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■オープニング本文 前回のリプレイを見る 天儀の中心都市たる神楽の都。 様々な人が行き交うこの都に、開拓者ギルドは存在する。 はてさて、今日はどんな依頼が舞い込むやら――― ある日の開拓者ギルド。 獣骨髑髏の資料をまとめていた職員、十七夜 亜理紗の元に一報が寄せられた。 それは獣骨髑髏の出現と緊急の救援要請。差出人は町の有力者となっているようだ。 「これ、どう思います? 今度は町の真上に出現して漂っているみたいなんですよね。正確には、依頼人の屋敷の上辺り‥‥ということみたいですけど」 最近獣骨髑髏が現れた場所には、確実にヤツのパーツが封印されていた。 両腕を失ったものの、頭、胴、腰、右足が復活。残るパーツは左足だけだと思われるが、この屋敷の下にでも埋まっているのだろうか? 「‥‥あら? この人‥‥もしかして再輝の宝珠の人かしら」 「さいきのほうじゅ?」 話を振られた先輩職員、西沢 一葉は、依頼人の住む町の名を見て首をかしげた。 再輝の宝珠とは、とある金持ちが所持していた宝珠のことである。 十年ほど前にその金持ちが手に入れたもので、家宝として大切にしていたのだが、三年ほど前に突然白く濁って輝きを無くしてしまったらしいのだ。 それまでは真紅に輝き、見る者全てを魅了するかのような美しい宝珠だったのだが、とうとう原因は分からずじまいであったという。 それでもその金持ちは宝珠を捨てたりせず、大事に箱に仕舞っていた。そして一年ほど前、ふとしたきっかけで箱を開けてみると、宝珠はいつの間にかかつての輝きを取り戻していたのである。 人はそれを再輝の宝珠と呼び、言葉遊びで再起の象徴とご利益を求め見物しに行く者も出たという。 「白く濁った宝珠‥‥? あれ、どこかで聞いたような‥‥」 「依頼人が持ってるその宝珠、今はどうなってるの?」 「箱に厳重に封印してるそうです。どさくさ紛れで盗人に入られるのも困るし、獣骨髑髏に狙われてるかも知れないからって」 「で、その人の屋敷の真上‥‥しかも町中に浮いてると。また厄介なところに出てくれたわねぇ」 「今回は前回と違って地上に激突したら大怪我ですし、町にも被害を出して欲しくありませんからね‥‥」 生存本能に従い、身体のパーツを求め続ける獣骨髑髏。勿論、町への被害など気にはすまい。 今度は町の上で朋友と共に戦うことになるだろう。その時は住人を一時避難させることも考えなければなるまい。 「でも、あとは左足のパーツだけですもんね? 順繰りにパーツを破壊していけば、いずれは‥‥」 「そうなんだけどね‥‥本当にそれで終わるかしら。相手は体ごと回転して地面を抉るような非常識な相手なんだし‥‥」 「い、嫌なこと言わないでくださいよぅ」 両腕が無いというのは大きなマイナス要素だ。倒すなら今と言えないこともない。 しかし、そう単純に事が運ぶであろうか? 宝珠の話も気になるところである――― |
■参加者一覧
井伊 貴政(ia0213)
22歳・男・サ
真亡・雫(ia0432)
16歳・男・志
志藤 久遠(ia0597)
26歳・女・志
龍馬・ロスチャイルド(ib0039)
28歳・男・騎
メイユ(ib0232)
26歳・女・魔
朽葉・生(ib2229)
19歳・女・魔
鳳珠(ib3369)
14歳・女・巫
叢雲 怜(ib5488)
10歳・男・砲 |
■リプレイ本文 ●町のために 「その宝珠には頭上のアヤカシの体の一部が収まっている可能性が高く、アヤカシもそれを狙っています。アヤカシを撃退し中身を浄化次第必ずお返ししますので一時預からせて頂けませんか?」 依頼人にそう切り出したのは、朽葉・生(ib2229)であった。 屋敷の上に獣骨髑髏がいるのを目の当たりにした以上、屋内での相談とは言え安心出来るものではない。 しかしそれでも、宝珠の処遇を何とかするために一行は依頼人の説得にあたった。 依頼人は意外にもあっさり承諾し、開拓者の手に宝珠を預けたのである。 「あっさり‥‥ではないのでしょうね。家宝として大事にしておられたのですから、依頼人様も愛着があったはずです」 「それでも町のためにですか。お金持ちというから鼻持ちならないのかと勝手に思ってましたけど、いい人ですねぇ。いや、邪推してお恥ずかしい限りです」 「宝珠を見物に来た人たちに公開していたくらいですからね。懐が広い方なのでしょう」 依頼人を逃し、龍たちを呼んで戦闘態勢を整えているところで、メイユ(ib0232)は相棒の炎龍(未命名)を撫でながら呟いた。 井伊 貴政(ia0213)や龍馬・ロスチャイルド(ib0039)も感心しきり。命の危険を感じたのもあるだろうが、宝を素直に差し出すのはそう簡単にできることではないのだ。 それぞれの相棒、帝釈と紅龍は、すでに上空の獣骨髑髏に敵意を向けている様子。 「これから獣骨髑髏を待ちの外へと追いやります、絶対に地上を襲わせる事はしませんので、落ち着いて対処の程をお願いします」 痛む身体に鞭を打ちながら、志藤 久遠(ia0597)は町の人間を避難させていた。 主を背にする篝は、そこはかとなく遠慮がちに羽ばたいている。主人の傷を気にしているのだろうか? 他の依頼で負傷したとのことで、今回はあまり無理をさせられない。まぁやることはたくさんあるので、作戦上必要な避難誘導は適任と言えるだろう。 「よっし、北西の方の避難は終わった感じなのだぜ」 「後は作戦通りに事を進めるだけですね。しかし、よくも毎度毎度嫌なところに現れる‥‥」 「獣骨髑髏‥‥ここにも幽志の【研究】が‥‥」 下準備が終了したことを告げるため、姫鶴を飛ばしてきた叢雲 怜(ib5488)。後は開拓者の移動だけである。 真亡・雫(ia0432)は前回湖にダイヴする羽目になった人物だが、今回はそうは行かない。もし落下したら地面にキスといったロマンチックな表現ではすまないわけで、相棒のガイロンも気合充分である。 今回、宝珠を運ぶ役を担うのは、何の洒落か鳳珠(ib3369)という女性である。 相棒が駿龍の光陰であり、獣骨髑髏を追いつかれずに牽引するにはどうしてもメンバーが限られてきてしまったためである。ちなみにもう一匹の駿龍、ボレアを相棒とする朽葉も護衛を兼ねて同時に飛ぶ。 古い木箱に収められている宝珠。何故かお札が張ってあったりするのだが、それが獣骨髑髏への牽制にでもなっているのだろうか? やがて、宝珠と朽葉を残し、他のメンバーは合流地点へ向かい始める。 二人だけを残すのは危険であるが、いざ全力で飛ばれて置いてけぼりになり、追いついたら二人がやられていましたではお話にならないから仕方がない。 獣骨髑髏の飛行スピードは駿龍とほぼ等速。全力で飛べば追いつかれない‥‥はず。 そろそろと上昇する光陰とボレア。獣骨髑髏はいつ襲ってくるかも分からない‥‥! 「来る! ボレア!」 「お願いします、光陰!」 屋敷の屋根から5メートルちょっと上昇したところで、獣骨髑髏に動きがあった。 不意に鳳珠の方を睨みつけ、瞳代わりの真紅の光をぎらつかせる。 ヤバい! そう思った次の瞬間にはすでに突っ込んで来ていたのである。 指示が速かったため、斜めに突っ込んでくる獣骨髑髏を真横に飛び躱すことができた。後は全力で飛ぶしか無い。 両腕がないので受身が取れず、屋根に激突した獣骨髑髏。しかし器用に体を回転させ、屋根を蹴って追跡にかかる! まずは町の上空からヤツを誘き出すことが先決だ。万一のためにルート上の住人を避難させたことは前述のとおり。 欠片も楽しくない鬼ごっこが、今始まる――― ●獣の本能 追う者と追われる者。ほぼ同じ速度である場合、得てして追われる者のほうが心理的な圧迫感は強いと言われる。 それが圧倒的な戦闘力を誇るバケモノともなれば、逃げる方は必死にならざるを得ない。しかも恐ろしいことに、差は微妙にではあるが徐々に詰まっているのである。 「く‥‥住民の皆様方を避難させておいたのは正解でしたね‥‥!」 朽葉は苦虫を噛み潰したような顔で、迫る獣骨髑髏を見やる。 確かに飛行速度自体はほぼ同じなのだが、獣骨髑髏は飛行しつつ右足で家屋の屋根を蹴り、微妙に加速をつけているのである。 そのタイミングのよさは獣の本能か。それとも、両腕を失ったが故に追いつめられて考えついたものか。どちらにせよ厄介な想定外だ。 アイアンウォールは空中では呼び出せない。アイヴィーバインドは地上から5メートルより高い目標にその効果が与えられない。朽葉はアークブラストで攻撃してやろうかと何度も考えたが、それを引き金に妙な行動に出られても困るとその度に首を横に振っている。 「まだですか‥‥! 光陰、もっと、もっと速く‥‥!」 町一つと言ってもその範囲は広い。高速移動を適宜使って距離を稼ぐが、仲間の郊外へ抜けるにはもう少しかかる。 焦る鳳珠。お互い全力での移動なので背後から無刃を吐き出されないのは救いである。 と、その時だ。不毛な追いかけっこに嫌気が差したのか、あるいは何か奇策を考えついたのか。獣骨髑髏は屋根を蹴るのを止め、高度を上げた。 接触しないまでもある程度近づければ勝ちの獣骨髑髏。速度はそのまま、ターゲットもそのまま‥‥? 「な‥‥まさか‥‥!」 そう思ったのも束の間、朽葉は獣骨髑髏の行動を見て背筋を凍らせた。 足を分離した獣骨髑髏は、それに尻尾を巻きつけそのままのスピードで振りかぶる。 何をする気かなどと聞くまでもない。尻尾で投げる。高速で飛びながら投げる。翼ではなくよく分からない原理で飛んでいるから体勢がどうとかは関係がないのだ。 勢い良く射出されたそれは、確実に速い。どんどん鳳珠や朽葉との距離が縮まっていく。 逃げ切れない! かくなる上はと朽葉がアークブラストの構えを取った、その時である。 ガウンッ! と銃声が響き、獣骨髑髏の足に直撃する! 大きく勢いを殺された足を回収し、再び合体する獣骨髑髏。気づけば町の外まで到達していたのだ。 撃ったのは勿論‥‥ 「あれっ、ブレイクショット撃ったつもりだったのに‥‥って、活性化させてなかったのだぜ‥‥」 「駄目じゃないか。でもまぁ、危機を救えたことは確かみたいだよ」 銃を見つめる叢雲に真亡がツッコむ。その間にも鳳珠は仲間の最後列まで移動し、宝珠の防衛を続ける。 自分が罠にはめられたことに気付いたのだろうか? 八人の開拓者と八匹の龍を前に、流石の獣骨髑髏も慎重になったようである。 「さーて、後は戦うだけですよ。しんぷるいずべすと、ですねぇ」 「私は宝珠殿の援護に回ります。皆様、御武運を」 「御自愛を。さぁ、前回の汚名返上をさせていただきましょう!」 井伊と龍馬が、帝釈と紅龍を駆り獣骨髑髏に突っ込んでいく。 負傷している志藤は護衛として、篝と共に鳳珠の側に控える。 刀と剣。二つの剣閃が迫ることを確認した獣骨髑髏は、迎撃行動に‥‥出なかった。 バックジャンプのような姿勢で後退し、草原に降り立ち地面を削る。 「そうか、やっぱり両手がないのはきついんだ。これは厄介かもしれない‥‥」 そう言って、ガイロンを着陸させる真亡。下側からの攻撃を警戒すると言っていただけに、地面に降り立った獣骨髑髏と同じ立ち位置に居ることを選んだようだ。 獣骨髑髏はむしろよく立っていると言うべきか。右足一本だけで両腕はなし。四足歩行の獣としては普通はバランスが保てない。 「真亡様、厄介というのは‥‥?」 「ヤツは今までのような積極的な攻撃はせず、距離をとって逃げつつの戦法を取ると思います。ヒットアンドアウェイ‥‥と言うんでしたっけ?」 「でもさぁ、それって俺達には戦い易くない? 守れれば勝ちなのだぜ!」 「しかし、倒せなければ延々と戦い続けることになります。やはりどうにかして滅しなければ‥‥」 地面に降りないまでも低空飛行でついて来たメイユと叢雲。 要は獣骨髑髏を倒してしまえればパーツがどうこうと悩まなくても済むのだが、それが出来れば苦労はしない。 そして弱っているところを突こうとすると慎重な逃げの戦法をされる。今までも何度となく思考されたであろう悩ましい命題である。 「でも、この場は戦うしかありませんからね!」 「そうです。ぐぅっ、こうやって!」 龍馬が盾で無刃を防御する。その隙に井伊が斜め上から、真亡が右から挟み撃ちにしようと近づく。 急降下しつつの炎龍突撃。質量に加速が付くのはやはり大きい。 攻めるという井伊と帝釈の意思を敏感に感じ取ったのか、獣骨髑髏は一旦バラバラに分解し上空で再合体、難を逃れる。 状況は不利と悟ってはいるのだろう。しかしちらちらと鳳珠の方を気にしているのは確かだ。 「このっ!」 叢雲が放った銃弾が頭部にヒットする。 しかし、致命傷には遠い。逆に無刃で反撃され、姫鶴に大きな傷が刻まれた。 「あっ!? よ、よくも!」 深追いはせず再び後退する獣骨髑髏。どうやって鳳珠の所にたどり着くかを考えているのは確かで、攻撃しようと井伊や龍馬が近づくたびにのらりくらりと接近戦を避けるのだ。 だが、埒があかないと考えているのはヤツも同じ。そして開拓者と獣骨髑髏の致命的な差は‥‥頭の出来。 獣骨髑髏は業を煮やし、前回成功した強行突破を今回も敢行する。 頭がイイと言っても所詮は獣。力に任せての同じ行動が二度も通用するほど、獣骨髑髏と幾度も戦ってきたメンバーは甘くない。 地面を蹴りつつすれすれを飛んでいた獣骨髑髏は、突如急ブレーキをかけられ頭から地面に突っ込んだ。 見れば右足が氷漬けになっている。メイユがいつの間にやらフロストマインをしかけていたらしい。 すぐさま右足だけを分離し鳳珠に再突撃を仕掛けようとするが、すぐさま何者かが喉元に喰らいついてきた!? 「篝、逆に喰らいつきなさい。首は回っても頭蓋骨だけでは回らないはず!」 ミシミシと軋む獣骨髑髏の首の骨。要は真亡がやっていたように、下から攻められないように下から攻めたわけだ。護衛の面目躍如である。 怪我をおしてまで参加した志藤と篝。しかし、獣骨髑髏は尻尾を巻きつけ志藤たちを放り投げた。 凍りついた自らの右足に敵をぶつけ、氷の罠を砕く。本能とは恐ろしいものである。 足を回収し再び空に舞い上がる獣骨髑髏。強敵には違いないが、やはり両腕がないのが響いているのか。今までほどの脅威は感じられない。 「‥‥もう再生を始めていますね。しかし、これはどうですか?」 朽葉は今度こそ気兼ねなくアークブラストを放つ。 郊外に広がる草原には身を隠す場所はない。そして、物理的な防御力はともかく術に対する防御力は獣骨髑髏はそこまで規格外というわけでもない。 当たった箇所が黒く焦げ付き、大きく怯む。 無刃を放っても‥‥ 「おっと、させるとお思いですか?」 龍馬の盾に阻まれ、朽葉を倒せない。 かと言って強引に近づこうにも井伊や真亡が邪魔をするし、叢雲やメイユが隙あらば遠距離攻撃を仕掛けてくるのだ。 せめて片腕だけでもあれば。喋ることができたのなら、そう悔しがったかも知れない。 「よし、畳み掛けますよ!」 井伊と帝釈が接近してくるのもこれで何度目か。ここで獣骨髑髏は意外な行動に出る。 なんと大きなバックジャンプを繰り返し、町中へと戻ってしまったのである。 再生のための時間稼ぎだろうか? 大通りに身を置き、低い姿勢でこちらの出方を伺っていた。 「逃がさない! お前も被害者なのかも知れないけれど‥‥全力で撃退させてもらうっ!」 ガイロンに指示を出し、真正面から突撃をかける真亡。 がっぷり四つで組み合うガイロンと獣骨髑髏。この体勢も一応噛み付かれないか。 そして真亡は自らの刀に白梅香をかけ、目の前に迫った獣骨髑髏の鼻先を斬りつける! 瘴気を浄化され、必死に暴れる獣骨髑髏。かと思うと尻尾をガイロンの首に突きつけ、螺旋を描き抉る! そしてガイロンの顔面にゼロ距離での無刃。これには流石の甲龍もたまらない。 またしても距離を取り、より町中に入ってしまう。一応住民は避難させた区域ではあるが、これ以上刺激すると町に被害が出るかも知れない。 いつまでにらみ合いをすればいいのか。そう思っていると、獣骨髑髏は不意に地面を蹴り一気に上昇した。それは今までに見てきた、撤退するときと同じ速度である。 「‥‥‥‥大丈夫? 終わったのだぜ」 何かの罠かとしばらく様子を見てみたが、再び襲ってくるわけでもなく‥‥開拓者たちが明確に『勝った』ことを実感するには、更に時間が必要であったという――― ●宝珠の行方 町を守り、獣骨髑髏を退けた一行は、感謝と英雄扱いを以て迎えられた。できればパーツの一つも破壊したかったが、贅沢は飲み込んでおこう。 依頼人に話をし今後も宝珠を預かることになった開拓者たちは、それを石鏡に提出。また、今までに発見した宝珠の回収要請を行っていた。 最初の村の宝珠は簡単だったが、三位湖の小島に埋まっていたものは彫り出すのにかなりの苦労が必要だったとか。 今回守った宝珠は真紅の輝きだが、他の二つは白く濁ったままで何の価値もなさそうに見える。これと同じようなものが後四つもあるというのだろうか? 「‥‥これで終わりというわけでもありませんからね‥‥今回は上手く撃退できましたが、宝珠の処遇も含めて対策を練りませんと」 「うーん、やっぱり壊しちゃうのがいいんじゃないですか? 後腐れもありませんし」 「いいかもだけど、一応預かりものもあるのだぜ。できればこれは壊したくないかなー」 意見が割れたのは開拓者たちだけではない。石鏡上層部ですらその処遇には様々な意見が出たのである。 何がよくて何が駄目なのか。何をしたら正解で、何をしたら失敗なのか。 これからは、決断の一つにもプレッシャーがかかってきそうである――― |