血闇の風刃
マスター名:想夢 公司
シナリオ形態: ショート
危険
難易度: 難しい
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2011/09/20 22:29



■オープニング本文

 その日、利諒が呼び出されて芳野に出向いたところ、青い顔をして伊住穂澄が待っていたのは、夏も暑さが未だ和らぐ兆しを見せない、夏の日の昼のことでした。
「あぁ、利諒兄さん、来て下さったのですね」
 多大に動揺している様子の穂澄に、ただ事では無いのを感じた利諒、部屋へ入れば穂澄は人払いをして茶を飲み、何度か落ち着こうとしている様子。
「えぇと‥‥一体、どうしたんですか? 呼ばれた様子では、仕事があるようだったのですが‥‥」
 なんと聞いて良いのか迷った様子の利諒が、言葉を選びつつ慎重に聞けば、自身が取り乱しているのに気が付いたか小さく咳払いをすると穂澄は口を開きます。
「すみません、利諒兄さん、おじ様の不在中に酷い事態になってしまい、見苦しい所を見せました。芳野の周囲の宿場町に、その‥‥凶賊が‥‥」
 そこまで言うと、改めて説明しなければいけない事柄を頭の中で整理していてか、一端言葉を切る穂澄。
 利諒も詳細を書き留めようと依頼書を取り出して。
「被害にあった場所は4カ所、二つの宿場で、それぞれ立て続けに二件起きています」
「立て続けにと言うと‥‥」
「それぞれ、一晩に、二カ所‥‥皆殺しです」
 そこまで言って唇を噛む穂澄、現場を改めたのでしょう。
「おじ様は武州の件で不在、手薄になっていた所で後手に回ってしまいました」
 そう悔しそうに呟く穂澄は、領主代行とはいえこういった大きな事件を一人で対処するのは初めてのようで、どうにも自身の手落ちがあったのではないかと考えているよう。
 穂澄の話では、二カ所の宿場でそれぞれ2件の被害、どちらも一件は中心から外れた宿、もう一件は宿場の端のほうだとか。
「一つの宿場で、一晩の内に二件‥‥周囲にも捜査の枠を広げては居たのですが、十日と立たないうちに、次の宿場の事件が起きました。それが、今朝方です」
 最初の事件があって以降、次の宿場も当然ながら警戒はしていたようなのですが、人の行き来もそれなりにある街道沿いの宿場であることや、被害のあった店の生き残りが居ないことなどから後手に回ってしまったよう。
「凶行をこれ以上続けさせないためにも、力を貸して下さい」
 穂澄の言葉に、利諒も厳しい表情のまま依頼書へと筆を走らせるのでした。


■参加者一覧
崔(ia0015
24歳・男・泰
紬 柳斎(ia1231
27歳・女・サ
露草(ia1350
17歳・女・陰
御神村 茉織(ia5355
26歳・男・シ
紅 舞華(ia9612
24歳・女・シ
劉 那蝣竪(ib0462
20歳・女・シ
長谷部 円秀 (ib4529
24歳・男・泰
アルバルク(ib6635
38歳・男・砂


■リプレイ本文

●襲われた宿場
「因果な仕事だよなぁ‥‥しかし、連中そんなに仕事急いでなーにがしたいのかねえ」
 アルバルク(ib6635)が肩を竦めて言えば、それには伊住穂澄が少し辛そうに眼を伏せて。
「現在の状況で治安が低下しているから、でしょう」
 それは留守を預かっている自身の力不足、とでも言わんばかりの様子で悔しそうに唇を噛む穂澄に、絵図面を見ていた御神村 茉織(ia5355)がちらりと目を上げると、にと口元に笑みを浮かべ口を開きます。
「東郷の旦那が不在中だからって、あんま気おわねぇようにな、穂澄嬢ちゃん。悪いのは凶賊だ、しっかり捕まえればいいこった」
「その通りだ。大丈夫、必ず捕らえて食い止める」
「‥‥はい、宜しく追い願いします」
 紅 舞華(ia9612)も頷いて約束すれば、穂澄は頷いて、改めてそう一同に言って。
「‥‥十日もあけず、か。これだけ派手にやるからには役人の裏かいて間ぁ詰めてくる可能性も捨てきれね。急いだ方が良さげだな。」
 地図と宿場の絵図面へ目を落として、それぞれの距離を確認すると眉を寄せる崔(ia0015)。
「しかし、皆殺したぁな‥‥近頃は人間も性質悪ぃったらありゃしねえわ」
「‥‥なんとしてでも、犠牲を減らさねば」
 崔は絵図面と被害を纏めた記録を確認して顔を顰め口を開くと、露草(ia1350)も頷いて地図を確認して呟くように口を開きます。
「出来うる限り迅速に‥‥これ以上、犠牲を出さないように」
 被害を減らさなければ、言葉にするほどに露草はその思いが強くなるよう、緋神 那蝣竪(ib0462)は少し考えるように口元に軽く握った手を当てていて。
「悪知恵ばかり働く人って、いるのよねぇ‥‥」
 恐らくは争乱で、芳野が敢えて狙われたのではなく、あちこち情勢が不安定な今のうちに一気に荒稼ぎをするつもりじゃないかしら、そう言う那蝣竪に 紬 柳斎(ia1231)も同意を示すように頷きます。
「目的は何か、と思ったが‥‥この様子では片が付くまでに一気に稼いで、他所に向かうのではないか?」
「先にある程度狙いは定めているのでしょうが‥‥」
 そう言ってから、争乱により負傷していた長谷部 円秀 (ib4529)は、自身の手を見つめるも、ぐっとその手を握って。
「この身が思うように動かなくとも‥‥盾となり、矛となり守護するのもまた開拓者となったときの誓いです」
 決意を込め言えば、微かに笑みを浮かべて改めて口を開く長谷部。
「誓いを守りにいきましょう」
「んじゃ、行ってくるぜ」
 任せろと請け負う一同に、穂澄は改めてお願いします、と頭を下げるのでした。
「これは‥‥」
 酷い、という言葉を飲み込むと、最初に被害のあった宿場で舞華は惨状の様子が窺える宿の中を見渡して。
 書き起こされた絵図面で宿の間取りを確認しながら見れば、表の戸には手付かずで、裏口が中から開けられたようで。
「入り込むために、二階の窓から入ったか‥‥? しかし、それにしては引っかかる‥‥」
 少なくとも開いていた裏木戸は内側から開かれたもの。
「‥‥やはり裏口から引き入れたのは間違いなさそうだが‥‥」
 そう呟くと、舞華は少し考えてから、もう一件の御店へと急ぎ足を向けるのでした。
「やはり、思った通りだな」
 そして、次の被害にあった宿場、柳斎も二件目の御店を確認していてふと小さく首を傾げます。
「宿は町の中央、裏手に船着き場?」
 状況から見て舟を使っているのではないか、と話してはいたものの、まるで誂えたかのように被害のあった御店の裏手には、簡易的な船着き場が。
 宿場の人間に尋ねてみれば、川に沿ってあった宿場のためか宿場の端と端、そして中央辺りにあった船着き場とのことで、それを確認すると御店や宿の様子を聞き込みに柳斎は歩き出すのでした。
「どうでしたか?」
「大体思った通りってこったな」
 長谷部が尋ねれば答える御神村、二人は被害のあった二番目の宿場から少し言ったところにある茶屋でとりあえず落ち合い確認をしているところでした。
 位置的には狙われる可能性のある二つの宿場に分かれる手前の辺り。
「夜中に急に出立する客がいねぇ訳じゃねぇが、亡骸の数が合わねぇときた」
「宿はそれとして、どちらも二件目に襲われた御店は、それなりに実入りは良くも小さく、裏の木戸を叩き壊して押し入られたみたいですね」
「はんっ、文字通り行きがけの駄賃って事かよ」
 忌々しげに吐き捨てる御神村、宿に幾人か先に客として入り込んでいた者が裏を開け引き入れれば、騒がれる前に全てを始末して御店と客の金品を奪い。
「宿以外で狙われた所は羽振りが良くて、自分ところに舟を着けられるようにしていたようだ。街道沿いの川を狙っているのは、川に沿って移動しているから、いずれ大きな町に付くまでは同じ事を繰り返して移動するのだろうな」
 調べた後に急ぎやってきた様子の柳斎がそう声をかければ、そこにやってくる舞華。
「恐らく拠点にしているのは川沿いだろう。‥‥しかし、流石にそこを調べる時間的余裕はないな」
「二カ所の宿場と共通の条件があるのは、こちらの宿場ですね。ただ、それぞれ宿の宿泊客を見るかしなければ絞りきれないかと」
「ま、そっちは先行組に期待だな」
 言って、先行組と合流するため、四人は茶屋を後にするのでした。

●不穏な空気
「ふぅ‥‥ちょっと辛いですね」
 きつい日照りの中、小さく呟くと露草は改めて宿場前の川の様子を確認していました。
 こちらは狙われる恐れのある宿場の片方、既にもう片方の宿場についても確認済みで、そちらの方と比べてみても、川に宿場の殆どが沿っているのはこちら側とみれば、慎重に船着き場や船の様子を窺っています。
「上から見た限りでは、あの辺りの裏口と川は繋がっているようでしたけれど‥‥やはり、宿のようですね」
 川に面した茶屋へと入って人魂で作り出した羽虫をその宿へと向けて飛ばずと、きょろきょろと辺りの様子を窺い、店の舟や裏口を確認しているらしき男の姿を一瞬見かけて少し考える様子を見せる露草。
「向かい側にも、宿がありましたよね」
 思い出すように口の中で呟くと、露草は茶屋を後にするのでした。
「時期が時期ですからねぇ‥‥まぁ、この辺りは今のところ静かなもんでございますが。宿は、平時と変わらず繁盛しているみたいですがね」
「あら、そうなの?」
「ま、いざって時に舟は使えるのかってのが、気になるお客もいるようですがね」
 那蝣竪が旅の姿で宿の近くの蕎麦屋に入ってそれと無く話を振れば、宿に二日ほど滞在している客人がそんなことを宿の船頭さんに訊ねていたと答えるご亭主。
「しかしねぇ、あんた、あれなんですよあれ」
「何かあったのですか?」
「船頭の爺さんが、それを聞いてたお客が、なんかにこにこ愛想が良い癖に何考えてんのか分からねぇって気味悪がってましてね」
 若い女性は今は宿は余所にした方が良いかもしれないというご亭主は、気のせいなら良いのですがね、と言って。
「そうなのですか、気を付けますね」
 にこりと笑って例を言うと、那蝣竪は一同と合流するために席を立つのでした。
「‥‥へっ、離れたところに上がってるだろうたぁ思ったが‥‥」
 辺りの人の気配がないことを確認して、アルバルクは半ば沈みかけていた舟を手を伸ばし紐に枝をひっかけて手繰り寄せて。
「屋号、だったっけか? 二番目に襲われたとか言うところのだな。つまり宿の舟も利用してるってこった」
「舟のある宿なら足が用意されてるってこった、辺りにいくつか確かに廃墟はあるが‥‥」
 あまり近づき過ぎてもと付近を探っていた崔が言えば、肩を竦めるアルバルク。
「時間に余裕があるなら、廃墟の方も回れただろうだが‥‥ん?」
「っ!」
 言いかけた崔が咄嗟に茂みに飛び込めば、アルバルクも木の陰に身を潜めて。
「‥‥」
「‥‥」
 何やら見えるのは一艘の舟、見たところ舟自体は普通に行き来するもののようで、乗っている人間も複数。
 その舟が近くにやってくると、そこから運賃を払ってすぐ側の桟橋に降りる二人の男は、少し辺りを見渡すと、すと近くの木陰へ寄り荷から出してくる細々としたものを身につけ。
 息を殺して様子を伺えば、男達は何か気に掛かるのか辺りを何度も警戒するように見渡すと、やがて宿場の方へとゆっくりと歩き出して。
「‥‥客として宿場の宿に入る込む奴ら、ってこったろうな」
 あれが、と軽く顎でしゃくってみせるアルバルクに崔も頷いて。
「普通に宿場を探るだけなら旅支度で入る必要はないよな。ってことは‥‥」
 だろうな、とアルバルクが同意を示せば、二人は周囲を警戒しつつ、宿場へと向かうのでした。
「待ってたよー」
 露草が宿場の入り口付近にある茶屋から立ち上がって言えば、笑って歩み寄る舞華と柳斎、ちくりと人の視線を感じた気がするもそのまま先に入っていた、川の宿の向かい側の宿へ。
「‥‥向かいの宿からも窺われてたみてぇだな」
 ばらけて先に宿に入った御神村が窓の障子を僅かに空けた隙間から窺って言えば、合流したアルバルクは長谷部が広げた絵図面を覗き込んで、先程見た箇所を指し示して。
「この辺りなら舟で潜む場所はいくらでもあるようだが‥‥」
「この様子では月明かりなどはあろうが無かろうが関係ないといったところですね」
「しかし、恐らく最初の凶事は向かいの宿なのぁ間違いねぇとして、問題は、二件目が同時に襲われんのかどうかってのと、どっちを狙うかか‥‥」
 悩む様子を見せて絵図面を見る崔、露草は見てきた部分を思い起こして、絵図面に筆を入れます。
「船着き場はここと、こことここで‥‥」
「こちら側の船着き場は、舟を着けたら通りと、あと川に面した酒場に気付かれやすいわ。寝静まる頃合いを狙うとは思うけど‥‥」
「敢えて気付かれやすい所に舟は着けないだろうな」
 那蝣竪が言うのに舞華もう頷き、露草はちょいちょいと絵図面へと書き付けていきます。
「いろいろと調べるのにちょいと時間はかかっちまったが、宿に旅姿を装って入った奴らが居るってぇこたぁ、恐らく‥‥」
「今夜だろうな」
 御神村が言えば、柳斎は自身の刀に手を添え目を落として同意するのでした。

●血闇の風刃
「‥‥来る」
 ゆら、ゆらと波紋広がる静かな水面を見つめて、口の中で小さく呟く柳斎、露草と長谷部と共に息を潜めて居れば、舟が宿の船着き場へと着き。
 舟から下りる影が複数、裏口へと駆け寄り戸を小さく叩けば、すぅと開けられる裏木戸。
 と、先頭の男が入りかけたところで、中から凄い勢いで飛び出してきた影、それはどうやら男のようで。
「残念だったな」
 その後に戸口から出てくるのは御神村、裏口から飛び出したその影は、宿に泊まっていた、一味の男のようで、縛り上げられており。
「ちっ、どういうことだ!?」
 焦りを見せて漏らす男達、本来であれば内側から手引きする筈だった男が縛られて転がり出てきたことに動揺を隠せないようで。
 少しばかり前のこと、宿に既に入り込んでいる者達が、宿内が寝静まる真夜中に起き出し始めたのですが。
「それはさせないわよ」
 騒がれないよう口を塞ぐための粘土と短刀を持った男に深々と突き刺さるのは、那蝣竪の放った苦無。
「先に入り込んだ者で、寝静まった頃に口を塞いで‥‥外道め」
 他の部屋へと向かっていた男を忍刀の峰で叩き伏せると舞華は崩れ落ちる男へと怒りを込めた呟きを漏らし。
「おっと、怪しい者じゃねぇんで、ちょいと静かにして頂けやすかね?」
 曲者が崩れ落ちる音にはっと起きだしかけた宿の主人へ、しぃ、と口元に指を当てて言う御神村、手早く曲者達をくくって猿轡で大人しくさせると、ざっと現状を説明し明かりをつけずに主人の部屋へと客と共に集まっていて貰っていたのでした。
「逃げられると思って居るのですか?」
 宿の裏口、待ち構えられ、咄嗟に身を翻そうとする一人の男ですが、先に舟へと回り込んでいたのは長谷部。
「く、畜生っ! な、何っ!?」
 血路を開こうと刀を抜き踏み込みかけた男は、手に感じる痛みと共に自身の刀が泥濘に絡みつかれ錆を見せるのに目を見開いて。
 それは露草の術、驚愕する男を刀の峰で叩き伏せ押さえ込むと、長谷部は他の者へと目を向けて声を上げ。
「危ないっ!」
 ちらりと宿を見た一人の男がぐんと戸口に迫れば、繰り出される真空の刃をぎりぎりで躱して体勢を立て直して、身体ごとぶつかってくる男の刃を刀で逸らす御神村。
「へっ、これ以上好きにさせるかよ」
 何とかしのいで言う御神村、その男に不意に絡みつく黒い影。
「逃げられると思った?」
 男が見れば、那蝣竪の影が男を捕らえ、男はそのまま御神村に取り押さえられるのでした。
「逃がさぬ‥‥っ!」
 そして通りの方へと斬り抜けようとした男に対峙するは柳斎、その男を一刀のもとに叩き伏せるのでした。
 同じ頃、宿場の外側、船着き場が裏にある水茶屋、その側に身を潜めていたのは崔。
「他の所と同じく船着き場にそれなりに繁盛していて狙い所となると‥‥」
 言ってちらりと水茶屋に目を向けるも、微かに聞こえる水音に意識を向けて。
「二人‥‥か」
 分散してきているとはいえ、流石に無理に押し入る為か、一人はがっしりと大柄な男のよう。
 舟の上から様子を窺っていた男達は、微かに宿の方より聞こえた物音に合わせて舟から下りたようなのですが‥‥。
「っ!!」
 様子が可笑しいと見た一人が身を翻すと直ぐに舟へと戻ろうとし、今一人、体格の良い男は気が付かずに水茶屋へと駆け寄り。
「くっ、逃がすか‥‥っ」
 一人と見て刀を抜き様に向かってくる男に阻まれる飛び出した崔、身を翻した男は舟へと飛び乗って‥‥銃声と共にそのままふわりと、後ろ向きに宙に浮いて川へと落ち水柱をあげて。
 それは、付近の茂みに身を隠し、眈々と待っていたアルバルク。
「おのれえっ!!」
「当たるかよ」
 男の刀をするりとかいくぐると腹部への一撃で男は崩れ落ちて。
「あっちも片が付きそうだ」
 アルバルクはにやりと口元を僅かに持ち上げて笑うと、宿の方へと目を向けるのでした。

●鎮魂の思いと共に
「せめて、これで少しは浮かばれるでしょうか‥‥」
 小さく呟く穂澄、穂澄の肩に舞華がそっと手を置けば、墓所へと花を手向けてから頷いて、穂澄は顔を上げます。
「ありがとうございます。さ、おじ様に報告に参りませんと」
 言ってから立ち上がり、改めて一同へと向き直る穂澄。
 捕らえた男達から拠点を吐かせ、取り戻せるものは取り戻しその者達の処断も終えて、漸くに穂澄も少し気持ちを落ち着かせることも出来たようで。
「この度は手を貸して頂き、本当にありがとうございました」
 そう改めて穂澄は一同に礼を述べるのでした。