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■オープニング本文 遙か遠く、ジルベリアで起こった、反乱から始まる大規模な戦乱。それはもちろん天儀で暮らす多くの人々には、ほとんど関わりのない話だ。 だが。中にはその戦乱を聞き、心を痛める者もいる。たとえば花恵(かえ)がそうであるように。 「ジルベリアで戦争って‥‥大丈夫なのかな」 「大丈夫よ。ジルベリアって言ったら北の方のどこか遠くにあるんでしょう? こっちまで戦争になる事なんてないわよ」 ぽつり、心配をこぼした花恵の言葉に、気楽にそう返したのは友人だ。花恵ったらずいぶん恐がりだったのね、とクスクス笑う彼女に、そうね、と曖昧に微笑んで頷く。 けれども花恵が心配しているのは、この辺りまで戦火が及ぶか、ということじゃない。友人の言うとおり、花恵だって、北というだけで具体的にはどこにあるかも判らないようなジルベリアの戦争が、この辺りまで飛び火するとは思わないし。 だから花恵が心配しているのは全く別のことで。 (えっちゃん‥‥大丈夫、なのかな) 花恵には幼なじみが居る。英司(えいじ)という名前の、もうずいぶんと会っていない同い年の男の子。 英司は花恵が小さな頃に、母親につれられてジルベリアに行ってしまった。花恵は良く知らないけれど、英司の父親は元々ジルベリアの人だったらしい。 だから六つの時に別れて以来、一度も会ったことはないのだけれど。たまの手紙のやり取りだけはしていたから、ジルベリアの名を聞く度に、その遙かな北の国のどこかにえっちゃんが居るんだな、と思っていた。 そこに来て、そのジルベリアで戦争をしているという。ジルベリアはとてもとても広いと噂では聞くけれど、花恵にはそれがどの位なのかは判らない。 (危ない目にあってないと、良いけれど‥‥) だから花恵はそう、心配にため息をつく。最後に英司から手紙が来たのは、あれは去年の秋の頃だっただろうか。返事はすぐに書いて送ったのだけれど、さらにその返事はまだ届く気配がない。 英司からの便りが半年ほどもないのはいつものこととは言え、戦争なんて話を聞けば心配は募る。ジルベリアには天儀からも開拓者がたくさん行っていると聞くから、その中の誰かにお願いすれば、英司の無事を確かめてもらう事も出来るのだろうか。 そう考え、少女から開拓者ギルドに届けられた依頼を見て、受付係の天ヶ瀬風羽(あまがせ・かざは)は微かに眉を寄せた。 (この辺りは‥‥) ジルベリアでは戦争以外にも、それに呼応するようにアヤカシの被害も増加していると言う。そして花恵が言った村がある辺りはまさにアヤカシ被害が報告され、住民からの討伐依頼もちらほらギルドに届けられている。 もちろん、その村がまさにアヤカシに襲われているのかは判らない。判らないけれど、危険な事は確かだろう。 だから、無事だと良いんですけれど、そう考えながら風羽は依頼を張り出した。戦火を縫って、少年の無事を確かめてきて欲しいと。 |
■参加者一覧
フェルル=グライフ(ia4572)
19歳・女・騎
ルエラ・ファールバルト(ia9645)
20歳・女・志
ベート・フロスト(ib0032)
20歳・男・騎
エルディン・バウアー(ib0066)
28歳・男・魔
アルーシュ・リトナ(ib0119)
19歳・女・吟
レイシア・ティラミス(ib0127)
23歳・女・騎
狐火(ib0233)
22歳・男・シ
ロック・J・グリフィス(ib0293)
25歳・男・騎 |
■リプレイ本文 天儀の片隅の小さな村で、花恵は今もきっと英司の無事を祈って空を見上げている事だろう。エルディン・バウアー(ib0066)はそれを想いながら、雪雲に閉ざされた祖国の空を見上げた。 彼は、一身上の都合から窮屈ゆえに祖国を捨て、天儀に渡った。だが困っている可憐な乙女の願いを叶えるのに、祖国に戻る位で何の躊躇いがあろう。困っている人を助けるのが聖職者の役目だ。 ゆえに「私達にお任せを」と妙にきらきらした笑みで請け負った彼に、こっくり頷いた少女の不安顔も無理はない、とロック・J・グリフィス(ib0293)も思ったものだ。ジルベリアは戦乱にアヤカシ騒ぎ、物騒な話は尽きない。もし同じ立場ならば、彼とて心配に駆られる事だろう。 ならば何としても、英司の無事を確かめたい。そして花恵の心に重く立ちこめる暗雲を払ってやりたい。 その為にも英司の現在を先に掴んでおく為に聞いた、英司の手紙で印象的だったというジルベリアの深い雪。村の近くには高い木があって、冬になると全身に氷雪をまとわりつかせ、まるですべてが氷で出来ているのじゃないかと思う程だというが、それらしい木はまだ見えてこない。 アルーシュ・リトナ(ib0119)も、滅多にない旅人とすれ違うたび、それが英司やその母ではないかとじっと見つめた。 幼い頃に別れたのであまり特徴らしいものは覚えていなかった花恵だが、ジルベリアで天儀人は珍しい。だから一目見れば判りそうだが、今まですれ違った数人の旅人にも、通り過ぎた町にも天儀人らしき人は居なかった。 進めば進むほどに、これほど遠く距離を隔てても息づく縁と想いに、感じ入るものがある。その想いが悲しみに変わらぬ様、どうか無事でいてくれれば良いのだが。 祈り、雪を踏みしだきながらの道行きは、防寒をしていても厳しい。町や村に辿り着く度に、彼らは酒場があれば立ち寄り、なければ民家に一時の暖を求めて。 「ただの幼馴染、って言ってたけれど、どうなのかしらね」 もう今日はここまでかと、宿を取った酒場で温かい飲み物を傾けながら、レイシア・ティラミス(ib0127)がクスリと笑った。彼女が花恵に「とてつもない遠距離恋愛ね」と言ったら、少女は真っ赤になってそう否定したけれど。 レイシアの言わんとする所を理解して、狐火(ib0233)もカップを傾けて応える。 「まぁどちらかといえば初恋の方のようにも聞こえましたけど。はてさて、無事でいてくれるといいですね‥‥」 「ああ。想いを繋ぐ伝書鳩の代わり‥‥なってやろうじゃねえか!」 何としてもな、と唇の端を引き上げるベート・フロスト(ib0032)。そうしてほんの少しおどけて「しっかし、英司は羨ましいぜ。俺にもあんな風に心配してくれる奴が現れないもんかね」と呟く友人にレイシアが苦笑する。 目的の村の辺りでは、アヤカシ討伐の依頼も出ているらしいとギルドから聞いた。それを思えば一刻も早く目的の村まで辿り着きたいが、その為に無理をして彼らが倒れたのでは意味がない。 だから確実に、先の情報と目的の村の状態を聞き込みながらここまで彼らはやって来ている。今も同じ宿に泊まる旅人や酒場の客を相手に、きらきらスマイルサービスを振りまくエルディンや、絶対に英司の無事を確かめるのだと意気込むフェルル=グライフ(ia4572)が情報を集めて回っていて。 「やっぱり、ゴブリンスノウがたくさん居るみたい」 目的の村の辺りを通ってきたと言う旅人に話を聞くことができた、フェルルの言葉にロックは舌打ちした。彼が別の相手から聞いた話も同じ様なものだ。それでもアヤカシに襲われた村の住人が避難した、と言う話はまだ聞いてないのが不幸中の幸いだが――それはあくまで『彼らがそこを通り過ぎたとき』の情報なので、今も無事かはわからない。 酒場の客には聞こえぬよう口の中だけで毒づくロック。 「人々がアヤカシの恐怖に怯えているというのに‥‥」 反乱の鎮圧に兵を取られている、といえば聞こえは良いが、彼には人々が蔑ろにされている様にも感じられ。アヤカシの総てを討つ事など出来るはずもないが、現に苦しんでいる人々を見捨てて良い道理もない。 だが起こってしまった反乱を鎮圧する事もまた、無関係な人々を救う手段。難しい所だ、と開拓者達は知らず、沈黙したのだった。 ◆ 途中の村で借りた橇を引きながら、ルエラ・ファールバルト(ia9645)は辺りの様子を確認した。 どうやら自分は少し勘違いしてたようだ、と気付いたのはジルベリアへ渡ってからの事である。橇を借りた理由は、もし英司が負傷してたら花恵の住む村まで連れ帰って手当てをと考えたからだが、本来人が儀から儀へ移動するのはとても大変な事だ。その上帝国は人民の流出を好まないので、依頼人の元へ連れて行くのは密出国させるようなもの。 だが万一本当に負傷者が居ればやはり必要だろう。故に借りた橇を引き歩くルエラの後ろから、辺りに警戒を払いながら開拓者達が続く。 (ここがお父さんお母さんの生まれた土地‥‥) そんな中でもフェルルは、そっと辺りの景色を見回した。こみ上げてくる感慨は、彼女自身は生まれも育ちも天儀で殆ど来た事はないが、もしかしてここが自分の故郷だったのかもしれない、と思えば当然かもしれない。 行く手を確かめに行っていた狐火が戻ってきて、アヤカシらしい足跡がある、と告げた。 「隠れてやり過ごすのも難しそうで‥‥遠回りになりますが、林を回りこんだ方が良さそうです」 そう、指差して言う狐火の姿は、雪原に紛れられるようにと考え白塗りの笠に白いローブ。あちらにはアヤカシも居なさそうで、と告げる彼に頷き進路を変える。 ただでさえ雪で足が取られがちな中、遠回りをすればそれだけ時間のロスになる。だがアヤカシと戦ったり、うっかり反乱軍の戦闘に巻き込まれたりすればその方が時間を浪費される為、目的を果たすまではとにかく戦闘を避けた方が良い。 とにかく最大限の速度で、目的の村へ。その思いで進んでいた一行が、もうそろそろ目的の場所に着いても良い頃だが、と誰もが思い始めた頃だ。 「‥‥どうやら先で、ゴブリンスノウの群れに人が襲われているようです」 何度目かの斥候から戻ってきた狐火が、険しい顔で告げた。その言葉を聞いた開拓者達の顔にも、厳しい表情が浮かぶ。 目の前で誰かが襲われているというのであれば、見捨てるわけには行かない。何よりもしかしたら、襲われているのは彼らが探しに来た英司その人かもしれない。 キュッ、と唇を噛み締めたフェルルと、盛大に舌打ちしたロックが今にも走り出したそうに身体を翻し、だが思いとどまった。相手が複数だと言う事を考えても、現に襲われている人が居ることを考えてもやるなら先手必勝。だがそれは無謀に飛び込む事ではないと、十分に彼らは解っている。 「急ぐわよ」 だからレイシアの言葉に誰もが頷いた。急ぐ、という言葉には幾つもの意味が込められていた――急いで現場まで行き、急いで被害者を救い、それから急いで先へ進む。そのどれもをやるのだと言う言葉は、全員の気持ちに他ならなかった。 ◆ 最初に走り出したのはフェルルだった。レイシアがルエラに頼んで心眼で先の様子を確かめてからのことである。心眼では人や動物、アヤカシの区別はつかないが、ここまですれ違った旅人の数を思えば、雪原に複数の反応があるのは不自然だ。 恐らく、それこそが狐火の見たアヤカシ。だからフェルルは走る――襲われていた人がまだ無事である事を祈って。その背を追うように、ロックやベート、狐火も雪を蹴散らして走る。 4人の瞳にゴブリンスノウの群れと、それに囲まれた人らしき影が見えた。幾つもの足跡が入り乱れ、踏み荒らされた雪の上には鮮血が散って凍り付いている。アレです、と狐火が頷き仲間に注意を促して。 カッ、とロックの両眼に怒りが灯った。 「人々を襲うアヤカシ共! このオーラの輝きを恐れぬのならかかってこい‥‥ロック・J・グリフィス、参る!」 叫び、槍を構えてゴブリンスノウの群れに突っ込む。唐突の大音声にアヤカシがギョッとそちらに集中した。額から鮮血を流しながら、襲われていた誰かが焦点の定まらない目で必死にその光を見る。 ブゥン、と槍の一閃に飛ばされるアヤカシ。それは留めの一撃ではなく、ただ人からアヤカシを遠ざける為の行動だ。 ベートがロックに散らされたアヤカシに、さらに攻撃を仕掛ける。その隙にフェルルと狐火は俄かにあいた空白の場所へ――襲われていた人の元へ走った。 「助けに来ました、もう安心してくださいっ!」 「こっちへ!」 グイ、と腕を取って立ち上がらせ、一先ず後方へ下がろうとする。追いかけようとしたアヤカシにベートとロックが立ち塞がり、橇を安全な場所に置いてきたルエラも支援に加わった。 狐火に抱えられて安全な場所まで避難させた怪我人に、アルーシュが痛みを堪える様に眉を寄せて血を拭った。幸い、怪我をした所が額だったせいで大量に血が出たようだが、傷そのものは大した事はない。 それにほぅ、と息を吐く。大声で彼の無事を伝えると、仲間達の表情にもほっとした色が浮かんだ。 「これ以上は私達がいる限り、指一本ふれさせません!」 「私も出るわよ。炎の烙印を刻んであげるわっ!」 咆哮でアヤカシの意識をひきつけたフェルルに、後は頼むわねとエルディンに言い置いて2人を守る為に残っていたレイシアも駆け寄り、来たアヤカシを切り捨てる。お任せ下さいと頷いたエルディンが魔法の詠唱に入ったのを、目の端で確認した。 やるなら早期決着。ベートもオーラを発動させて、向かってきたアヤカシに槍を突き出した。一体一体を確実に、と手傷を負わせたアヤカシを優先して止めを刺す。 だがゴブリンスノウもただやられっ放しではない。僅かながら群れとしての行動を取ろうとするアヤカシを、エルディンはじっと観察した。 (群れならばリーダーが居るはず‥‥) ただ単に徒党を組んでいる烏合の衆ならば、すでに逃げ出す個体が居てもいいはずだ。だがこのアヤカシはそうではない。ならば何らかの形で群れを統制する個体が居る、と考えるのが自然だろう。 アルーシュが奏でる、戦闘の音にも負けぬ武勇の歌。それを聞きながらじっと観察していたエルディンは、やがて1体のゴブリンスノウに目をつけた。 「そこです‥‥ッ! 祝福を受けし聖なる矢よ、アヤカシを撃ち抜け!」 周囲の固体より、ほんの少しだけ防寒のしっかりした装備を身にまとう固体。それを目掛けて、唱えたホーリーアローがまっすぐに寒気を切り裂き飛んでゆく。 「ギャア‥‥ッ!」 「逃がさん!」 魔法の矢を受け、傷つき悲鳴を上げたアヤカシをロックの槍が貫いた。途端、僅かながら連携が乱れ始めたゴブリンスノウの、先手に回り込むようにフェルルの刀が切り裂き、得物の小ささを逆に活かして狐火が急所に確実に切りつけていく。 すでに、ゴブリンスノウの戦意は殺がれていた。やがて1匹、また1匹とほうほうの体で雪に転がりまみれながら逃げ始めたアヤカシは、深追いせずに捨て置く。そう見せかけて仲間を呼びに行くものが居ないか、アルーシュが注意深く見守って。 やがて、最後のゴブリンスノウがほうほうの体で逃げ出していくのを見送って、レイシアはガチンと剣を鞘に戻した。ふぅ、と細い息を吐く。 「皆、大丈夫かしら?」 「ああ、何とかな」 友人の言葉に肩をすくめて答えるベート。こんなのがうろついてるなら、真面目に対策を考えた方が良いんじゃとギルドへの進言を決意する。 仲間達を見回せば、多少手傷を負った者は居るものの、深刻な傷を負った者は居ない。良かったわ、とレイシアも安堵の笑みを浮かべ、それから救った相手を振り返ったのに、釣られるように全員の視線が向いた。 大丈夫ですかと、アルーシュが改めて問いかけるのにようやく意識がしっかりしてきたらしい村人は、コクコクと頷く。頷いて、そうして改めて自分を助けてくれた人達をぐるりと見回して。 「あんた達‥‥珍しい服だな。うちの村にもそういう奴が居る‥‥」 「おや‥‥それはもしかして、英司さんと言いませんか?」 その言葉にこくりと首を傾げ、尋ねた狐火に「エイジの知り合いかい?」と男は驚き顔になった。 ◆ 村人に案内され、辿りついたその村で、心配そうに彼らを出迎えた人々の中にその母子は居た。ジルベリア人ばかりの中で、天儀人の容貌はいかにも目立つ。紹介されるまでもなくそれが捜す母子だと誰もが判った。 「初めまして‥‥花恵さんから、貴方の無事を祈るお気持ちを届けに来ました」 だから村人達にやって来た事情を説明し、改めて英司の前に立ってそう言ったアルーシュに、驚いた眼差しを揺らした少年に、狐火が「覚えてますよね?」と尋ねると、当然と首肯する。花恵が、と呟いた少年の肩を村人が笑ってポンと叩くのに、照れくさそうに笑う彼の様子を見ても、なるほどご近所付き合いは良好のようだ。 だがふと自身の身の上と照らし合わせて「大丈夫?」と尋ねるフェルルである。幼い頃は天儀で暮らしていたなら、風習の違いや気候の違いに戸惑ったこともあるだろう。 英司は小さく首を振り、大丈夫、と笑った。それから照れくさそうに唇を尖らせ、花恵は心配しすぎだ、と呟く少年に暖かい笑みを浮かべながら、ロックは英司の額を小突いた。 「まぁこっちも大変な時だが、心配させない程度にはまめにだな‥‥と、花恵嬢に伝える言葉、渡す物があるのなら俺が請け負うぞ」 「その通りです。女性からの手紙の返事はすぐに出しましょう。女性を待たせてはいけませんよ」 「彼女の想い、どうか大切にしてあげるのよ?」 エルディンやレイシアも、微笑みながらもそこはしっかり釘を刺す。遠くから心配しか出来ない人間には、ほんのわずかな違和感も気になるものだ。 少し気まずそうに視線を逸らし、だって花恵は元気そうだし、と理由にならない理由を言い訳にする少年。いいですね〜、とキラキラ微笑む魔術師姿の聖職者は放置して、言伝などはありませんか、と狐火が改めて確認すると少年はしばし考え込んで。 やがて英司は小さな木彫り細工を家から取ってきた。何の変哲もない花の細工は、いつか花恵に送ってやろうと思いながらそのままになっていたもの。 「こっちの花、見たいって言ってたから」 「了解。確かに預かったぜ」 ちゃんと届けてやるから安心しろ、とベートが笑い、他にはないかと確認する。首を振った英司にピッと指を立て、手紙の返事も早めにね、とレイシアは念押しした。 必ずと頷いた少年に微笑みかけ、その日は母子と他愛のない会話をして過ごし、翌日、開拓者は急いで村を後にする。今度は少年から少女への思いを伝えるために。 |