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■オープニング本文 天儀本島、武天国、龍安家の治める土地、鳳華――。 村は貧しかった。アヤカシ被害の多いこの土地では、龍安家が莫大な戦費を維持するために、民の暮らしは厳しかった。 「戦はいつになったら終わるのでしょうか‥‥」 「みんな、今は耐えるしかないのだよ」 年老いた村長は女たちに言って聞かせた。 村には老人や女子供の姿が目立つ。男たちは兵に取られたのだ。 激戦地の最前線では志体持ちの兵士たちが入れ替わりで戦っているが、それは鳳華の兵力の精鋭部隊である。龍安軍も大半は一般人の兵士たちが占めており、多くの男たちが兵に取られる。 最前線からはそれなりに離れたこの村は安全にも思える。実際名前付きの強力なアヤカシが出没することは少ない。だが、下位のアヤカシにとっては、無防備な村は格好の標的なのである。 魔の森で生まれた鬼の群れが村を襲撃したのは、春の陽気に包まれたある日のこと。 「ガオオオオオオオオオオオオオオ――!」 大小合わせて10数体の色とりどりの鬼が村になだれ込んで来る。 捕まった者たちは鬼の餌食となって行く。鬼はあざ笑うかのように民を追いたて、追い詰めていく。 包囲された村人たちは逃げ場を失い、つぶれかかった風信機のある村長の家の中に立てこもった。 「もしもし! もしもし! 助けて下さい! 鬼が村を襲って‥‥!」 民の一人が雑音の中でやり取りしながら外に助けを呼ぶ。 覚悟を決めた女たちが竹槍を構えて入口の前を固めている。老人や子供たちがその後ろにいた。 鬼たちは残酷な咆哮を上げると、最後の獲物に取り掛かろうと村長の家に攻撃を開始した。 |
■参加者一覧
朝比奈 空(ia0086)
21歳・女・魔
鈴梅雛(ia0116)
12歳・女・巫
朧楼月 天忌(ia0291)
23歳・男・サ
華御院 鬨(ia0351)
22歳・男・志
ラフィーク(ia0944)
31歳・男・泰
月酌 幻鬼(ia4931)
30歳・男・サ
深凪 悠里(ia5376)
19歳・男・シ
ルーティア(ia8760)
16歳・女・陰
コルリス・フェネストラ(ia9657)
19歳・女・弓
狐火(ib0233)
22歳・男・シ |
■リプレイ本文 「近い――」 狐火(ib0233)の超越聴覚が鬼の咆哮を捕える。朝比奈 空(ia0086)と鈴梅雛(ia0116)は顔を見合わせ、空が問うた。 「村人の声は聞こえますか」 「いや、そこまでは何とも、何か、悲鳴のようなものが聞こえますが‥‥はっきりとは。拾えるかどうかやってみます」 「狐火は頼む。とにかく、急ぐぞ」 朧楼月 天忌(ia0291)は言って、仲間たちを促した。 「兵力もない村を襲うなど、言語道断どすわあ」 華御院 鬨(ia0351)は走りながら一人ごちた。 「厄介な状況だな。50人が入る大きな家といえどアヤカシが来たら防衛しきれるか分からん。しかし、護れるだけは護りきってみせるさ」 沈着なラフィーク(ia0944)に、月酌 幻鬼(ia4931)は口許を吊り上げて笑った。 「くくく‥‥天儀の鬼と言う鬼が、いつの日か俺の名を知ることになる。この幻の鬼の名をな。そして応鬼‥‥何れお前を捕える日が来る」 幻鬼は黒い鬼に異常な執着を持つ男である。我、漆黒の鬼であると。我、白き漆黒であり、黒き白濁であると。我、ただ強き恐れられる黒鬼であれと。 「かなりまずい状況だよな。女子供と老人だけで、どこまで耐えられるか‥‥頼むから、間にあってくれよ‥‥!」 深凪 悠里(ia5376)の白銀の髪がなびく。一見女の子に見えてしまう少年である。 「鬼が‥‥! 無辜の民が犠牲になるのを見てはおれんぞ! 自分の命に代えても救って見せるぞ!」 上着一枚、その下にさらしを巻いただけパワフル少女のサムライ、ルーティア(ia8760)。アヤカシの非道に感情も露わにする。 「何とか、民を一人でも救うことが出来るように努力しましょう」 コルリス・フェネストラ(ia9657)は言って走る。美しい白銀の髪が揺れる。 駆け抜ける開拓者たち――。 「捕えた」 狐火は言って、耳をすませる。 「‥‥みんな頑張って! きっと‥‥! きっと助けが来るから!」 「神楽の都に連絡が付いたのじゃ。きっと開拓者たちがやってくる。みな、辛抱するのじゃ」 「でも村長! 鬼は今にも壁を突き破ってきます! 私たちみんな食われてしまいます!」 「もう手遅れじゃ! ああ! 何てことじゃ! 神様!」 狐火は、村人たちのパニックの声を聞く。 「村人たちはかなりピンチだ。家の中はパニック状態ですね」 やがて、村の中に入った開拓者たちの前に、凄惨な光景が飛び込んで来る。あちこちに無残な亡骸が横たわっている。真新しい鮮血があちこちに飛び散ってべっとりと木々や壁に張り付いていた。 開拓者たちは、血なまぐさい匂いに、胸がむかつくような感覚をおぼえる。アヤカシに襲われた無防備な村、その末路は悲惨なものだ、改めて厳しい現実を目の当たりにする。だが勝手知ったる何とやら、開拓者たちは戦場の空気に慣れていくと、村に踏み込む。 「あそこか――」 開拓者たちは、鬼の群れを発見する。一軒の家屋を包囲している鬼の群れを確認する。 「どこも隙がありませんね。不意を突きたいところですが」 「入口を確保して後、東と西へ二手に分かれて、南を殲滅する。という流れで良いのではないだろうか。予定では右と左から回って鬼たちを撃破して行くはずだったしな」 「では、私と深凪さんで民の誘導中心に動きたいと思います」 「そうだな。俺たちが救出に向かっている間に、みなで鬼を撃破してくれ。時間を稼いでくれ。中には五十人もいるようだし、パニックだと言うなら尚更」 コルリスや深凪らの言葉に、朧楼月やルーティアが頷く。 「任せとけ。外は確実に押さえるからな」 「自分らが時間を稼ぐぞ! 住民の避難は任せた!」 月酌はくつくつと笑った。 「さあて、黒き鬼よ、俺の金砕棒の錆にしてくれるぞ‥‥鬼どもが俺の前にひれ伏すのだ!」 「一気にかたを付けよう」 ラフィークは言うと、名刀ソメイヨシノを抜いた。 班分け―― 左側から奇襲、朝比奈、朧楼月、ラフィーク、狐火。 右側から奇襲、鈴梅、華御院、月酌、ルーティア。 民の避難誘導に深凪とコルリス。 そうして、開拓者たちは家の入口に向かうと、鬼の集団に奇襲攻撃を仕掛ける――。 「木枯!」 コルリスの射撃が鬼に撃ち込まれると、入口にたむろするアヤカシたちは開拓者の姿を確認する。 仲間を呼ぶ咆哮が出る前に、開拓者たちは鬼へ殺到した。 ‥‥家の中で。民はざわめいていた。恐怖と張り詰めた空気の中で、人々の感情は揺れていた。 「‥‥みんなしっかり! 私達で子供たちを守るしかないのよ! 泣き言を言わないで!」 「そんなこと言ったって、あんな鬼に私達で戦えるはずないじゃない‥‥」 「母さん、みんな死んじゃうの?」 「大丈夫だよ、きっと助けが来るからね」 「‥‥無駄なことじゃ‥‥この鳳華にて生を受けた以上、わしらは逃れる術はないのじゃ‥‥アヤカシの猛威がこの地を覆って以来、世界は変わってしまった‥‥」 「そんなこと言わないで。いつの日か、きっと鳳華のアヤカシも撃退される日が来るわ」 「アヤカシの攻撃は増すばかりじゃ‥‥わしらはええが、お前さんら若い者たちは、逃げた方がええじゃろうの。長くこの地に留まる理由などあるまい?」 「きっと、助けが来るから‥‥」 一言で逃げると言っても、土地を捨ててよその土地に移るには、村人たちにとって簡単な話ではない。放浪生活を余儀なくされることを考えれば、決心するのも簡単ではない。 と、その時である。封鎖していた家の入り口がばりばり! と破られた。 悲鳴が上がる。が、やがて声が静まって行く。扉を破って現れたのは、コルリスと深凪であったから。 「何? 誰?」 怯える村人たちに、コルリスが呼び掛ける。 「みなさん、お待たせしました。神楽の都から依頼を受けてやってきました。開拓者です」 深凪は民を落ち着かせるように前に踏み出す。 「みんな、仲間たちが鬼を押さえている間に、ここから脱出するぞ。急いでくれ。時間が無い」 「神楽の都の開拓者‥‥!」 若い女性が前に進み出て来た。 「ありがとう、開拓者なのね」 「そうです。急いで下さい。外の鬼は仲間たちが止めています。全員が無事に脱出できるように支援しますので」 「そう‥‥良かった‥‥」 女性は二人にお辞儀すると、村人たちに向き直る。 「みんな! 神楽の都から開拓者が来てくれたわ! 逃げるのよ! さあ立って! 急いで!」 村の女子供、老人たちは、コルリスと深凪に続いて、脱出する。 「大丈夫か外は」 鬼の咆哮が間近から響いてくる。 「はい、みなさんが交戦中でしょう。今のうちに」 「よし、村人のみなさん急いで下さい!」 深凪とコルリスは、壁を引きはがして、出口を広げると、民を誘導して行く。 みな怯えながら外へ出て行く。 ――オオオオオオオオオオオ! と鬼の咆哮が轟いてくる。 村人たちの足がすくむ。脳裏に食い殺された民の姿が浮かぶと、足が止まって動けなくなる。 「さあ、おじいさん。急いで下さい」 「わ、わしはもう駄目じゃ‥‥みんなで逃げておくれ」 「何を馬鹿な」 深凪は老人を抱き上げると、民を鼓舞して声を掛ける。 「大丈夫です! 鬼はまだこちらには来ませんから! とにかく、外へ! さあさ、立ち上がって!」 深凪は、足が止まってしまった民の手を取り、先導して行く。 「急ぎましょう」 コルリスは周囲に警戒の目を向けながら、民の殿に着いた。 「よし! 急いで、ここから離れましょう!」 コルリスと深凪は、民を率いて脱出を果たす。 朝比奈、朧楼月、ラフィーク、狐火たちは、家の東側に回り込むと、今にも家に攻撃を仕掛けそうな鬼の群れに奇襲攻撃を仕掛ける。 「行きますよ!」 「おうよ!」 「一気に行かせてもらうぞ鬼ども!」 「何とか、民が逃げる時間を稼ぎませんとね」 鬼の群れは、不意に現れた開拓者たちに虚を突かれる。 ――グオオオオオオ!? 朝比奈は並みのサムライを遥かに越える動きで突進すると、二刀を中型鬼に叩き込んだ。巫女とは思えぬ体さばきである。朝比奈の攻撃は鬼を凄絶に切り裂いた。反撃の一刀を弾き返して、さらに一撃叩き込めば、赤鬼から炎が飛んでくる。 「精霊の加護よ‥‥我が身を守りたまえ‥‥!」 精霊壁で抵抗が上昇する。炎の直撃を受けた朝比奈だが、全くの無傷。 「無辜の民を手に掛けた報いは受けてもらいます」 朝比奈は突進すると、刀を撃ち込んだ。ザン! と赤鬼の腕が切り飛ばされた。絶叫する赤鬼に、朝比奈は容赦なく攻撃を浴びせる。鬼の反撃を跳ね返して、朝比奈は赤鬼の首を刎ね飛ばした。崩れ落ちて瘴気となって赤鬼は消失する。 「おおおおおりゃあああああ!」 朧楼月は業物を振り下ろした。黒い小鬼は――キイイイイイイン! とその一撃を受け止めた。 「噂に聞く黒鬼か――んならあ! これならどうだ!」 続いて両断剣――全身の力を込めて、裂ぱくの気合とともに一撃を振るう。刀が黒い鬼の肉体を貫通する。凄絶に切り裂かれて叩き伏せられる小鬼。 ――グウウウウウウ‥‥。 小鬼は跳ねるように起き上がると、朧楼月に一撃を浴びせかける。キン! キン! と弾き返す。 「てめえら‥‥命乞いは通じねえからな!」 朧楼月は殺到してくる小鬼の群れに、回転切りを叩き込んだ。全周攻撃が小鬼を吹き飛ばして切り裂いた。 「崩落石! 隆起爪!」 崩れ落ちるような酔拳の一撃で転倒したラフィークは、続く一撃で跳ねるように起き上がると、大鬼へソメイヨシノを叩き込んだ。 ――ガオオオオオオ! 大鬼は棍棒を振るった。ラフィークは易々とその一撃を回避すると、酔拳の要領で立て続けに攻撃を加えて行く。的確な命中で大鬼の肉体を貫通するソメイヨシノが、大打撃を与えて行く。 「食らえ‥‥気功掌!」 気を集中させた拳の一撃が大鬼の肉体を打ち貫く。 崩れ落ちた大鬼は、瘴気となって霧散する。 「炎や雷を食らうのもあほくさい」 早駆で飛びながら、青鬼を撹乱する狐火。一気に接近すると、鎌で青鬼を切り裂いた。青鬼はめり込んだ鎌を掴むと、狐火を投げ飛ばした。空中で回転した狐火は、着地と同時に早駆で突進すると、青鬼の腕を吹き飛ばした。 ――グオオオオ!? 恐慌状態に陥って、後退する青鬼。 「逃がすと思うのか。甘いな」 狐火は逃げる青鬼に飛び蹴りを叩き込んで組伏せると、鎌で首をざっくりとやった。それでも、鬼の体と頭は生きていたが、狐火は火遁で焼き払った。 家の西側に回り込んだ雛と鬨、幻鬼にルーティア。鬼を速攻で潰しに掛かる。 「あら、鬼さんこちらどす」 鬨は舞うような動きで中型の黒い鬼に撃ち掛かって行く。 ――ガアアアアアア! 鬼は斧を持っていて、鋭い一撃を繰り出してきた。 横踏で舞うように一撃を回避する鬨。 「あら、残念どすな」 愛用の脇差を叩き込んだ。鋼のような肉体を持つ黒い鬼が切り裂かれる。 黒い鬼が初めて感じた痛みは、憎悪と怒りをもたらした。鬼は咆哮すると鬨に突進してくる。 「短気は損気どす」 鬨は冷静に黒い鬼の攻撃を回避すると、確実に脇差を撃ち込んでいく。そして、最後には黒い鬼の首を飛ばした。崩れる鬼は瘴気に還元する。 「行くぞ鬼どもが! 民の無念を知れ!」 上着を放り投げて上半身はさらし一枚になったルーティアは、小鬼に連続攻撃を浴びせかける。隼人で加速すると、小鬼たちの反撃をことごとくかわして鬼神ノ小柄を三連撃。ドウ! ドウ! ドウ! と小鬼たちを後退させる。 小鬼たちはルーティアを取り囲むと、憎悪の眼差しで睨みつける。 ルーティアは鬼の殺気を受け流しつつ、二刀を構え直した。気合を入れて一喝する。 「来いやあ! びびったか!」 ――ガオオオオオオ! 小鬼たちは撃ち掛かってくる。 と、二刀を構えるルーティアの動きが加速して、小鬼の一体に弐連撃×3が撃ち込まれる。一瞬の出来事。 「これで終わりだ! 鬼神の六爪、その身に刻め!」 六連撃を叩き込み、すれ違いざまに鬼の首を跳ね飛ばした。最後に成敗! で刀を鞘に戻して練力回復。 必殺の六連攻撃を受けた小鬼はずたずたに切り刻まれて、崩れ落ちて瘴気に還った。 ルーティアは、小鬼たちを睨みつけると、次なる攻撃に備える。小鬼たちは、一瞬にして瘴気と化した同族を見て、じわじわと間合いを詰めてくる。 「鬼ども、ここで全滅させてやるぞ」 幻鬼は、黒い大鬼と対していた。後ろを雛が支える。 「神楽舞・攻――」 幻鬼を支援する雛の舞い。 「巫女の舞で力が増す‥‥! 黒い鬼よ、その目に我が姿を焼き付けろ!」 幻鬼は金砕棒を叩き込んだ。 ガキイイイイイイイイン! と大鬼は弾き返した。反撃の大刀を、幻鬼は受け止めた。 「刃が通らないのならば、潰して砕いてしまえばいい‥‥」 「幻鬼さん、気を付けて下さい。大鬼は強敵です」 「黒い鬼は‥‥俺一人で良い‥‥幻の黒い鬼が、いつの日か応鬼を捕えるわ」 幻鬼は牙を剥くと、大地を蹴った。 雛が神楽舞を舞うと、幻鬼の力が増す。 「朧月の光のごとく‥‥夢を見るがいい‥‥貴様もはかなく散るのみだ!」 幻鬼の両断剣が炸裂。全身の気力を乗せた一撃が黒い大鬼を貫通する。金砕棒が鬼の肉体を打ち砕いた。 「鋼とはなんと脆いのだろうか‥‥」 ――ガオオオオオオオ! 大鬼は怒り狂って反撃してくるが、幻鬼は受け止めた。 「お前も応鬼には遠く及ばぬ‥‥やはり、あの黒い鬼は俺が止めを差す!」 大鬼の大刀を弾き飛ばした幻鬼は、金砕棒をもう一撃叩き込んだ。両断剣。大鬼の頭部が砕け散る。 よろめく大鬼は、頭部を破壊されても幻鬼に向かって襲い掛かってくる。幻鬼は激戦の末に、雛の支援を受けて、この大鬼を撃破する。 その後、東と西を制圧した開拓者たちは、南に残っている鬼の群れを殲滅する。 コルリスと深凪も合流して、鬼を残すことなく撃破した。 「どうにか、鬼は退治しましたけど、アヤカシがいなくなることはないのですね」 雛は小さく言って吐息する。 「いつの日か、必ず魔の森を無くして見せます。その日まで、見守っていて下さい」 雛は埋葬された民の墓に誓う。 「雛さん」 空が雛の小さな肩に手を置く。 見上げる雛の瞳には悲しみが溢れていた。 そんな雛の頭を、朧楼月ががしがしとかき回した。 「きっとこの地もいつの日か平和になるだろうさ。俺たちにはほんの少ししか手助けできないけどな」 「民のみなさんの労苦を思えば、ひいなは悲しくなります」 鬨は生き残った民と握手を交わしていた。 「私達に逃げる術はないのです‥‥土地を捨てて行くことは出来ません。簡単には」 「民の声はうちも機会があれば龍安家の頭首に伝えておきます。魔の森への警戒を強化してもらえると良いのどすが」 それでも討ち漏らして村を襲うアヤカシが絶えることはないだろう。魔の森がある限りは‥‥。 |