カメレオン座の独壇場ッスよ
マスター名:西川一純
シナリオ形態: ショート
危険
難易度: 難しい
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2014/02/04 10:18



■オープニング本文

 天に瞬く星々の、輝き受け継ぐ黄金の印。
 時は現在、場は集星。今、星座の力を持つアヤカシたちとの戦いが激化する―――


 星の一欠片(スターダスト・ワン)。それは八十八星座が描かれた黄金のメダルである。
 数々の星座アヤカシを打ち倒してきた開拓者たちの前に突如示されたもの。それは導星の社(どうせいのやしろ)と呼ばれる謎の施設の正体である。
 竜座ドラゴン曰く、
『導星の社とはアヤカシを創り出す瘴気と人間の想いを混ぜるための装置のようなもの。私達を星座アヤカシたらしめているのは、元はあなた達人間が長い時の中で星々に馳せた想いの力なのよ』
 とのこと。
 そんなものを人間が創りだすとは考えにくい。創り出せるとは考えにくい。よって、導星の社とはアヤカシが建造なり建立なりしたと考えるのが妥当だろう。それならば現地の人間が誰もしらないのも、記録に残っていないのも頷ける。
 アヤカシが創りだしたと思わしきより強力なアヤカシを作るための設備が、星の一欠片という力を人類に与えたのは皮肉という他ない。
 しかし、それはどこにあるのだろうか? 集星のどこかには違いないのだろうが、そんな建造物は知られていない―――
「さて、今回のアヤカシはカメレオン座、カマエレオン。カメレオンで統一しときましょ」
「ふっふっふ……分かってますよ。カメレオンといえば背景と同化する保護色。ずばり、姿の見えない暗殺者と言った感じのアヤカシでしょう!? というか、カメレオンって他にできそうなことありませんしね!」
「悔しい! でもその通り……」
 ある日の開拓者ギルド。
 職員の西沢 一葉と鷲尾 亜理紗は、いつものように星座アヤカシに関する依頼を取り扱っていた。
 最近『なんでこの星座でそんな能力?』というパターンが横行していたが、どうやらカメレオン座はイメージと変わりない能力を持つらしい。
「ただし、斜め上ができない分能力は恐ろしいわよ。なんて言っても気配が全く無く、探知系の術にも引っかからないらしいから」
「……は?」
「最近、集星のある山で怪我人が続出してるの。全員鋭利な刃物……ナイフみたいなので斬りつけられて、死人こそ出てないものの重傷者も多数。先に向かった石鏡の討伐隊もほうほうの体で逃げ出したとか」
 カメレオン座は、見た目はサイドテールを揺らす可愛い少女の姿だという。
 山で親とはぐれたのかと思い近づくと、邪悪な笑いを浮かべて姿を消し音もなく切り刻んでくるようだ。
『ここからはカメレオン座の独壇場ッスよ!』とは本人の談。獲物をいたぶり負の感情を還元する……至ってアヤカシである。
「攻撃そのものは大したことないんだけど、とにかく姿を捉えられない。当然自動命中系の魔術も無効、攻撃してくるときにも風切音や足音、匂いはおろか気配も無し。一度姿を消されたら、例え相手にペイントしていようがダメージを与えていようがこちらは気づけない」
「はい! 雨の日に行きましょう。そうすれば……」
「残念ね。石鏡の討伐隊がすでにそれをやって逃げ帰ってるの」
「おぅふ……」
 ドヤ顔で出したアイデアがあっさりと否定され渋い顔をする亜理紗。
 ありとあらゆる察知・探知を無効にする幼い暗殺者。その瞳は獲物を目の前にした蜘蛛のように昏く、紅い。
 不利になれば逃げることも容易。非力なこのアヤカシ相手に、開拓者たちはどう戦う―――


■参加者一覧
水鏡 絵梨乃(ia0191
20歳・女・泰
鷲尾天斗(ia0371
25歳・男・砂
真亡・雫(ia0432
16歳・男・志
レネネト(ib0260
14歳・女・吟
各務 英流(ib6372
20歳・女・シ
神座早紀(ib6735
15歳・女・巫
霧雁(ib6739
30歳・男・シ
何 静花(ib9584
15歳・女・泰


■リプレイ本文

●血風録
 そこで開拓者たちが見たものは、紛うことなき惨劇であった。
 旅の親子だろうか? 中年夫婦と子供が一人……全身血塗れで大地に横たわっている。
 恐らくこの近辺に出没するというカメレオン座の話を知らなかったのだろう。悠々とした旅路のはずが一転、地獄への片道切符へとなってしまった。
 惨劇の中央に立つは一人の少女。正確に言うなら一匹のアヤカシ。
 新緑のような緑色の髪にをサイドテールに結わえたその少女は、手にしたナイフに舌を這わせながら低く笑う。
「……あーあ、とうとう壊れちゃったッス。ま、いいかぁ。二時間も遊べれば大したもんッスよね」
 開拓者たちは動かない。いや、動けない。相手はこちらが居ることに気づいていて、その上でこちらにも聞こえるように喋っているのだ。
 振り返ったカメレオン座の眼を見てそれは確信に変わる。まるで獲物を狙う蛇のような、冷たくギラついた眼。
 嗜虐心を隠さないその眼が『お前たちも自分の獲物だ』と雄弁に語っている。
「円周防御だァ! 各自、自分の前面に集中しろやァ!」
 鷲尾天斗(ia0371)の号令の下、開拓者たちは円陣を組んで敵に備える。
 立ち向かうは歴戦の開拓者たち。しかしその彼らを以ってしても背筋に冷たいものが走るのを止められない。
 その僅かな心の動揺を心底楽しむように……カメレオン座は、にぃっと笑った。
「準備はオーケーッスか? なら……ここからはカメレオン座の独壇場ッスよ」
 次の瞬間、開拓者たちは信じられないものを見た。
 まるで最初からそこに誰もいなかったかのように、カメレオン座の姿が一瞬で消えたのだ。
 瞬きの間というのも烏滸がましい。すぅっと溶けるようなものではなく、存在そのものを抹消したかのようにも思えたという。
「……これは、聞きしに勝る技でござるな。まさしく気配が全くないでござる……」
「音もダメです。衣擦れ、足音、風切音……何もかもが感知できません」
「ちっ……変態だよな、今度の敵『も』」
 シノビにとって気配を断つということは必須のスキル。しかし霧雁(ib6739)は、未だかつてこうまで見事な気配断ちを見たことがなかった。
 それはレネネト(ib0260)の超越聴覚に何の反応もないことからも確定的明らか。敵が『いる』と分かっているのにその挙動が全く掴めない。むしろ『いる』のに、歴戦の鋭敏な感覚は『敵などいない』と判断してしまう。
 旅の親子たちの遺体が転がっていてなお、先ほどカメレオン座の姿を目指してなお、周囲は至って平静。
 何事もなかったかのように、何事も起こりそうになさそうに、冬の風が髪を揺らした。
「……仕掛けてこない……? ボクたちに恐れを成したってわけじゃあないよな」
「それはそれで困りますけど……違うでしょうね。誰を最初に狙うか見定めてるといったところでしょうか……」
「獲物を前に舌なめずり……三流のやることだな」
 静寂に耐えかね、水鏡 絵梨乃(ia0191)がおどけてみせる。
 カメレオン座が姿を消して、どれくらいの時間が経っただろうか。相手が仕掛けてくる様子が全く無い。
 真亡・雫(ia0432)は、自らの発言を心の中で否定する。見定めているのではない、すでにいたぶっているのだと。
 この焦り。焦燥。不気味さ、気持ち悪さ。そういったものをカメレオン座は楽しんでいる。
 何 静花(ib9584)の意見はもっともではあるが、それも時と場合による。迂闊な攻撃を避けじっくり確実に敵を仕留めようとする行動を取るのであれば……舌なめずりもまた一流の証……!
 一瞬たりとも気を抜けない状況で。抜いていない状況で。それは、不意に呟かれた。
「……もしかして、本当にこの場から去ってしまったのでは……」
 何と共に円陣の中心に匿われている神座早紀(ib6735)の言葉。それは誰もが思っていたがあえて口に出さなかったことだ。
 居るに決まっている。あれだけ大見得を切っておいてすぐさま逃げたなどということがありえるわけがない。むしろ神経をすり減らしていくこちらの様子を眺めて笑っていると考える方がまだ自然。
 しかし、相手の出方が全くわからない。居る居ると思っているのは、こちらの願望にすぎないのではないか……? そんな別の焦燥感が沸き上がってきた時だった。
「いえ、居ますわ。確実に。距離や方角までは分かりませんけれども……」
 そう応えたのは各務 英流(ib6372)。影の薄さを自負する忍ぶ気のないシノビ。
 何故そんなことが分かるのか。適当な事を……と、仲間たちが思ったのは一瞬だけだった。
 彼女の手の中で光る六分儀座のメダル。それが各務に力を貸しているのは明らかだった。
 各務が六分儀座を使用した時の効果は『ターゲットとした相手との正確な距離・方角が分かる』というもの。その力を使ってなお『付近にいる』程度しか認識できないカメレオン座を褒めるべきか、そんなカメレオン座を多少なりと感じ取れる六分儀座が凄いかは評価が難しい。
 が、その優劣はすでに明々白々。各務が敵の気配を感じてその方向を向いた時……事はすでに起こった後だった。
「ぎっ……!?」
 霧雁が発した、悲鳴にもならない悲鳴。本来なら大袈裟に悲鳴を上げ相手を油断させる作戦だったが、そんな余裕は彼にはなかった。
 彼の首筋はバックリと割れ、大量の血が噴出する。それがカメレオン座の攻撃であることは火を見るより明らか。
 そんな状況下にあってなお、霧雁は須臾を発動し反撃を試みる。
 首筋を斬られたということは少なくとも敵は自分の180度正面にいるはず!
 鋼線と須臾による知覚不能の一撃。相手が消えていようがいまいが関係ない。
 だが、それがカメレオン座を捉えることはなかった。虚しく空を切り、彼に反撃ならずという現実を突きつける……!
「急いで治療します……!」
「円の中に入っとけ! 野郎ォ……どうなってんだ!?」
「遠距離攻撃にしては切り口が鋭利過ぎます。流石に自分の体を離れたら不可視の攻撃なんてできないと思いたいところですが……!」
「殺気も完全に殺しつつ見えない武器で攻撃だと……!? ダマテン張るにしても質が悪い……!」
 神座が急いで霧雁に駆け寄り治療を開始する。それをフォローするため鷲尾が霧雁を円の中に引っ張りこんで、残りのメンバーで円を狭めた。
 真亡も水鏡も流石にこのイカサマくさい能力に戦慄を覚える。
 攻略法が見当たらない。手持ちの技や戦術ではなぶり殺しを回避できない。
 だから使うしかない。各務のように、可能性に賭けて、星の一欠片を……!
「やってみるさ! 鳳凰座!」
 水鏡の叫びとともに、彼女の右手に火が灯る。そしてそれが小さな鳳凰の形を成し、『炎で出来た鳳凰型の遠距離攻撃を可能とする』。
 しかし、追尾効果などはない。鳳凰は虚しく冬の山を進み岩にぶつかって消滅してしまった。
「くっ……ギャンブルはヒリつくから面白いんだけどな……!」
「ならば私もやってみましょう。大熊座です」
 レネネトがメダルを握り発動させると、まるで『巨大な大熊の咆哮のような大音響が発生』した。
 腹にズシンと響く重低音。思わず耳を塞いでしまった開拓者たちだが、すぐに警戒態勢に戻る。
「……流石にあの音の中では敵も攻撃してこないようで―――」
 レネネトがそう呟いた次の瞬間、今度は水鏡の右のアキレス腱が切断され血が噴出する。
 がくりと膝をつく水鏡。だが、待て。アキレス腱ということは、円の中心からの攻撃……!?
「どういう……ことだ……!?」
 神座に治療してもらいつつ周囲を見回すが、やはり何も見えない。感じられない。
 首筋ならまだしも、アキレス腱をこうもバッサリやれる場所は限られてくる。
 確認のため真亡と何が円の中で武器を振るってみるが、当然空振りばかりであった。
「敵の腕力は、一般人女性と同じくらいと聞いているでござる。それがここまで鋭利な切れ味を出すためには、相当体勢もよくないと無理でござろう」
「そりゃどこなんだよ! 全然分から……がっ!?」
 戦列に復帰した霧雁の分析の最中、鷲尾の顔面、鼻の辺りに鋭い痛み。どうやらナイフで斬り裂かれたらしい。
 魔槍砲を振り回してみるがヒットはない。透明になったからといって武器が素通りするわけはないのに……!
「威力が低いのが逆に腹立つよなァ……!」
「でも、急所を狙われたら……あぐっ!?」
 今度は真亡の左手首から血が噴出する。
 先ほどから少しの傷で大幅に体力や精神力が持っていかれる嫌な場所ばかりだ。治療する神座もてんてこ舞いである。
 こうなれば一か八か。真亡は各務に目配せをし、合図を待つ。
 各務が真亡の袖を引っ張った瞬間、各務の腹が大きく斬り裂かれる……!
「彫刻室座! 捕らえて!」
 真亡がそう叫び円の中に退避すると同時に、周囲を真っ白い板が覆い尽くし脱出不可能の閉鎖空間を作り出す。
 攻撃した瞬間に遠くに居られるわけがない。ならば敵の行動範囲をさらに絞り込むため、真亡は自らが殆ど動けなくなるのを覚悟で彫刻室座に頼ったのだった。
「覚悟、受け取ったぁ! 日当たり良好!」
 何は叫びつつ牡牛座のメダルを使用。すると何の全身から目を開けていられないくらいの閃光が発生する。
 それは神座が怪我人を回復させるまでの時間稼ぎであると同時に、敵の位置を割り出せないかという模索でもある。
 膨大な量の星の光。そして星の力で作られた彫刻室座の白い壁。そこに、本当にうっすらとではあるがサイドテールの少女の影が映り込む……!
「そういうことか! あいつ……サイドテールをカメレオンの舌みたいに自由自在に伸ばせるんだ! そしてその先端でナイフを持って、ありえない角度からの攻撃を可能にする……!」
 映った影の形状から、水鏡は瞬時にそれを把握する。
 問題点は、眩しいままだと攻撃に移れないこと。かと言って何が光を消せば影すら捉えられなくなる。
 しかし、現状で唯一状況を打開しうる者がいる。それは……
「せいやーっ!」
 眩い光の中、人知れず新たに一条の光が室内に閃く。
 そして何もないように思えた空間から、突如瘴気が噴出した。
 ぼんやりとその場所に現れたのは、カメレオン座……!
「な、なに……今の……! み、見えなかったッス……!」
「夜という技でござるな。場所が割れた上で時間を停止されてはどうしようもないでござろう」
「まさか、このアタシが不意打ち喰らったなんて……情けないッス……!」
 暗視の技も活性化させてきた霧雁。その手の鋼線がカメレオン座の胸部を斬り裂いたのだ。
「静まれ変態!」
 何が追撃をかけようとした瞬間、カメレオン座は再び忽然と姿を消した。
 血も、瘴気の痕跡もない。真亡のお陰で逃げ出すことは妨害できているが、脅威は去っていない……!
 だが、そんな状況下で、不敵に笑う人物が一人。
「久々の大活躍……見せてやるぜェ!」
 何を思ったか、鷲尾は先ほどカメレオン座が再び姿を消した地点へ向けて魔槍砲の砲火を放つ。
 相手がずっと同じ場所に居るわけがない。仲間すらその行動の意図を汲み取れなかったまさにその時、爆音とともに何かが吹き飛び、彫刻室座の壁に叩きつけられる。
「がはっ……! なん……で……!? アタシ……移動した、のに……!」
「時計座のメダルってやつさァ。俺の場合『対象者の居場所を1分前に戻す』ってとこだなァ」
「じゃあ最初からやれよ!」
「……射程が短すぎて、最初の時は間に合わなかったんだよォ」
 鷲尾が時計座を使った時の能力は強力であるが、その分有効範囲が狭い。これも真亡が彫刻室座に取り込んでくれて、何が影を炙り出し、霧雁が位置を特定してくれたおかげである。
「まだまだッスよ! カメレオン座の独壇場は、まだ終わらないッス!」
 再び姿を消すカメレオン座。しかしこれではまた一分前の居場所に戻され砲撃なり近接攻撃なりを受けてしまうだろう。
 そうさせないためには、速攻で鷲尾を撃破しに行くしかないわけだが……。
「姿無き暗殺者……燃える展開じゃねェかァ。だがなァ、攻撃してくる場所、タイミングがわかってンならもう暗殺者たァ呼べねェんだよ!」
 鷲尾は不意に円の中心の上空に魔槍砲を向け、再び砲撃を放つ。
 空中で何かにぶつかり砲撃が炸裂。吹き飛ばされながら姿を現したカメレオン座は受け身も取れず地面に叩きつけられる。
「なんで……分かるッスか……!」
「円周防御の盲点、中心部の上空。お前の腕力で、手っ取り早く致命傷を与えようとしたら上からしかねェだろ。くぐって来た修羅場の数が違うわァ。……それと、もう一つ」
「ぐ……まだなんかあるッスか……!?」
「その語尾は止めた方が良かったぜェ」
 一瞬切ない顔を見せた鷲尾であったが、次の瞬間には手にしたピストルでカメレオン座の頭を撃ち抜いていた。
 瘴気に還り黄金のメダルが地に落ちる。それを手にした鷲尾は、ほいっと各務へとそれを投げ渡す。
「あら、どういう風の吹き回しですの? カメレオンの力があれば、お姉様の寝所に忍び込んであんな事やこんな事やあまつさえ……デュフフフ」
「馬ァ鹿。集星の中じゃないと使えないの忘れたのかよ。それに、そんな狙って都合のいい効果が出るかっての。自重しろよっつー警告だァ」
「むむむ」
「何がむむむ、だ!」
 そんなやりとりをキッパリ無視し、レネネトは周囲の警戒は怠らない。
 早々にメダルを確保してしまったので、流石に例の翼を持つ白い忍者装束も手が出せないか。
「やはり、話を聞く気のないアヤカシや話の通じないアヤカシには情報が流せないということなんでしょうか?」
「そうでしょうね。ただ、例え話が通じるアヤカシでも、そのアヤカシが素直に白い忍者さんの話を信じるかどうかは疑問なんですけれども」
 神座の問いに答えたレネネトは、自らの台詞についてしばし考える。
 その状況下でアヤカシが忍者の話を信じられるとしたら、その条件は……
「……白い忍者さんもアヤカシであること……?」
 安堵の息を吐いて帰路につく開拓者たち。
 その雰囲気を壊さぬよう、レネネトはその呟きを胸にしまいこんだのであった―――