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■オープニング本文 俺はフレッド・バナー、陰陽師だ。 10歳だが、知識のオーソリティーを目指そうと頑張っている。 知識と言えば、口伝とか書物だろう。口伝は変型が心配なので、書物の方に頼りたい──書物は値が張るので、色々と工面しなければならない。 工面するのに仕事は欲しい、でも最近は仕事の競争も激しい。 最近はギルドで仕事を探すのが日課だ。 今日の衣装は、白と緑のタイ、青いシャツ、白い半ズボンをつるすは幅広のサスペンダー。 足回りも固めている。子供でも実戦的と見られたいため。 我ながら収まりの悪い髪に帽子を乗せている、まあオマケだ。 色々思う所の服装だが、依頼人になりそうな人より、時々女の人が可愛いわね、と言って、人の帽子を叩いていく──男が可愛くてどうする。 ともあれ、自分は実力的には実用レベルと思っていた式使いもどんどん取り残され、仕事を選べなくなって‥‥いかん、悪循環。 と天儀のギルドで適当な仕事を見付けようとしていると、逢いたくない男と視線があった。 古なじみだ。 ルーク・イナスント。30代と自称している割にはどう見ても20代という志士だ。 まあ、自分と同じようにジルベリア出身だ。娘が漢字の名前だという当人の話からすると、結婚か恋愛相手はジルベリア出身ではないようだ。 情報を記録しやすいように、反芻しているとルークは微笑んだ。 「フレッド、仕事がある」 一番聞きたくない言葉を聞いた。 「もうギルドに依頼は出したんだろう?」 一応返す。礼儀という奴だ。挨拶をしないのは上から目線へのお返し。 「もちろん、出してある。できれば夢一杯の少年少女とか‥‥」 よし、自分ではないな。 「好きに考える事だ」 言われて憮然とした俺を前に、ルークは肝心な事をおやつの相談でもするかの様に並べ立てる。 「とりあえずミッション。資金繰りの関係で、単純な数任せの大量の傭兵団を雇えない領主がいる。ならば少数精鋭の開拓者で海賊退治を行う。龍とかがいる奴は立体的な作戦を展開できるだろう──主力にするかどうかは任せた。作戦も経費を抑えめに」 最近は色々な相方がいるからな。 「もちろん、相手の住処としている入り江は判っているし、規模も百人程度、志体持ちがひとりいる」 百人──ね。若手の志体持ちが、戦闘慣れをしている相手を倒せるかどうか、という現実的な話なら十代はじめの開拓者でも、自分の長所を生かせば、実際的に撃破できるだろう。 特化特化と言っているけど、中庸という長所もある。何でもかんでも特化している必要はないだろうし、仲間の支援をきっちりこなす応援役もある程度いれば楽が出来る。 ルークは続ける。 「海賊の持ち船は中型の帆船2隻だ。 紅い帆のクラン・スーゼ、白い帆のアリ・フォルタ、それで見分けろ。 それぞれ50人強の乗組員がいる」 そこから状況を確認する。 後々のためにも。 殆どの海賊が、投げナイフや手斧でこちらの間合いを制して、切れたら曲刀が主な得物だそうだ。 魔法っぽい力の持ち主は確認されていない。 数がまとまる厄介だが、厄介程度でしかない。 問題の志体持ちは団長の海賊は『リンゴ落とし』の異名を持つ『やる』相手のカラベル。 弓術師としては正当の訓練を受けたようだが、裏社会で生きていた。ともあれ、バリスタの使い手だ。 志体持ち故に接近して弓を封じても、それなりの肉弾戦は出来るだろう。 龍は持っていない。 海賊船の片方は必ず、入り江の出口からすぐ出られる様に準備している。海賊船を両方共に沖に出すには相手の判断力に罠をかける必要がありそうだ。世の中には各個撃破という素晴らしい単語もある。 ちなみにこれらの海賊の所持品、略奪品、財産諸々はルークが根回しして、あちこちのギルドを通じて売り飛ばしたり、被害を受けた近隣の共同体に還元する手はずになっていると、明言された。 そこからの余録で報酬を出す。現物供給は何が出るか確定しない以上、複数の人間が欲しがった場合は怨恨の種になるし、かなり儲けの計算が金額がややこしくなるので、あえて換金すると明言された。 「志体持ちがひとりだけ、道徳的にも問題はない。若い連中が経験を積むのにはいいだろう」 つくづく思うのだがルークは、成功した後しか考えていないよな。 にっこり笑ったルークは、俺の瞳を見つめた。 「計算には正確な記録が欠かせない、な?」 ため息が出る。 どうやら、正確な日誌をつける必要がありそうだ──開拓記第38幕開幕。 |
■参加者一覧
三笠 三四郎(ia0163)
20歳・男・サ
柳生 右京(ia0970)
25歳・男・サ
乃木亜(ia1245)
20歳・女・志
滝月 玲(ia1409)
19歳・男・シ
ルオウ(ia2445)
14歳・男・サ
ルーティア(ia8760)
16歳・女・陰
和奏(ia8807)
17歳・男・志
ジェシュファ・ロッズ(ia9087)
11歳・男・魔
ベルトロイド・ロッズ(ia9729)
11歳・男・志
オラース・カノーヴァ(ib0141)
29歳・男・魔
将門(ib1770)
25歳・男・サ
朱鳳院 龍影(ib3148)
25歳・女・弓 |
■リプレイ本文 記録係のフレッドだ。 金額の記載は別表を確認してもらうとして、三笠 三四郎(ia0163)の案、擬装船と傭兵案は神楽の町ではいくつかの面、主に船乗りの身の保全と給金という点で折り合わなかった。 別に提案者の交渉能力ゆえではない。カネだ。中古の商船を借りるのは、新造船を調達するよりは実際的だったろう。だからといって大抵船は、木材の乾燥から始めて様々な──技術的ディテールは自分は知らないが、手間と技術を掛けるかなり高価なものなのだ。中古の商船だとしても、必要経費として提示された金額と報酬との落差は大きかった。 そして、傭兵達も割の合わない仕事と見たようだ。カラベルは『船』を沈める相手だ。 海戦で船を沈められた時には自分達の命も危うい。それでも士気を保つには、相当の金額の支払いが求められ、ルークの皮算用と折り合いが付かない。 「結構世知辛いですね。おとり程度は、と思ったのですが」 と三笠は茶をすすりながら言う。 「全然問題なし。自分達には龍がいるのですから?」 ルーティア(ia8760)がそう断言する。 「フレッドも龍で出ないの、ニルダ=ケブレスも可哀想じゃない?」 毎回、龍のでる依頼だと、仲間の龍全員の名前を把握している余裕のある人だ。銀髪も短めで、さらしを巻いていたから、男の子だと思っていた。 言ったら怒られそうだから、後でこの項は消しておこう。 「龍を信じて、みんなで突っ込む、万事OKですよ」 自分も記憶を検索すれば、彼女の龍の名がフォートレスだと思考の表層に出てくる。 「向こうの船に搭載されているバリスタだって、対船の前提でしょ? まあ、龍がいる相手もいただろうけど、それを前提に対空用のは積んでいないだろうし」 確かに開拓者相手を前提とした海賊はレアだな。魚拓を取っておきたいくらいだ。 まあレアと言うより本格派の馬鹿だな。 「ルーティアさんが言ったとおり、バリスタの矢玉を搭載するのにカラベルでも数秒という訳には行かないでしょうね。と、すれば向こうが複数のバリスタを所持してなければ、一発をしのげば──」 和奏(ia8807)が愛龍の颯に食事をさせながら常識論を述べる。 でも、開拓者で肉体派ならば白兵戦でも相応の戦力があるだろう。 一瞬おっとりした空気を感じさせる滝月 玲(ia1409)曰く。 「船か──飛空船は慣れてるけど、海の船はあまり体験がないな。それでも海賊戦を沈めたら瓏羽の餌代も出ないか。夏場は食べさせるものも考えたいんだが。――何か空賊になった気分だな──ま、気分で」 そこへ自分は初めてみる獣人の朱鳳院 龍影(ib3148)が出てくる。近くにまた初めて見るグライダー──ブレイズヴァーミリオンという愛称らしい──もあったけど、色々な意味でスゴい人だよな。竜人族なら異形がある。特に赤い翼と、後頭部から生えた二本の角は如何にもジルベリアの人間じゃない空気を漂わせている。 女性の容姿というよりバストがスゴい、スイカくらい入るんじゃないかな? こういう論評は記録の信憑性を高めるのに必要ないので、やめておこ──。 「フレッドくん、久しぶり! 会いたかった!」 いきなり後ろから抱きつかれた! この声は覚えがある。ジェシュファ・ロッズ(ia9087)だ。 「え、何で抱きつくの!?」 「何か妙に会いたくなって、で、親近感が凄く湧いて、好意に値するから、だよ」 いや、まあ抱きつくのはさておいて、ライクとラブの区別がつかないよ〜。 ラブだったら‥‥どうしよう? いや、ライクでも──。 そうだよ、ジェシュは浮き世離れしているから、他人との親愛の情を巧く表現できないんだ。 でも、男相手はパスしたい。美少年でもおじいさんでも謹んでパスしたい。 っていうか、これが素敵なお姉さんなら互いに抱きしめあうのもいいけど、男の子同士で──親愛の情は過激すぎない? それとも彼の一族ではこう言うの普通? あ、首筋に頭をすり寄せてきた。 白い髪の肌触りがいい‥‥じゃなくて、流されたら──。 ごーん。 ベルトロイド・ロッズ(ia9729)が三つ叉の槍で『軽く』叩いた。石突も尖っているので、柄での一打である。 ジェシュの赤い目とは対称的な青い目が印象的だ。 「迷惑かけた。ちょっとあいつも感情に流されたんだな」 三つ叉の槍『猛』を片手に拝むように謝るベルトロイ。 「痛いよ〜、何するのさ」 ジェシュが反論する。 「少年諸君──今は痴話喧嘩より、海賊の対処が大事だ」 髭をいじりながらオラース・カノーヴァ(ib0141)が状況の認識を促す。 大人だな〜。 「それに、だ。触れ合うのに、口説くプロセスを飛ばすのは別問題だ。男性同士とかはさておいて」 危険な物言いだ、この人も微妙にダメな大人かもしれない。 「そうそう、この海賊団の手口をまとめたのが──」 とジェシュが俊龍のヴェーチェルのベルトポーチから幾つもの資料を出す。 やることはやってる、か。でも、自分への好意を優先、まあ人様のことに口出しできるほど偉くないしね。 ルークも懸命に確認している。 資料をみな、懸命に確認する。 そのフォローをルオウ(ia2445)が行っている。傷だらけの全身から無念さが立ち上る。 強大な相手に、後一歩で及ばなかった無念さは当人しか理解できない、でも思いを馳せる事が出来た。 互いに納得のいくまで資料を挟んで、作戦の再編成を行う。 そして──。 各個撃破、沖に出して、龍からの焙烙玉投下による攻撃。そして肝心なのは乃木亜(ia1245)さんによる、彼女のパートナーであるミヅチの藍玉による船底への攻撃。 小柄な乃木亜さんは体に密着する変わった衣装だった。守りには弱くても、当たらないだけの運動性を引き出せるらしい。 でも、誰かと視線が会う度に退く。まあ、恥ずかしがり屋の開拓者でも、彼女そのものの実力に差がある訳ではない。 龍影さんほど極端なメリハリではないが、綺麗な体の線がかいま見得る衣装から伺える。 そのままパートナーとともに海中に滑り込んでいく。 時計は持っていないので、具体的時間は不明だが、ややおいて入り江近くで異音がした。 近くの高台から玲がアルコール度数の高いヴォトカで湿した芯と灯火油を入れた火炎瓶を抱える。迎撃できないそれを投げ込んで混乱を招くため、手早く愛龍の瓏羽に飛び乗って、愛龍のさつなを駆る三四郎と上空に舞い上がる。三四郎は舵手めがけて弓を引き絞る。 「運が尽きたな、海賊め。いますぐ退治してやるから、首でも洗っておけ」 将門(ib1770)は愛龍ミョウケンに積んだ火炎瓶を放り込み終わると、珠刀を構えて、愛龍を戦闘空域から離脱させる指示を出す。甲板でに降り立つと、自分から間合いを取って、手斧や短剣での海賊からの遠距離船をを完全に受けきる。 「罪は罪‥‥、罰は罰。やりすぎたな」 そして、そこへ乃木亜さんが、顔だけ出し──。 「同じ人間同士ですから助けては‥‥」 と訴えるが、礼は凍てつくような底冷えのする瞳で。特に人間をわら人形の様に絶っている柳生 右京(ia0970)。 「こいつらは命を奪い、尊厳を奪い、富を奪ってきた。邪魔はしない、代わりに邪魔をするな──そんな禅問答は建前だ、血の宴の邪魔をするな」 妖気とも言えるような殺気を醸す。 龍影はグライダーのをきっちり制御し、落とすべきものを落とすと、わずかな自嘲の笑みを浮かべなが矢を矢筒から取り出す。 (同じ人間同士か、私は竜か人か?) 答えは出なかった。出してはいけない問いかもしれない。 その間にも練力は消費されていく。 さつなの騎乗鞍から三四郎は仮借なく、バリスタを狙い、破壊していく。 (我ながら天下の大ふべん者だな) さつきから飛び降りて、海賊たちと戦おうとするが、銀髪が冷たさ、非情を際だたせているもののふ、柳生右京と出会った。 「火薬程度で混乱する雑魚では飽きた。カラベルはこの船にはいない。一応、味方なのでおまえを斬るわけにはいかない。この雑魚は血の宴の舞台に上がるには力不足だ。という事で奥に向かう、行くぞ『羅刹』」 右京は愛龍に呼びかける。掃討にすぎない、海賊たちの返り血を帯びたまま、羅刹は右京の方に近寄る。 「跳ぶぞ」 その脇を掠めるように、ルーティアが愛龍『フォートレス』に乗ったまま、まだ無傷の海賊船に突っ込む。 一端、直上までかけ上がり重たい荷物だった、無数の岩塊を落としていく。 直後にフォートレスは頑健極まりない体躯に任せて突撃、バリスタを破壊する! 「大当たり!」 ビン! だが人の手では巻き上げきれない、張りを与えられたバリスタがカラベルの指先一つで、元の形状に復元する。それにより与えられた運動エネルギーはフォートレスの龍鱗をあっけなく貫通する。 「フォートレス!」 ルーティアが悲痛な叫び声をあげた。 フォートレスはまだ戦える、とまなざしで訴える。 そして、バリスタは一丁ではない。カラベルが装填済みの次のバリスタを引きずり出す前に、右京は羅刹から飛び降りる。 しかし、阻む、鋼の防御陣! 「失せろ、雑魚──」 右京はジルベリアの真冬にも似た、冷たい言葉を発する。 防御陣は一歩下がった。 「ここは俺がやるぜい!」 ルオウが傷を押した体で愛龍『ロートケーニッヒ』を甲板におろす。 「ロート、ここまでサンキュ! 離れてろ!!」 珠刀を構えると、一言。 「雑魚程度、深手を負っても負ける気がしないぜ」 「任せた」 確かに体のコンディションから見れば、ルオウは負傷者。しかし開拓者の地力は、そうでない海賊とは天と地の差があった。 「やるぜい!」 瞬間、何センテンスかの言葉と短いジェスチャーの後、カラベルの体を無数の雷撃が突き抜ける。 「アークライトニング──ヴォトカより効くだろう?」 上空の俊龍の上で、リンブドルムで腕を組んでいるのはオラースであった。 広げた扇子の上には今も雷がくすぶるかのように感じられる。 「おまえの舞台だけで戦うだけが能じゃないって事さ。 誰も助けない人間は、進歩することもないし。 誰からも助けてもらえない人間が進歩することがない」 「ならば──食らえ!」 と、瞬間、カラベルの頭上に更に影が落ちる。 「というのがフェイントだよ!」 右京が敵を突破しきれずに引きつける(右京にしては不本意極まりない事であるが)形となったところへ、ジェシュのヴェーチェルから三つ叉の槍を携えたベルトロイドが愛犬のザラチーストゥイと共に舞い降りる。長身痩躯のカラベルと小柄な少年、そして忍犬が間合いを制すべく、2対1で激しい動きを繰り返す。 一瞬、ベルが身を引く、好機と見たカラベルを上空からジェシュの放った力に囚われ、苦悶を漏らす。 次の瞬間、ザラチーストゥイがアキレス腱に牙を立て、動きが止まったところで、炎に包まれたベルの槍が甲板上にカラベルの襟を縫い止める。 「止めいるか?」 オラースが空中に間延びした声をあげた。 「俺はこんな連中に負けたのか──」 カラベルの顔は見物だったらしい。 という顛末だった。海賊は70人が死亡、10人が重傷。操船要員だけが無傷の総力船。 それでも船から飛び込んだ何人かを救った乃木亜さんは全員を助けられなかった事を悔やんでいる。 開拓者だって万能じゃない。 カラベルは代官の城館の地下牢で裁きの日を待っている。 龍の手傷は自分とジェシュフェアが数日かけて治した。たぶん、主人と龍の絆という見えないものがなければ命を落としていただろう。 海賊の富はそれなりにあったが、あっちこっちと契約したルークにより、手元に残った金額は、ひとつの任務としても多いものではなかった。 玲はすいか割りをしたがったが、手近に、というよりジルベリアでは高級品のため、パスした。 ルークにいわせると、皆がやりたいと言えば、話は別だったそうだ。 もちろん給料から費用は出たろう。 玲はその怒りをジルベリア瓜にぶつけていた。 3個位粉砕したところで、怒りは収まったらしい。 そして、今俺は海の中でベルとジェシュとで遊んでいる。ジェシュはルオウも遊びに誘っていたが、雑魚を相手にするより、体の負担がかかりそうだから、と残念そうにしていた。 自分とベルがぱんつで、ジェシュが褌で入ろうとしたら、ルークが海水パンツなる短いトランクスを貸してくれた、水着の一種らしい。女性より隠す部分が少ないため、少し安価だという。ルオウの分も準備していたが、これはアクシデントでお流れになった。 ジェシュに褌とどう違う? って聞こうと思ったけど、逆にパンツとどう違うって話を降られたら恥ずかしいので、問わないことにした。 少し疲れた面々は和泰と潮干狩りをやっているらしい。ここからではあまりよく見えないが。 「そういえば、ルーク団長の性のイナスントって北の方の貴族でなかったっけ?」 太陽を背に受けて、ベルがそんな事を言い出した。 まあ、別に名前が同じだから、直系とは限らない。傍系、単なる同一姓という事もある。 「自称通りの年だったら、家の中枢の一員かもね」 13歳位で結婚しても、周囲がフォローできる範囲だ。 適齢期はまあ、20になる前だろう。精神年齢が? 自分も初耳だったので、イナスント家の事は流す。 日暮れまで遊んだ後、海水浴組は清水を浴びてから服を着替える。潮干狩り組は足と手を洗う。そして、レポートを待つ神楽への精霊門を目指すのであった。 ──開拓記第38幕閉幕 |