【四月】幸運招隊出動!
マスター名:日村凍矢
シナリオ形態: ショート
危険
難易度: やや易
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2010/04/19 20:31



■オープニング本文

 各地の特産品を多く揃えた商業都市、陽天にある商店『ほうらい』。
 かつては小さな商店だったが、『招きもふらさま』で大儲けし、もふら関連グッズ商店として大儲け。
 目玉商品は、大きな男のお友達をターゲットにしたメイド服姿の『擬人化冥土もふら』とイケメン好きお姉さんをターゲットにした執事服姿の『擬人化執事もふら』。小さなお友達には『からくり武者もふら』がオススメです♪
 冥土もふら、執事もふらには秘密がある。
 昼間はフィギュアだが、夜になると人間に姿を変えて陽天の平和を守る戦士『幸運招隊もふらんジャー』になるのだ! からくり武者もふらは巨大化するぞ!

 ある日の夜、陽天付近にアヤカシが出現した。
「あかん! このままやと『ほうらい』が壊されてまう!」
 店主であり、もふらんジャー達の生みの親である常盤 舞夢(iz0118)は冥土、執事達に出動要請。
「もふらんジャー出動! 『ほうらい』を守るんや!」
 人間となったもふらんジャー達は「了解!」とビシッ! と敬礼して出動。
「あ、からくり武者もふらは調整中やから出動不可や。今回のアヤカシは、あんたらだけで十分や。うちはあんま気乗りせぇへんのやけどなぁ‥‥」
 舞夢が気乗りしないアヤカシが気になるところだが、もふらんジャー、『ほうらい』崩壊の危機、もとい、陽天の平和を守るんだ!


※このシナリオはエイプリルフールシナリオです。実際のWTRPGの世界観に一切関係はありません。


■参加者一覧
樹邑 鴻(ia0483
21歳・男・泰
向井・智(ia1140
16歳・女・サ
ルオウ(ia2445
14歳・男・サ
斉藤晃(ia3071
40歳・男・サ
金津(ia5115
17歳・男・陰
アーニャ・ベルマン(ia5465
22歳・女・弓
フレイ(ia6688
24歳・女・サ
今川誠親(ib1091
23歳・男・弓


■リプレイ本文

●やる気注入!
 幸運招隊もふらんジャーは夜間限定活動の陽天のご当地ヒーロー‥‥というが、メイドと執事の寄せ集め集団である。可愛いメイドさんからイケメン執事までより取り見取りが良いところ♪
 陽天に出現したアヤカシはエセもふら1体だが、もふらんジャー達は倒す気マンマンだ。
 特に燃えているのは、フリルエプロンにメイドカチューシャという正統派メイド姿の斉藤晃(ia3071)。股間に天狗の仮面を付け、腕組みして筋肉を滾らせているその姿は冥土もふらの中で一際目立っている。
「くくっ、任せて安心メイドサムライ! この俺様がばっさりご奉仕してやろうっ!」
 豪快に笑いつつ、生みの親であり大のもふらスキーな若き司令官の常盤 舞夢(iz0118)は乗り気ではない。
「闘魂注入〜! もふら愛を忘れとる! このとぁ〜わぁけぇ〜が! これでやる気出たやろ」
「な、殴ることないやろっ!」
 女を殴るなんて最低や! 等、ぎゃあぎゃあ騒ぐところを見るとやる気注入が効いたようだ。
「ふははっ、この俺様が無理矢理出てきたからには緩いことは許さねぇ! 熱くなれよ! 熱くっ!」
 全員、さっさと出動や! とやけっぱちに叫ぶ舞夢。
「かしこまりました、司令官様」
 ご主人様、お嬢様に仕えるメイド、執事の集団だけあって挨拶はとても礼儀正しい。

●もふらんジャー参上!
「俺はサムライの‥‥もとい! もふらんジャーのもふレッドだ! 天儀の平和は俺が守るっ!」
 俺は執事な、し・つ・じ! 間違っても冥土なんかやんないからなっ!? と赤面しながら必死に訂正するルオウ(ia2445)。
(照れているのが可愛い〜。でも、これはこれでアリですよね? ふふふ‥‥)
 面と向って言うと怒られそうなので心の中で呟くのは、冥土もふらのもふブルー、アーニャ・ベルマン(ia5465)。
「ほうらいの平和と陽天の平和を守るため、愛と勇気と希望の戦士、もふブルー参上っ!」
「はーい、冥土もふらのフレイ・ベルマンよ♪ よろしくね♪ しかして! その実態は天儀を守るもふピンクっ!」
 アーニャは弓をびしっと構え、姉のフレイ(ia6688)は「こういうノリ、いいわねー♪」と姉妹仲良くメイド服で参上。美人姉妹メイドに何事? と夜とはいえ、秋葉原と化した陽天には冥土喫茶やからくり店に通い詰めるオタク達が頑張れー! と声援を。
 人魂をリスのアントニー君に変え、招きもふらさま宣伝時に引き続きもふホワイトで参戦の金津(ia5115)はロングスカートの冥土もふらに。
「宣伝でのもふらんジャーに続いて頑張りますよっ。行くよ、アントニー君。お金の使者もふホワイトっ、ただいま参上です! あ、生足を拝みたい人は、見たかったらお金出せですっ」
 可愛いメイド姿に見とれたオタクをすかさず発見するなり、愛らしい笑顔でお金要求。元気いっぱい夢少々の拝金男の娘、理想は逆玉、今日も元気に金稼ぎな彼らしい。

『幸運招隊もふらんジャー、ただいま参上っ!』

 その場にいる全員が(アーニャとフレイは二度目の)ポーズをビシッ! と決めるとバックが派手に爆発、炎上。これは戦隊モノのお約束なので「火事になるぞ!」「爆破事件じゃん!」という突っ込みは却下っ! 何でもアリだからいいのだ!
「いくぜぃ、みんな!!」
 赤はリーダーというのが王道、というかお約束なのでルオウはリーダーとして陽天めざしてまっしぐら! なアヤカシ、エセもふらに挑んだ。
「さあ、敵はどいつだ?」
 エセもふらを詳しく確認せずに『隼人』で先陣切って特攻しようとしたが
「な‥‥も、もふら!? 強いのかこいつ!?」
 アヤカシを見て派手に驚く。これは戦隊もののお約束、ということで‥‥。お約束でない、という突っ込みはご遠慮願いたい。四月だから何でもアリなのだ。
 呆然となり隙だらけになったルオウは、避ける間もなくエセもふらの突撃をモロにくらった。
「な‥‥! ち、畜生‥‥!」
 潰されながら意識が遠のいていく。
(このまま死んだら、俺はもふらに倒された情けないヒーローってことに‥‥。って、そうなってたまるかぁああああああああ!!)
 もふらに倒されてたまるか! と根性で立ち上がり再び特攻、かと思いきや
「エセもふら撃退! それが我が戦隊の使命っ!」
 執事もふらのもふゴールド、今川誠親(ib1091)に先を越されていた。ゴールドということもあり、決め台詞を放つと同時に単身突撃して目立っている。
『鷲の目』を使用して距離を保ちながらアーバレストでエセもふらに狙いを定めるが、慎重さが仇となり突撃の標的に。
「私はゴールド! 故に無敵‥‥うぉぉぉ!」
 アーバレストは高い攻撃力を誇るが、大型なため体力を要するため誠親の動きは自然に鈍る。
「アーバレストの一矢、くらえぇ!」
 エセもふらに命中! かと思いきや‥‥足元を掠っただけだった。攻撃されたことに腹を立てたエセもふらは怒りパワーを込めて突進!
「うわぁーっ!」
 もふゴールド、突撃で光り輝く夜空のお星様に。
「恐ろしい奴だぜ! 皆、油断するなよ!!」
 お星様になった誠親を見つめながら改めて決意を燃やし、『強力』でエセもふらを力づくで持ち上げて投げ飛ばすルオウ。

●ご奉仕タイム?
 濃紺執事姿の樹邑 鴻(ia0483)は今日も今日とて、アヤカシ退治。
 相方の向井・智(ia1140)が斧を持ち、メイド服姿で気合いを入れているので、鴻自身頑張らざるを得ない。
「陽天の平和はもふらんジャーが必ず守って見せます‥‥! 私達の活躍、見ていてくださいね、ご主人!」
 ご主人も大切ですが、鴻はもっと大切ですから、と心の中で付け加え。最近、影が薄いと言われている智としてはここらで活躍を見せたいところ。
「そんなわけで、今回もすっごい、気合を入れていきますよー! 鴻、見ててくださいね!あ、ご主人も草葉の陰から見守っていてください!」
「なぁ、智。草葉の陰だと死んじゃってるぞ、主人」
 深く考えないでください、とかるーく突っ込む智に斧メイドとは何かについてあつ〜く語る晃。その間、何か不穏な気配を感じ鴻の背筋が凍り悪寒が。
「最大の敵は味方の中にいる、とかそういう展開か!?」
 それは見事に的中。
「智、冥途さんと斧はロマンや! ご主人様には奉仕せなんあかん。しやすいところ、樹邑にご奉仕をするんや」
「はいっ! 武器はやっぱり斧、メイドで重量級武器は浪漫です」
 不思議な筋肉漲らせダンスを踊り、智と一緒に鴻へどっきどきなご奉仕タイム。
「ふははっ! 鴻は喜びの余り声もでないようだぞ、智よ!」
「俺を弄くるなぁー!」
 あ、そろそろ出番みたいです、と出撃タイミングを窺がった智は大斧「塵風」を担いで登場。直ぐに助けに行く方針な小心者メイド、出動です。
「鴻、タイミングを見計らって活躍‥‥活躍するのですよ‥‥!」
「よっしゃ、わしらもいくで!」
「わかった‥‥って、割り込むなぁー!」
 お助けマンな三人は、満月の光をバックにカッコ良く登場。
「くくくっ、ピンチのようだなもふらんじゃーの諸君! メイドの奉仕心は股間にあり!」
 股間の天狗を滾らせてエセもふらに『鬼切』を仕掛ける熱血筋肉メイドさんな晃。
「もふらんジャーアックス、ただいま参上です! え? 色じゃない? まぁ細かいことは良いんですよっ!」
「アヤカシに名乗る名は無い‥‥もとい、もふらんジャースピア、ただ今推参! これも色じゃないが気にするな」
 アックスの智、スピアの鴻が並んで登場。
 晃からアヤカシが鴻を狙っているとの噂アリと聞き、絶対にやらせないと前進。
「鴻に手を出したくば、まず私を倒し‥‥うわぁ!」
「智ー! タイミングを見るって話はどうしたぁー!?」
 それ、すっかり忘れられているようです。
 気を取り直した二人は智が盾となり攻撃を受け止め、鴻が矛となり俊敏の高さを活かして回り込みエセもふらを追い詰めるスタイルで攻撃を仕掛けた。
「それにしても、こんだけ小さい相手に寄ってたかっての攻撃は気が進まないな‥‥とか思ってると、不意打ちで巨大化するとかいうオチじゃないだろうな?」
「その時はその時。メイドたるもの盾根性ぉーっ!!」
「いくぞ! 必殺『ハイパワーガチンコ裏返しファイヤー』!」
 説明しよう! スピアの必殺技は『荒鷹陣』と『破軍」七回、『空気撃』を繰り出し荒ぶるポーズで無駄に威嚇した後、槍を構えてフルパワーで足払いすることで相手を盛大にすっ転ばせる技である!
「決まったぁ!」
 思惑通りと喜んだが、エセもふらは愛らしいもふらとは思えぬほどこわーい形相で立ち上がった。

●幸運招隊総攻撃?
「くらうですよっ! 必殺のホワイトカッター乱れうち!!」
 行動力の多さを生かし。エセもふらの足を鈍らせるため『斬撃符』で足を狙い撃ちする金津をオタク達が応援。彼らは、金津が男の子であることにまったく気づいていない。知ったらどういう反応を示すか見ものである。
「前衛さんが多いですので、邪魔にならない範囲で連打ですっ」
 連打しすぎで練力が切れそうになったら『瘴気回収』で回復。もふホワイト曰く、天儀に優しい練力リサイクルですっ‥‥だとか。
 金津の回復中はアーニャとフレイはエセもふらの相手を。
 アヤカシとはいえ、愛らしいもふらの姿をしているエセもふらは『あいらぶもふら』なもふブルーのアーニャとしては手出ししにくい存在である。
「平和を守るためには、心を鬼にしなければなりません!!」
 ぐっと拳を握り、もふらそっくりのアヤカシ退治を自己暗示で切り抜けたことを思い出した。
(アレはもふらじゃない、もふらの姿をした悪者なんです。可愛い姿で騙しているのですってば! あの時と同じです、あの時と‥‥)
「さあ! 来なさい!!」
 エセもふらの前に立ちふさがり『咆哮』でおびき寄せるフレイ。
「お姉、もふもふしたいだけじゃないの?」
「え? そ、そんなことないわよっ? ええ‥‥ほら、ちゃんとアーニャの仕掛けた罠にもふらが嵌まるように場所を考えて使うわけだし‥‥」
 ちょっと残念そうだが、妹が見ている前でみっともないところは見せられない。
「‥‥仕方ないわね。悪いもふらは、満月に代わっておしおきよっ♪」
 可愛くポーズを決めつつ、フレイは決意を込めグレートソードを構えて啖呵をきってエセもふらに向かう。
「お姉ー、突撃ー!! これが終わったら、一緒に執事喫茶でお茶しようねー!」
 イケメン執事を妄想しつつ『くわっ!』と自然に気合が入るアーニャがフレイをサポートするべく援護射撃。それが功を奏したのか、動きは鈍いものの直線的な動きで突進したエセもふらはアーニャが仕掛けた木の間に張られたロープにひっかかった。『罠伏り』の効果もあり大成功。
 派手に転倒し、ひっくり返った亀の如く両足をじたばたしているエセもふらを一斉攻撃! 人、これを『友情で連携攻撃』と言う(本当か?)。
「もふレッド、三段なます斬りー!!」
 珠刀「阿見」を上段に構え、ルオウは一気に振り下ろした。
「タコ殴りですっ! これはもふらじゃないんですっ!」 
 自己暗示をかけながらタコ殴りするアーニャ。
「ホワイトカッターでとどめですっ」
 もふホワイトのホワイトカッター乱れ撃ちでエセもふらは倒れた。

●戦い終わって‥‥
「エセもふら、あなたの敗因はただひとつ。予想外に強い人が集まりすぎちゃったもふレンジャーを敵に回したことだけです」
 やったねっ、と冥土もふらに混ざってアントニー君と遊ぶ金津を見て喜ぶオタク達。彼らはまだ金津が男の子だと気づいていないようだ。
「さってとー、もふらんジャー達はアヤカシを倒したかいな」
 巨大からくり武者もふらのメンテナンスが終わったので調整を兼ねて様子を見に来た舞夢だったが、自分の出番が無いとわかりもふらんジャー達に気づかれることなく立ち去ろうとしたが晃に見つかった。
「くくくっ、ご主人! こうしてもふらんジャーの活躍により世界は救われたのであーる。冥土もふら達も執事もふら達も大喜びやったで!」
「さ、さよか‥‥」
 筋肉滾らせながら報告せんでもええやん、と苦笑する舞夢はそれを聞くと帰っていった。
「我らは無敵! 筋肉はかぁーつ!」
 がはは! と筋肉メイドな晃は陽天に響き渡りそうなほど豪快に笑う。 
 智は拳を握り締めながら鴻の元へ。
「ど、どうですか、鴻! 私、輝いていたですか!?」 
「ああ、輝いてた。すごく輝いてたぞ」
 おでこもな、とは言わないのが鴻の優しいところ。心の中で呟き、遠慮なくもふりながら労った。お熱いですね、お二人さん。
「や‥‥やりました!」
 いつの間にか戦闘でボロボロになった服を新しいものに着替え、もふらんジャー達の中に混ざり感涙している誠親。ご苦労様でした。
「やったね、アーニャ。さあ、執事もふらに会いにいくわよー」
「お姉、その前に‥‥」
 うふふ、と悪戯な笑みを浮かべながらアーニャはルオウに気づかれないようあることを。
「俺の背中に何かついているのか?」
「ゴミがついていたから取ってあげただけ」
 上手く誤魔化せので、そそくさとフレイと執事喫茶に向かった。
 ルオウの背中には、アーニャが貼り付けた『もふレッドお持ち帰りの交渉は舞夢司令官までどうぞ』と書かれた張り紙が。
 エセもふらを倒した達成感に浸っているご本人はまったく気づいていないのが不幸中の幸い。
「最後に全員でもう一度決めポーズだ!」
 ルオウの合図で、全員でポーズをビシッ! と決め、勝利を分かち合うことに。
『幸運招隊もふらんジャー! アヤカシ撃退成功!』

 こうして、今夜も陽天の平和は守られた。
 頑張れ幸運招隊もふらんジャー、きみ達の活躍は忘れない! 一部のオタク達が‥‥だけど。