憶測が過ぎる。 「声に呼ばれたのか、もしくは声がした時には終わっていた、か? もしあの音が産声だったとしたら‥‥まさか、体内寄生‥‥?」 気持ちのいい思い付きではない。が、どうしてもそこから離れない。もし予想通りだったとすれば何か兆候があったかもしれない。 「そっちを重点的に聞く必要がありそうだな‥‥」 一人呟いた南風は再び村の中へと歩みを進める。 ●集合。 夕暮れを前に情報収集を終えた一行は、一度整理するために村の中央にある広場へと集まった。 「地図上で遺体を発見した場所を結んでみました。規則性、というほどではありませんが、やはり各方角近い場所にあるようです」 予め拝借していた地図を広げ、志郎が説明する。なるほど、一度被害にあった場所はそのまま連続して近くで発生している。 「つまり一度被害があった場所の近くで必ず発生している、と‥‥」 利穏の言葉に志郎が頷きを返す。 「家の方も見てきやした。損傷はさほどありやせん。ただどの家も一箇所だけ、子供が通れるくらいの穴が開いてやした」 こちらは伝助。これが意味するところはすぐにわかった。 「地中を移動したような形跡は特になかった。ただ、可能性がないわけではない。注意だけはしておこう」 竜哉の注意喚起。一同は再び頷く。 「村の人には無理を言って中心部近くのいくつかの家に集まってもらった」 「あ、呼子笛は渡しておきやした」 サイラスに続けて伝助。 「こちらはちっと気になることがあって調べたんだが‥‥聞いてくれるか」 南風の言葉に頷く一同。 彼は纏めていた体内寄生の考えについて述べる。 「なるほど、確かにそれは有り得るな‥‥」 顎に手を当て考えるサイラス。 「で、その兆候ってのはあったのか?」 一縷の願いを込めた竜哉の言葉。しかし南風は首を横に振る。 「流石に覚えてる範囲じゃなかった。まぁそりゃそうだわな」 肩を竦める南風。 「しかし、どうしましょう‥‥予定通り二手に別れます? 南風さんの予測が正しいとなると、村人の傍にいないといけないかもしれませんが‥‥」 困った表情を浮かべる利穏。 悩む一行。 しかし確証がない以上急遽作戦を変更することも危険と感じ、結局当初の作戦通りで行くことにした。 これが、運命の分かれ道となる。 ●機会。 夜。 東西南北を二つに分け、それぞれ三人ずつの班に分かれて正体不明の敵に挑む開拓者たち。 こちらは南と西を担当する伝助、利穏、サイラスの三人。 「‥‥どうですか?」 「まだ何も聞こえやせんね」 不安そうな利穏に伝助が首を振る。 「どこから来るかもわからない上に正体もわからない‥‥ほんとに難儀だな」 苦笑を漏らすサイラス。二人も同意する。 ただ気になるのは体内寄生であった場合のこと。もしそれが真実ならば、今この瞬間敵から離れていることになる。 勿論何かあればすぐに呼ぶようにと呼子笛をいくつか渡してある。その音が鳴らなければ何事もないのだが。 (今はただ、気配に集中しなくては!) 三人が三人共に、物音一つ逃すまいと気を張り詰める。 (どこから、どこから‥‥聞こえてくるの?) 止め処なく額から流れる汗をそっと拭う利穏。 いつ来るかわからない恐怖と暗闇による視覚の封鎖で、身体の緊張は最高潮に達している。 数刻、また数刻と、時間だけが過ぎていく。 いい加減集中が切れそうになったその時。 ぶえ〜ん、ぶえ〜ん。 例の音が聞こえてくる。耳を澄まして音の発生源を探る。が、その直後にその必要がなくなる。 きゃあぁぁぁ――‥‥ ピィ――‥‥ピィ――‥‥ 不吉を呼ぶ音が三人の耳に飛び込んできた。 「くっそ! やっぱ嫌な方かよっ!」 舌打ちと共に走り出すサイラス。 「間に合って‥‥!!」 「兎に角急ぎやすよ!!」 祈るような利穏の願いと伝助の言葉。とにかく今はひたすらに走る。 目的は――中央部。 泣き声のような音に悲鳴、そして呼子笛の音は当然北と東を担当する志郎、竜哉、南風の耳にも届いていた。 「ちっ! 油断したぜっ!!」 叫ぶように吐いたのは竜哉。 厳密には彼らは油断したわけではない。単純に、アヤカシの出現位置を見誤っただけのこと。 「やっぱり寄生って線で良かったのかな!? しかし予兆なしなんて予測出来ないぞっと!」 悔しそうに言うのは南風。村人に迫る危険、一番予測していたのは彼だった。故に悔しさも人一倍だ。 「とにかく村の人たちが心配です!」 志郎は自身の足元に意識を集中させる。 「すみません、先に行きます!」 「あぁ、頼んだぜ!」 「はい!!」 言うが早いか志郎の姿が一瞬にして掻き消えた。 「間に合ってくれよ‥‥!!」 ●危機。 真っ先に広場に辿り着いた志郎が目にしたのは逃げ惑う村人と、それに襲い掛かる人間の子供サイズの甲虫の姿。 既に被害が出ているのか、倒れ付している影と血痕が見える。 そして今まさに新たな犠牲者が出ようとしていた。 「くっ‥‥これ以上は、させないっ!」 気合を吐いた志郎は再び足元に意識を集中。 一瞬の後、村人の一人に襲い掛かる甲虫の目の前に姿を現す。 ガギン。 鈍い音と共に甲虫の顎が志郎の霊刀に食い込む。その力の強さに辟易しながらも耐える志郎。その後ろで村人の声が。 「あ‥‥あ‥‥」 「何してるんです!? 早く、逃げてくださ――」 ずぶり。 言葉の途中で志郎の左肩に鈍い感触が広がる。同時に左腕の力が急速に抜けていくのがわかる。視線を送ればそこには食い付く甲虫。 村人の声はこれを報せたかったようだ。 「っ‥‥こ、のぉっ‥‥!」 渾身の力で刀を振り抜き、抑えていた甲虫を弾き飛ばし、返す刀で肩に食い付く甲虫を串刺しにする。 ギギッと耳障りな悲鳴をあげて体液をばら撒く甲虫。と、今度は弾き飛ばされた甲虫が大きく羽を広げた。 ぶえ〜ん。 羽の振動と同時に聞こえるあの音。そして連動するかのようにあちこちで音が鳴る。 目の前に対峙する甲虫に構っている暇はない。視界の範囲でも今また別の被害者が出ようとしている。 肩の激痛を歯軋りで誤魔化しながら、志郎は勢い良く地を蹴る。 一瞬で詰まる間合い。 銀閃――駆け抜けた志郎はそのまま足元に意識を集中。彼の姿が掻き消えたと同時に宙を舞っていた甲虫が真っ二つに裂けた。 そのまま村人を一人、抱え込んだ所で地面に膝を付く。片腕は‥‥動かない。 「志郎、無事かっ!?」 次に駆けつけたのは竜哉。志郎を探すより早く人の上で馬乗りになる甲虫を発見。舌打ちと共に下げていた破邪の剣を抜き去り力を込める。 サムライの技にして珍しい遠距離非物理攻撃―― 「戦塵‥‥列波ぁぁぁぁぁっ!!」 怒号一閃、振り抜いた剣から不可視の衝撃が飛翔。一瞬の沈黙の後、甲虫の身体が吹き飛んだ。 慌てて駆け寄った竜哉。そこには腹から食い破られたような人間の姿。孵化したての固体、そんな言葉がよぎる。 その一瞬、後ろに気配を感じて振り返る竜哉。目の前には既に捕食体勢に入る甲虫。 「おぉぉぉぉぉぉぉっ!」 地の底から響くような声。発したのは追いついた利穏。小さな身体のどこから出すのかというその声は、アヤカシたちの注意を一手に引き受ける。 出来た一瞬の隙――竜哉は逃さない。破邪の剣から破山剣へと滑らすように持ち替えると、抜き様に全体重をかけて目の前の甲虫に振り下ろす。 キィンという音と共に刀は地面スレスレのところまで一気に加速。同時に竜哉の身体から蒸気の如く練力が噴出する。 少しの間。甲虫の身体がするりとズレ、そのまま瘴気の煙へと姿を変えた。 九死に一生を得た竜哉。だがその代償は確実に存在した。 竜哉を救う為に咆哮でアヤカシの注意を引いた利穏。当然他の甲虫も利穏に注意を向けてしまった。その数、八匹。 すぐさま破邪の剣に持ち替える竜哉。利穏もまた槍を構えて応戦を試みる。が、どう見ても数が多い。 と、そこに走り寄る影――伝助だ。 「利穏さんっ! 今行きやすっ!!」 声と同時に地を蹴った伝助。 (くっ、風神では利穏さんを巻き込んでしまいやす‥‥!) 逡巡の後、苦無「獄導」を抜き放った伝助。 その後ろでは片腕をぶらりとさせたままの志郎が、片腕の力を限界まで溜めて天狗礫を投擲。 一人一殺。 だがそれでは足りない。 「‥‥かふっ」 四方から甲虫の牙を受けた利穏は、血を吐きながらがくりと膝をつく。次の瞬間。 ぶえ〜ん。 耳障りな音と共に甲虫は羽を震わせ利穏から離れる。 続け様に甲虫を仕留めようと構えた伝助と竜哉。しかし――― 「きゃあぁぁぁっ!?」 飛び込んできた悲鳴に動きが止まる。 「行って‥‥ください‥‥っ!」 薄れる意識を必死で保ちながら利穏は叫ぶ。逡巡。二人は悲鳴の方へとその身を向ける。 ●奮迅。 現れたアヤカシの数は全部で十六。既に半数は葬った。だが利穏は既に戦闘不能。志郎も片腕の激痛で上手く動けない。 ここで現れたのが南風とサイラス。逃げ惑う村人を狙う甲虫とかち合った。 「南風さん! サイラスさん! そっち頼みやしたよ!」 追っていた伝助は、進行方向に二人の姿を確認するとすぐさま方向転換。他の村人のところへ向かう。 「どうやら出遅れたようです‥‥ねっ!」 言いながらサイラスはクラレントをゆるりと抜き放つ。そのまま追われる村人と甲虫の間に割り込む。 鈍い音と共にクラレントが軋む。一瞬で力を込めたサイラスはそれを弾き返す。 飛ばされた甲虫は体勢を整えた――所に南風の銃弾が突き刺さる。 「やれやれ。逃がさないようにするだけでも一苦労だねぇ」 構えた銃をそのままに、次の標的を狙いながら呟く南風。 と、視界に三匹の甲虫に囲まれた子供の姿。駆け出すサイラス。 両手で構えた剣を使って防御に徹すると同時に背中に子供を庇う。甲虫を狙い澄ます南風。だがその後方からまた別の甲虫。咄嗟のことで対処が遅れる。 ぞぶり、と嫌な音がして肩口に甲虫の牙が食い込む。顔を歪めた南風は銃口を甲虫の口元にねじ込み、発射。甲虫の一部が破裂しその身を瘴気に変え、同時に南風の肩口からも血が噴き出る。 「南風さん!?」 叫ぶサイラス。しかし動けない。後ろには護らなくてはならない者がいるのだ。ジリ貧。しかし諦めるわけにはいかない。 「この身を賭しても‥‥護り抜く!」 奮起鼓舞、サイラスは剣を持つ手に再び力を入れた。 だがいくら防御に優れた者であろうと、数匹のアヤカシの攻撃を一般人を護りつつ受け続けることは不可能。だんだんと攻撃を身に受けつつあった。 数え切れない攻撃の最中で鎧の一部が弾け飛ぶ。細かい血痕が飛び散る。徐々に削れていく体力。ついにがくりと膝をつく。 「おにーちゃん!」 子供がひっしとサイラスの服を掴む。甲虫が牙を剥く。その口元に、銃弾が食い込んだ。 「はは‥‥どーにか一発」 力なく笑みを浮かべた南風は、支えにしていた壁をずるずると落ちる。 こちらを危険と感じた甲虫。すぐに狙いを南風に。だがその隙は逃さない。 「はぁぁっ!」 最後の気力を振り絞り、サイラスは両の手に握った剣をありったけの力を込めて横一文字に薙ぎ払う。狙ったのは――腹。 轟音と共に二体の甲虫がその身を宙に舞わせた。 ●終幕。 村人たちが一箇所に集まってしまったことにより、体内に寄生していた甲虫が孵化と同時に襲い掛かる格好の事態となった今回。 開拓者たちは敵の数を減らすと同時に手痛い深手を負うこととなった。 最終まで身を挺して村人を護りながら戦った伝助と竜哉もまた、その身に深い傷を負ってしまっていた。 だが彼らの獅子奮迅の活躍により、村人たちの被害は予想より遥かに少ないものとなり、現れた十六体の甲虫は全て消滅となる。 「何とか‥‥終わりやしたか‥‥」 ズタボロの身体を引きずりながら伝助は辺りを見回す。 慌てて逃げ出した村人たちが、徐々に村の中央部へと帰ってきている。 「‥‥何なんだこの蟲どもは‥‥」 もう動けないとばかりに大の字で地面に横たわる竜哉。その背中にはじんわりと血が滲んでいる。 「やはり‥‥魔の森が関係しているのでしょうか‥‥」 片腕から流れる血を押さえながら志郎は呟く。 確かにここ最近各地で甲虫が出没しているという話は聞いている。 それも、今までのような単発なモノではなく、もっと組織化されたような、そんな印象さえ受けるという話だ。 「まぁ‥‥とにかく今は全員生きてることに感謝しよう」 剣を杖代わりに何とか立ち上がったサイラスの言葉に、一行はただ静かに頷く。 開拓者全員、誰もが深手を負う結果となった、長い長い一夜が今、漸く明けようとしていた。 〜了〜 |