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■オープニング本文 前回のリプレイを見る 人語を解するどころか、人とまったく同じ姿をしたアヤカシの出現は衝撃とも言えた。 その噂は瞬く間に神楽の都中に広がり‥‥は、意外にもしていない。 表向きは『死体に憑依したアヤカシだった』という事にされ、一部の人間しか事実は知らないようなのだ。 だが、事実は待ってくれない。人の口に戸は立てられないとのことわざもある以上、早急に人型アヤカシをこの世から消し去りたいというのが真実を知る者たちの考えらしかった。 そこで‥‥ 「今わかってることっていうと‥‥人型で、喋って、女の子ってことですよね」 「外見で言えばね。戦闘面となると、瘴気で武器を錬成できる、術系の攻撃を何度か防ぐマントを着てる、かなり強いっていうところ?」 神楽の都に存在する開拓者ギルド。 その一角で依頼の紹介を担当していた十七夜 亜理紗と西沢 一葉は現在、石鏡の開拓者ギルドと神楽の都のギルドとを往復し情報のつなぎを行っている。 石鏡のあちこちで目撃されていた『謎の影』を追う依頼で人型アヤカシのことを知ってしまったために、二人はこの役を仰せつかったわけだ。 この事実をなるべくなら伏せたいというのはどこも同じのようで、黒マントをめぐる案件は石鏡の開拓者ギルドが一手に引受け、石鏡内でケリをつける方向性らしい。 「あ、あと、入口の方に現れた黒マントさんは『シエル』って名前の女の子みたいなんですよね?」 「あぁ、そうなるわね。でも、銀髪赤目の顔を見れた槍使いは名前も分かってない‥‥かぁ。難しいわねぇ」 開拓者の分析により、少なくとも三人以上はいると思われる黒マントたち。 フードを被っている間は喋ってはいけないというルールがあるらしいというのは分かっているが、フードを取ってもらわないと表情どころか顔も見えないのがもどかしい。 前回、開拓者の活躍により行方不明者は出なかった。だが、それにより弊害も発生したようなのだ。 黒マントたちは依然として件の村の近辺に姿を現し、獲物を狙うことを続けているとのことで、村人たちは怯えながらの生活を続けなければいけない羽目になっている。 開拓者に邪魔をされたのがよほど悔しかったのか、それとも、開拓者そのものを待っているのか‥‥。 どちらにせよ、今度は黒マントを敵と断定し、撃滅する主旨の依頼が出されたのは確かである。 「黒マントのアヤカシを倒すのもそうだけど、村人をきちんと守ってあげて欲しいわね‥‥」 「ですです。ターゲットを変更してる可能性もありますしね」 人類を脅かすアヤカシの中でも特に危険といえる人型アヤカシ。 その強力な存在を撃破するために‥‥是非、力を貸していただきたい――― |
■参加者一覧
鷲尾天斗(ia0371)
25歳・男・砂
小伝良 虎太郎(ia0375)
18歳・男・泰
焔 龍牙(ia0904)
25歳・男・サ
巴 渓(ia1334)
25歳・女・泰
アイリス・M・エゴロフ(ib0247)
20歳・女・吟
劉 那蝣竪(ib0462)
20歳・女・シ
ノエル・A・イェーガー(ib0951)
13歳・女・陰
シア(ib1085)
17歳・女・ジ |
■リプレイ本文 ●提案 「そっちにとってこれはゲームなんだよね? ならおいら達ともゲームでケリつけようよ」 五月某日、曇り。 石鏡東部にある件の村に到着した開拓者たちは、まず村人たちの安否の確認と、退避の要請などに奔走した。 まだ行方不明者を出していなかった村人たちは、前回の恐怖もあってか素直にこれを受理。 とりあえず村の集会所に全員集合してもらい、後顧の憂いは断った。そして肝心の黒マントたちをおびき出すため村に散った開拓者たちは、すぐにその姿を発見する。 「‥‥‥‥」 小伝良 虎太郎(ia0375)の提案にも、相変わらずだんまりの黒マントの一人。フードを被っているので前回会ったやつかも分からない。 村はずれの森の入口でぼーっと立っていたその姿を見つけたのは、小伝良とイリス(ib0247)の二人。 最近は姿を現すことが増えてきたらしいが、行方不明者にはつながっていない。 「時間は夕方、場所は集会所の近く、ルールはどっちかが全滅したら負け‥‥どうかな」 更に続けた小伝良に対し、黒マントはふっと身を翻してすたすた森へと消えて行ってしまった。 「うーん‥‥伝わったのかなぁ」 「分かったのか分からないのか不安ではありますが、無理に突っかかるわけにもいきません。他の方々も接触しているかも知れませんし、一旦戻りましょう」 イリスの言葉に、そうだねと呟いて引き返す小伝良。 黒マントが、仲間と検討をしに戻ったと思いたいところである。 また別の村はずれ。 小伝良たちが南西なのだとすれば、こちらは村の北側である。 ここにも黒マントの一人が佇んでおり、それを聞きつけた鷲尾天斗(ia0371)と巴 渓(ia1334)が急行したところだ。 が、そこで二人が見たものはちょっと意外な光景であった。 「‥‥おい、随分な御身分だな。日向ぼっこかい?」 巴の視線の先には、切り株に腰を下ろし肩を落としているようにも見える黒マントの姿。 フード付きなので正体は不明だが、ちらりとこちらを見てため息を吐くような仕草を見せる。 「こいつ、絶対前の二人と違うな」 「ほう、流石継続参加者。根拠は?」 「俺の美少女への勘がそう言ってるのさ!」 「‥‥聞いた俺が馬鹿だったよ」 鷲尾は別に冗談だけで言ったわけではない。 座っている黒マントから見える靴やズボンの裾で瞬時に判断し、この黒マントは男だと直感した。 「張り紙する手間が省けたな。開拓者が勝負を望む。遊ぶ気があるなら、夕方村の集会所近くまで来い」 鷲尾の言葉に、再びこちらをちらりと見て‥‥かったるそうに立ち上がり、スタスタと歩いていってしまった黒マント。 どうもリアクションが薄いので、しっくりこないというか不安感が募った。 そして村の南東のはずれでは、焔 龍牙(ia0904)が、また別の黒マントと遭遇しているところであった。 これは三箇所ほぼ同時刻であり、少なくとも今回現れた黒マントは三人ということになる。 「俺達が来るのを待っていたみたいだな!」 無論、黒マントは答えない。フードの闇に隠れて表情も反応も見せはしない。 だが、焔が主張したことは間違いではないらしい。ついっと身体をこちらに向けると、腕を出し指だけ動かしてこいこいと主張した。 それは明らかな女の細腕。そして、明らかな戦闘の意思。 「慌てるな。おまえたちにとってこの狩りが遊戯なら、遊戯らしくケリをつけよう! 今日の夕方、集会所近くに来い。今頃お前の仲間も誘いを受けているかもしれんな!」 それを聞いた黒マントは腕を引っ込めると、踵を返して村を出ていってしまう。 「あれが黒マント、ね。なるほど、一筋縄ではいかなそうだわ」 「なんだ、いたのか」 「降りるに降りられなくなっただけよ。顔を知られたくないもの」 すぐそばにあった木から声を発したのは、シア(ib1085)という開拓者である。 今回が初参加の彼女は、後の作戦のため姿を見られることを嫌い、村を歩かなかった。 今も木の上から降りてこない警戒っぷりであるが、用心に越したことはあるまい。 「来ると思うか?」 「来るでしょうね。少なくとも、あいつは」 明確にされた誘いの意思。戦うことを前提とした動き。 だがそれを中断してまで去ったということは、こちらの提案を考慮するという意思でもある。 果たして何人来るか。そんな憶測が飛び交う中、日が暮れていく――― ●ゲゲル 「皆さん、点呼は終りましたか? 皆さんのことは私たちが守りますので、安心してくださいね」 「見慣れない人が混じっていたらすぐに教えてください。少なくとも銀髪で赤い目の人がいたら要注意よ」 夕方になり、太陽が沈み始めた頃‥‥集会所内部では、ノエル・A・イェーガー(ib0951)と緋神 那蝣竪(ib0462)が村人たちへの説明と注意を促していた。 小伝良の案で似顔絵を作成し、敵が内部に入り込まないよう注意を払う。 顔が割れている黒マントは一人しかいないが、とりあえず見知らぬ顔は混じっていないようだ。 「対決場所が遠すぎても、有事の際にこちらに戻るのが遅れる。かと言って近ければ近いですぐにここが襲われる可能性がある。痛し痒しね‥‥」 「えっと‥‥仕方ないと思います。前回の教訓を活かして、あまり分散しないようにした方がいいと思います。相手は、こちらの提案に乗る義務はないんですし‥‥」 村人が協力的になってくれたとはいえ、そう何日も拘束できるわけではない。 なるべく早く白黒つけるためには、こうしてゲーム方式に持っていくのが向こうの興味も引きやすく対決しやすいだろう。 そしてそれは正しかったと証明される。 夕日を背に歩いてくる、三つの影によって‥‥。 「来たわね。いい、私たちは村の人達を絶対死守よ。守るべきは、力なき人たちだから‥‥!」 村人に紛れ護衛を担当するシアの言葉に、緋神とノエルが頷く。 外には焔とイリスがおり、イリスは窓からいつでも内部に声をかけられる体勢だ。 そして‥‥ 「三人全員参加とはありがたいじゃないか。話が分かるねぇ」 「そっちも三人、こっちも三人だね。おいらたち、負けるわけには行かないよ!」 「どーでもいいからフード取れよ。一人は違うんだろうが、美少女の匂いがプンプンするぜ!」 巴、小伝良、鷲尾の三人と対峙した黒マントたち。 並ぶと微妙に身長差があるのが分かるが、フードは取ってもらわないと困る。 小伝良も気にしていたが、万が一中身が操られた村人でしたでは洒落にならない。 すると黒マントたちはフードに手をかけ、その素顔を晒した。 夕日に照らされ輝く銀髪。そして、燃えるような真紅の眼。 三人全員に共通するこの特徴だが、前回の槍使いは混じっていない。 「ふん‥‥わらわたちに挑戦するとはいい度胸である。予定とは違うが直接対決もよかろう」 「もう、無理に戦う必要はなかったのに。出し抜いて狩りをすればそれでよかったじゃないの」 「ジャンケンで決めたことである。今更文句を言うでない」 セミロングギリギリくらいのショートボブの少女は、偉そうな口調でロング髪の女性にピシャリと言った。 苦笑いをするロングの女性だが、まんざらやぶさかでもないらしい。 そして、もう一人。 「ちょっとジーク君、一応やる気出して頂戴」 「面倒くせぇよ‥‥。俺は飯が喰えればそれでいいってのに」 「男らしくないぞえ。連中を飯にするくらいのことを言ってみせい」 そのあまりに緊張感のない会話に、一瞬気が削がれる開拓者たち。 だが相手はアヤカシだ。そして目の前で食事、つまりは人食いの話をしているのをぼけっと見ていることなどできない。 女が二人に男が一人。前回の二人が別人だとすれば、これで人数は五人にまで増えたことになる。 「それじゃやろうか。こっちはまず俺がいくぜ。あ、男は来んな」 「別にやりたかねぇよ。キュリテ、行ってやれば?」 「勝手に人の名をばらすでないわ!」 「俺だって姐さんにばらされただろ」 「ジークくぅん? その姐さんっていうのはやめてって言ってるでしょ?」 「‥‥ハイ、スンマセン」 「まったく‥‥どいつもこいつも。まぁよい、わらわが相手じゃ」 そう言って歩み出たのは、長めのショートボブの少女。 偉そうな口調が特徴ではあるが、手ぶらだし何が飛び出すか分からない。 「お前らの狩り自体に文句はねぇ。所詮この世は弱肉強食、強い者は弱い奴を糧にして生きる。お前さん達はマッタク正しい」 「ほう、分かっておるのう」 「だから俺はお前さんを狩る。お前さんは俺を狩ればいい。食うなり何なり好きにしな」 槍を構え、楽しそうに笑う鷲尾。それにアヤカシも応える。 「俺が勝ったら俺のモノになりな。狩りより楽しい事を教えてやる」 「ふ‥‥勝てたら、の。逆に文字通りに喰ってくれるわ」 「‥‥ノリはいいがツッコミは無しかよ」 「小粋じゃろう? セ‥‥おっとっと、わらわはキュリテ。参るぞえ!」 手ぶらの状態で突っ込むキュリテ。鷲尾はすでに迎撃体制だが、例の手品が気になる。 だが考える間にも距離は縮まる。もうすぐ鷲尾の間合いだ。 が、間合いの少し手前でキュリテが動きを見せる! その両手に鎖付きの刺鉄球が出現し、二個連続で攻撃を仕掛けた! 「んなっ!?」 左右から挟みこむように振られた鉄球は、遠心力を加え鷲尾を襲う。 横踏を発動し上半身狙いの方は回避したが、足狙いの方は避け切れず直撃をもらう! ぐるんと回転し頭から地面に叩きつけられた鷲尾。左足の骨が逝ったかも知れない。 「あぁ、いい忘れておった。わらわの正確な名は『操球のキュリテ』である」 鎖を振ってコントロールし、鉄球を地面に落とす。 こんなものを軽々と扱うには相当な腕力が必要なはずなのだが‥‥。 「くっ‥‥そ‥‥! 間合いが‥‥遠い‥‥!」 「くくく‥‥槍だからと慢心したか? どれ、約束通り喰らってくれるぞ」 そう言って右手の鉄球を瘴気に戻し、鷲尾に近づくキュリテ。 鷲尾は槍を取り落としている。足をやられたので素早い動きもできまい。 そう、思っていたが。 「紫焔!」 「っ!?」 座敷払を発動し、右足だけで立ち上がり槍で攻撃する鷲尾。 これは予想外だったのか、防御が間に合わずキュリテの腹に深々と槍が突き刺さった! 「せ、せっかちだなおい。お、俺はまだ負けを認めてねぇ‥‥ぞ!」 「おの‥‥れ‥‥!」 後ろに跳ぶことで無理矢理槍を引き抜くキュリテ。死にはしないが、いたくプライドが傷付いたらしい。 「よかろう‥‥ならばひき肉にしてから喰らってやるわ。その足で戦えるというのならな!」 再び刺鉄球を二つにしたキュリテは、怒りの瞳で振りかぶろうとする。 しかし。 「お止しなさいって。ここは引き分けにしておきなさい」 「なんじゃと!?」 「ゲームなんでしょ? 向こうもこっちも予想外で一本取った。それでいいじゃない」 「〜〜〜ッ! そんなことじゃからいつも餌に困るんじゃろうが!」 「あーあー、聞こえなーい。それじゃユーたち、次を決めてー。こっちはアタシがでるからー」 「なんか調子狂うな。まぁいい、俺が相手さ」 姐さんと呼ばれていた女が歩み出て、巴もそれに応える。 後ろでキュリテが文句を言っているが完全に無視である。 「よろしく。アタシは‥‥」 「名乗らなくていいぜ。余計な能書きは吐かせる気は無い」 「あらやだ、無愛想ねぇ」 「名も知られぬまま、塵と果てろ!」 瞬脚で一気に加速し、アヤカシの左側に現れる巴。 そのまま泰練気法弐に繋げ、問答無用の三回攻撃で沈めるつもりだ! ズガガッ! という電光石火の音が空気を切り裂いた後には‥‥ 「な‥‥に‥‥!?」 「くぅっ‥‥一発貰った! 痛いじゃないの!」 巴の雅崇甲は、いつの間にか出現していたトンファーによって受け止められていた。 正確には一撃目と三撃目を止められ、二発目はもろに脇腹に入ったのだが。 「ちっ!」 「甘いっ!」 巴のラッシュを尽くトンファーで弾いていく姐さん(仮)。 接近戦が得意なのは彼女も同じようだが、巴は瞬脚を多用し反撃を許さない。 しかし、純粋なスタミナ勝負になると厳しいのではないか。そんな気がする。 「速くて重い‥‥いい攻撃ね!」 「やめろ! 慣れ合うつもりはない!」 「あら残念!」 バックジャンプし距離をとるアヤカシ。巴は瞬脚の使いすぎで追撃ができない状態だ。 「うーん、アタシの判定負けってことでいいわ。攻められっぱなしだったしね」 「勝った気がしないじゃないか!」 「熱くならないの。ゲームなんだから」 「俺はゲームより腹ペコをなんとかしたいんだけどな‥‥」 姐さん(仮)に代わり、今度はかったるそうな仕草の男が歩み出る。 頭をぽりぽり掻きながら、まるでやる気が見られない。 「ジーク‥‥だっけ? おいらが相手だ!」 「へいへい。まったくしょうがねぇな‥‥」 仕方なくと言った具合で構えるジーク。しかし小伝良は、そんな動きからでも充分相手の力量を察知できた。 後は、相手が何の武器を具現化するか。槍、鉄球、トンファーと来ると予想がつきづらい。 「いっくぞー!」 瞬脚で一気に間合いを詰め、牙狼拳で連続攻撃を繰り出す小伝良。 前回の戦いで、相手が回避に長けていると判断し命中重視の攻撃を繰り出したのだ。 それは、前回の相手なら間違いでは無かったが‥‥ 「速ぇ‥‥が!」 ズダンズダンと二発とも直撃したが、ジークは倒れない。 その手に装飾の施された西洋剣が実体化し、よろめきながらも反撃が閃く‥‥! 「そらよっ!」 「右っ‥‥!」 裏一重を発動し牙狼拳のペナルティを打消した小伝良は、無理矢理身体を捻って直撃を回避した。 脇腹に筋肉が裂けるような鋭い痛みが走ったが、斬られるよりはマシだ。 距離を取った小伝良だが、その頬には冷たい汗が隠せない。 「今のを避けんのかよ‥‥面倒くせぇ」 「言っただろ‥‥負けるわけには行かないんだ!」 と、その時である。 集会所の方から破壊音が響いたかと思うと、村人たちの悲鳴が上がり続ける。 伏兵の事は考えていなくはなかったが‥‥!? 「あらやだ。シエルちゃんたら、ちょっと待っててって言ったのに」 姐さん(仮)の言葉から、この三人が差し向けたわけでないことは分かった。 とりあえず、中には三人の開拓者がいるし、焔とイリスも急行しているはずだが‥‥! すると、障子を突き破って黒マントが弾き飛ばされ、地面を転がった。 やったのは‥‥シア。問答無用で頂心肘を叩き込んだらしい。 「この人達には、指一本触れさせない‥‥!」 むくりと起き上がりながらも無言の黒マント。 それをジークが小脇に抱え、さっさと駆け出してしまう。 「ごめんなさい、この娘も悪気はないの。今日のところは勘弁してね」 姐さん(仮)の言葉を残し、アヤカシたちは去っていった。 村人たちの動揺を鎮めるためにも、今は追わない方がいいだろう――― |