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■オープニング本文 アル=カマル中央部、交易都市アル=ステラ。 今日から、年に一度の大市が始まる。 都市は、数日前から集まってきた人々で、早朝からごった返していた。 「やだぁ、向こうで誰か喧嘩してる」 「遊牧民と街の人じゃない? また家畜の売値でもめてるのかしら」 「お嬢さん達、情報が遅いね。ありゃあ、ナーマのからくり美女を間に挟んだ、恋のさや当てだよ」 「え〜、ここにもいい女がいるのにぃ、失礼しちゃう」 「ナーマって、緑の生まれた街って詩があるところ?」 「そう。あそこのからくりは容姿端麗、才色兼備、とにかく頭がきれるのが多いんで、どこに出しても人気者ってわけさ」 軽食を売る屋台のアヌビスのおじさんが、お客のエルフと人間の娘達と世間話をする向こう側では、ほんの三日ですっかり有名になったからくり美女が困り顔で、自分の気を惹こうと争う二人の男を眺めていた。 「見た目はともかく、私はもう五十歳だから、若いお嬢さんと仲良くしなさいって‥‥あの耳は、何を聞いているのかしら」 来年には、彼女を巡る騒動を楽しく歌って聞かせる吟遊詩人が、アル=ステラの街を巡っているかもしれなかった。 今年はいつものように、アル=カマルのほとんどが砂漠に覆われていたという時代の、アヤカシ相手の大活劇が人気だ。この時代を統べた神の巫女セベクネフェルの名は未だ廃れることなく、出身を問わず多い女性の名前ともなっていた。 なにしろ現代の神の巫女も、その尊名をセベクネフェルという。 それから、緑の大地が広がっていく長い時代を襲った天災、時に人災、そこからまた立ち上がった人の歴史の語り部。 彼らは、もはやこの国の大半が砂に覆われていたことなど想像するのも難しい人々に、緑を守る心構えを説いている。 そう。以前のアル=カマルは、そのほとんどを砂漠に覆われていた。更には、アヤカシの脅威に打ち震えていた。 これは歴史書にも、昔話にも、子供を叱る決まり文句にまで登場する、間違いのない歴史だ。 けれども、そんな時代から八百年か、千年か、千五百年か。 どうも年数になると語る人によってバラバラだが、とにかく想像もつかない昔、砂ばかりの大地、それも魔の森の跡に木を植え始めた人々がいたのだ。 いつか、大地が緑に覆われる日が来ると信じて。 現在、アル=カマルの大地の半分強では、雨期にかなりの雨が降る。 今も砂漠と呼ばれる地域は存在して、でもそちらにも年に何度かは雨が落ち、僅かな植物を生やし、それで養われる生き物達がいる。 定住して農地を耕す民は増えたが、遊牧を行う民も減ってはいなかった。農地にするには水が少ない草原を巡り、砂漠の地を行く護衛をして、時に定住民の市に現われる。 今日からは、一度滅び、復活した古の首都アル=ステラの、年に一度の大市だ。 近郊の民はもちろん、遠方からもあらゆる人々が集い、賑やかに過ごす。 はるか以前、祖先達が僅かの緑を争っていたことなど思い出しもせず、誰もが一生懸命に生きている。 |
■参加者一覧
羅喉丸(ia0347)
22歳・男・泰
リューリャ・ドラッケン(ia8037)
22歳・男・騎
シータル・ラートリー(ib4533)
13歳・女・サ
リィムナ・ピサレット(ib5201)
10歳・女・魔
クロウ・カルガギラ(ib6817)
19歳・男・砂
ケイウス=アルカーム(ib7387)
23歳・男・吟
ルース・エリコット(ic0005)
11歳・女・吟 |
■リプレイ本文 ●伝説の存在 〜開祖〜 泰拳士には、両義なる流派がある。開祖はアル=カマルの大アヤカシ退治でも活躍したと伝わる、羅喉丸(ia0347)だ。 両義 羅喉は、その道場の跡取り。名前に開祖を受け継ぐあたり、周囲の期待と本人の素質が分かろうというものだが。 「ここになら、もっと確実な証拠があると思ったんだがなぁ」 乾燥していて、喉ががらがらするとか色々呟く合間に、ぽつりと漏らしたのはそんな言葉だ。実は彼、開祖羅喉丸の足跡を辿っていた。 理由はただ一つ。その実在の証明だ。 どうも近年、羅喉丸という個人の存在を疑問視する連中が増えていた。その業績があまりに大きすぎ、複数人の実績を合わせた結果が羅喉丸だとの説が有力だ。 しかし、羅喉はこの説がいたく気に入らず、わざわざ羅喉丸が緑化に尽力したと聞くアル=カマルに足を延ばし‥‥今までのところ、空振りに終わっている。 そもそも地の利にも疎いので、人が多いところと思ってアル=ステラの大市に足を向けたが、人が多すぎるのも考えもの。どこで誰に話を聞いたものだか、訳が分からない。それでも記念碑でもあればと、羅喉は歩き出した。 ●伝説を謳う(予定) アル=ステラの大市は、大陸最大級。だから買い物以外の人手も多い大市の端の方で、フィーリはおのぼりさんよろしく、居並ぶ店と人を眺めて、ひたすらに感心している。 「うっわー、こんなにすごいとは思わなかったなぁ」 独り立ちする前も、この大市は噂に聞くだけで足を運んだことはない。初めての賑わいに、フィーリは人の流れに押されるまま、特に目的もなく歩き回っていた。 これを師匠が見たら、仮にもアル=カマル発展の礎を築いた開拓者で吟遊詩人のケイウス=アルカーム(ib7387)の流れをくむ者がどうとか小言の嵐になったろう。けれども、フィーリは代々の弟子に伝えられる陽光のブローチ、もはや古びて他人の目にはゴミ同然に映るらしいそれを受け継いでも、こう思っていた。 吟遊詩人だったケイウスは、自分の功績を謳われるより、他人の活躍を聞いた人達が笑顔になる方を喜んだに違いない。当人の心持ちは、きっとそうだったろう。 ただし、フィーリ自身はケイウスも含めた大アヤカシ退治頃の激動の時代に活躍した開拓者に憧れる吟遊詩人で‥‥現在は、一観光客と化している。 ●今を駆ける 警備隊だと叫ぶ声に、カーマ・イスト(リューリャ・ドラッケン(ia8037))はうっかり走り出してしまった。 「なにやってんだ、俺は!」 砂迅騎の何でも屋。今日は隊商護衛でこの大市に到着し、ほんの一時間前に契約完了と自由の身になったばかりだ。腹ごしらえでもしようとぶらぶらしていて、露店にいちゃもん付ける悪漢に遭遇。捻り挙げて、店主やその仲間に引き渡したところだった。 つまり、逃げる必要などない。いっそ礼を貰ってもいいくらいで、報酬なしに逃げ出すとは、何でも屋としては大失態だ。 しかし、警備隊が絡むと身元の確認だのと、役人仕事が付いてくる。そんなことでさっきまでの雇用主に手間でも掛けたら、噂が回って次の仕事に支障が出る。という訳で、咄嗟に警備隊を避けてしまったカーマだったが。 「喧嘩だーっ!」 「よし、飯の種」 一方に目立つ非があるなら、もう片方に肩入れして美味い飯にありつこう。そうでないなら、その場で勝敗を賭ける胴元になってもいい。 今、良いことを考え付いたと、カーマはニヤリとしつつ、喧嘩騒ぎの真っただ中に突っ込んでいった。 ●今まさに忙しい 街有数の香辛料商いの店頭では、大市の間だけ出来る露天市場に出した仮設店舗に送り出す荷物の準備に大わらわだった。主人や使用人達は荷出しに、挨拶回りに出ようとしていた娘達が接客にと慣れた様子で動き出した。 その中で、一人異質なのが三女のアニス・ラートリー(シータル・ラートリー(ib4533))。力仕事は男に任せてと恐縮する使用人達に、大きな樽を上手に転がしながらとは思えないおっとりした笑みで、 「ボクが好きでしていることですから。忙しいのに、この位しないとバチが当たります」 一緒に頑張りましょうと言う。でも力仕事はこちらがやるからと食い下がる古参使用人に押し切られ、アニスは渋々、出した荷の確認作業を始めた。その前に、店の奥の部屋に軽食を並べておくよう指示を出すことは忘れない。 なにしろ大市の間は、本店も段々と人が押し寄せて真夜中まで働くのは例年のこと。ゆっくり食事をする暇もないので、いつでも摘まめる軽食の準備は大切だ。 あとは、市場までの道が空いているのかも、要確認。 「皆様、この通りでの騒ぎは、並びの商家全部に迷惑ですわ。ぜひ、おやめくださいまし」 喧嘩する輩など、速やかに撤退願う。そういう時はアニスが頼りになるが、絶対に逆らってはいけない。これは、近隣商家全体の共通認識である。 ●伝説を演じる アル=カマルで有名な都市の一つに、ナーマがある。砂漠の緑化事業に技術、経済両面で多大な貢献をした都市だが、なによりその設立が当初から伝説めいていた。そのくだりは、関わった開拓者の名前と共に、誰でも一度は耳にしたことがあるだろう。 そのナーマの特色は色々あるが、中でも異色なのは映画産業だ。ジルベリア発祥のアイズなる映像機器を使用して、演劇を銀幕に映し出して観客を楽しませる娯楽である。 「というわけで、リィムナのその後は知られていないにゃ。でも、今回の映画の内容は、ナーマの歴史書庫にある通りの大迫力にゃよ」 その映画用巨大天幕の前で、猫の耳と尻尾がついた珍しいからくりが、にこにこと集まった人々に映画の宣伝を行っていた。 彼女が主演のニャメ・オニャンコポンで、この映画の主役リィムナ・ピサレット(ib5201)だとは、背後に流れる予告編ですぐ分かる。その主演女優自ら、本日夜の初回切符を売っているとあって、並ぶ人の列は長くなる一方。 その中には、彼女の前作である魔術師少女が活躍する子供向け映画を思い出して、役名で一生懸命呼び掛けている子供達も多い。 「ねっ、後で子供だけ集めての握手会するにゃ。場所、作れるかにゃ?」 主演女優の突然の我儘に、開幕準備に忙しい一同は目をむいたが‥‥この親しみやすさが映画の人気にも一役買うのだと思い出して、ひいひい言いながら準備を始めた。 ●伝説の末裔 アル=ステラの端、普段は駱駝レースや大きな祭りの会場となる空き地には、家畜市が立っていた。商われるのはありとあらゆる家畜と珍しい生き物達だ。 珍しい、ジンの相棒となる生き物達の内、特に砂漠を行く者達に人気なのが、霊騎と走龍を扱う者達が並ぶ一角である。綺麗に毛並を梳られ、油を擂りこまれ、たてがみを編まれた霊騎達が、走龍達と一緒に並んでいる。大抵が、人の多さにいささか興奮気味だが、ある部族のいる区画だけは静かなものだ。 いや、霊騎は静かだけれど、人は値段交渉に忙しい。売り買いする当人達以外の、無関係の連中までが高い安いとやるのが家畜市の常で、どうしても騒がしくなってしまう。 「ねぇ、もうその値段で良くない?」 「ほら、女房が良いって言った!」 「うちの部族では、俺がいいと言わなきゃ売ってはならんと長老に言われてる!!」 この霊騎を育てることでは評価随一の部族は、最近まで気前がいいことでも飛び抜けていた。が、一昨年に長老の孫娘のアルナワーズが商人の婿を貰って以来、適正値に落ち着き、他の部族は一安心。買う側は残念無念の値段交渉が続いている。 一族揃って気前が良すぎると、他の事では彼女にべた惚れの旦那が値段交渉だけは譲らないので、アルナワーズはしょぼくれている最中だ。 大事にしてくれる相手ならば、多少安くても霊騎を売ってやり、早く二人でお土産を買う名目で歩きたいのに‥‥旦那は理解してくれない。ただし、価格付けは旦那が正しいと世間の評価されているとは、彼女は知らなかった。 ●今を謳う 何に効くのだか分からないが、サソリの干物が流行だとしつこく勧められ、リン・N(ネロ)・エリコット(ルース・エリコット(ic0005))は弱り果てていた。アル=カマルでは何に使うのかを皆知っているらしいが、料理するものではないらしいし、使い道が分からないのに買えない。絨毯や毛皮なら旅の途中で大きなものは買えないと言えたが、これはどう断ればいいものか。 流れの吟遊詩人として、独り立ちして二年ほど。生まれはジルベリアで、諸国漫遊の真っ最中と言えば聞こえがいい。今回も大陸最大級の市場に興味を惹かれて、やってきたのだが‥‥ここまで混雑していると、普通ならギルドが流れの吟遊詩人にも仕事を紹介してくれたりするのが、まったくあてにならなかった。 仕事の口がないかと思って、道を尋ねがてらに話を振った露店で、どういう訳かサソリの干物を勧められ、理由が分かったのは十五分も押し問答をしてから。酒に混ぜると暴徒なって惚れ薬にも使えるとかで、歓楽街では歌い手も使ったりするとかなんとか。 「そういうのはいりませんし、しませんからーっ」 要するにお客をぽわんといい気分にして、おひねりをせしめる魂胆だけれど、リンはそもそも艶っぽい歌は得意ではない。絶対使わないからと周りが振り返る大声を出して、慌ててそこから逃げ出した。 走ったせいで、更に現在地が分からなくなったが、商家が並ぶ通りの端で妙に賑やかな店から漂ういい香りに近付いて、なんとか仕事を見付けた時には日が暮れかけていた。 ●今、この時、この街に 店の前での喧嘩は、大市から帰る時には人数を減らされてしまう護衛のジン達が、仕事を奪い合うものだった。アニスの本音は他所でやってほしいだけれど、隊商や当人達には大事な話だ 割って入って、複数の酔っ払ったジンに絡まれかけたところに手を貸してくれたのは、これまた護衛もする何でも屋の青年で。彼はアニスや家族がこの辺りで顔が利くと知るや、一つの案を持ち出してきた。 「はいはい、支払いはまだ後だよ。計算中だから、もう少し待ちな。フィーリ、遅い」 「カーマ、何度も言うが、俺は吟遊詩人で賭けの計算担当じゃない」 「今夜は計算しろ。ちゃんと日当出すぜ」 そうして現在、アニスの家と取引がある料理屋の横の空き地を使って、腕自慢達の手合せが行われていた。勝敗の賭け事付き、特等席は料理屋の窓際。客は土地の商人や取引先の隊商の長などだから、いい試合をすればそのまま護衛の話もある。 予想外に規模が大きくなって、発案者のカーマは観客の一人だったフィーリを引き抜き、手伝いに使っていた。いい経験になるからと、うっかり乗せられたフィーリもいつまでも続く試合に、こんな仕事をしに来たのではないと少し焦っているらしい。店の側が、客の連れている子供達のために、別の吟遊詩人を頼んだのが原因だろう。 「お店にも利益がありますけれど‥‥明日は通りの掃除が大変そうです」 噂を聞いて集まる人もいて、通りは日中とは違う賑やかさである。立ったまま飲食する人も多いので、アニスの悩みは色々と広がっている。 しかし、そんなことはまったく気にしない人々もいる。 「頑張るにゃ〜。勝った人には、映画の招待券を差し上げるにゃ」 「なんでもいいから、派手にやれ〜。名を挙げたら、神の巫女様の御目通りも叶うかもだぞーっ!」 一仕事終えて、知人との会食に来たはずが、大アヤカシ退治時代の映画主演女優とその当時に名を馳せた開拓者の子孫と言うニャメとアルナワーズはどういう訳だか意気投合していた。その時代の話が通じたのが、よほど楽しかったのだろう。どちらももちろん伝聞なのに、経験者のように語るから他の者はついていけなかったというのもある。 役作りをしたニャメがリィムナを友人のように語るのは、まあ不思議はない。しかしアルナワーズは先祖のクロウ・カルガギラ(ib6817)を自分の祖父ぐらいに話すから、誰の話だかよく分からなくなってしまうのだ。 ちなみにフィーリは彼女の話を楽しく聞いていた最中、カーマに引き抜かれている。感嘆してあげた声が通るのが賭け率周知にいいと、そんな理由だった。 アニスは店の格が落ちやしないかと心配していたが、案外真面目な試合が多いので、今は給仕の手伝いをしている。試合の後には、この店のカレーが一番である。もちろん香辛料の卸元は、彼女の家。 人気女優にも美味しい料理を勧め、毎年大市の時期には顔を出すアルナワーズにも挨拶して、アニスは新しい客の姿に空いた席を探そうとして、こう尋ねられた。 「ここに、ナーマの映画の女優がいると聞いたんだが」 「あら、すごい映画なのでしょう? ニャメさん、お客様ですよ〜」 こんなジンのような男性が、外見は子供らしいニャメに夢中とは、時間を作って自分も映画を見に行こうかと考えていたアニスは、ニャメとアルナワーズがその青年の名前を復唱した声の大きさにぎょっとして振り返った。 彼女ばかりではない、店中が、一瞬静まったくらいだ。すぐに有名人かと囁き交わす声がする中で、フィーリと、仕事で子供や婦人相手に宣伝と娯楽提供を頼まれていたリンは心得顔で名前を呟いている。 「ラゴーマルって、魔の森を焼き払った人の中にいる有名人だよな」 「そうです。ジルベリアでも、彼らしい人の活躍を歌う詩が幾つかあります」 計算に一区切りついて、挨拶がてらにリンに近付いていたフィーリが、自分の記憶を確かめるように質問し、リンが答えた。周りはそれを耳にして、関係者かねと期待に満ちた目で新たな客を眺めている。 八百年か千年か、千五百年前とも言われる時代の人の関係者がそうそういるかと訴える常識は、その子孫たるアルナワーズがいることで出番がないのだ。更にはフィーリも同時代の有名人が、自分の師匠筋だと信じている。 注目の的になってしまった当人は、その羅喉丸の資料を探していると、ナーマの歴史書を閲覧するための手続きを丁寧にニャメに尋ねていたのだが。 「うちの部族にも、なんかあったわよ。ご先祖様があちこち開拓した先から他所の部族にあげちゃって、新しい土地に移動する時に、時々手伝ってくれたとか、誰か記録を書いていたはず」 「あ、それ、俺も見たい! リンは? この後、ジルベリアに戻る?」 ニャメが羅喉に何か言うより先に、アルナワーズが話題を移してしまう。そこにフィーリが乗っかって、お客の中にジルベリア人を見付けて里心がついたばかりのリンを誘う。里心と吟遊詩人の探求心の間で、リンは忙しそうだ。 すると、するりと近付いたカーマが、人の悪い笑みで彼らに一言。 「路銀を稼がせてやる」 羅喉と手合せしたい猛者を募り始めたカーマの姿に、アニスが今夜は徹夜仕事だろうかと溜息を吐いた。 アル=ステラの大市は、今年はいつもに増して賑やかだ。 |