|
■オープニング本文 天儀の中心都市たる神楽の都。 様々な人が行き交うこの都に、開拓者ギルドは存在する。 はてさて、今日はどんな依頼が舞い込むやら――― 「一葉さぁん。こんな辞令が届きました‥‥」 「‥‥知ってる。私のところにも来てたもの」 ある日の開拓者ギルド。 暑さも増してきた今日この頃、職員の十七夜 亜理紗と西沢 一葉に、上司からとある指示が出た。 それは、以前にも開催した字と音を羅列するイベント‥‥通称羅字音の第二回を開催するからまたパーソナリティをやれ、というものである。 最初に話をふられたときはわけもわからず否定気味だった二人も、いざイベントをやってみると意外と楽しかったというのが本音。やれというのならやらないでもないが‥‥。 知らない諸兄のために説明すると、神楽の都某所に人を集め、拡声採用のある宝珠を用い亜理紗と一葉の二人が参加者からもらったお便りを読みつつトークを繰り広げるというもの。 依頼の形式上、好き嫌いは多分に分かれることだろう。しかしギルド上層部としては『一回目はまぐれかも知れない。二回目からが真の評価になるわけで、人が集まらないようならきっぱり打ち切りにしよう』とのことである。 「えー、お便りも預かってます。ペンネーム、クリリンさんからいただきました。『かぐらじの番組開始、おめでとうございます。月次ではありますが、挨拶を決めてみてはいかがでしょうか? 番組の末永い繁栄をお祈り申し上げます』だそうです」 「どこからツッコむべき? ペンネーム? 番組? 月次? 挨拶?」 「挨拶だけにしておきましょう、色んな意味で。きっとあれですよ、こんにちはーとかじゃなくて、独自の挨拶。みなさんと一体感を高めるための合言葉みたいなものかと」 「うーん‥‥かぐらじはー、とか?」 「つきな‥‥いえ、なんでもありません。それでもいいです」 ふっと目を逸らす亜理紗。深追いは危険だと判断したのだろう。 確かに『神楽の皆さーん、開拓者羅字音ですよ〜』ではタイトルが長いのは確かである。かぐらじと略称するならこの挨拶は無難といえば無難か。 「ちなみに、コーナーにも変化があります。ふつおたのコーナー、ぼくがかんがえたさいきょうのぶぐ、知ったか乙、ライフで受ける! の四つです」 「前二つは変更なしだからわかるけど‥‥後ろ二つがちょっと意味不明ね」 「知ったか乙のコーナーは、参加者さんから何でもいいので質問を送ってもらいます。それを、知っているなら普通に、知らなくても知っている体でトークするというものらしいですね」 「それ、また私たちが恥をかくだけのコーナーにならない!?」 「例えば、『向日葵って綺麗ですよね。どう思いますか?』という質問が来たとします。これは私も一葉さんも知ってますから『あぁ、綺麗ですよねー』っていうトークで済みますけど、『バショウセンって綺麗ですよね。どう思いますか?』って聞かれたらどうします?」 「バショウセン‥‥? 水仙とか水芭蕉の親戚か何かかしら‥‥」 「それを知ってる体で話すんですってば」 「だから、それが本当に知ってる人たちには滑稽に映るんでしょうが!?」 「そういうコーナーですから。何れにせよ私たちは笑われるために駆り出されるんですよ‥‥」 「‥‥泣きたくなるわね。で、『ライフで受ける!』は?」 「参加者さんに、『自らの身を削ってでもやり遂げたこと』を募集するコーナーです。例えば、『くじでいいものが何も当たらなかったので‥‥全部店売りしてやりましたよ!』とかですかね」 「誰かにあげればいいのに‥‥。っていうかそれって、一矢―――」 「というわけで、以上四つのコーナーにお便りを募集します。二回目ともなれば大分安心できますね」 「今度はあなたがスルーする番なのかしら‥‥。そうそう、話は変わるけど前に考えてもらったフォークとかナイフとかの武具、あったでしょ?」 「違います。フォォォクぁ! とナァァァイフぁ! です」 「言い方なんてどうでもいいのよ! 銀食器のそれらとか、貰ったアイデアのいくつかは採用が決定したみたい。もうどこかで入手できるようになってるかも知れないわ」 「へー、凄いじゃないですか! 私もちょっと欲しいかも‥‥」 「実現できそうな範囲のアイデア、お待ちしてますということで。私たちは当日頑張りましょ」 開拓者ギルドのアピールを兼ねたトークショー。参加者のお便りが頼みの綱なのは相変わらずだ。 定期的に続けていいものか、もう止めにしておくかも見定められる今回。 果たして、羅字音は天儀で有りなのか無しなのか――― |
■参加者一覧 / 鷲尾天斗(ia0371) / 礼野 真夢紀(ia1144) / 平野 譲治(ia5226) / からす(ia6525) / 不破 颯(ib0495) / 无(ib1198) / 禾室(ib3232) / フランヴェル・ギーベリ(ib5897) / 各務 英流(ib6372) / アムルタート(ib6632) |
■リプレイ本文 ●第二回にして‥‥? 一葉「せーの」 二人「開拓者ギルドプレゼンツ! 『神楽の皆さーん、開拓者羅字音ですよ〜!』」 亜理紗「お便り開拓企画、『かぐらじ』。はっじまるよー♪」 一葉「今の挨拶は、ペンネームシノビ狸さんからいただきました。ありがとうございます。というわけで‥‥さぁ始まりました、第二回目のかぐらじ。どう? 感想は」 亜理紗「私たちがくっちゃべってるだけのイベントなのに、またお客さんがいっぱい来てくださって感激です。まだこそばゆい感じがしますけど、流石に慣れてきました」 一葉「それは何よりね。そうそう、会場の皆さん、今日も暑いですから水分の補給はしっかりしてくださいね。日陰でも安心しちゃ駄目ですよ」 亜理紗「夏の暑さを笑いで吹きとばせということで♪ ‥‥でもよく考えると、笑うと体温上がって余計に暑く‥‥」 一葉「神楽のみなさーん、開拓者羅字音ですよ〜! 略してかぐらじ! 本日も頑張ります」 亜理紗「なんというスルースキル‥‥。えっと、このイベントは。開拓者ギルド。眼鏡の分鏡堂。お食事処さざなみ。お休み処(?)夜零館、の提供でお送りします♪」 一葉「最後のはあなたがお世話になってるだけでしょ」 亜理紗「安らぎの場を提供していただいてます!」 亜理紗「はい、改めましてかぐらじはー。十七夜 亜理紗です♪」 一葉「同じく改めましてかぐらじはー、西沢 一葉です」 亜理紗「いやぁ、言ってみると意外と楽しいですね、この挨拶♪」 一葉「そ、そう? 私はちょっと恥ずかしかったり‥‥」 亜理紗「いいじゃないですか、私たちだけの挨拶っていう感じで。とにかく、コーナーに参りましょう!」 二人「普通のお便り、略してふつおたのコーナー!」 一葉「このコーナーは、奇をてらってもてらわなくてもいい普通のお便りを募集しています。日常で疑問に思ったことや感じたこと、開拓者ギルドへの不平不満叱咤憤慨異議苦情もこちらまで」 亜理紗「さりげなく憤慨が増えてる‥‥」 一葉「細かいことはいいのよ。ではまずこちらのお便りから。ペンネーム、空さん。『そら』と書いて『から』さんですね。『人数集まらないのは仕方ないんじゃ‥‥。依頼票見た感じ、前回の1.5倍の数で依頼も多いしねぇ。がんばってくださーい』とのことです」 亜理紗「続けてこちらも読みます。ペンネーム幼蕾の狩人さん‥‥ってまたこの方ですか! ありがたいですけれども!」 一葉「いいからお便り」 亜理紗「どうもツッコまないと気が済まなくて‥‥。えっと‥‥『やあこんにちは! 前回の報告書はとても面白くて、何度も読み返してニヤニヤしてしまったよ! 今回は葉書が少な目かも知れないが、打ち切りにはしないで欲しい。ボクは、羅字音が大好きなんだ! 打ち切りなんかにしたら‥‥』」 一葉「‥‥し、したら?」 亜理紗「『ボクの好物は13歳以下の女の子だが、年下の可愛い子なら構わず食っちまえるんだよ? まあそういう事』だそうです‥‥」 二人「‥‥‥‥アッ―――!」 一葉「って、どうしてもこれを言わせたいわけ!? というか、アッ―――! を言わざるをえない」 亜理紗「なんたらしょーこーけんみたいですね。というか、一葉さんはいいですよ、同い年だから、年下じゃないからっていう言い訳が立ちますから!」 一葉「頑張って」 亜理紗「そういうの生贄って言いますよねぇぇぇ!?」 一葉「とりあえず、どちらのお便りもかぐらじを終わらせてくれるなという主旨であるのは確かね。ありがたいお言葉、感謝の極みです」 亜理紗「ぜぇ、ぜぇ‥‥まぁ、求めてくれる方がいらっしゃるのは嬉しいですよね。最初は『イベント担当してくれる人がいないからやって』ってしぶしぶやることになったわけなんですけれども」 一葉「やってみたら楽しかったっていうのは本当だものね。で、どうなんですか主任」 亜理紗「えー、今一葉さんは幕の裏で見てるギルドの上司に話しかけてます。なんか腕組みして唸ってます。すぐには答えられないからまた今度、みたいなリアクションしてます。チキン野郎め!」 一葉「おーい亜理紗ちゃーん、一応上司〜。後でどうなっても知らないわよ」 亜理紗「平に謝りますのでご容赦を‥‥というか、幼蕾の狩人さんの餌食になりたくないんでホンット切実にお願いします」 一葉「と、とりあえず次のお便り行きましょうか。ペンネーム、黒小人さんからのお便りです。『万商店でくじに呪いのように挑戦する開拓者。修練場で苦悶に満ちた顔で修練に明け暮れる開拓者。鍛冶屋で地に伏し、或いは天を仰ぎ、己の不幸を嘆く開拓者。神楽では日常である』‥‥ふ、深いわね‥‥」 亜理紗「どこにでもある日常と言うにはあまりに涙ぐましいです‥‥。鍛冶屋でどれだけの人がクホホという声を聞いたことか」 一葉「‥‥なんか話にズレがない?」 亜理紗「ありません。何一つ(キリッ)」 一葉「そ、そう? 黒小人さーん、現実に負けないで頑張ってくださいね。色んな意味で」 亜理紗「では次のお便り‥‥って、ふつおたはお便りが多くていいですねぇ♪」 一葉「間口が広いからでしょうね。書きやすいのよ」 亜理紗「読みますよー。ペンネームがないのでご本名で。不破 颯(ib0495)さんからです。『すっかり夏ですねぇ。さて夏と言えば海! 海と言えば水着! お二人はどんな水着が着たいですか? ちなみに俺は褌だ』とのことですが‥‥」 一葉「そのみずぎって言うのにイマイチ詳しくないんだけど‥‥海辺で遊ぶときに着るんだっけ?」 亜理紗「らしいですね。別に湖とかでもいいんでしょうけど」 一葉「ごめんなさい、水着の種類をよく知らないです。でも、肌があまり露出しない方向がいいですね」 亜理紗「えー? 一葉さんならおへその一つも出したって全然平気だと思いますけど」 一葉「は、恥ずかしいから嫌よっ!」 亜理紗「ざーんねーん。今度水着について詳しく調べてみましょうよぅ」 一葉「そのうちね、そのうち」 亜理紗「大人のそのうちは信用できないって婆っちゃが言ってた」 一葉「記憶喪失が都合のいい時だけ家族を持ち出さないの」 亜理紗「てへぺろ。じゃあ次のお便りです。ペンネーム、シノビ狸さんから。『どうしたら ぼいーん で ばいーん な ないすばでぃ に なれるかのぅ?』だそうです」 一葉「うーん‥‥一般的な意見だとマッサージかしらね。結構スタイルいいけど、亜理紗は何かある?」 亜理紗「よく寝てよく食べよく遊ぶ!」 一葉「子供かっ! そんな生活してスタイル維持できるのはあなただけよ!」 亜理紗「健康の秘訣なのにー! でも実際のところ、マッサージは効果的だと思いますよ。こう、下から寄せて上げてみたいな動きを繰り返すといいですね。手は大きく広げて、左右同時にタイミングよくがコツです。特にお風呂上りなんかがいい機会ですよ」 一葉「‥‥随分具体的ね」 亜理紗「き、気にしないでください。次、一葉さんの番ですよ」 一葉「はいはい。ペンネーム、平野譲治さんから。‥‥ペンネームなのこれ?『お二人はお休みの日何してるなりかっ!?』とのことだけど‥‥私は普通にお買い物とかお掃除とかかしら。たまに本を読んだりもしてるけど、基本的に決まったことはしてないわね」 亜理紗「普通‥‥」 一葉「最初に普通って前置きしたわよね!?」 亜理紗「私は主に食べ歩きです! そろそろ神楽の都にあるお店、全制覇できそうなんですよ!」 一葉「そんなことやってるからお給料日前になると貧乏してるんじゃないの?」 亜理紗「たっ、食べることが資本ですから! 未知なる味を求めて探求したいんです!」 一葉「いっそ美食屋になって食材でも発見したら?」 亜理紗「‥‥‥‥じゅるり」 一葉「じゅるり!? わりと乗り気なわけ!?」 亜理紗「ちゅ、ちゅぎのお便りいきまひゅ(じゅるり)。ペンネーム、テントさんから。『二人には浮いた噂がありませんが、ぶっちゃけ恋人は居るのですか? 居なければ好きな異性のタイプを』‥‥って、うぇぇ!?」 一葉「恋人はいません。好きなタイプは適度に甘えてくれて適度に甘えさせてくれる人です」 亜理紗「返答速っ!?」 一葉「事実を言えばいいだけなんだから速いも何も‥‥。で、亜理紗はどうなの?」 亜理紗「う〜、そのニヤつき、知ってて言ってるのがたち悪いです! こ、恋人はいません! 好きなタイプは、その、いざと言う時に颯爽と現れて助けてくれるような人‥‥かなっ!」 一葉「‥‥‥‥」 亜理紗「ナズェミテルンディス!? ニヤついてないで喋ってください!」 一葉「べっつにー。いいなー、と思っただけ」 亜理紗「うがー! 次、一葉さんが読んでください!」 一葉「はいはい。えっと‥‥あら、アムルタート(ib6632)さんから。『こんにちは! アムルタートだよ♪ あれからまたいくつかお仕事して七夕とかお祭りとか、天儀のこと色々見て楽しかった! 亜理紗も一葉もアル=カマルに遊びに来てね♪ きっととても楽しいから! 見つけたら案内したげるよ〜♪』とのことです」 亜理紗「あぁもう、私、この人大好きです! これぞふつおたって感じがしません!?」 一葉「天儀のことを好きでいてくれるって言うのが伝わってくるしね。こういう人が紹介してくれるアル=カマルっていうところ、凄くいいところみたいに思えるもの」 亜理紗「私も行ってみたくなりました。未知なる味を探求するためにグルメガイド、お願いしちゃおうかな♪」 一葉「アムルタートさん、そういう機会があったらお願いしますね。以上、ふつおたのコーナーでした」 亜理紗「知ったか乙」 一葉「このコーナーでは皆さんから質問をいただき、私たちがその内容を知っていようが知っていまいが知っている体でトークするコーナーです」 亜理紗「別名公開処刑タイムでーす」 一葉「嫌なこと言わないでよ‥‥。じゃあまずは最初のお便り。ペンネーム、平野譲治さん。『あ、ゲネってやってるなりか? 表に立つならやっておいた方が良いと思うのだっ!』とのことなんだけど‥‥」 亜理紗「えっと‥‥あー、あれですよね。今の時期はやっとかないと駄目ですよね!」 一葉「うん? えー‥‥そ、そうよね。ゲネだもんね? 暑い時期にはやっておかないと熱中症になったら困るものね?」 亜理紗「‥‥一葉さん、なんか客席から笑いが漏れてるんですけどっ」 一葉「し、仕方ないでしょ。これ、両方が知らないとホントにしんどいわね。げ、解熱の略じゃないのかしら‥‥」 亜理紗「つ、次のお便りです。不破 颯さんから。『さらしに褌で海水浴を楽しむ女性についてどう思いますか?』‥‥これ、コーナー間違ってません?」 一葉「とりあえず、えっちなのはいけないと思います!」 亜理紗「お祭りで、似たような格好で太鼓打ってる人を見たことがあるのでノーコメントで!」 一葉「次行きましょう。ペンネーム、シノビ狸さん。『タヌキマメは可愛いと思うのじゃ。お二人はどう思うじゃろ?』だって。うーん‥‥私は、可愛いというよりちょっと怖い感じかしら」 亜理紗「知ってる感じだ!? えっ、怖い? えー‥‥!?」 一葉「亜理紗はどう? 美味しそうに見えなくもないけど」 亜理紗「はい!? えー、あー、そうですね、なかなかいいと思いますよ。ご飯と一緒に炒めるといい味がでます!」 一葉「くすくす‥‥まぁ、食べられないことはないと思うけど‥‥」 亜理紗「ぐっはぁ!? お、思ったよりキツイコーナーだ! 客席からの失笑が辛いっ!」 一葉「次行きましょうか。アムルタートさんから。『天儀のお茶で一番美味しいブランドって何?』だそうよ」 亜理紗「いける! 個人差はありますけど、『風説』っていう茶葉は喉越しが良くて美味しいですよ。『石語』っていうのは深みがありますけど、ちょっと渋いですかね」 一葉「流石、お茶にも五月蝿いのね。私なんて一般的なのしか飲んだことないけど」 亜理紗「へへーん、お食事関係はお手のものです♪ 気を良くしたところで次のお便りは‥‥うぐ、各務 英流(ib6372)さんから。『私がどれほどお姉様を愛しているかご存知ですよね!』い、一応は!」 一葉「よく知ってまーす。でもこれも送るコーナー間違ってない?」 亜理紗「つ、次行きましょう。ペンネーム、幼蕾の狩人さん。『幼女の膝の裏って美味しいよね! 塩気があって!』って知らんがな!」 一葉「知ってる体知ってる体。ほら、お便り地面に投げつけないの」 亜理紗「へ、変態という名の紳士の知り合いから聞いた限りでは、そうらしいですね!」 一葉「あ、上手い逃げ口上。ダディヤーナザァーンによろしく」 亜理紗「合ってますけど合ってませんっ! つ、次っ! ペンネームテントさん。『とある隻眼槍使い志士の開拓者さんが彼女募集です。どうですか?』‥‥ってちょっとぉぉぉ!?」 一葉「私は遠慮しまーす。ほら、亜理紗は?」 亜理紗「うぇぇ!? ど、どどどどうですかって聞かれましても、その、心の準備が、というかイベント中でして、送るコーナーが違うっぽくて、でも嫌なわけじゃなくて、あぅあぅあぅ‥‥!」 一葉「皆さんごめんなさい、亜理紗に倒れられると困るのでこの辺で助け舟出しますね。以上、知ったか乙のコーナーでした」 亜理紗「に、二度とやりますん!?」 一葉「どっち?」 一葉「ライフで受ける!」 亜理紗「ぱりーん」 一葉「何、今のセルフ効果音」 亜理紗「お気になさらず。このコーナーでは、自分の身を削ってでもやり遂げたことを募集しています」 一葉「はーい。まずは一通目。ペンネーム黒小人さん。『現存する弓術42種のモデルをやった事がある』ちなみにこれがその絵図です。お借りしてきました」 亜理紗「おぉぉ、凄いですけどお金も時間もかかってそう! 42種て!」 一葉「前の方の客席の方、見えます? 全部はお見せできませんけど、これが42種類もあるわけです。指南書に載せてもいいくらいですね」 亜理紗「はーい、じゃあ次行きまーす。げふぅ‥‥か、各務 英流さんからです。『お姉様があまりに素直になってくれないので‥‥今夜お姉様の寝所に忍び込んで(検閲削除)』ってライフで受けてない! やり遂げてない! 牡牛座の一撃必殺でお帰り願います!」 一葉「色々危険なので次行くわね。‥‥これ、私が読んだら『それは!?』って返して」 亜理紗「はい? わ、分かりました」 一葉「ペンネーム、テントさんからいただきました。『鷲尾という開拓者は大変な物をまんまと盗んでいきました』」 亜理紗「ぶっ!? ‥‥そ、それは?」 一葉「『アヤカシ美少女の心です(キリッ)』」 亜理紗「キリッ、じゃなぁぁぁい! 文章でキリッ! とか要りませんっ!」 一葉「あなたもさっきやってたでしょ。でもね、あれホントに結構ライフ削ってると思うの。心身懐的に全部」 亜理紗「そ、それはそうなんですけど‥‥うぅぅ、喜ばせたいのか泣かせたいのかどっちかにしてくださいよぉ‥‥!」 一葉「よしよし、泣かないの。えっと、次はペンネーム平野譲治さんなんだけど‥‥」 亜理紗「ぐすん‥‥。どうかしました?」 一葉「あえてスルーします」 亜理紗「ちょっ!? え、いいんですか!?」 一葉「危険な感じがするんだもの‥‥。ほら」 亜理紗「えー、何々‥‥‥‥‥‥あー、やめといたほうがいいですねぇ」 一葉「でしょ? 微妙に泣きたくなるような気もするし」 亜理紗「あ、あまり触れないで次行きましょう。不破 颯さんから。『俺弓術師なんだが、忍者と近接戦で勝負すること数回、ポン刀振り回す巫女+取り巻きの山賊共を砲術士の相手と二人で近接戦により撃破。しまいには悪友と二人敵陣のど真ん中へ突っ込み殲滅‥‥俺ぁ後衛職のはずなんだがねぇ』とのことなんですが‥‥」 一葉「ライフで受ける、というよりライフで受けさせられた、って感じ?」 亜理紗「よく生きて帰って来られましたよね‥‥私だったら確実に死んでます。不破さん、とりあえず無茶は控えてくださいね。次も上手く行くとは限りませんから。接近戦は得意な方に任せましょう!」 一葉「適材適所ということで。次、アムルタートさん。『えとね、一回だけ踊らない仕事があったの。精神的に死にそうだった〜! やっぱり踊りたい! 踊りたい〜!』だって」 亜理紗「あぁもう可愛いなぁ! 抱きしめて撫でてあげたい感じです!」 一葉「ほら、くるくる踊ってる絵も書いてあるのよ。よっぽど好きなのね、踊るの」 亜理紗「あ、こっちも可愛い! いいですよね、情熱が注げる何かがあるって。‥‥あれ? でもこの依頼、アムルタートさん自身は踊れませんよね?」 一葉「もしかして、一回だけ踊らない仕事があったって‥‥」 二人「‥‥‥‥」 亜理紗「い、以上、ライフで受ける! のコーナーでした!」 一葉「これだけ喜んでお便りくれるんだから、違うと思うんだけどね‥‥?」 亜理紗「ぼくがかんがえたさいきょうのぶぐ」 一葉「このコーナーでは、あんな武具があったらいいな、こんな武具ができたらいいなという願望を開拓者の皆さんに送っていただき、その実現に向かって頑張ってみるコーナーです」 亜理紗「一応実績もあったみたいです」 一葉「はーい、というわけで早速行きましょう。ペンネーム空さん。『ばーるのようなもの。天儀を含む各国で最も汎用的な何か。様々なものを一撃の下に破壊でき、扉開けから敵を殲滅まで幅広く使用されるが、実際はなんなのかわからない』一応絵図も添付されてるわね」 亜理紗「なんですかこれ? 棒の先がぐにゃっと曲がってるんですけど‥‥あ、金属製?」 一葉「ちなみにペンネーム黒小人さんからも似たようなのが。『マジカル☆バールのようなもの』」 亜理紗「なんで『☆』のところだけ楽しそうなんですか」 一葉「は、発音が重要って書いてあったのよ! なんで曲がってるのか知らないし、バールってそもそもなんなのかしら」 亜理紗「とりあえずこのお二人はケコーンしちゃえばいいと思います」 一葉「おかしなスラング使わないの。まぁ、珍しいといえば珍しいわよね、ネタ被りは」 亜理紗「真面目な話、金属製なら武器として普通に使えるんじゃありません? マジカル要素は無理かもしれませんが、申請してみましょうよ」 一葉「ばーるのようなもの、で? ばーる、じゃ駄目なの?」 亜理紗「‥‥さ、さぁ」 一葉「つ、次行きましょうか。黒小人さんは他にもアイデアくれてるわ。『銭撃『五十文』。五文銭を縄で固く細長く纏めたもの。鈍器として十分な強度がある、商人達の護身具。撲袋『砂嵐』。細長く丈夫な袋に砂を詰めた鈍器。中の砂を撒いて目潰しにもできる』 亜理紗「お、結構いけそうな感じですね。五十文じゃ作れないとは思いますが、前者はお金さえあれば作れるのがグッドです!」 一葉「砂嵐っていう方も、丈夫な袋さえ用意出来ればいけるわね。ただ、袋を斬られて中身がドバーッとなったら戻すの大変でしょうけど‥‥」 亜理紗「リロード不可じゃ済まない可能性が高いですねぇ。まぁ、原材料が砂なら比較的安価に大量生産できるのでは」 一葉「うん、とりあえず申請してみましょう。ありがとうございまーす」 亜理紗「次行きます。不破 颯さんから。『片手装備の弓もしくはなんちゃらセレインアロー熱烈希望(特に後者)』マジカルシューッ♪」 一葉「ちょっと何言ってるか分からないです」 亜理紗「ある人の黒歴史です。それはともかく、片手で撃てる弓って存在するんですか?」 一葉「うーん‥‥天儀じゃ一般的じゃないけど、銃みたいに構えて射る小型の弓が存在する、みたいな話を聞いたことがあるわね。ボウとガンでボウガンとかなんとか」 亜理紗「とりあえず、腕に弓を固定して、矢も落っこちないように工夫してつがえて、手元の操作で発射! という風にすればいけるのでは」 一葉「理論上はね。ただ、どうしても小型になるだろうし威力はお察しになっちゃうと思うんだけど‥‥」 亜理紗「まぁこれも申請してみましょうよ。次のお便り、お願いしますね」 一葉「わかったわ。『光術式手袋。俺の右手が光って唸って轟き叫ぶ攻撃が出来る』」 亜理紗「光るだけでいいなら普通に作れそうな気がしますけど‥‥」 一葉「もう一つ。『身代わり人形。部品の組み合わせで様々な姿に変えられる人形。これをお姉様の姿に似せて‥‥あぁん、お姉様ぁ(ぽっ』」 亜理紗「各務さんからじゃないですか! ペンネーム読まないからおかしいなとは思ってましたけど! というか武具じゃない! 何に使うつもりですか!? 身代わり人形ってネーミングが確信犯ですよねぇ!? ツッコミきれるかぁぁぁっ!」 一葉「くっくっく‥‥! ご、ごめんなさい。愛されてるなぁ、と思って‥‥くすくす‥‥!」 亜理紗「次行きますっ! ペンネーム平野譲治さん。『決闘の宝珠。宣言した相手との決闘が成立した場合にのみ効果が発動。勝敗を決した時点で敗者は勝者の舎弟となる』ってできるかぁっ! そもそも宝珠は人工的に作るものじゃありませんっ!」 一葉「おい、デュエルしろよ。の一言で代替えしてください。ほら、休んでる暇ないわよ?」 亜理紗「ま、また私ですか!? ペンネームテントさん『美少女にモテモテウフフになれる眼帯』ってちょっとぉぉぉ!? ツッコミきれないって言ってるでしょうがぁっ!?」 一葉「お便り割り振った主任に言ってよ。眼鏡をかければツッコミ力アップするわよ、多分」 亜理紗「主成分が眼鏡になってしまいそうなので遠慮します。えー、次は‥‥ペンネーム、幼蕾の狩人さんから。『フィンガースナッピングサック「ポール」。片手用楽器。宝珠付きで指パッチンの音を増幅し、指の負担を軽減する効果のある指サック。鳴らした後に斬撃符で敵を真っ二つにするとそれっぽい』あぁ、ちょっと落ち着きました。手伝ってくださるんでしょうね、きっと」 一葉「ただし何でも真っ二つ、と。それは斬撃符が使える陰陽師さんじゃないと意味なくない?」 亜理紗「まぁ真面目に検証しますと、単一の音しか出ないので楽器としては機能しないんじゃないかと。音の増幅はできるかも知れませんけどね」 一葉「登録されるなら手袋とかの防具扱いってことかしら」 亜理紗「多分。楽器であることに意味があるんでしょうから、実現は難しいかと思います」 一葉「はーい、じゃあ次行きましょう。最後のお便りですね。アムルタートさん。『なんとかガムの鞭みたいな、三つ叉で全体攻撃可能な、超強い鞭欲しいな♪』だそうだけど」 亜理紗「えぇー!? 三又槍とかは固定されてるから有効なんであって、鞭じゃちょっと無理じゃありませんかねぇ? よっぽどのテクニックがないとこんがらがっちゃいますよ」 一葉「それは各自練習してもらうとして、射程内の複数の敵を同時に攻撃出来る鞭、とかは駄目? 分散攻撃しようとすると威力や命中精度が下がりますよー、みたいな感じで」 亜理紗「うーん‥‥どうでしょう。一応申請してみましょうか、折角お便りいただいたので」 一葉「そうね。送っていただいたものはなるべく申請して判断を仰ぎたいと思います。もし何かの拍子に手に入れたら、実現されてたのかとニヤニヤしてくださーい」 亜理紗「身代わり人形だけはありえませんけどねっ! 以上、ぼくがかんがえたさいきょうのぶぐのコーナーでした」 一葉「お送りしてまいりました、神楽の皆さーん、開拓者羅字音ですよ〜! 通称かぐらじ! そろそろお別れの時間となりました。どうだった、二回目は」 亜理紗「ツッコミ過ぎて喉が痛いですけど、やっぱり楽しかったです。皆さんが開拓者ライフを楽しんでくれてるんだなぁって感じますね」 一葉「私も楽しかったわよ。ギルドの机で報告書書いてるだけじゃ得られない何かをもらえるし、楽しみにしてくれる開拓者さんや観客の皆さんがいるって分かったし」 亜理紗「でも、お便りの数が減ってしまったので‥‥やっぱりこれで最終回ですかねぇ?」 一葉「まさに絶望ファイト。季節イベントとしてでも復活できるといいわね」 亜理紗「というか、疑問に思ったんですけど‥‥こういうイベントって開拓者さんの拘束期間になるんですか? 他の依頼が多いし合戦にも重なってるからスルーされてる、という声もちらほらありましたけど」 一葉「‥‥あれ? どうだったかしら‥‥。主任? しゅにーん? ‥‥もう、こういう時にいないんだから!」 亜理紗「どこ行っちゃったんでしょうねぇ。まぁ、次回があったらそれまでに調べておきましょうよ。拘束期間に含まれないなら安定してお便りいただけるかも知れませんし」 一葉「そうね。開拓者ギルドではみなさんからの依頼をお待ちしています。今回お便りをくれたような楽しい開拓者さんもたくさんいらっしゃいますので、物怖じせず気軽に依頼を持ち込んでくださいね。お待ちしています」 亜理紗「‥‥‥‥あ、そっか。これって一応、ギルドのPRイベントでしたっけ」 一葉「オィィィッ!? 最後の最後でパーソナリティーが主旨忘れてるとかやめて!?」 亜理紗「あ、あはは‥‥すみません。自分たちのことで手一杯でして」 一葉「気持ちは分かるけどね‥‥。それではお時間です。またいつか、お目にかかれるといいなと思います」 亜理紗「なんでしたらギルドに要望だしてせっついて下さいねー」 二人「かぐらじ、御静聴ありがとうございました♪」 |