【四月】私を変えて
マスター名:鷹羽柊架
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: やや易
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2010/04/13 23:10



■オープニング本文

 とある学校の昼休み、一組の男女が空き部屋にいた。
 正確には男子制服を着ている女生徒だが。椅子に座っている規定通りに女子制服を着ている女生徒がぽろぽろ涙を零して泣いていた。
「うう‥‥悔しい‥‥」
「うん、うん。そうだな」
 そっと泣いている女生徒をもう一人が背中をさすって慰めている。
「地味なのもう嫌なの‥‥」
 この女生徒が泣いているのは、昨日の事だった。優しくしてもらった男の子に告白したら、実はプレイボーイなチャラい男子生徒。そいつが告白されたのを取り巻きが見かけてあっという間に広がったらしい。
 地味な外見なのに身の程知らずとも言われ、なけなしの勇気を踏みにじられて随分と傷ついた模様。
 普段から内向的な真面目タイプな文系な少女の外見では地味というカテゴリーに入ってしまうだろう。
 そのプレイボーイは中身は素直な優しい人物である事を麻貴は知っている。
「かえたい‥‥かぁ。急に根付かせるのは無理だけど、とりあえず、変わってみるか」
 そう言った男装の女生徒はポケットから携帯電話を取り出してボタンを打つ。
「え?」
 泣いている女生徒が顔を上げると、意地悪そうな不敵笑顔とぶつかった。
「こういう事に手を貸してくれそうな連中がいるんだ。ちょーっと、話振ってみる」
「‥‥麻貴って、風紀委員長なのに悪巧みするんだね」
「‥‥人助けが好きなだけだ」
 麻貴と呼ばれた風紀委員長は不機嫌そうに言った。

 送信者:羽柴麻貴
 件名:手助け求む
 内容:友達がろくでもない男子に振られて、取巻きに中傷された。(# ̄皿 ̄)
    友達に被害が出来るだけこない逆襲方法求む。
    後、友達の外見も変えたいから、その辺の協力も頼むな。
    お礼はドーナツあたりでどうよ?(−−)ノ◎

※このシナリオはエイプリルフールシナリオです。実際のWTRPGの世界観に一切関係はありません


■参加者一覧
滋藤 御門(ia0167
17歳・男・陰
劉 天藍(ia0293
20歳・男・陰
俳沢折々(ia0401
18歳・女・陰
天宮 蓮華(ia0992
20歳・女・巫
紫雲雅人(ia5150
32歳・男・シ
輝血(ia5431
18歳・女・シ
趙 彩虹(ia8292
21歳・女・泰
オドゥノール(ib0479
15歳・女・騎


■リプレイ本文

●禁句
 羽柴麻貴に徴集された学生達は風紀委員会室へ集まっていた。
「あっさきー、ドーナッツー♪」
「先にやる事やってからだぞ」
 趙 彩虹(ia8292)ここでは彩が自分の希望を口に出すので、麻貴が先に釘をさして、マイタンブラーに注いであるプーアル茶を一口飲む。そのタンブラーに気づいたオドゥノール(ib0479)こと、西青星湖がじっと見つめる。緑から青のグラデーションの和紙にビーズやレースを張ったものを見て星湖はがっかりしている。女子力ないと言ってたのにと思いながら。
「でも、これからやれば大丈夫だと思うんだ‥‥」
 おずおずと言うのは劉天藍(ia0293)だ。今回の騒ぎを知っており、何とかしたいと思ってメールに応じたが、新聞部部長紫雲雅人(ia5150)の見解は隠れ俺様な麻貴を恐れての事と考えている。
「また、羽柴さんのおせっかいですか?」
 溜息をついた雅人が腕を組んで麻貴を見る。何度か麻貴とこういう事をしている事があるのか、不良生徒からは麻貴の懐刀なんて呼ばれたりして何故か怖れられてたりする。
「お姉様の友達は私の友達です。本当に許せませんわ」
 滋藤御門(ia0167)‥‥ここでは美香子が意気込む。
「ま、外見をある程度変えれば気持ちも強くなれるんじゃない?」
 沙穂の様子に少々苛ついているのか、呆れた様子の輝血(ia5431)こと、輝が溜息をついた。
「輝の言うとおり、気持ちだよね」
 にこっと微笑むのは天宮蓮華(ia0992)だ。
「でも、ちょっと面白いよね♪」
 わくわくした様子なのは俳沢折々(ia0401)だ。いつも眠そうな顔をしているというのに生き生きとして目が輝いている。皆がきょとんとして折々を見つめる。
「だって、恋愛絡みの相談が麻貴ちゃんに来たんだよ! だって、麻貴ちゃんはどうなの!」
 意気込む折々はずいずい麻貴の方に向かうと、麻貴の柳眉がぴくりと動く。
「‥‥は! いや、麻貴ちゃんがモテないとか、女子高生には見えないとか、そういうんじゃないよ!まじでまじでっ」
 麻貴の方に歩いていた筈の折々がぴたりと止まり、後退りとかしているが、距離は縮まっている。
「そんな顔で怖い顔したって駄目なんだから‥‥ぎゃーーーっ」
 折々の身体を麻貴が抱きしめ、そのまま、折々の脇腹を擽る。
「モテない事はないですのよ」
 御門が言えば、全員がそっちを向く。
「バレンタインはチョコレートを女生徒から頂いてますし、この間もラブレターとかも頂いてますのよ」
「それは、ちょっと違うかなー」
 蓮華が苦笑いで言うと、麻貴はクリティカルヒットを喰らって瀕死だ。事実なだけに。
「麻貴が学校で女の子らしくないのって、学校で女らしくしたって意味がない事じゃないかな」
 ポツリと呟く沙穂に麻貴は殺気溢れるオーラを振りまいて睨みつけた。

●地味いこーる?
 まず星湖が提案したのは沙穂の身体を絞る事。 制服を脱がしてみれば、胸がよく出て、腰も程よく縊れている。主に星湖は自分の胸と沙穂の胸を見比べている。
「舞台に出る時は体力が必要だから、ロードワークとかして鍛えてるの」
 星湖が尋ねると、沙穂が頷く。思わず、腹筋を触ると、中々に硬い。
「今日はお休み?」
 格技場へ行けば、がらーんとしている。
「‥‥そう」
 万年弱小運動部の女子剣道部にとって部員が少ないのは日々常に悩みの種だ。
「でも、きちんと手入れしてるね。ぜんぜん匂いがない」
「手入れは大事だから」
 剣道の打ち込みにおける基本動作を沙穂に教える。フル装備の為、動きにくいが、あっさり覚えた。
「それじゃ、おもっきりぶつけてこーい!」
「えーい!」
 リズミカルに沙穂が打ち込み用人形に思いっきり竹刀をぶつける。

 さて、その間に天藍と折々は演劇部に行って、折々が演劇部に話を振った。
 演劇部でも沙穂の事は心配しているようだった。
「確かにあれは酷かったよね」
「あそこまで言う事ないじゃん?」
 部員達が腹を立てている事を口々に言う。
「でも、僕は常盤君が悪い人とは思えないんだ。で、沙穂さんをお姫様役の所を見てもらって考えを改めてほしいなって‥‥」
 天藍が言えば、部員達は頷きかけて悩む。
「何か、問題あるの?」
 様子を見て、折々が言えば、演劇部部長である檜崎が折々を向く。
「姫役が居る話って沢山あるだろ? 既存の話か?創作か?」
「あ」
 確かに、姫役がいる題材は沢山ある。そこまでは決めていなかった。
「ある事はあるぞ」
 助け舟を出してきたのは麻貴だった。ポケットから出したのはスティックタイプの記録媒体。
「今回の中傷をネタにした。輝達のプランを聞いたら、現代劇がいいだろう」
「さっすが麻貴ちゃん! 亀の甲より年の功‥‥わー! 怒っちゃ駄目だよ!」
 折々、本日二度目の擽りの計。(合掌)

 丁度いいネタが出来たとばかりに雅人が校内の男子へどんな女の子が好みかのアンケートを実施している。勿論、作戦の一つではあるが、次号の更新のネタにもしておく。
「え、新聞部が取材?」
 潤が言えば、雅人がにこにこ頷き、取材に入る。一緒にいるのは天藍だ。
「学校一のイケメンという事で知りたい方も多いと思いますからね」
 その向こうでは取り巻き達が新聞部員達に自分達も取材しろとごねているが、雅人はあえて無視。
「そうだなぁ。あまり化粧っ気ない子がいいな。顔は可愛い方がいいけど、優しい子が好きかな‥‥」
 いきなりと言われ、困った表情を見せる潤だが、潤の好みに合う姿を取り巻き達はしていなかった。雅人がそれとなくメールを打ち込み、送信する。
「それと、女の子を傷つける男の子ってどう思いますか?」
 天藍が質問をすると、潤は目を見開いて驚くが、直ぐに目を伏せる。
「許せない事だよ」
 きっぱり言ったが、自分が沙穂を傷つけた事を何とも思っていないのだろうか、雅人と天藍が目を合わせる。
「あら、新聞部さんお仕事中でしたの?」
「やーほー。おつかれさーん♪」
 美香と彩が現れると、校内屈指の美少女達の登場に潤が目を見張る。
「あ、潤君だ。何、取材してるの?」
 彩が首を傾げると、潤が頷いて返事をする。
「お噂通り、流石と言うべきでしょうね」
 お近づきの印にと、美香がメープルマフィンを潤に手渡す。勿論、美香の手製だ。
「どんな事話してたの?」
「常盤君の好みのタイプですよ」
 雅人が言えば、彩がじっと潤を見つめる。
「えー、そんな事書いたらまたファンが増えるんじゃない?潤君、イケメンだしー」
「本命はいらっしゃるの?」
 美香や彩に見つめられ、潤が取り巻きの方をチラッと見て、困ったように俯く。だが、取り巻き達は学園でも有名な美少女や新聞部長がいては手も足も出ない模様。
 そんな煮えきれない潤の姿に美香が一瞬冷たい目で見て潤の耳に囁いた。
「沙穂さん、本当に可哀想でしたのよ。貴方に振られてから彼女等に酷い事を言われたらしいのですよ」
 驚いたように潤が目を見開いた。どうやら初耳らしい。
「どういう事?」
 動揺したように潤が言えば、美香は更に取り巻き達をどう思っているのか尋ねたが、それは困った表情しか返ってこなかった。
「悪い子達とは思いたくなかった‥‥」
 潤の言葉に彩がそっと溜息をついた。
「あの、これから、演劇部の練習見に行きませんか? 面白い物が見れると思うんですが」
 天藍が取り巻き達にも声をかけた。雅人の携帯メールには輝からのメールが入っていた。


 少し時間は戻って、運動を終え、シャワーを浴びた沙穂が甘味同好会部室にいた。こちらも今日は部員達が外に食べに行き、誰もいない。
 待っていたのは蓮華と輝だった。
「ふふ、君を変身させたいって前から思ってたんだ」
 楽しそうに笑う蓮華に沙穂がきょとんとしている。
「とりあえず、髪を切るのは宜しく」
 輝が言ったのは、去年卒業した美容学校に通うOGだ。沙穂も知った顔であり、演劇部のOGだ。檜崎が気を利かせて呼んだらしい。
「沙穂、話は聞いたわ。任せて」
 そう言って髪を切った方がいいと輝と蓮華が言えば、沙穂はあっさりと承諾した。髪にシャギーを入れると、それだけでも洗練された雰囲気になった。OGは用事があると言って、メイクは蓮華達に任せて退場した。
「ん? 男子にメイクされるのって変?」
 首を振る沙穂に蓮華が微笑む。
「じゃ、行くよ」
 輝がふき取りタイプのクレンジングで顔の皮脂を拭い、化粧水で肌を整えてからベースメイクを始める。
「手早いね」
「ん、まぁね」
 感心している沙穂に輝は淡々と答える。スタイリストを目指す輝にとって、今回はいい実験台‥‥もとい、経験だ。
 ベースが終わったら次はカラーだ。眼鏡を外した沙穂は美少女の部類に入る。今までは眼鏡が邪魔をしてその良さがわからなかったのだ。
 二人は沙穂の良さを考慮しつつ、メイクを続けている傍らでじっと星湖が見つめている。自分にはあまり縁がない事なので、今後の勉強にと見ている。
「堂々と見ればいいのに」
「‥‥いや、そのっ‥‥羽柴先生、女子力を上げたいんです‥‥」
 慌てて否定する星湖であったが、麻貴に見つめられて、素直に白状した。
 沙穂の変身が終えると、姿見で見た沙穂は美少女というに相応しいナチュラルメイクを施されていた。舞台に上がるという事で、少々アイラインを強めにした。
「どちら様?」
 真顔で言う沙穂に輝が自分だと言う。今は眼鏡をかけてなく、コンタクトをつけている。
「自分を変えるには自信を持つ事。あんな連中にちょっと言われたくらいでヘコたれるんじゃないよ」
 厳しい激励を輝が言えば、緊張した面持ちで沙穂が輝を見つめる。
「沙穂、凄く可愛いよ。自身を持って舞台に上がって」
 蓮華が言うと、こくんと沙穂が頷いた。
「星湖が変身したいって。数で勝負だから手早く宜しく」
「え、えええ!」
 麻貴が言えば、蓮華と輝は二つ返事で星湖をずるずると部室へと引きずった。

●本当の舞台
 沙穂が連れて行かれたのは体育館だ。体育館では室内スポーツ部が練習に使っており、ステージの上でも練習に使われる事が多く、演劇部が使えるのは週に二回ほど。
「今日のエチュード」
 そう言われて渡されたのは、好きな人に振られた泣き虫の女の子が八人の魔法使いと出会い、自信を手に入れるというストーリーだ。
 特に大きな道具はなく、動きで観客の心を掴もうとするものだ。ラストが書いてないのはエチュードならではであり、どんな顛末になるかはメンバー次第。
 そろそろ、潤達が体育館に着く頃だし、周囲も沙穂の姿に気づき、誰なのかとざわついている。騒ぎが起きない内に始めるべきだ。

 彩が先導して体育館につけば、エチュードが始まっていた。
「えええっ、いや、あんた達誰!」
「通りすがりの魔法使い八人組です」
「親しみを込めて、通りまほーと呼んでください」
「略すればいいってもんじゃないから!」
 台本がないというのにテンポよく演劇部員達が台詞を繋いでいく。一人が客席にわざと背を向けている。どんな姿なのかをわざと見せず、観客に想像して貰う為。
「何で背中向けてるの?」
「誰、アイツ」
 取り巻き達がぶつぶつ言っているが、自然に言葉が少なくなっていく。背を向けている役者が気にってしょうがないようだ。そんな様子に気づいた彩がにんまりと笑う。
 星湖の化粧も終わり、蓮華や輝も体育館へと姿を現した。天藍が姿を見つけてそっと状況を説明した。
 ストーリーが進み、女の子に最後の自信をつけて貰う。
「さぁ、私達にその自信を見せて!」
 リーダーらしき魔法使い役が言えば、魔法使い達がばたばたと観客側の方へと立ち位置を変える。その向こうにいるのは潤だ。魔法使いが潤にもう一度告白しろといわんばかりに道を作っているのだ。
 ようやっと振り向いた女の子はその場にいた全員の視線を一身に受けていたが、目の前にいるのは潤とその取り巻き。
「何よあの女っ」
 女の子‥‥沙穂の芝居が壊れかけようとした時、飛び出したのは天藍だ。いつもかけている眼鏡を外し、気弱な様子はない。
「恋に怯えてちゃ駄目だ。君は戦える女の子になったんだから」
 声も朗々としたものであり、沙穂の芝居を立て直した。ゆっくりと沙穂が潤に近づくと、取り巻き達がなにやら吼えている。
「騒がしい外野ね、厚塗りした肌も野太い睫もまるでピエロのようね。何処に目があるのかわからないわ。もっと素顔で勝負したら?」
 にっこりと沙穂が微笑んで言えば、ヒュッウと、折々が口笛を吹く。沙穂が瞬けば、少しロング効果のあるマスカラをつけた長い睫が揺れて、照明の陰影で影が出てきている。
「もう一度、私にチャンスをくれる?」
 黙った取り巻きを無視し、沙穂が潤に向き直る。潤が口を開こうとした時、黒い影が二人を挟んだ。
「可愛いくなったね」
 優しく沙穂に言うのは蓮華だ。
「あんなフラフラした男より、僕にしなよ」
 じっと蓮華が沙穂を見つめて言う。
「待てよ! いきなり何言ってるんだ! こいつの事何もわかってねーのに!」
 声を荒げる潤に蓮華がにっと笑う。
「だって、よかったね」
 彩がひょっこりと沙穂に言えば、可愛らしい微笑で頷いた。
「沙穂ちゃん、俺と付き合ってくれ」
「‥‥はい」
 芝居が終わったのか、沙穂は呆然と呟くように頷くと、練習中の他の部の面子から盛大な拍手が沸き起こった。
「潤、どういう事!沙穂って‥‥」
 取り巻き達が言えば、立ちはだかるのは御門だ。
「彼は貴女達の所有物なんかではありませんのよ。それに、貴女達のした事でどれだけ迷惑した事か」
 掛け値なしの美少女に言われ、取り巻きはたじろぐが、やはり数でなら負けないと思ったのか、否定をする。
「雅人」
 麻貴が声をかけると、雅人の口から紡がれるのは彼女が潤を想う女生徒達にしてきた事。やはり埃はわんさかと出てきた。
「彼の為なんて言わせませんわよ。他人を中傷する前に自分の姿を鏡で御覧なさい」
 厳しく美香が言えば、楽しそうに彩がひょっこり前に出る。
「ふふー。沙穂はねー、剣道部で潤君好みの美少女になったんだよー」
「剣道部‥‥?」
「でも、剣道部じゃ追いつくだけだよね。良かったらスペシャルメニューを組むけど?」
 星湖も一緒になって後押しをするが、女子空手部員達に早々に連れ去られてしまった。
「後が楽しみだね」
 にんまりと彩と星湖が笑い合う。その横では輝が何か拗ねたような表情をしていた。内向的な沙穂ではあるが、その優しい所は自分にはないものだ。それが羨ましいが、口に出すのが嫌な模様。
「あー、もう! 麻貴、ドーナッツーー!」
 厳しい口調ではあったが、輝の激励は優しさとわかっている麻貴は微笑んで頷く。
「さー、食べに行こうか! 今日は100円セールだからな!」
「わーい! 新商品が食べたいなー♪」
 喜んで彩が麻貴の腕を取り、早く行こうと急かす。
 沢山のドーナツにコーヒーやお茶、ジュースを掲げて結ばれた一つの恋に乾杯。