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■オープニング本文 石鏡の商業都市、陽天にある商店『ほうらい』。 かつては閉店の危機にあったが、店主の常盤 舞夢(iz0118)が売り出した『招きもふらさま』のおかげでそれは免れた。 色とりどりの招きもふらさまは開拓者達の宣伝もあり、売り上げは予想以上に。 料理好きな開拓者が考案した『もふら饅頭』も大好評。 端午の節句に向けて売り出した五月人形ならぬ『五月もふらさま人形』もそこそこ売れ、舞夢は大喜び。 大のもふら好きである舞夢は、もっともふら関連商品を作り出して売ろうと決心したのは良いのだが‥‥アイデアが浮かばない。 「七月は七夕もふらさま、ちゅうのは決まったんやけど‥‥他は何すればええねん? あー! わからへん! もっかい協力してもらおかな‥‥」 思い立ったが吉日、と、舞夢は張り紙を大急ぎで作成。多くの開拓者の目に留まるかも、と開拓者ギルドに向かい「張らせてぇな♪」と営業スマイルをして職員に可愛くお願い。 営業スマイルが功を奏し(たというわけでもないが)、張り紙をギルドの掲示板にペタリ。 ●張り紙の内容 まいど! ほうらい店主の常盤 舞夢や。 うちと一緒に、ほうらいで売り出す『もふらさま関連商品』を考えてみぃひん? 食べ物でもええし、玩具でも衣装でもええよ。おもろそうなもんは商品化する‥‥かもしれへんで? ほうらいで待っとるでー。 |
■参加者一覧 / 小野 咬竜(ia0038) / 紗耶香・ソーヴィニオン(ia0454) / 秋霜夜(ia0979) / 紫焔 遊羽(ia1017) / 倉城 紬(ia5229) / ペケ(ia5365) / スワンレイク(ia5416) / 設楽 万理(ia5443) / アーニャ・ベルマン(ia5465) / アルネイス(ia6104) / からす(ia6525) / 和奏(ia8807) / 霧咲 水奏(ia9145) / シャルル・エヴァンス(ib0102) / 不破 颯(ib0495) / 琉宇(ib1119) / 佐屋上ミサ子(ib1934) / 雨幻(ib2598) / salvare(ib2615) / ヨシュア(ib2624) / 九条(ib2625) / 慶嘉(ib2641) |
■リプレイ本文 ●提案会開催 開拓者ギルドの張り紙を見て、常盤 舞夢(iz0118)が待つ『ほうらい』に開拓者達が集まった。 「ほうらい‥‥? 初めてなのに、何だか来たことあるような気がします。夢でも見たのでしょうか」 店先で足を止め、アーニャ・ベルマン(ia5465)は首をかしげた。 「あんた、商品提案会に来たん?」 は、はい‥‥と舞夢を見てはっとなるアーニャ。 「常盤さん、初めまして。倉城といいます、今回はよろしくお願いしますね♪」 会釈して礼儀正しく挨拶する倉城 紬(ia5229)。 恋人の紫焔 遊羽(ia1017)と仲睦まじくやって来た小野 咬竜(ia0038)は「おっし、一丁やってみるかのう」と乗り気だ。 「久方ぶりの夫婦の時間や‥‥、咬竜とゆっくり喋りつつ、楽しみつつ、色んなもふらさま商品の案を出していきたいな」 「そうだのぅ」 存在自体が癒し系のもふらさまの関連商品でほうらいも客も笑顔になるのは素敵、と秋霜夜(ia0979)は意気込んでいる。 「ええことゆうやん、そのとおりや。あんたも協力してな」 こっちや、と舞夢に案内され、開拓者達は店内へ。 「麦茶をどうぞ」 提案会開始前、からす(ia6525)は皆に麦茶を振舞った。 「その水筒、もふらの絵が描いてあるな」 ええなぁ、と羨ましそうに見る舞夢に「気づいたのか」とそれを見せた。 「もふらさま商品提案ですが、個人的に欲しいモノでかまわないのかしら?」 ペケ(ia5365)が訊ねるので、舞夢は「欲しいもんでもかまへんで、どんどん意見出しや」と促す。 ほな、はじめるでー! と張り切る舞夢の一声で提案会が始まった。 ●咬竜、遊羽夫妻の提案 「もふらの髪留めが第一目標じゃな。他には多少値は張りそうじゃが、文鎮やら、許可がいりそうじゃが御守りなんかも良いじゃろう。神の遣いと言うからには、子供が普段から使うものなら人気も出そうじゃ」 「あの子が見たら喜びそうな‥‥な感じかいな。うちらの娘みたいに小さな子女の子向けに、もふらさまのかわいらしい絵姿なんかが付いた湯飲みや髪留め、帯止めなんかもええんちゃう?」 義理の娘にもふらさま商品を贈るためにと夫婦で参加した二人は、色々挙がる商品案にクスクス微笑しながら会話を楽しんでいる。 「遊羽よ‥‥最近あまり構えんですまなんだな。愛しているぞ?」 「ゆぅもや‥‥咬竜‥‥」 咬竜が参加したのは、遊羽を構ってやれなかったのでその埋め合わせも兼ねてという経緯があった。 「コホン。仲睦まじいんはええけど、続きは家に帰ってからな」 「す、すまん‥‥。では、そうするかのう‥‥」 舞夢のツッコミに赤面しながら謝る咬竜、俯いて無言になる遊羽だった。 ●紗耶香・ソーヴィニオン(ia0454)の提案 「招きもふらさま宣伝の時には赤、黄色、黒、緑の『もふら饅頭』を作りましたが、今回は白を追加します」 自作の白いもふら饅頭を「差し入れです〜♪」と皆に振舞った。 「青も欲しいですが、今回はやめておきましょう。作れそうな色は、紫と茶色と桃色と橙色でしょうかね〜?」 宣伝時の緑色は、今の季節らしさを演出するため抹茶を使用することに。 「紫は紫芋から取ればいいでしょうかね? 茶色は砂糖を煮詰めて茶色くし、桃色は赤の梅酢を更に薄めれば作れますね〜。橙色は南瓜を使いますね」 中身は肉の他につぶあん、こしあん、白あん、南瓜あん、紫芋あんを追加。 「餡を入れ、蒸し上げた物にもふら柄を描けば完成です!」 もふら饅頭は宣伝時も好評だったので、種類を増やせば更に売れるだろう。 「説明するより、実際に食べたほうが理解していただけると思いますので作りますね。舞夢さん、お台所借りますね〜」 ほうらいの店員に案内され、紗耶香は常盤家の台所に向かった。 ●霜夜の提案 あたしからは二点提案します、と霜夜が考えた商品は『おきあがり小もふら』と『みのもふら』。 手をポンと叩き、粘土を型取りしているのならそれを利用して『おきあがりこぼし』を作ってみてはどうでしょう? と付け加え。 「もふらさまの体型は転がり上手ですし、立たなくても怠けもふらはご愛嬌です♪」 「みのもふらは、蓑と傘を一体にし、白い綿で表面を覆った品です。イメージは、猟師さんが猟師さんが熊の毛皮で作った頭まで覆う防寒具あるじゃないですか。あれのもふらさま版なのです〜」 蓑虫もふらちゃうんやな、と心で突っ込みながら、舞夢はもふらの特徴を活かしたアイデアに感心。 ●ペケの提案 「私も起き上がり小法師のようなものを提案したかったんだけど、先を越されちゃったわね。それもいいけど、私は『もふらさま刺繍入り褌』が個人的に欲しいです」 もふら好き男性に売れるかもしれない、とメモる舞夢。 「もふら耳ともふら尻尾をアクセサリーに欲しいと思いませんか? あと、商品というよりアイデア出しなのですが、朋友もふらや愛玩もふらさまとペアルックな衣装を扱うとすごく売れそうな気がします」 ペットと飼い主の絆と愛情が強まりそうな商品だ。 ●紬の提案 「私が提案するのはもふらさまの寝具です。枕や寝袋、掛け布団や掛け毛布等ですね。主なものは枕カバーやタオルの柄です。枕や寝袋そのものがもふらさまも考えました」 もふら寝袋、口から身体入れるんやろか? と舞夢は想像してみた。 「枕は大型枕なら『抱きもふらさま』ですねっ♪」 霜夜の一言に、舞夢含むもふら好き開拓者は「欲しい‥‥」とボソリ。 「他には、寝る前に落ち着く時間を作れるように御香を入れておく陶器の置物です」 「もふらのお香入れかぁ、ええかもしれんな。もふらの可愛らしさとお香で身も心も落ち着くこと間違い無しや」 そう言うが、舞夢自身お香の知識ゼロ。リラックス効果がある商品は、癒しを求める客層に受けるかもしれない。 ●スワンレイク(ia5416)の提案 高級なものよりは安価で求めやすいものの方が今のほうらいに合っている、店の知名度を高める意味でも、シーズン商品は定期的に扱った方が良いと意見を付け足したスワンレイクが提案したのは『てるてるもふらさま』。 「五月もふらさま人形と七夕もふらさまの間をつなぐ意味合いのものです。いかがでしょうか? てるてる坊主の絵柄がもふらさまになっているちょっとしたお人形です。お顔もあくびバージョンや、含み笑いバージョンというように複数用意するのですわ」 梅雨入りに向けた商品なので、慌てて作らないと間に合わないと内心慌てる舞夢だったが冷静を装う。 ●設楽 万理(ia5443)の提案 「私は季節感を大事に、身近で実用的なもふらグッズを‥‥ということで、蚊遣り豚ならぬ『蚊遣りもふらさま』を提案します。大口を開けたもふらさまの姿を模した陶器製の蚊取り線香入れです」 大口を開けていても「うざかわいい」と評判のもふらさまらしいふてぶてしい目は健在。 「除虫の煙を吐き出すもふらがきみの夏の安眠を守るぞ! 夏祭り版やビーチ版など夏しちゃってるバリエーションもあるよ。ほうらい限定発売、売切れ必至!! という宣伝文句も考えました」 購入時には二週間分の設楽 万理特製、氏族秘伝の蚊取り線香付き。普段から薄着を好むゆえ、保湿効果がある虫除け薬を塗っている万理のお肌はスベスベである。 そんな彼女特製の蚊取り線香は、女性をターゲットとした商品となるだろう。 「蚊取り線香は別途買い足しもできるから秋が来るまで、いや「飽き」が来るまで虫に悩まされることはなさそうね!」 ダジャレええねん‥‥とぼやいたが、スベスベお肌になる薬を欲しがる舞夢。 ●アーニャの提案 尻尾を引っ張って動かすぜんまい仕掛けのおもちゃを取り出すと、玩具のイメージを膨らませながらもふらのぬいぐるみを被せて動かした。 「ぜんまい仕掛けで動く『ぶるぶるもふら』を考えました。細工次第では毛が一緒にふるふる揺れて、足も連動して動くようにします」 更に紐で引っ張ると車輪で動く動物のおもちゃを取り出した。 「紐で繋げば動かすこともできますし、連結可能にすればもふらの行列になります。お外に連れて行くと大人気になれますよ〜。紐で引っ張るタイプの商品名は『お散歩もふら』です」 引っ張るタイプは、小さい子供でも十分に遊べる玩具だろう。 ●アルネイス(ia6104)の提案 もふらさま商品を作るがどうにかカエル要素を入れられないかと悪巧みし、自分が考えたものの商品化を目的とするアルネイスは、実物を見たほうがわかりやすいとアイデア見本品を手作りしてきた。 「まずは、黄色のもふらさまを描いてその上に「ど根性もふ!」と書いた『ど根性もふらさま服』です。他に緑色と黄緑色をベースにしたカエル模様のもふらさまぬいぐるみ『ケロケロもふらさま人形』、もふらさまがカエル達の世界に迷い込んでしまうというストーリーの絵本『もふらさまとカエルの王国』と言うのはどうでしょう?」 うちよか商売根性あるかもしれへん、と一気にまくし立てるアルネイスの売り込みに感心。 「か、考えてみるわ‥‥」 ●からすの提案 「皆、議論が熱くなったようだな。暑くなってきたのでは?」 一旦場を離れたからすが持ってきたのは、氷入りの箱に入れた手作り菓子。 「そろそろ暑くなるからね、冷たい菓子は丁度良いだろう。これは練乳たっぷりの白いかき氷に苺、蜜柑、あずきでもふらの顔になるようにトッピングしカップ詰めした『ゆきもふら』だ。急いで食べると頭がキンキンするよ」 もふらのような出来を崩すのはもったいなかったが、舞夢はキンキンすると忠告があったにも関わらずがっついたので一気に頭がキーンとなった。 これから暑くなるので、ゆきもふらは売れるだろう。 裁縫は得意だからな、と取り出したのは綿でも竹細工でももふらな『もふら枕カバー』、肌に優しい? な『もふらティッシュ箱』、猫又メロメロ? な『もふじゃらし』を披露。 ●霧咲 水奏(ia9145)の提案 「拙者もそれを考えていましたが、先を越されましたな。もふらさまのご利益で蚊は寄らず、と言ったところですかな?」 もふらさまの魅力に惹かれる一人として、新たな商品の案を出すため(個人的にほしいものもある)参加した水奏は夏に向けてと『もふら風鈴』を提案。 「出来合いの物を販売するだけでなく、型だけ用意して、色付けは自身で出来るとしても面白いやもしれませぬな」 夏に向けてええかもしれんと打算する舞夢だったが、色塗りは大の苦手だった。 「小物類ならば文鎮、箸置き、醤油入れも良いかと。箸置きや醤油入れは、飲食店と提携すれば広く広まるのではないかと思っておりまするよ。寝姿、怠け姿、あくび、含み笑い‥‥と種類を用意しては如何にございましょう」 飲食店との提携、そのテがあったか! と舞夢はほくそ笑んだ。 ●シャルル・エヴァンス(ib0102)の提案 「もふらさまの着物や帯も素敵だけど、全身にもふらさまというのはちょっと勇気がいるでしょう? 帯留めや簪なんかの小物なら、身につけやすいと思うの。着る物なら表から見えない長襦袢や帯枕、ちらりと見える半襟、草履の表に脱いだときだけ見えるワンポイントもふらさま、素敵ね」 もふらが好きでも、いかにもといった着物は敬遠されることを舞夢は学習した。 「あと、季節毎限定品を作っても良いわね。『桜や朝顔等の季節の花ともふらさま』『柏餅等の季節の和菓子ともふらさま』『果物ともふらさま』、季節の風景と組み合わせた『夏の水浴びもふらさま』『秋のお月見もふらさま』も素敵だと思うの。今の季節なら『紫陽花ともふらさま』かしら」 商品化するとしたら、大急ぎで作らなあかん‥‥と舞夢は焦ったが、悟られないよう「うんうん」と頷く。 それはとってもキュートですわね‥‥とスワンレイクは乗り気だ。 「小物や肌着なら値段が押さえられる分気軽に買えるから、色やポーズの違いで色々揃えられて楽しいわ。もふらさまを常に身につけていられるって素敵だと思わない?」 もふら好きだが、露骨な着物を纏うのは恥ずかしいという女性にいいかもしれない。 ●不破 颯(ib0495)の提案 「どんなのが出来るか、楽しみだねぇ。まあ、定番どころを抑えようかぁ」 ヘラリと笑いながらが提案したのは『もふらファミリー』。 「大きいもふらの中にもふらが、その中にまたもふらが入っているものだよぉ。大きいのから父、母、兄、姉、赤子の順に色違いのもふらが入ってるよぉ」 マトリョーシカのもふらさまバージョン、と思っていただきたい。 「お次は『もふ根付け』! 寝てるもふ、ニヤリもふ、普通もふ等、数種類のもふらの木彫り根付け。赤べコみたいに首が動いたりすると可愛いかもねぇ」 「色やけど、赤ベコみたいに真っ赤なんもあるん?」 当然だよぉ、と笑う颯。 「あとこれは趣味だが‥‥『もふら花札』! 全部の札にもふらがいる花札だ! 俺的には一番欲しい!」 うちも欲しいでっ! と「同士よっ!」と言わんばかりに颯の手をがっちり握る舞夢。他にも同士がいるでしょうに‥‥。 ●和奏(ia8807)の提案 「縁起物の次は関連商品‥‥。市場調査もある程度は必要ですけど、店主のこだわりを追及するのも大切だと思いますよ‥‥。自分も、根付けを考えていました‥‥。首が動くところまでは‥‥ですが‥‥」 その他に座布団、クッション、抱き枕を提案。 「もふもふ感を再現できれば、抱きつきたい方に喜ばれるかも‥‥。湯呑、お皿、手拭などの生活雑貨は、デフォルメしたイラストの種類を増やせばコンプリートしたい人が 出てくると思います‥‥」 様々な種類があれば、コンプリート目当ての客は大人買いするかもと舞夢はニンマリ。 ●琉宇(ib1119)の提案 「ちょうどあったらいいなって思っていたものがあるんだよね。僕の朋友はろんろんっていうんだけど、毎日きれいに洗ってあげているんだ。だからいつもぴかぴかなんだよ。綺麗にするのに、あのもふらさまのもふもふが使えそうだなぁって思っていたんだ。そこで! 今回僕がお薦めするのはこれだよ! さっと一拭き、ゴシゴシ磨き、どんなお手入れもバッチリの『おそうじもふら』!」 雑巾みたいなもんかいな? と頭の中であれこれ考える舞夢を余所に琉宇は説明を続けている。 「吸水力も抜群なんだ。大きさも小、中、大、特大、超特大と種類も豊富で、綺麗ついでにご利益もありそう。今ならば専用洗剤『もふらのなみだ』も付けちゃうよ‥‥みたいなものが欲しいなぁ‥‥」 という訳で、おそうじもふら1年分くださいが本音だがそれは内緒。 ●佐屋上ミサ子(ib1934)の提案 「私からは三つ提案します♪」 最初に提案したのは『もふらさま開運財布』。 天の使いと言われるもふらにあやかり、もふらの顔を模った可愛らしい小銭入れだ。色はスタンダートな白と赤、金運アップしそうな黄と緑、ゴージャスな金と銀の3タイプ。 お次はもふらの形をした『もふらさまアイスバー』。 中はしゃりしゃりとしたイチゴ味の赤いシャーベット、外は白くなめらかな練乳アイスでコーティングされている。 最後は『もふらさま入浴剤』。 もふら形の固形入浴剤で発刊作用がある『理穴の唐辛子』、ツルツルお肌になる『武天の絹』、珊瑚礁のような蒼い色で湯上りさっぱりの『朱藩の南洋』といった天儀の各地方の特色を取り入れた色、香り、効用も様々だ。 お肌ツルツル効果がある武天の絹欲しいわ〜! と心で叫ぶ舞夢だった。 ●提案会終了 紗耶香が作った出来立てホヤホヤのもふら饅頭を食べながら、提案されたものから商品化するものを皆で話し合った。 「いろいろ出してくれておおきに。提案してくれたもんやけど、どれを商品化するかはじっくり検討させてもらうわ。ええなぁと思ったもんでも、実際に作れるかどうかわからへんもんがあるから研究させてもらうわ。作れんかったらすまんなぁ」 謝罪する舞夢の判断だが、商品化できないものもあるので妥当といえる。 「アイデア提供料代わり、ちゅうんはおかしいけど‥‥これ持ってってぇな」 そう言って皆に手渡したのは、ホカホカのもふら饅頭詰め合わせ。もふら好きな開拓者、特に娘に良い土産ができたと咬竜、遊羽夫妻が喜んだ。 「この饅頭、娘は喜んでくれるだろうかのう?」 「喜ぶよ、きっと‥‥」 またよろしゅうにー! と手を振る舞夢に見送られ、開拓者達はホカホカのもふら饅頭を土産にそれぞれの帰路に就いた。 その日の夜、ほうらいでどれを商品にするかという会議が行われたが‥‥。 「もふら饅頭とゆきもふら、お散歩もふら、もふら着物は決まったけど‥‥あとはどないしよ。あれもええし、これもええし‥‥」 議長である舞夢は「全部商品化するで!」と宣言したが、中には天儀の技術で作れるかどうかというものもあるので決定は慎重にせざるを得なかった。技術研究、材料の仕入れ、着物の生地作成依頼と、これからのほうらいは忙しくなるだろう。 この中でどれが商品化されるかは‥‥お楽しみ、ということで。 |