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■オープニング本文 夕暮れ時の石鏡、陽天。 「お帰りなさいオボリェさん! 聞きましたか?!」 女魔術師カラガル・リャーマナは上司オボリェ・グラスの前に飛び出した。ここは真水を扱う専門卸商アガグル・キュア・ウォーター商会の事務所である。本拠地はジルベリアだが、天儀支部がここ陽天につくられてはや数ヶ月。長屋の一角を二人の住まい兼事務所として借り上げ、カラガルとオボリェが共同で使っている。 「なんだ?」 外回りから帰ってきたばかりのオボリェは、少し疲れた様子で眉を寄せた。まだブーツも脱いでいない。鼻息荒く、カラガルはこぶしを作る。 「新大りく!」 カラガルはもう15歳になるが、まだ子供っぽさが見え隠れしていた。 「オボリェさん! 遺せき探索時代の波が来てるんですって!」 宝物を見つけた少年のように、ぱあっとカラガルは笑顔になった。それとは対照的に、オボリェはめんどくさそうに頭をかく。遺跡探索時代? 遺跡の調査はずいぶん前から始まっている。外回りをしているオボリェにとって、遺跡の話題はもう挨拶みたいなものだ。しかし、カラガルはそうではないらしい。手には『栢山遺跡特集』と書かれた瓦版と一枚の企画書。目がきらきら美しい。 「『遺せき探索にはおいしい真水!』で売り込みましょう! すごい! どんどん売れそう!!」 きゃ〜っ! と企画書を前に、カラガルは嬉しそうにぴょんぴょんと飛びまわる。もう売れて売れて仕方がないわ! あははは!! 「おい、ダメだ」 オボリェはずばり言った。 「あはは‥‥は?」 カラガルは目をぱちくりさせた。 「我が愛すべきアガグル商会はいま、人手不足だ」 とオボリェが付け加える。カラガルは首をかしげた。 「オボリェさんがやればいいじゃないですか。商売のチャンスですよ?」 「‥‥むり!」 オボリェはブーツのまま、畳にごろんと寝転んだ。 「俺は超多忙だ。とても手がまわらんよ」 実際、オボリェは忙しかった。天儀に来たばかりの頃はだらだら時間を浪費していたのだが、最近はさまざまな会合に顔を出し、アガグル商会のことを売り込んでいるのである。先日カラガルが美味しいお肉を食べられたのも、彼のおかげである。 「でも‥‥」 カラガルは目を伏せた。確かにオボリェは忙しい。売り上げも出しはじめ、商会に貢献している。しかし、この機会を逃す手はない。新鮮で安全な水は、開拓の現場に必要とされているはずだ、とカラガルは思った。 「わかりました。じゃあボクがやります」 オボリェがやらないなら、自分がやろう。カラガルはごく自然にそう思った。 「ダメ。だってお前方向音痴じゃないか。外出回数イコール迷子になった回数、だろ?」 事実である。 「とても任せられないよ」 オボリェの言葉にも一理あった。 「方向音痴はなおします!」 カラガルは啖呵をきった。 「ボクにこの件、任せてください!!」 考えがあります。と、カラガルは開拓者ギルドに手紙を書く――。 |
■参加者一覧
水鏡 絵梨乃(ia0191)
20歳・女・泰
高倉八十八彦(ia0927)
13歳・男・志
一心(ia8409)
20歳・男・弓
皇 那由多(ia9742)
23歳・男・陰
フラウ・ノート(ib0009)
18歳・女・魔
マリア・ファウスト(ib0060)
16歳・女・魔
ジュニパー・ヴェリ(ib0348)
17歳・男・魔
将門(ib1770)
25歳・男・サ |
■リプレイ本文 ●石鏡の陽天 快晴 お出かけの準備を終えて、カラガル・リャーマナ(iz0147)は長屋を飛び出した。 「おっとと、カラガルさん」 長屋から飛び出してきたカラガルを、外で待っていたジュニパー・ヴェリ(ib0348)が急いで呼び止める。 「ジュニパーさん! 今日はありがとう!」 カラガルの顔がぱぁっと明るくなる。今日は方向音痴をなおすため、石鏡の陽天を散策することになっている。 「カラガルさん、ちょっと手をお借りしますね」 ジュニパーがカラガルの手をとって、筆を立てる。 「ひゃっ」 「大事なことなので、少し我慢してくださいね」 さらさらっと『迷ったら人に聞く』『いきなり走らない』と両手に書いた。カラガルがまじまじとそれを見ている。 「いい天気になってよかったですね‥‥!」 皇 那由多(ia9742)がぐっと伸びをする。さわやかな風と暖かい陽射し。お出かけ日和だ。オボリェは既に出かけたらしく、ジュニパーはほっと胸をなでおろす。 「ルールは大丈夫だな?」 将門(ib1770)の問いかけに、カラガルはこくりとうなずいた。将門がカラガルに陽天の地図を渡す。観光用の簡易地図だ。 「道を覚えれば方向音痴はなおる。今日はいろいろ楽しい課題があるだろうが、それを覚えておけ」 「が、がんばってみる」 カラガルはぐっとこぶしをつくった。実はカラガル、ジルベリアと天儀の位置関係もよくわかっていない。 「さあカラガルさん! 今日は方向音痴がマシになるまで、びっちり訓練しちゃいますよ♪ 一緒にがんばりましょう!」 ジュニパーのスパルタ的笑顔が、ぎらりと光った。 その頃。 最後のチェックポイントにて――。 「そろそろ始まったころじゃろ」 高倉八十八彦(ia0927)は縄とかおはじき、手帳にお手玉などなどをテーブルの上に並べながら、同じチェックポイントのフラウ・ノート(ib0009)に微笑んだ。 「カラガルさん、ご褒美食べられるといいんだけど♪ あ、ありがとう!」 今回、最後のチェックポイントとして協力してくれたカフェ『じるべりあ』のオーナーから厨房の鍵を受け取ると、フラウはご褒美の準備に取り掛かった。 「にあんー」 「あ!」 フラウの眼の色が変わる。薄紫のかわいらしい子猫が、足にほほを寄せてきたのだ。綺麗な毛並み。オーナーの飼い猫らしい。 「――っ!!」 反射的にフラウは子猫を抱き上げていた。 「わああ、この子っっ」 かわいくて仕方がない、といった様子のフラウを見つつ、 (全然ダメじゃったらかわいそうじゃけん、少しええがにしちゃろうか) お菓子、半分あぎょーか、と思いをめぐらす八十八彦だった。 ●課題らっしゅ 課題は那由多のものからスタートした。 「長屋から北へ40歩、東へ56歩行った右側に何があったか教えて下さい」 「わかりました!」 さっそく、カラガルは走り始めた。長屋の入り口から中に飛び込み、ぴたりと止まる。 「ぬぐぐぐ‥‥」 絶望に打ちひしがれたカラガルの声。那由多は苦笑した。 「那由多さん、これ以上北にいけません」 ちなみに、方向自体は当たっている。こういう時は先に東へ行けばいいのだろうが、カラガルはどうやって壁を抜けようか考えている様子。 「先に東へ行ったらどうでしょう?」 那由多はカラガルにアドバイスをした。ジュニパーがポイントを数えていく。マイナス1点。 「そうですね!」 カラガルは長屋を飛び出した。それから1時間ほどかけて、カラガルは指定した場所にたどり着いた。将門たちが遠巻きに追う。指定場所にあったものは、冷やしきゅうりのたたき売りであった。 「次は、一心さんから預かっている課題も出しますね」 と、那由多が微笑む。一心(ia8409)はマリア・ファウスト(ib0060)と一緒に、チェックポイントで待機中だ。 「事務所に最も近い食べ物屋の店員さんに挨拶せよ。そしてカラガルさんのお好きなキラキラしたものを一つ、制限時間内で買ってきてください」 制限時間はおよそ30分である。 「任せて!」 一つ目の課題を攻略して意気揚々のカラガル‥‥だが、合計点は現在マイナスである。カラガルはいろいろと開拓者たちに道を尋ねていた。 ●待ち人来たる 「遅いなー‥‥」 開拓者ギルドの前で、水鏡 絵梨乃(ia0191)はぼんやりと宙を見つめていた。額にじりじりと汗がにじむ。すこし暑い。 「ここがチェックポイントですね!」 なんだかボロボロになったカラガルがそこに現れたのは、正午をやや過ぎたころだった。 「来たね? やあカラガル、おなかが空いているだろう?」 絵梨乃の言葉に、カラガルが大きくうなずいた。髪の毛がぼっさぼさである。服に木の枝が刺さっていた。 「‥‥」 カラガルの後を追って、ジュニパーたちがやってきた。絵梨乃に手を振って挨拶をする。ちょっと来るのが遅かったということでカラガルに芋羊羹を渡したのち、絵梨乃が那由多にたずねた。 (ずいぶん時間がかかったみたいだね) (ええ、じつは‥‥) 激苦芋羊羹を一口食べたカラガルが大泣きしている様子を楽しみながら、絵梨乃が那由多の話に耳を傾ける。 食べ物屋を探して出発したカラガルはたまたま立ち寄ったお店でお菓子を発見。ああここでいいじゃないと店員に「はじめまして」と挨拶をしたが最後、なぜか気が合ったらしく延々と立ち話を続けた。30分はあっという間に過ぎ、那由多が七色鳥の【人魂】を飛ばしてようやくカラガルは課題を思い出したものの、『時間内にきらきらしたものを買う』は時間切れ。続いてジュニパーの『神社におまいりをして商売繁盛のお守りを買う』に課題は移行したのだが。 「道なき道をさまよった結果‥‥、全然別の団体にカラガルさんが紛れ込んでしまいまして」 危うく変なおにいちゃんに連れて行かれそうになったところを将門とジュニパーが助けてなんとか神社にたどり着き、そのまま一直線に垣根などを突っ切って現在に至るのだという。 (『高いポイントでゴールしたら美味しいお菓子用意してあるんで、ファイト♪』て、フラウさんゆってた‥‥ごほうび食べたい‥‥ごほうび‥‥) 知らない人だらけの中でカラガルの心を支えたのは、フラウが用意してくれるご褒美のことだったという。 「ようし次の課題だ」 絵梨乃は張り切った。 「こほん、水着専門店へ行って、ボクが指定した水着を買ってくること!」 水着専門店なるものがあるのかどうかはさて置き、カラガルはまずは水着を見つけるべく、服屋を探した。少し時間はかかったが中心街に近かったため、服屋はなんとか見つかった。 「で」 カラガルは指定された通りの水着を手に、ぶるぶると震えていた。とても恐ろしいものを見てしまったという様子。 「これは‥‥?」 カラガルの想像を遥かに超越したきわどさであった。いま手に持っているのはさながら、布のついた紐である。 「色はカラガルが好きなのを選んでくれてかまわないよ」 そういう問題ではないのだが‥‥カラガルはやむなくそれを購入した。 「絵梨乃さんったらもぉ‥‥報酬から、さっぴいときますよ?」 恥ずかしいのか怒っているのか、カラガルのほほが紅潮している。ちなみに、選んだ色は黒である。 かぽーん お風呂屋の前。 将門とジュニパー、那由多がぼんやりと待ちぼうけ。いま、カラガルと絵梨乃が二人でお風呂に入っている。ジュニパーの二つ目の課題『足湯』は、この課題と一緒に行われている最中である。二人がお風呂屋から出てきた。カラガルの顔は真っ赤。絵梨乃の二つ目の課題は『風呂屋に行って、そこでボクの背中を流すこと』であるが、果たしてそれだけで終わったのかどうか、真実を知るのは当事者だけである。 「絵梨乃さん、あれのサイズのことはナイショですよ‥‥」 ●後半戦 「お、やっと来たか。やあ元気だったかい迷子っ娘?」 カラガルはにっこりと微笑んで「お待たせしました」とマリアの手をとった。眼に涙がにじんでいる。ここまで来るのもかなり時間がかかったのだ。太陽がずいぶん傾いている。 「こんにちは。あなたがカラガル殿ですね。自分は一心といいます」 一心を見てカラガルは眼を丸くした。 (なんて綺麗な髪――!!) 課題のことをすっかり忘れて、カラガルは一心の髪に見とれている。むしろ触っている。さらさら〜。 「カラガル殿、課題を忘れると自分特製の激辛どりんくですよ?」 一心の言葉に、はっとカラガルは我を取り戻した。一心が用意したドリンクは特別製である。極めて辛い。カラガルは青ざめた。 「あ、う、か、課題を」 ようやく絞り出した声。カラガルは絵梨乃からもらった芋羊羹のことを思い出していた。ぶるりと震えがよみがえる苦さ。 「わかりました」 一心がにっこり微笑んだ。 「深呼吸をして周囲の建物を確認し、地図で現在位置を確かめよ」 カラガルはぽかんと口を開けている。 「ちず?」 なんのことかという雰囲気。いやな予感がしたジュニパーが、「あの、将門さんからもらった地図は‥‥?」と尋ねた。 「えっ、あっ、あああ! ご、ごめんなさいっっっ!!」 いつの間にか、カラガルの手からは地図が消えていた。カラガルがぺこぺこと将門に頭を下げる中、ジュニパーがスッと手描きの地図を渡した。 「あうう、ごめんなさい‥‥」 (まあ、そういうこともあるだろうと思ってはいたけどな) 実はもう一枚、回答用の地図を用意していた将門であった。さて、話は戻る。 「気を取りなおして‥‥」 改めて、カラガルは深呼吸をした。周囲の建物を確認する。中心街からは少し離れた場所。木々、遠くに見えるカフェ『じるべりあ』の看板。 「ここですね!」 カラガルは一発で現在地を指差した。 (なんとなくここな気がする!!) 根拠はなかった。が、結果的に正解であった。 「おめでとうございます!!」 一心によしよしと頭を撫でられて、カラガルはご機嫌になった。 「じゃあ、次は私の課題だね」 静観していたマリアがにいと笑った。 「とりあえず、ずっと待っててのどが渇いたな。そのへんの店で飲み物を買ってきてくれ」 「え?」 という周囲の目に「あいや、パシらせてるわけじゃないよ?」とマリアは冷静に返す。 「マリアさん、了解です!」 周囲に飲み物を買えるような場所はない。元気よく返事をすると、カラガルは少し遠くに見える飲み屋街に向かって歩き始めた。 「ええと‥‥」 だいぶ慣れてきたのか、カラガルは飲み屋街の入り口にはすんなりたどり着いた。ただ、どの店で何を扱っているか、いまいちよくわからない。 「さて、人に道を聞けるのかな?」 こっそりカラガルのあとをつけてきたマリアはポツリとつぶやいた。 「あ‥‥う‥‥」 飲み屋街は人でごった返していた。なにかお祭りでも行われているようだが、カラガルにはそこが密林のように感じられる。カラガルは道の隅にしゃがみこんだ。 「おい‥‥」 「カラガル殿‥‥」 一心や将門も見守る中、カラガルはすっくと立ち上がった。「やるぞ!」と自分を鼓舞している。こっそり【ホーリーアロー】を用意していたマリアだったが、打つのをやめた。カラガルはいろいろ声をかけ始めた。もともとの明るい性格もあいまって、徐々に人に道を聞くことに慣れていっている様子だった。 チェックポイントに戻っていたマリアのところにカラガルが来たのは、それから数十分経ってからだった。太陽は頭まで沈んでしまいそうだ。 「まあ、ご苦労様。それじゃあ次のチェックポイントに行こうか」 マリアは「太陽が沈みきる前に、次の場所に着くこと」と付け加える。次が最後のチェックポイント、カフェ『じるべりあ』である。 ●お菓子に舌鼓を打つ 「おー! こんばんは!!」 フラウがにこやかにカラガルを出迎えた。太陽は既に沈み、あたりはすっかり暗くなっていた。 「いま何点なんじゃろ?」 首をかしげる八十八彦に、ジュニパーが「マイナス9点です」と耳打ちする。 「さあ! 準備できてるわ!」 フラウお手製の珈琲ぜりぃが、氷の敷かれたお盆の上に並んでいる。 「これはいいな」 「うん! 大好きだなボク」 いつの間にやら、絵梨乃とマリアがさっそくいただいている。 「あ!」 フラウに見つかった二人が、いそいそと食べるのをやめた。 「さてカラガルさん、残る課題は三つ! まずはあたし! 『オレンジ買ってきて』!」 カラガルが凍りついた。フラウにマリアが耳打ちする。 「暗くなってから、カラガルの方向音痴に磨きがかかってね」 ここにたどり着くのが遅くなったのは、目印の見分けがつかなくなったせいらしい。建物も木々の影も、同じように見えるというのだ。 「あの、ここで売ってたりは?」 だめもとでカフェのオーナーにそう尋ねるが、オーナーは首を横に振った。カラガルが改めて外に一歩出る。暗い大きな壁が、カラガルの前に立ちふさがる。 (んー、これはちょっと無理そうかな) フラウは八十八彦に目配せした。八十八彦がうなずく。 「カラガル、つぎの課題じゃ!」 八十八彦の合図とともに、いくつかのテーブルにかけられていた目隠し布がはずされる。カラガルは切なそうな目をしつつも、「わかりました」とうなずいた。 「いまから30数えるけぇ、ここにあるもんの数を覚えるんじゃ」 よーいスタート!! 意外にも、カラガルの目つきは鋭くテーブルの間を行き来していた。仮にも事務所内では事務員として活躍しているカラガル。この手の課題はお手の物‥‥。 「にあ〜」 「!!!!」 オーナーの飼い猫がひょっこり顔を出した。 「かわいい!!」 カラガルは課題そっちのけで、飼い猫に飛びついた。 「時間終了じゃ!」 「あ‥‥」 カラガルは最後の最後で気が散って、正確な数を覚えていなかった。 「「「おつかれさまーーー!!」」」 みなの声が重なる。場所はカフェから長屋に移っている。 カラガルの方向音痴矯正は、今日はいったん終了である。地図を前にうんうんとうなっているカラガルを横目に、開拓者たちは打ち上げを開始した。 「ごふっ」 カラガルの代わりに、那由多が一心お手製どりんくを飲んでいる。カラガルの罰ゲームをすこし、肩代わりしてくれているのだ。帰宅したオボリェが、【キュアウォーター】でお茶を淹れている。 「あねさんがつくってくれたやつ、半分あぎょー」 八十八彦がカラガルにぜりぃを差し出した。うるっとカラガルが八十八彦を見上げる。 「ありがとう」 ぜりぃを食べつつ、「今日一日、なんだか夢みたいだった」とカラガルは振り返る。迷ったときは人に聞く。とりあえず、地図は大事。なんだかいろいろ学んだ気がした。 「おっとカラガル! これを忘れていたよ!」 絵梨乃が今日買った水着を袋から取り出した。黒い布つき紐がゆれる。男たちの目が‥‥。 「わあっ、絵梨乃さんっっ」 方向音痴完治に、今日はすこし近づいたカラガルだった。 了 |