遠い日の形見。
マスター名:蓮華・水無月
シナリオ形態: ショート
EX
難易度: 普通
参加人数: 6人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2010/05/09 20:44



■オープニング本文

 そこにはかつて、小さな村があった。
 村の周りにはのどかに広がる田園。村の中では子供とニワトリと犬が駆け回り、子守を頼まれた老人がこっくりうたた寝をする縁側では猫がごろりと寝そべり日向ぼっこ。日が暮れる前には畑仕事に出ていた大人達が帰ってきて、他愛のない話をしながら家族みんなで囲炉裏をかこみ、やがて狭い家の中で肩を寄せ合い眠りに就く。
 楽しみはと言えば、たまに村を訪れる旅回りの商人から聞く外の話。それから秋の収穫祭。稀に旅人がやって来たりしたら村中の人間が集まって、ささやかな食事と酒を持ち寄って歓迎し、どこから来たのか、どんなところに行ったのかと話をせがんで。
 そこにかつてあったのは、そんな小さな村だった。今はもうどこにもない村――ある夜、やっぱり通りすがりの旅人がやってきて村人達が浮き足立っていたその夜に、賑やかな気配に惹かれたらしいアヤカシによって滅ぼされてしまったから。

「逃げるのが精一杯だった、って言ってたな」

 依頼人の話を思い出しながら、今はただ廃墟の群に過ぎないその村を遠くから眺め、陰陽師の木原高晃(きはら・たかあきら)はポツリ、呟いた。あぁ、と頷いたのは共に依頼を受けた友人のサムライ、柚木遠村(ゆずき・とおむら)。
 彼らは、開拓者ギルドに張り出された依頼を受けてやってきた。かつてそこにあった村の住人から、死んだ妻の大切にしていたかんざしを探して来ては貰えまいか、という依頼。
 その夜、アヤカシの襲撃は余りにも突然で、お酒も入って良い気持ちになっていた村人達は身一つで逃げ出すのが精一杯だった。どの程度の数が居たのかも、今となっては不明だ。小鬼の群だったと言う者もいれば、巨大な鳥が空から襲ってきたと言う者もいて、或いは人の影を見たという者すら居たという。
 ただ確かなことはその夜、天儀からその小さな村が消えた。今では近寄る者もなく、かつての住人達も散り散りになってしまって消息もわからない。

「赤い石のかんざし、だったか。まだ残ってれば良いが――やはりアヤカシが居るみたいだな」
「見えるのか、高晃?」
「まぁそこそこ」

 頷きを返した友人に、そうか、とまた遠村は頷く。頷き、自身も見定めるような視線を廃墟の村へと注ぐ。
 依頼人の言葉を思い出した。逃げ延びた後、親戚を頼って夫婦で遠い町で暮らしていた。そうして折りにつけて村を思い出し、大切にしていたかんざしを持って来れなかった事を悔やみ、いつか帰れたら良いわねぇ、と口癖のように言っていた妻が、亡くなったのは先頃のこと。
 すでに村を出て十年以上が経っている。その間に野盗か何かに持ち去られたかもしれないし、もしかしたらまだアヤカシが居て近づけないかもしれない。
 それでも、叶うなら妻が大切にしていたそのかんざしを、墓前に供えてやりたいと。だからどうか探してきては貰えないだろうかと、頭を下げた依頼人の姿をも思い出し、遠村は険しい眼差しになる。

「小鬼だけ‥‥かな」
「あぁ、多分。数まではさすがに、行ってみんと解らなさそうだ」

 依頼人の為にも無事、かんざしを見つけ出す事が出来れば良いが――そう思いながら彼らはじっと、廃墟の村を見つめていたのだった。


■参加者一覧
柊沢 霞澄(ia0067
17歳・女・巫
玖堂 柚李葉(ia0859
20歳・女・巫
深山 千草(ia0889
28歳・女・志
滋藤 柾鷹(ia9130
27歳・男・サ
レートフェティ(ib0123
19歳・女・吟
シルフィール(ib1886
20歳・女・サ


■リプレイ本文

 それは荒涼とした廃墟だった。崩れかけた家、むなしく転がる鍬や鋤、釣瓶の落ちた井戸。それらが遠くからでもはっきりと見える。
 その光景に、柊沢 霞澄(ia0067)は静かに眼差しを伏せた。傍らで滋藤 柾鷹(ia9130)が痛ましく目を細める。

「一夜でアヤカシに滅ぼされた村‥‥か」
「廃墟は村の記憶‥‥住んでいた人達は居なくなっても‥‥」

 霞澄が頷き、呟く。亡き人を偲ぶことは、残された人が生きていく為にも大切な事だ。だからこそ、残されているかもしれない大切な思い出を見つける手伝いが出来れば、霞澄はとても嬉しいと思う。
 だが、村が襲われたのは十年以上も前とは言え、まだ小鬼が残っている。或いは他の、村人が目撃したというアヤカシも残っているかもしれない。
 そう、慎重に告げる柾鷹の言葉に、レートフェティ(ib0123)はそうかもと頷いた。頷き、ふと寂しげに微笑む。

「アヤカシもだけど、旅商人が来て浮かれているうちにとは、何とも悲しいわね」
「うむ‥‥亡くなられた奥方の為にも、必ずや探し出すと誓おう」

 レートフェティの言葉に大きく頷く柾鷹。そうして知り合いでもある同行の2人に、此度も宜しく頼む、と生真面目に頭を下げる。
 大きくない村とは言え、手間取れば気配に惹かれた子鬼が集まってくるかもしれない。故に、まずは依頼人の家があったという中心部辺りまで移動して、そこから2手に別れてはどうか、とレートフェティは仲間達を見回した。そうですね、と佐伯 柚李葉(ia0859)も頷く。

「呼子笛の合図を決めておいて、連絡を取り合って‥‥」
「そうね。どの家かは区別はつかないかと思うから、一軒づつ確認していくしかないよね」
「だとしたら、高晃さんと遠村さんには別々の班になってもらうのが戦力的にも良いと思うのだけれど‥‥どうかしら?」

 2人の話と、仲間達の実力などを鑑みて深山 千草(ia0889)が穏やかに問いかけた。だが高晃と遠村は、千草の言葉に問題ないと揃って首を振る。
 じゃあお願いするわね、と千草が微笑み、改めて宜しくお願いします、と柚李葉がぺこりと頭を下げ。
 村へ向かおうとしてシルフィール(ib1886)がふと、複雑な表情になる。

「死んだ妻の形見を取り戻したい、か。いいわね、愛ある夫婦って、私なんて‥‥と、これは今は関係ないわね」

 ひょい、と肩を竦めて笑った顔には、暗いものは感じられないけれども。過去に何かあったのだろうかと、そっとシルフィールの顔を見上げながら、柚李葉は違う言葉を紡いだ。

「今となっては大事な形見になってしまったんですね‥‥無事にお手元に届けられれば良いんですけど」
「そうね。長い年月を怯えて寂しく過ごしていたでしょうかんざしだけれど。やっと、愛する人の元で、眠ることが出来るのだものね」

 大切にされていたならば、きっとかんざしの方も主を想って待っているに違いないと頷く千草も、先の言葉を何でもないことのように受け流す。
 その気遣いに、シルフィールはだから殊更ににっこりと微笑んだ。

「まぁ妬ましい感じはあるけど、それ以上にそんな純粋な想いなら叶えてあげたいわ。これが開拓者としての初依頼ということもあるし、私に出来る事を全力でやる、それだけね」
「ええ、頑張りましょう」

 レートフェティがしっかり頷く。そうして眼差しを、朽ち果てた村へと遠く注いだ。





 村は、足を踏み入れればますます荒涼としていた。いつアヤカシが襲ってくるともしれないと、用心していた柾鷹はいつしか眉をひそめて哀れむように呟く。

「元のようにはもう戻れんだろうか‥‥?」

 ここに戻りたかった人がいる。だがアヤカシを駆逐したとして、この廃墟が元の村に戻るには果たして、どれほどの年月が必要だろうか。
 村の中央らしき辺りにも、崩れた建物があった。その瓦礫を協力して取り除いてみたが、かんざしらしきものは見つからない。付近の家も探してみたが、やはりそれらしきものは見つからず。
 故にそこから2手に別れ、2班は左へと進路を取った。柾鷹が前衛に立って警戒し、間に霞澄とレートフェティを。後ろからの襲撃に備えながら、遠村がしんがりに。

「小鬼だけならばそう数掛かられぬ限りは遅れを取る事もないだろうが」
「油断は禁物、ね。倒壊していない建物内を先に探索した方が良いわね」

 柾鷹の言葉にレートフェティが相槌を打つと、こっくり霞澄が頷いた。瓦礫を取り除いている間に襲われれば、幾ら装備を万全に固めていても危険だ。
 故に辺りを十分に警戒しながら、荒れ果てた村の中を進む。もちろん目視でも辺りを確認し、異音がしないか耳を澄ませて。隠れているかもしれないアヤカシが捕捉出来ないような場所では、霞澄が瘴索結界を使ってアヤカシの有無を確認して。
 どれ程の数が居るか不明な現状では、出来る限り戦闘は避けたい。だから彼らは叶う限りの注意を払い、まだ崩れず残っている家を見つければ慎重に中を確認した。箪笥はもちろん、壷や箱、果てはかまどに残された灰の中まで。
 けれども廃墟をうろつく小鬼の数は多く、どうしても避けられない場合もある。

「‥‥あれでは」

 行く手を阻むように前方に居る小鬼の姿に、霞澄がそっと顔を曇らせて呟いた。迂回できれば良いが、見回してもそういった路地はない。
 その言葉に、柾鷹が得物に手をかけながら頷く。頷いて後ろを守る遠村に声をかける。

「戦うしかない、か‥‥仇討ちでもあるしな。遠村殿、いけるか」
「無論」
「援護はまかせて」

 2人にレートフェティも力強く頷き、オカリナを手に持った。霞澄も武天の呼子笛を鳴らそうかと迷い、結局手の中に握りこむ――まだ、対処出来ない程の数ではない。
 ゆえに霞澄は呼子笛を握りこみ、仲間が傷付いたらいつでも癒せるよう、そして他所から新たなアヤカシが来てもすぐに気付けるようにと意識を研ぎ澄ませる。レートフェティのオカリナが、まるで進軍ラッパのように力を込めた曲を奏でて。

「参る‥‥ッ」

 すらりと抜き放った白刃を閃かせ、柾鷹と遠村が同時に小鬼へと踏み込んだ。気付いた小鬼達が口々に何か叫びながら、人間達に向かって一斉に襲い掛かってくる。
 それらを、柾鷹は確実に狙いをつけて切り裂き、瘴気へと還していった。力及ばず還しきれなかったものは、すかさず遠村がフォローに入ってさらに切りつける。レートフェティのオカリナがたゆみなく、仲間達を勇気付けるメロディーを奏で続けた。
 小鬼の数は多い。戦闘の気配に惹かれたものか、後から後から沸いてくるようにも見える。

「皆さん寄って下さい‥‥精霊さん達、皆さんの傷を癒して‥‥!」

 避けきれず、次第に傷付く仲間を折を見て霞澄は閃癒で癒した。とはいえこの先も幾度戦いがあるか解らない。練力を温存する意味でも頻回の回復術は避けたいと、霞澄はじっと術の使いどころを考え、折を見て声を上げては仲間に術をかける。
 小鬼が、次々に切り裂かれて瘴気となって消えた。念のため、求めるかんざしを取り込んでいた小鬼が居ないかとレートフェティは瘴気に還った後を確かめるが、残されたものは何もない。

「‥‥まだ先は長そうね」
「あぁ」

 思わずため息を吐いた彼女に、柾鷹がコクリと頷いた。小鬼は、まだ残っている。





 2班とは背中を合わせるようにして歩き始めた1班も、やはり小鬼の群れに囲まれていた。

「これで最後、かしら!」
「一先ずは終わりみたい、ね」

 体重をかけて刀を振り下ろし、小鬼を瘴気に還したシルフィールの言葉に、手にしていたガードを下ろしながら千草が穏やかに微笑んだ。そうしてぐるりと辺りを見回して確認する。
 柚李葉が心配そうな顔で、小鬼によって傷付けられた仲間を神風恩寵で癒した。そうしてほっと息を吐き、お守りのように握り締めていた呼子笛をそっと懐に戻す。
 小競り合いならもう何度かあった。その度に追い払い、やむを得ないものは倒してここまでやってきたけれど。

「‥‥この小鬼達も、かんざしは持っていないようね」
「そう」

 小鬼達が消滅した辺りを見てため息を吐く千草に、辺りを警戒しながらシルフィールがあっさり頷いた。今のところ、新たな小鬼がやってくる気配はないが、油断は禁物だ。
 だが実際、あまり長引くようではこちらの集中力も切れてしまうかもしれない。だから、ふぅ、とシルフィールは深呼吸をして、軽く頭を振って意識を切り替える。

(まっ『備えよ、常に』ってね)

 常に想定できる最悪の事態を考えておいた方が良い。そんな気持ちで辺りを見回すシルフィールに、千草は微笑み手近な建物に心眼を試みる。

「‥‥この建物には、動くものは居ないみたいね」
「ありがとうございます」

 千草の言葉に、柚李葉がぺこりと頭を下げる。下げて、だが警戒はしたままそっと戸を引いて、念のためアヤカシなどが居ないことを確かめてから中に入る。
 村の建物は、それほど大きなものはない。逆に言えば、大きなものは自重に耐えかねて崩れてしまっている。だから大抵の家は、中に入っただけで家中を見渡すことが出来た。

「すぐに探してきますね」

 入り口に立ってアヤカシを警戒するシルフィールと、土間で同じく隠れたアヤカシが居ないか目を光らせる千草に、そう言い置いて柚李葉と高晃は手分けし、広くはない家の中を探す。その間、あまり人手が居ても仕方がないだろう、とシルフィールは周囲の警戒に集中し、あまり建物が丈夫ではないようだから、と千草が土間で待つ。
 箪笥は立て付けが悪くなっているものもあった。それを悪戦苦闘しながら開き、引き出しの奥底まで丁寧に確かめたが、なかなかかんざしは見つからない。
 そうして果たして、幾つ目の家屋だっただろうか。

「‥‥‥ぁッ」

 柚李葉が小さな声を上げたのに、はっと千草と高晃は振り返った。シルフィールだけは、少し離れた場所に居る小鬼を警戒していたので振り返れなかったけれど。
 そんな中で、柚李葉がぱっと顔を輝かせて手にしているのは古びた布の固まり。どうやら箪笥から零れ落ちていたものらしい。

「これ、でしょうか‥‥」
「‥‥えぇ、きっと」

 ほんの少し不安げに千草を振り返り、そっと広げてみた手の中のものを見せた柚李葉に千草は大きく頷いた。そこにあるのは確かに、年月を経て黒ずんではいるものの、飾り石の赤も鮮やかなかんざしだ。
 千草は微笑み、ほぅ、と安堵の息を吐いた。そうして懐から新しい手ぬぐいを取り出し、柚李葉の手からそっとかんざしを取り上げた。

「‥‥旦那様も奥様も、ちゃあんと覚えていたのよ。良かったわねえ」

 語りかけながら、千草は手ぬぐいの上に載せたかんざしを丁寧に包み込んだ。そうして、お願いね、と改めて柚李葉に手渡す。
 はい、としっかり頷いた少女に微笑み、千草はシルフィールを振り返った。

「どうかしらね?」
「やっぱり見逃してはくれないみたいよ」

 千草の言葉に、シルフィールは意識して唇の端を吊り上げながら視線をアヤカシに据えたまま答えた。何匹かが、こちらに視線を向けている。どうも集まってきているようにも見える。
 そう告げるシルフィールに、そう、と千草は頷いて。

「じゃあ行きましょう。まずはお届けしないとね」
「あの数なら私は後衛の護衛に回るわ。佐伯、他の仲間に合図をしてくれるかしら」
「わ、わかりました‥‥ッ」

 シルフィールの言葉に柚李葉が慌てて武天の呼子笛を取り出した。鳴らすのはかんざしが見つかったことを告げる、長く続く音。
 廃墟の村に、呼子笛の音色がこだました。それは同時に、これ以上の長居は無用と撤収を告げる合図でもあった。





 村に巣食う小鬼は、いつ尽きるとも知れなかった。だから開拓者達は一先ず、やむを得ない小鬼だけを倒しつつ素早く村から撤収する。
 そうして再び、村を遠くから見晴るかせる場所まで戻ってきて。

「何とか無事に残っていてくれたか‥‥」

 そこで仲間達と合流し、見つかったと言うかんざしを確認して、ほぅ、と柾鷹は深い安堵の息を吐いた。後はこのかんざしを、首を長くして待っているだろう人の元に届けるだけだ。
 黒ずんだかんざしに、レートフェティは手ぬぐいの端で軽くこすったりして少しでも見栄え良くしようと試みる。大切にしていたものだというからどうせなら綺麗な状態で届けてあげたいものだが、生憎そう簡単に落ちる汚れではないようだ。それでも傷はついていないようなのが、せめてもの救いか。
 そんな人々からふと柚李葉は、遠くに見える村へと視線を向けた。結局、アヤカシを追い払う事は叶わなかった。けれどもせめて、探索中に見かけた最早朽ち果てて久しい遺体の安寧を祈る意味でも、いつかこの村を思い出した誰かがやってきた時の為にも。
 そう、考えながら荷物から取り出したのは、2つのもふら人形と甘酒。形ばかりとは言え、せめてものお供えのつもりだ。

「簡単なお社ね」
「はい。本当は岩清水も持ってくるつもりだったんですけれど」

 うっかり失念したようだ、と息を吐いた柚李葉に、じゃあ私のを上げるわ、とレートフェティは荷物から岩清水を取り出した。それも一緒にもふら人形の間に挟むように置く。
 即席の、形ばかりの社。それを見た霞澄が静かにやってきてそっと手を合わせた。

「騒がせてしまってごめんなさい‥‥」
「‥‥そういえば、他にも大事なものをおいてこなければならなかったひともいたわよね」

 静かな哀祷と謝罪の念を込めて祈る霞澄の言葉に、ふと思いついたようにレートフェティはオカリナを取り出した。あの村の住人は、今回の依頼人だけではない。そして村が滅ぼされたのはあまりにも突然で、多くの人間は逃げ出すのが精一杯だったと聞いた。
 だから、見ぬその人たちのために。そうしてようやく見つけたかんざしが、依頼人の妻の永久の眠りを慰め、癒してくれるように。
 そんな願いを込めて静かに息を整え、オカリナに息を通して曲を奏で始めたレートフェティに、柚李葉もそっと哀桜笛を構えて音を添えた。オカリナの柔らかでどこか暖かな音色と、横笛の遠く響き渡る澄んだ音色。絡み合う2つの音色は、天高くどこまでも響き渡るようだった。