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■オープニング本文 四十年前、鳳華――。 豪雨が降り注いでいる。 雨の中、黒ずくめの男が立っていた。四十年後、開拓者達によって討たれることになる上級アヤカシ禍津夜那須羅王である。 その腕の中で、何かが動いた。赤子だ。二人の赤子である。 禍津夜那須羅王は笑った。周囲には斬り殺された人々が横たわっている。上級アヤカシはその凄惨な現場を後にする。雨の中、赤子の泣き声とともに、闇の中へ溶けて込んでいった……。 現在、鳳華――。 東の大樹海で異変が起きていた。不厳王(iz0156)の反撃が始まったのである。不厳王は森の奥地から自らの分身である増殖体による総数不明の大軍を送り込んできた。 魔の森を前進していた龍安軍は撤退を余儀なくされ、魔の森との境界線で再び迎撃態勢に入ることになる。 雨が降り始めていた――。 「嫌な雨だな……雨はアヤカシに有利だ」 サムライ大将たちは陣中で、卓上の地図を見おろしていた。 「お屋形様、御到着されました!」 兵士が駆けこんで来ると、大将たちは「おう」と立ち上がった。 首都の天承から到着した龍安弘秀と、サムライ総大将の西祥院静奈が姿を見せる。 「みんな、ご苦労だったな。待たせた」 「お屋形、不厳王の『増殖体』ですが……現在魔の森を出て、戦闘隊形を取りつつあります」 「ふざけた奴だ……不厳王……まだ力を蓄えていたか」 「恐るべきは不厳王です……あの大アヤカシが持つ力……人間の理解を越えています」 「ここは破らせん。みな、改めてよろしく頼むぞ」 「はは!」 東部で激戦の幕が開く――。 首都天承――。 多くの軍勢が出払ったあと、残る守備隊が城を守っていた。 相談役の芦屋馨(iz0207)は、筆頭家老の栗原直光、弘秀の奥方である春香と執務室にいた。 「また、東の魔の森が慌ただしいようですね……」 「不厳王の増殖体が発生したと、報告が入っています」 「それにしても――」 と、不意に、その場にいた全員が金縛りになった。 「な、何だ……これは……」 そして、空中に姿を現したのは、女――上級アヤカシ真沙羅姫であった。 「き、貴様は……沙羅……」 「ふふ……ここも面白くなってきたわね、また」 「あなたが真沙羅姫ですね……一体……」 「難攻不落の天承を落とすには、内側から――!?」 「黄泉より――!」 芦屋は抵抗を試みたが、次の瞬間、真沙羅姫に首を掴まれ、壁に叩きつけられた。 「ふざけた真似をすると殺すわよ芦屋馨――何!?」 ぎりぎり……と、真沙羅姫は振り返った。 シノビの頭領赤霧が、影縛りで真沙羅姫の動きを封じていた。 「シノビか……まあよい……もはや手遅れよ」 真沙羅姫はまた姿を消した。 「奥方様!」 赤霧は春香に駆け寄った。 「赤霧……一体何が……」 「敵襲です。栗原様、芦屋様、天承城内外に、数百体を越える影鬼が侵入。今、守備隊と交戦中です」 「何だと……!」 「まだ真沙羅姫が城内に……」 「城下町では一般人に被害が出ております。お屋形様にお知らせしませんと」 「兵が戻って来るまで、持ち堪えるしかありませんね」 芦屋は首のあざを押さえて立ち上がった。 開拓者ギルド――。 新任ギルド受け付け係の森村佳織(iz0287)は、鳳華へ向かおうとする開拓者の橘鉄州斎(iz0008)と話していた。 「相談役を辞めて、かつての部下に依頼を斡旋されるってどんな気分ですか?」 「新鮮だね。お前、頑張ってるか?」 「今の皮肉を言ったんですけどね〜」 「あ、そ。気付かんかったわ。俺も鈍ったかな……」 「そんなことより橘さん、鳳華での動きですけど、不厳王が増殖体を繰り出して来たんですよ」 「不厳王の奴……力を蓄えていたんだな」 ほどなくして、天承からも風信機で敵襲の報が入る、少し前のことであった。 |
■参加者一覧
華御院 鬨(ia0351)
22歳・男・志
ルオウ(ia2445)
14歳・男・サ
各務原 義視(ia4917)
19歳・男・陰
コルリス・フェネストラ(ia9657)
19歳・女・弓
リィムナ・ピサレット(ib5201)
10歳・女・魔
エイン・セル(ib6121)
28歳・男・砲
嶽御前(ib7951)
16歳・女・巫
津田とも(ic0154)
15歳・女・砲
アーク・ウイング(ic0259)
12歳・女・騎 |
■リプレイ本文 ● 華御院 鬨(ia0351)は女形をしていて、常に修行のために女装し、そこいらの女性よりも女性らしい雰囲気を醸し出している開拓者である。今回は京美人の女装をしていた。 「これは、不厳王はんも、たくさんの子供を産みやしたなぁ。まぁ、分裂して不厳王はんの力が弱まったとボジティブに考えやしょう」 言った華御院は、西祥院静奈に感想を言った。 「全くね……まあそうだと良いんだけど」 「ところで弘秀はん」 「ああ」 龍安弘秀が頷く。 「うちからの作戦どすが、空を飛んでいる不厳王増殖体の、できるなら敵の数の半分位のサムライを連れて行かせてもらいたいどす。まずは、アヤカシ達をできるだけ、宝珠砲等の遠距離攻撃が可能な所まで、後退しながら一ヶ所に近づけて引き寄せるて、そこを砲撃などして頂きやす。砲撃で陣列が崩れたところを囲む様にこちらで攻撃をします。魔術師のみなさんには、遠方攻撃を気を付けて頂きたいどす。その他に……味方本陣に近づけさない様に包囲網から逃れたアヤカシを討伐する部隊も編成しておいた方がいいどすな」 「了解した。では、そちらはそのように」 「よお、西祥院のおばちゃん! 弘秀の兄ちゃん! 俺はサムラのルオウ! よろしくなー! しかし今回は二面かー。結構きつぃーよなぁ。でも負けるわけにはいかねえよなぁ!!」 赤毛の熱血ルオウ(ia2445)少年が言った。 西祥院はおばちゃんと言われて傷ついたようである。 「宜しいでしょうか」 各務原 義視(ia4917)は言った。 「何か、軍師」 弘秀は「軍師」を見返した。 「私は地上部隊において、志士、泰拳士、陰陽師、巫女、シノビ、騎士、魔術師、吟遊詩人の指揮を担当いたします。宝珠砲の前方に布陣、弓や術の射程に入り次第攻撃を開始。敵との距離を一定に保ちつつ、敵の進撃速度に合わせて後退。後退の仕方は後衛が下がってから、前衛を二隊に分けて移動。絶え間なく攻撃をしつつ、一隊が後退、また一隊が後退という流れを続けます。一部には盾を装備させて最前列に配備し、味方の被害を可能な限り押さえ、巫女や吟遊詩人は龍持ちのサムライ含めて支援をお願いします。華御院さんが言われていましたが、龍持ちのサムライには敵の飛行部隊への対応をお願いしておきたく存じます。龍に乗ったサムライによる焙烙玉での爆撃や宝珠砲の攻撃で敵の数が減った所で攻勢に出ます。その際、津田さんの宝珠砲隊には斉射を要請します。一箇所に攻撃を集中して貰い敵陣に穴を開けて頂きましょう。そこを突きます」 「空は任せといて下さい」 「ああ。こっちも了解だ、各務原」 津田とも(ic0154)は頷いた。 「数だけは多いみたいだね〜。でも、皆やっつけてあげるよ!」 大魔術師リィムナ・ピサレット(ib5201)は口を開いた。 「あたしは炎龍のチェン太に乗って、華御院たち味方航空戦力と共に空で敵を迎撃するよ!」 リィムナはにこりと笑った。 「心配なことは、敵の航空戦力と対空砲火により、航空部隊は当初は高い損耗が予想されるから、深手を負った味方が速やかに後方に下がり、巫女による迅速な治療を受け前線復帰できる様体勢を整えることだね」 リィムナは思案顔。 「味方には単独行動は避け、常に編隊を組んでもらって、防御力の高い者が攻撃を引き受け、素早い者は速度を生かし敵を翻弄。攻撃力が高い者は敵の隙に攻撃を打ちこむという具合に、長所を生かした戦法が取れる様にして、負傷者が後退する際には敵の追撃を許さない様、特に連携し行動した方がいいよねえ。それから、突出は避けて、敵をこちらの対空砲火や高火力部隊の攻撃範囲に誘い出す様、みんなにお願いだね」 「そうだな。その辺りは大丈夫だろうな、華御院」 「はい。みなさん、熟練どすからな。連携を取るのは大丈夫ででしょう」 言って、華御院はリィムナにウインクした。 そこで、砲術士のエイン・セル(ib6121)が言った。 「では、俺は、龍騎兵部隊とともに、空に当たろう。華御院、宜しく頼む」 「よろしくどす」 「ふむ……では、作戦として、飛行できる敵を殲滅し制空権を確保し続ける方法の一つとして、四指戦法の他、咆哮で敵を誘き寄せ、誘導された敵を横から魔砲「メガブラスター」でまとめて退治する『横穿』戦法を提示しよう。また龍騎兵全員に焙烙玉を支給し、制空権確保後、宝珠砲の攻撃にあわせ地上に残る敵を空爆し、近接戦闘に持ち込まず、常に距離をとって戦う案も提示するが、このあたりの判断は各務原始め、各サムライ大将達に任せよう」 「地上はお任せ下さい。空を頼みます」 各務原はお辞儀した。 「砲の家が活躍するのは戦の時だ! 今活躍しないで、何のための津田家だ!」 津田は勢い膝を叩いた。 「俺の方では、砲術師二十、弓術師二十、宝珠砲百の指揮権をもらいたい」 「いいだろう。では、そちらはお前に任そう。津田」 「よし! 有り難い大将!」 それから、作戦を詰めていき、龍安軍は戦術御をまとめる。 「よし、では出るぞ! みなみなに精霊の加護があらんことを!」 「おお――!」 開拓者たちも出撃する。 「行きますどす――壱華!」 華御院は加速した。レイラを振るい、宙を舞う不厳王の兵士を切り捨てていく。 不厳王の兵士達が咆哮して殺到してくる。 「来なはれ。良い的どす!」 華御院はレイラを持ち上げると、力強く振り下ろした。瞬風波を解放する。直線上のアヤカシを生み出した風の刃で薙ぎ払う。渦巻く風に乗って、華御院はふわりと上昇した。 と、巨大な不厳王龍戦士が出現する。 華御院は加速した。不厳王龍戦士の太刀が振り下ろされると、衝撃波が飛んでくる。華御院は回避して、すれ違いざまにレイラを叩き込んだ。 「紅焔桜――!」 切り裂かれたアヤカシは真っ二つに散った。 龍騎兵たちが四指戦術でアヤカシ達を各個に撃破していきつつ、後退していく。 華御院は、指揮を取りながら、戦況を確認。 「初手はこちらが取りやした、が……」 セルはダナを駆り前進する。 「ダナ! 高速飛行!」 セルはアヤカシの集団を回避しつつ、龍騎兵と編隊を組み、右翼に着く。 「良し! 咆哮を頼むぞ!」 サムライ衆が咆哮を解き放つ。アヤカシの戦列が乱れる。 セルは誘導された敵軍に対して、 「横穿!」 騎射+魔砲「メガブラスター」の合成技でまとめて葬り去っていく。閃光がアヤカシ達を薙ぎ払う。 編隊を組んだ友軍が、アヤカシ達を誘引する。 リィムナは高空に滞空していた。 「来た来た♪ よーし行くよ! チェン太!」 リィムナは手綱を引き、降下していく。頬を撫でる風が心地よい。 「行っけー! メテオストライク!」 透き通った声に、雪のような白燐に包まれるリィムナ。腕を振り下ろし、火炎弾を生み出す。リィムナの頭上に召喚された火炎弾が敵軍目がけて放たれる。火炎弾は吸い込まれるように命中し、大爆発で一帯のアヤカシ達を粉々にする。 「みんな瘴気に還してあげるよ!」 リィムナはメテオを連発。豪快な火炎弾が炸裂し、アヤカシを薙ぎ払う。 「津田はん、そろそろお願いします」 華御院が津田の上空を舞う。 地上の津田は手を振って答える。 「いいか、射程に入るまでは撃つな! 銃、弓はまだだ……宝珠砲隊、角度調整用意!」 砲門が上空に向けられる。 「調整のため、初弾発射!」 ドウ! ドウ! ドウ! と、砲弾が打ち込まれる。 それからさらに調整を行い、津田は砲兵たちに合図を下した。 「上空のアヤカシを一掃する! 味方には当てるなよ! 毎分一発! 榴弾を撃ち込め! ――砲撃開始!」 「ってえ!」 雷鳴のように砲門が火を吹き、アヤカシを殲滅する。 「空は収まりそうだな……行くぜ雪!」 ルオウは駆けだした。 「こっちはボス狙いだ! 雑魚どもはどけ!」 右に左に下級アヤカシを切り倒していく。 「見つけたあ!」 中級アヤカシの不厳王巨人戦士を発見すると加速する。 「行くぞ雪! そっちへ回れ!」 ルオウは凄い速さで駆け抜けると、腰を低く落として地面を踏みしめ武器を最上段に掲げ、剣気を叩きつけた。 「これでも……食らえ!」 ルオウの必殺タイ捨剣が炸裂。逆さ袈裟に刃が奔る。巨人戦士は一撃で真っ二つになった。 各務原はほぼ地上の全軍の指揮を取りながら、一隊、また一隊と後退させていく。その様は精密機械のような采配であった。 「さて……反撃のめどは……砲撃後ですかね」 各務原は思案顔で呟き、羽毛の扇子を持ち上げた。 「角度調整、砲弾込め直せ! 地上へ砲撃開始! 用意…テーッ!!」 津田の号令で、また一斉砲撃が始まる。凄まじい砲撃が打ち込まれる。砕け散るアヤカシ軍。 「制空権は取りましたな」 華御院は言って、順次爆撃の指示を出す。龍騎兵たちは、焙烙玉での爆撃を叩き込む。 セルは地上の各務張のもとへ舞い降りる。 「空は片付いたぞ。地上だが……どこをまとめて攻撃して欲しい?」 「敵軍の後ろをお願いします。間もなく我々も反撃に出ます」 「了解した」 セルは舞い上がると、敵軍の背後へ回り込み、続いて騎射+魔砲『メガブラスター』の合成技を地上に放っていく。また、特に不厳王増殖体の魔術師や巫女系などを集中的に狙っていく。 「チェン太! あたし達も行くよ!」 リィムナも加速。メテオで敵地上兵力を爆撃する。 「喰らえ! ギガンティック・エクスプロージョン!」 メテオ連射の必殺技が炸裂。 「砲術師隊、早合のものは紙薬莢を破り、弾こめ! 射撃姿勢を、とれーっ!」 津田は砲術士たちに号令。 「まだ撃つな、撃つな……よし! 今だ! てーっ!!」 銃撃が叩き込まれる。ばたばたと倒れるアヤカシ達。 「弓隊、前へ! 火縄銃隊第一陣下がれ、弾幕を切らさぬため、弓隊用意……てーっ!!」 続いて矢が降り注ぎ、 「火縄銃隊、二列目、射撃姿勢をとれーっ! 伏せて込めろ! 敵の攻撃が来るぞ! 続いて、膝立打ちにて、発射用意……てーっ!! 弓隊、矢を切らすな……放て!」 津田の号令で間断ない射撃が行われ、アヤカシ軍の戦列は崩れる。 「やべえ、敵が近いぞ……弓隊は射撃を続けろ! もしくは隊列を下げろ! 砲術師隊、総員、着剣! 銃剣をつけろーっ!!! 行くぞ! 槍兵のように、腰をいれて突けーっ!! 銃剣突撃!」 砲術士たちが突撃していく。 「ひるむな、隊列を崩すな!! 銃後も撃て! 俺たちは負けられねえんだ!」 津田は自身も銃剣で突撃する。 「では、全軍反転。攻撃開始」 各務原は全軍に号令を飛ばした。 龍安軍は反転、攻勢に転じ、アヤカシ軍を打ち砕き、引き裂き、撃滅した。 ● コルリス・フェネストラ(ia9657)は忍犬の水明と共に天承城内へ急行した。 鏡弦で影鬼を感知し、 「翔!」 月涙+響鳴弓の合成技を叩き込む。 影鬼は絶叫して瘴気に還元する。 「芦屋様! 栗原様! 春香様! 何処におわします!」 「コルリス様!」 「芦屋様!」 コルリスは芦屋と合流した。 「皆様ご無事ですか」 「最上階へ避難しています」 「私は城内の影鬼殲滅を引き受けますので、練力回復アイテムの調達をお願いできますでしょうか」 「何とか手配します」 「それから、真沙羅姫の匂いが残るものがあれば、お願いします」 「忍犬ですか……?」 「はい」 コルリスは件の現場へ向かうと、真沙羅姫が触れた布を手渡された。 水明に絶対嗅覚で真沙羅姫の匂いを覚えさせると、追跡を開始する。 「芦屋様、影鬼達の撃退と共に真沙羅姫の撃退も行います」 「よろしくお願いします」 「真沙羅姫の狙いは弘秀様と、ここにいらっしゃる皆様と思われます。今は影鬼達が表に出て暴れていますが影鬼達の動きが悪くなれば真沙羅姫が直接襲ってくる確率は高くなります。私は最初は城内の影鬼達退治に専念しますが、真沙羅姫襲撃時は月涙による迎撃と防戦も引き受けます。恐れ入りますが解術の法を使える方同伴で集まって重要な方々の守りを固める様お願いします」 「分かりました。では私は奥方様のもとへ戻ります」 「お願いします」 コルリスは影鬼を撃破しながら、水明の後を追う。 「翔!」 と影鬼を撃ち抜く。 嶽御前(ib7951)は天承城外、城下町へ向かう。手早く作戦を立てる。 「みなさん、弓術師や巫女、志士等、アヤカシを感知できる術を持つ方達を必ず同伴し、人々には地上から遠い場所、例えば屋根裏や建物の上などに避難してもらい、自分達は松明をかざし影を照らし、アヤカシを探索し、不審な影がわかればサムライの方々に咆哮で敵を集め、感知内容をもとに集まってくる影鬼達を弓矢や銃、非物理系の術など距離をとった攻撃を与え続け倒していく方式はいかがでしょうか」 「了解しました」 「早速始めましょう」 嶽御前は霊騎の天を駆り松明を掲げ城下町を駆け回る。 「敵は地中を進んできます! 屋根裏や屋根上などに避難して下さい!」 瘴索結界「念」などで探索していく。擬態している影を発見し、咆哮で引き付け、浄炎で影を攻撃。さらに矢と銃、術で攻撃。 影鬼が瘴気に還っていく。 「向こう! 鬼が実体化します!」 嶽御前は友軍と駆けつけ、影鬼を集中攻撃。排除する。 うめいて転がっている町の人々を、閃癒で治療して回る。 「首都に奇襲攻撃とはやってくれるね。なめた真似をしてくれたからには、高い代償を払ってもらわないと」 とアーク・ウイング(ic0259)は呟いた。 アーマー「人狼」のハヤテを駆り、城内の影鬼を粉砕していく。 友軍の十数名と術士数名に同行してもらう。 ハヤテを中心に、アークらは影鬼を潰していく。 「許さないわよ……この無差別攻撃!」 アークはギガントスピアで影鬼を貫いた。 やがて、ハヤテの練力が尽きたところで強制排除。 「アークさん!」 「コルリスさん?」 水明が駆けて来ると、吼え始めた。 コルリスは「翔!」と何もない空間を撃った。矢が突き刺さる。 すうっと、真沙羅姫が浮かび上がる。 「アヤカシ……! 真沙羅姫!」 アークは士道を使用し、 「都を荒らす不届きものめ。今、私たちが成敗してやる」 と口上を述べ、味方の士気をあげる。 「行くぞ! 真沙羅姫!」 「行くわよ! コルリスさん援護お願いします!」 アークは突進した。オーラとスマッシュで打ち込む。 真沙羅姫は受け止めた。 「私を見つけるとはやるじゃないの」 「ここへ来るまでに見たわ。民の無念……思い知れ!」 「いつでも乗り込んでやるわ。この身に溢れる憎悪が、湧き立つのを感じるわ。ふふ……」 「黙れ外道!」 アークは一撃、二撃と長曽禰虎徹を叩き込む。 「人間が――」 真沙羅姫は腕を突き出した。直後、全員が衝撃で飛ばされた。真沙羅姫は笑って、また姿を消した。 「く……逃げられた。仕方ないわね。コルリスさん、私は町へ向かいます」 「私は城内を片付けます」 二人は分かれた。 やがて影鬼達は撤退していくが、アヤカシが諦めたとは……思えない。 |