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■オープニング本文 神楽の都に位置する開拓者ギルド。 天儀における様々な事件を扱い、その解決のために依頼を出す機関である。 そのギルドに、最近一人の少女が就職した。 神の啓示によってその存在を示され、運命の成り行き次第で人類の助けにも災いにも成り得る‥‥そんな風に言われているとは、本人はつゆとも知らないのだが。 名は十七夜 亜理紗(たちまち ありさ)。ポニーテールと巫女服がトレードマークの、記憶喪失の少女である。 「西沢 一葉(にしざわ かずは)さんですかな?」 「はい、そうですけど。何のご用でしょうか」 「十七夜 亜理紗さんについてお話があるのですが、お時間を割いていただきたい。上司の方も承認しています」 「かまいませんけど、亜理紗は今日は非番ですよ?」 「いえ‥‥あなただけにお聞きしたいのです」 西沢 一葉は、亜理紗を教育したギルドの先輩職員である。 特徴であるセミロングの髪が揺れ、メガネの奥の瞳が目の前の初老の男に疑問符を投げかけていた。 陰陽師服を着込んだ男は椅子に座ると、単刀直入にして意味不明なことを口走る。 「十七夜さんは、一体何者ですかな?」 「‥‥はい?」 「いや、質問が悪いことは分かっています。しかし、我々としてはこう聞くしかないのです」 よく分からないが、一葉は亜理紗が陰陽師の試験を受けに行ったのは知っている。いつか失った記憶を探すために旅に出るとき、開拓者になっておいた方が様々な面で有利だからだ。 巫女と陰陽師、どちらにしようか最後まで悩んでいたのが印象に残っている。 「お話が見えないのですが、亜理紗はそんなに成績が悪かったのですか?」 「良すぎるし悪すぎるといったところですな。わしも数多くの陰陽師候補生を見てきましたが、彼女ほど才能があるのかないのか分からない子は初めてですぞ」 「えっと‥‥全然分からないのですが」 「掻い摘んでいうと、彼女は『見ただけで』呪縛符や斬撃符といった術の数々を発動しました。しかし、発動はするもののまるで使いこなせず、明後日の方向に飛んだりすぐに効果が切れたりとまるで安定せんのです」 「あー‥‥あの娘らしいですね」 「笑い事ではありませんぞ。それだけならまだしも、我々でさえも驚くような独自の術まで発動しかける始末。それが、本人はわけもわからずやっているのですからな‥‥それがどれだけ危険なことかお分かりか?」 「あの娘は、ノリはいいですけど気弱で普通の女の子ですよ‥‥」 「我々にとってはそれだけでは済まされません。正直、我々は十七夜さんが恐い。かと言ってあの才能を野放しにして、知識もないまま恐ろしい術を開発されても困る」 普通ならすでに合格とされ、無事陰陽師になっていておかしくないらしい。ただ、彼女はあまりにも特異だという。 普段へっぽこなところしか見ていない一葉には、今回の件も面白事件にしか聞こえないが。 「それで、私に何をしろと仰るのですか?」 「十七夜さんには『追試をする』と言っておきました。その追試で向かう『試練の洞窟』へ、開拓者を連れて行くという依頼を出していただきたい」 「そういうのは一人で向かわせるものなのでは‥‥」 「ある意味監視の意味もありますのでな。それに、試練の洞窟は怨霊系のアヤカシが集まりやすい天然の修行場。先輩開拓者の戦いも学び、力の使い方を少しでも理解してもらえればと思っております」 「色々ご配慮いただいているようで‥‥ありがとうございます」 「なんの。あの娘自体はとてもよい娘です。それが分かっているだけに、間違った道へは行って欲しくないだけですじゃ。ただ、十七夜さんにはこのことはご内密に」 穏やかに笑う一葉と初老の陰陽師。 本人も知らない謎の才能は、失った記憶と関係しているのであろうか? 試練の洞窟で紡がれる、亜理紗と開拓者の物語とは――― |
■参加者一覧
三笠 三四郎(ia0163)
20歳・男・サ
鷲尾天斗(ia0371)
25歳・男・砂
四方山 連徳(ia1719)
17歳・女・陰
八嶋 双伍(ia2195)
23歳・男・陰
乃々華(ia3009)
15歳・女・サ
ゼタル・マグスレード(ia9253)
26歳・男・陰
賀 雨鈴(ia9967)
18歳・女・弓
百地 佐大夫(ib0796)
23歳・男・シ |
■リプレイ本文 ●お手伝いに 「み、皆さん! ほ、本日はお日柄もよく、私なんかのためにわざわざ御足労でありがとうごじゃりまする!?」 三月某日、晴れ。 五行の国のどこかに存在するという試練の洞窟の真ん前に、一行は集合していた。一応機密事項とのことで、詳しい場所や道筋は教えない方向性らしい。 護衛対象であるところの十七夜 亜理紗は、台詞からも丸わかりのレベルでテンパっている。 九十度のお辞儀をし、つんのめりそうになってなんとか体勢を立て直した。 「娘っ子、落ち着けでござるー。戦う前から半分パニクってどうするでござるよ」 「少々危なっかしい様子ですが、それはこれから幾らでも鍛えられるものです。頑張りましょうね」 「自身の持つ才能が如何なるものか把握できるといいわね。一目見ただけで術が分かるだなんて素晴らしい才能だもの」 開拓者、陰陽師になるための試験。先輩開拓者たちがそれに護衛でついてきてくれると聞かされている亜理紗は、四方山 連徳(ia1719)たちがかけてくれる温かい言葉に素直に感謝して止まない。 が、八嶋 双伍(ia2195)や賀 雨鈴(ia9967)だけではなく、参加者全員にもう一つの指令が下されていることを亜理紗は知らない。 彼女が妙なオリジナルの術を使わないようにとの抑止力であり、実戦での立ち回りや判断力などを調査する役目もあるのである。 「すまない十七夜君、聞かせてくれないか。志体があると自覚した時と、記憶を失った時期はどちらが先であったか。また、時々、浮かび上がってくる覚えのない体験や既視感などはないか?」 「え‥‥なんでそんなことを‥‥?」 「おいおい、こまけぇこたぁいいだろうが。記憶喪失の人間に無理させんなよ」 「女の子のことを根掘り葉掘り聞くなんて‥‥野暮ですね」(ぽっ) 「いや、そういう事ではなくてだね‥‥」 「冗談です。とりあえずやっておこうと思いまして」 ゼタル・マグスレード(ia9253)は亜理紗にちょっとした質問をぶつけた。 戸惑い、困っていた亜理紗を見かねたのか、百地 佐大夫(ib0796)と乃々華(ia3009)がフォローに入る。 まぁ、乃々華に関しては半分ゼタルへのからかいが混じっているのだが。 百地が亜理紗に視線をやると、亜理紗は大丈夫ですと笑顔で頷いた。 「その前にお聞きしてもいいですか?」 「どうぞ」 「志体って何でしょう?」 ずがっしゃん! その場にいた亜理紗以外の全員がそんな破壊音を耳にしたような気がして、体の力がガクリと抜ける。 亜理紗だけが、何かおかしなことを言ってしまったのかとおろおろしていた。 「志体を知らずに開拓者になれるものなんですか!? いや、知らなくてもあればなれるのかも知れませんが‥‥もう少し勉強しておいた方がいいのでは‥‥」 「ひーん、ごめんなさい〜!」 流石に試験官も、開拓者になろうというのに志体についての知識がない者がいるとは思っていなかったのだろう。単に試験内容だけで判断したのだと思われる。 三笠 三四郎(ia0163)が言うように、志体そのものは備わっているだろうから問題ないといえばないのだが‥‥。 そんな時、少し遅れていた最後のメンバー、鷲尾天斗(ia0371)が合流する。 「よぉ! 元気でいるか? 街には慣れたか? 友達は出来たか〜?」 すたすたと亜理紗に近づき、鷲尾は躊躇ゼロでハグをする。 さぁ、ツッコミを入れるがいい。そう思っていたが、一向にその気配がない。 それどころか、亜理紗は鷲尾を抱き返し、小さな声で呟いた。 「お、お会いしたかった、です‥‥。私‥‥その‥‥」 拒絶ゼロ。冗談ではない本気の台詞だ。 そのリアクションを前に、鷲尾は『美味しい』と思うより先に『スベった』と思う。 抱きしめているので亜理紗の顔は見えないが、きっと真っ赤になっていることだろう。 それに対し、ふっと見回した他の開拓者たちの、しらーっとした寒い視線が突き刺さる。 やべぇ。俺、すっげぇハズしてる? 顔を引きつらせながら目だけで問いかけると、七人は満場一致で頷いた。 どうすべきか数秒悩んだ末、鷲尾は亜理紗を放し、無闇に明るく言う。 「しっかし、追試とはなぁ。ホント亜理紗らしい。俺のせいで遅れて悪かったな。早く行こうぜ!」 「あ、ま、待ってくださいよぅ!」 サムズアップをきめて爽やかに洞窟に向かっていく鷲尾を亜理紗も追う。 その茶番を見ていた七人は‥‥ 「誤魔化したね‥‥」 「誤魔化しですね」 「誤魔化し、ですよね‥‥」 「誤魔化しやがったな」 「誤魔化したでござるー」 「誤魔化しだわね‥‥」 「流石我がライバルですね」 一人を除き、ため息を吐きながら洞窟へと進んだという。 なんだかんだで、ゼタルの質問を有耶無耶にしたまま――― ●試練の洞窟 「おぉぉぉぉ!? な、なんでござるかここはー!?」 「こんなところを追試に使ったら、候補生を死にに行かせるようなものですよ‥‥!」 「少なくとも、僕たちの時にはこんな追試があるという話は聞かなかったが‥‥!」 四方山、八嶋、ゼタルの三人は陰陽師である。 亜理紗の直系の先輩ということになるが、彼らは至ってスムーズに試験にパスしていた。そのため、追試ともこの試練の洞窟とも無縁だったのである。 故に、この洞窟の異常性にすぐに気づき背筋に冷たいものが走った。 洞窟に踏み込み、五分も進まないうちに襲い来るアンデッド系の敵・敵・敵。 幽霊や鬼火といった基本的なところから、骸骨、屍人、亡霊武者など枚挙に暇がない。 後衛であろうはずの陰陽師の、しかも候補生などを送り込むにはあまりに不適当だ。 三人は斬撃符を次々と発射し、実体のない浮遊系の敵を撃墜していく。 「皆さん、円陣を崩さないように! 実体のある敵は私たちに任せてください!」 「俺はなんでもいけるけどな。さぁ、ジャンジャン来いや。いい暇つぶしになる」 「これも、アヤカシの活動が活発になっている証だというの‥‥!?」 三笠と鷲尾が実体があるタイプの敵を斬り捨て、進路を確保する。 立ち止まっては駄目だ。特に幽霊系の敵は壁をすり抜けていくらでも出現しそうな気がする。 一行は亜理紗を中心にして進んでいくが、肝心の亜理紗は試験どころではなかった。 「あ‥‥ぁ‥‥う‥‥!」 顔を蒼白にして震えながら、ただおろおろする。 特に屍人が駄目のようで、短い悲鳴を上げて術で迎え撃とうという考えさえ浮かばない。 ふらふらと開拓者が作ってくれた円陣の中を右往左往し‥‥ふと、その外に出てしまう。 そこに骸骨が襲いかかり‥‥! 「ひっ‥‥!」 が、間一髪、乃々華が直閃で割り込み骸骨の背骨を粉砕した。 「あ、ありがとうございま‥‥ふえっ!?」 有無を言わせず、乃々華は亜理紗の後ろ襟を掴んで円陣内に引き戻す。 まだ震えている亜理紗に、屍人を斬り倒した百地が声を掛けた。 「まったく‥‥怖かったら素直に周りを頼れ! 無茶すんなよ‥‥先輩が心配してるぞ? ‥‥ついでに俺もな」 「百地さん‥‥」 百地はすでに開拓者として認められているが、これが初依頼である。 彼にも大なり小なり気負いはあるだろう。それでも、ぶっきらぼうな中に優しさを見せてくれる。 その姿に、怯えるだけでは駄目だという想いが亜理紗の中に芽生えていく。 まず亜理紗の安全を確保した乃々華は、百地と亜理紗のやりとりの後にぽつりと呟いた。 「つまり、私は皆さんが露払いをして残った一体を亜理紗さんより先に倒して、亜理紗さんの活躍の場を奪えば良い訳ですね?」 『違う!』 「いえ、もちろん冗談です」 総ツッコミに極上スマイルで答える乃々華であった。 だが、この場違いな冗談が亜理紗の心を軽くする。 本人にその気があるか、真偽は乃々華しか知らない。しかし、よい軽口というのは周りの気持ちさえも軽く、楽にしてくれるものなのかも知れない。 「その小さな勇気を後押ししてあげる。武勇の曲‥‥みんなも聞いて!」 賀の奏でる二胡の音色は、亜理紗だけでなく、戦いに神経をすり減らしている開拓者たちの心をも奮わせていく。 メンバーの中にはかなりの実力者もいるのだ。数が多くともこんな低級なアンデッドなどに負けるわけがない。そういう、不遜とは違う『自信』を思い出させてくれる。 そんな頼りになる先輩たちに囲まれ‥‥亜理紗は、意を決して術の詠唱に入った。 狙う敵は多数いる。宙を舞う幽霊型のアヤカシの一匹に狙いを定め‥‥! 「斬撃符!」 カマイタチのような式が出現し、目標を切り裂――― ごんっ! 「痛ぇっ!? ちょっ、なんぞこれ!?」 「‥‥あれぇ?」 うろたえた声を上げたのは、目標とは反対方向にいた鷲尾であった。 出現した式は何故かくるりと宙返りして、鷲尾の後頭部に直撃したのである。 しかも斬るのではなく、頭から突進して地面に落ちたのだから斬撃符の体すらなしていない。まぁ、怪我をせずに済んだという意味では僥倖だが。 「これ娘っ子。要はイメージでござるよ、イメージ。多分、『どのような術を使って』『何を』『どうしたいか』といった、構想が足りないんじゃないかと思うでござるよー」 「む、難しいです‥‥」 「術を使う時、呼吸をするように自然に使う者も多いだろうが‥‥慣れない内は、馴染みのあるイメージを発動・制御の助けにする、とかはどうだろうな。例えば、斬撃符なら、実際自分が敵に剣などの武器を振るうように、とか」 「逆に、あの状況から鷲尾さんに当てられるのが凄いとも思いますけどね‥‥」 四方山とゼタルがすぐさま亜理紗の傍に移動し、アドバイスを贈る。 抜けた穴を埋める八嶋は、苦笑いしながらも亜理紗の術の原理に驚きを禁じ得ない。 「斬撃符ってのは、要はこういうこったろ!」 百地は宙に浮かんだコウモリ型のアヤカシに向かって刀を投げつけた。 致命傷には程遠いが、翼を傷つけて一時的に地面に落とすことに成功する。 「剣を、投げつけて、斬る‥‥。鎌鼬を、飛ばして、斬る‥‥!」 「胸を、強調して、惑わす。萌えを、演じて、惑わす」 『余計な冗談を挟むなぁぁぁっ!?』 集中している亜理紗の耳元に、乃々華がぼそぼそと何やら吹き込む。 しっかり聞こえていた全員から総ツッコミを貰うが‥‥ 「大丈夫です! 今度こそ‥‥斬撃符!」 ひゅん、と風を切る音を残し、幽霊型アヤカシの一体が両断された。 亜理紗の初戦果であり、初めてまともに術を使いこなせた一瞬である。 「これで憂いはなくなりましたね。後は一気に奥まで行きましょう!」 三笠の言葉に全員が頷き、円陣を組んだまま更に進んだのであった――― ●帰るまでが‥‥ こうして一行はアヤカシの猛攻をくぐり抜け、見事祠から御札を手に入れた。 帰り道も遠慮なく襲いかかるアヤカシたちをなるべくスルーし、ひたすら走って洞窟を出たのである。 「しかし気になりますね。いくら集まりやすいと言ってもこの量は異常でしょう」 「洞窟からは一歩も出てこないというのも気になるでござるー」 「順路には含まれていない枝分かれした道の奥に何か有るのではないか」 陰陽師である三人にとっては、試練の洞窟の異常事態は看過しておけないらしい。 関係機関に報告し、詳しい調査を要請すべきだろうという結論に達したようだ。 さて、大きく手助けしてもらったとはいえ、見事試験に合格した十七夜 亜理紗はというと‥‥。 「はぁっ、はぁっ、はぁっ、も、もうダメ、走れません〜〜〜‥‥!」 地面に大の字になって転がり、荒い息でぐったりしていた。 「基礎体力が足りてねぇんだよ! 肉喰え肉!」 「この程度でへたばっていては相手を満足させられませんよ? いえ、長距離走の話ですが」 「乃々華さん、明らかに別の意味で言ってたわよね。もう慣れたけど‥‥」 仕事が終わり、全員無事だったからこそ叩ける軽口である。 ふらふら立ち上がった亜理紗だが、疲労に反しその表情は輝くばかりの笑顔であったという。 「鷲尾さん、亜理紗さんにご褒美でもあげてはいかがですか? 気に入られているんでしょう?」 「まぁ、なぁ」 三笠の冗談に、珍しく歯切れ悪く苦笑いする鷲尾。 が、すぐに頭を切り替えて亜理紗の手を握り、こう言った。 「おめでとう。これで俺の第二夫人の座は君のものだ」 ツッコミカモン! 満々の笑みを浮かべ、心の中でそう呟いた鷲尾であったが‥‥。 「はぅ‥‥第一夫人はご予約が居るんですか‥‥? でも、私、第二夫人でも‥‥」 頬を赤らめ、もじもじする亜理紗。言うまでもなくマジリアクションである。 鷲尾はぎぎぃっ、と首だけ動かして振り向き‥‥ (あれ? 俺、またハズした?) (ある意味直撃させてるよ) 視線のやりとりだけで会話が成立し、鷲尾はまた冷たい視線の集中砲火を浴びることとなったのである。 「じ、じゃあお祝いに、祝砲を鳴らすだけのオリジナル術をですね‥‥!」 「よせよせ! 斬撃符が使えるようになったからってオリジナルはヤクイ!」 「ヤバくないならいいじゃありませんか」 「同じ意味だ! とにかくお前はしばらくオリジナル術禁止だ! いいな!」 「ひ〜ん、そりゃ上手くいく自信は無かったですけどぉ〜!」 『無かったのかよ!』 お決まりのようにぶつけられた総ツッコミのあと、一行はひとしきり笑いあう。 この馬鹿なやりとりがいつまでも続けられますように。 吹き抜ける風に、誰かがそう呟くのが聞こえた――― |