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■オープニング本文 遺跡――そこは宝珠の採掘源であり、開拓者たちにのみ解放された区域である。天儀王朝公認の開拓者ギルドに所属する開拓者だけが、遺跡から宝珠を採掘できるのだ。 「栢山遺跡か‥‥」 開拓者ギルド相談役の橘鉄州斎(iz0008)は、依頼書に目を落としながら、まだ見ぬ遺跡の名を呟く。遺跡が発見されたと聞いて、またその遺跡にまつわる伝承から、よもやまだ見ぬ新大陸への道が開かれている‥‥そんな話を聞き、相談役も「これは大きな仕事になる」と、予感せずには居られなかった。いずれ栢山遺跡にまつわる依頼群がギルドにも並ぶことだろう。 橘は出立の支度を始めた。上役の許可を取り現地へ向かうことにする。開拓者たちを集めて、栢山遺跡へと向かう。新大陸へと続く伝説を追い求めて、ストーリーは動き出していた。 ‥‥栢山遺跡。長きにわたって封印されてきたこの遺跡に、伝説の宝珠が眠っていると言う。それが嵐の壁を開く鍵になると、伝説は伝えていた。 「遺跡は初めてか? ま、俺も封印されていた遺跡に立ち入るのは初めてだぜ」 橘は、開拓者たちを振り返った。開拓者たちの視線は、開かれた遺跡の入り口の向こう、暗闇に向けられていた。 「いざ開拓って雰囲気だな」 一人が入口に立ち、松明を持って暗闇を照らし出す。 「俺たちの仕事は、この遺跡から『開門の宝珠』を持って帰ることだ。嵐の壁の突破に、その宝珠が必要らしい」 「何とも、壮大な話ですね‥‥まあ、私たちは始まりの一歩を踏み出そうとしているのですね」 「そういうことだ。だが気をつけろ、遺跡の中にはアヤカシが徘徊しているし、ここはまだ恐らく罠が張り巡らされているだろう」 橘は言って、目を投げかけるのだった。 ――遺跡の奥で、それは目を覚ました。 『ギギ‥‥侵入者がやってきた‥‥攻撃を開始せよ‥‥侵入者は全滅させるのみ‥‥それが我らが役目‥‥』 『ギギ‥‥攻撃開始‥‥』 『攻撃開始‥‥』 耳障りなざらざらした声を上げると、眠りから覚めた遺跡の「番人」たちは、続々と動き出した。 |
■参加者一覧
梢・飛鈴(ia0034)
21歳・女・泰
葛切 カズラ(ia0725)
26歳・女・陰
鴇ノ宮 風葉(ia0799)
18歳・女・魔
鬼啼里 鎮璃(ia0871)
18歳・男・志
嵩山 薫(ia1747)
33歳・女・泰
真珠朗(ia3553)
27歳・男・泰
夏 麗華(ia9430)
27歳・女・泰
メイユ(ib0232)
26歳・女・魔
ブローディア・F・H(ib0334)
26歳・女・魔
小隠峰 烏夜(ib1031)
22歳・女・シ |
■リプレイ本文 「さて、新大陸への輝かしい一歩を踏み出すとするアルか。もっとも、歩いているのは暗闇の中アルが」 梢・飛鈴(ia0034)は言って、松明を前方にかざした。遺跡に踏み込んでから最初の分岐を抜けて、何事もなく部屋を通過した。 「ダンジョンの攻略なんて初めてね。ぞくぞくするわねえ」 葛切 カズラ(ia0725)は背後を見やり、すでに塞がれた入口を見る。入口は勝手に閉まってしまった。帰る時にはまた仕掛けを動かさなければならないようだ。 「うう‥‥前に出たい前に出たい‥‥」 世界征服を野望に掲げる風世花団の団長、鴇ノ宮 風葉(ia0799)は、型破りな巫女だ。今回は顔見知りの梢に任せられたのもあり、開拓者となって初めて、回復支援のみを担う。‥‥が、出来るかどうかは別として本人はすこぶる不満であった。 「今回は支援を頼むアルよ風葉」 「うう‥‥仕方ないわねえ。本当は我慢してやってるんだからね」 「当然アル。風葉は巫女アルよ」 声が反響して遺跡内に響き渡る。 「遺跡の探索とは、開拓らしくなって来たものですが。さて、何か成果を持ち帰りたいところですね」 鬼啼里 鎮璃(ia0871)の言葉に、嵩山 薫(ia1747)は思案顔。 「よその国の茶番に付きあわされるよりはましよね。それにしても、鬼が出るか蛇が出るか‥‥一番考えたくないのは何も出ないってことだけど」 言いつつ、開拓者たちは曲がり角を注意を払って進んでいく。 「あたしゃ探索とか苦手なんですがねえ。壁とか全部ぶっ壊して直進するタイプですし」 最後尾の真珠朗(ia3553)は言ってから、背後を警戒する。 「ま、冗談はさておき、仕事は真面目に行きますか。何か珍しいものがあってもぱくったら御法度何でしょうなあ」 夏 麗華(ia9430)はマッピングをしていて、顔を上げた。 「遺跡の探索は天儀王朝から委託されたお仕事ですから。仕方ないですよね。宝探しと言うのも心躍るものがありますが‥‥」 「伝説の宝珠でしたかね? 泰国やジルベリアへの航路が切り開かれたことを考えますと、第三次ということなのでしょうね。次に待ち受ける未知なる世界への浪漫が人を突き動かすのでしょうか? 興味は尽きぬところですが参りましょう」 魔術師のメイユ(ib0232)。未知の新世界。それを切り開く大三次開拓への道は、彼女の知的好奇心を刺激する。 「新大陸ですか‥‥」 ブローディア・F・H(ib0334)の真紅の瞳が、炎の光を受けて神秘的にきらめく。 「どんな世界が待ち受けているのでしょうか。楽しみではありますが、どんな世界でも、私の仕事は変わりませんがね」 丁寧口調だが、ぶっきらぼうに言い放つブローディア。 「今のところ、出だしに罠の気配はないのでありますよ」 小隠峰 烏夜(ib1031)もマッピングを行いつつ、松明の明かりに反射する壁に目を向ける。 ギルド相談役の橘 鉄州斎(iz0008)は、開拓者たちに声を掛ける。 「封印されていた遺跡だ。何が待ち受けているかは分からん。警戒して行くぞ」 「橘、安心しなさいよ。今回は無茶はしないからね」 風葉は、そう言って橘にどこか意地の悪い笑顔を向ける。 「全く、無茶はしてくれるなよ」 開拓者たちは明かりをかざしながら前進する。遺跡の壁は、天然の洞窟で、遠くから水の流れる音がどこから聞こえてくる。暗闇の中に、風鳴りと、獣の咆哮らしき声が響き渡る。開拓者たちは、それぞれに緊迫した思いを抱きながら進む。 また次の分岐点に出て、飛鈴は松明を通路にかざした。風の方向を確認する。火が右から左へと揺れる。 「向こうから風アルか」 飛鈴は松明を風の方向にかざす。 烏夜はスキルを活用して慎重に床に目を凝らす。それから壁に小さな穴を発見する。そのまま、床に目を向けて、ゆっくりと踏み出す。 「‥‥何かありそうですか」 鬼啼里が問うと、烏夜は頷き、床に転がっている石を投げた。石は床にこつんとぶつかると、両サイドの壁から槍が飛び出してきた。 「わお」 カズラは小さく口笛を吹いた。 「さてどうしますか?」 「警戒しながら進んでみましょう。罠の先にまだ道があるかも」 「術を使いながら確かめて行きますでありますよ」 「わくわくするわね〜」 カズラの声に夏は小さく肩をすくめると、罠の存在をマップに書き込んでいく。 通路を警戒しながら進んでいくと、洞窟の壁がつるつるの壁に変わった。 「これは‥‥人の手によって作られた通路でありますねえ‥‥凄いですね」 最後尾の真珠朗は、壁に触れようとしたところで、メイユに止められる。 「真珠朗さん、危ないですよ」 「おっと、そうでしたね」 「大丈夫であります」 烏夜は振り向いて、言葉を投げる。 「人工の壁は謎ですが、罠はないようです」 「大丈夫なのですか」 ブローディアは確認すると、壁の感触を確かめてみる。滑らかに加工された壁は、四角にくり抜かれていて、カーブして伸びている。 「不思議ですね‥‥こんな広大な通路をどうやって作ったのでしょうか?」 「遺跡には謎が多い。地上の世界では見たこともない物があったりするからな」 橘は言って、改めて周囲を見渡す。 「どう? 何か反応は?」 風葉の問いに、烏夜は首を振る。 飛鈴は松明をかざして、不思議そうに通路の先を見やる。 やがて、一行は開けた空間に出る。円形の部屋である。扉が三か所に付いている。 「何かありそうね」 薫は扉の前に立つと、眉をひそめる。 烏夜の出番である。扉を前に、超越聴覚や忍眼を使う。三つの扉はいずれも鍵が掛かっていたが、烏夜は解錠に成功する。 と、その時である。通路の上から壁が落ちて来て、帰り道を塞いだ。 ずううううん‥‥と、岩の壁が下りて、開拓者たちが振り向いたところで、室内の床からガスが噴き出してきた。 「何アル‥‥!」 「こいつは‥‥毒霧だぞ」 橘は口許を手で覆った。 鬼啼里は岩の壁を攻撃するが、さすがに一撃では崩れない。 「前に進みましょう」 カズラは毒を吸い込んで顔をしかめつつ、扉に目をやる。 「そっち、右端の扉は?」 「大丈夫であります。何もないはずでありますよ」 「それじゃ、行きましょう」 薫は先頭に立って、扉を開けると、先に進んだ。 開拓者たちは、扉を抜けていく。 最後尾の真珠朗が流れ込んで来る毒霧を遮るように扉を閉ざした。 「やれやれ‥‥帰り道を探さないといけませんねえ」 「これは?」 メイユは先に広がる空間に目を奪われた。 幅の広い通路がまっすぐに伸びている。両サイドには石像が建ち並んでいる。 「今にも動き出しそうアルな‥‥」 飛鈴は、石像の前に立ってしかめっ面をした。 と、次の瞬間、石像が本当に動き出して、剣を振り下ろしてきた。 「――!」 飛鈴は飛んで逃げた。 「アヤカシ?」 「遺跡の番人たちだ。アヤカシだぞ!」 橘が鋭い声を飛ばす。 戦士の姿をした石像は次々と台から降りてくると、咆哮を上げて立ち向かってくる。 「行くわよっ」 薫は先陣を切って突撃して行く。 「はあああああ‥‥!」 疾風のように駆け抜ける薫の一撃が、石像のアヤカシを打ち抜く。粉々に砕け散る石像。それから黒い塊となって瘴気に還元する。 「でやい!」 橘も刀を一閃して、アヤカシを両断する。 鬼啼里は石像兵士のアヤカシの一撃を跳ね返すと、槍を叩き込んだ。そのままアヤカシを串刺しにして、投げ飛ばした。砕け散って瘴気に還元する。 夏は重突を撃ち込み、メイユとブローディアは魔術で応戦した。 やがて、アヤカシの群れは瞬く間に一掃されていく。 「ふう‥‥終わり?」 カズラは焙烙玉を投げ込んで、辺りを見渡す。 静かだ。アヤカシは生き物のような気配が無い。 「さて‥‥どうなりましたか」 鬼啼里は通路の先に目を向ける。 夏は改めてマッピングしてから、思案顔で地図に目を落とす。 「先に進むしかないでしょうね。さっきの部屋は毒に汚染されていますので」 「ふうむ‥‥」 橘も青い瞳を暗がりの中へ向ける。 飛鈴は松明を装填して、前方へ向かう。 真珠朗は最後尾に付き直すと、静けさを取り戻した通路を確認する。 と、幅広の通路の先に、大きな台座が見えてくる。不思議な明かりに包まれていて、台座の上にはまばゆいばかりの宝石が置かれていた。 「何と、お宝ですか」 「分からないわね。油断はできないわ」 烏夜は周囲を調べると、鋭い声を出した。 「囮かもしれないのでありますよ」 「何の囮アルか」 烏夜は床の切れ目を調べてみる。 「汝、ここに明かりを持ってきてもらえませんか」 飛鈴は、床の切れ目に松明をかざすと、炎がかすかに揺れる。 「風?」 「下に空間があるのでありますよ」 「落とし穴ですか」 開拓者たちは台座の前から離れると、烏夜が合図をして宝石を手に取った。 その瞬間、床がぱっくりと開いて、風がびゅうびゅうと吹きこんできた。 「やはり」 そうして、烏夜の手にある宝石から、光が失われていく。宝石はただの石ころに変わってしまった。 「危ないところですね」 ブローディアとメイユは、大きな落とし穴を覗きこむ。どこまで続いているか、穴の先は見えない。 「ここは行き止まりでしょうか?」 夏が見渡すと、小さな穴を発見する。 穴の周りには、蛇の文様が彫られていて、奇妙な文字が刻まれていた。読めない。 「穴の向こうに何があるのかしらね」 風葉は火種を使って、穴の奥を照らし出す。 「何が見える?」 「んー、取っ手のようなものがあるわね」 「‥‥とすると、まだ先があるかな」 開拓者たちは行き止まりを探ってみる。そこで、烏夜が壁の切れ目に目を止める。超越聴覚を使う。 「ここでありますね」 烏夜はこつこつと壁を叩く。 「この向こうに別の空間が広がっているでありますね」 「取っ手を引いてみましょう」 薫は言って、風葉が不敵な笑みを浮かべる。 「この先にまだまだ大冒険の続きが‥‥行くわよ」 風葉は取っ手を引いた――。 すると、壁の切れ目が上にスライドして、新たな通路が出現する。 飛鈴は松明をかざすと、また空間が広がっているのを確認する。 べしゃっ! べしゃっ! と言う音が不気味に響き渡る。 「何かいるアルよ」 明かりに照らされて浮かび上がって来たのは、遺跡のアヤカシ、「暗き泥の塔」である。 「こいつは‥‥噂の泥の塔か」 橘も鋭い視線を投げかける。 「こいつも遺跡の番人ってわけね‥‥ならば、倒してしまうまでよ」 薫は前に出ると、拳を打ち合せる。 「噂の泥の塔‥‥全力で行かせてもらうわよ」 カズラは符を装填すると、泥の塔と間合いを取る。 開拓者たちは泥の塔を取り囲むように展開すると、この巨大なアヤカシとの戦闘に備える。 「見るもおぞましい姿ですが‥‥」 「これでも中級アヤカシなのよね‥‥最初の一撃は、私からね!」 カズラは斬撃符を叩き込んだ。鏃の式が神風特攻して、泥の塔を凄絶に切り裂いた。 泥の塔は奇天烈な咆哮を上げると、触手を叩き込んで来る。 「気をつけろ! こいつは毒を持っているぞ!」 橘は触手を切り飛ばして、開拓者たちに声を飛ばす。 「承知しているアル」 飛鈴は飛ぶと、拳を叩き込んだ。が、予想外の方向から、触手の一撃が飛んでくる。飛鈴を切り裂く。 「‥‥!」 飛鈴は転がるように逃げると、顔をしかめる。手足が痺れてくる。 「やられた、毒アルか」 「まったく、アタシが解毒を使えなかったらどうしてたんだか‥‥ほら、見せてみ」 風葉は解毒を使うと、飛鈴の毒を回復する。 「接近戦は要注意アルな」 カズラはさらに斬撃符を叩き込む。 立ち直った飛鈴に、鬼啼里、薫、橘、真珠朗、夏は泥の塔を囲んで、一撃離脱を繰り返す。 ブローディアはファイヤーボールを叩き込み、メイユはフローズで支援した。 「今回ばかりは支援か‥‥ま、しゃーない」 風葉は戦況を見守りつつ、仲間たちの奮戦を信じて後退する。 泥の塔は頑強で、しぶとく立ちふさがったが、最後にカズラの斬撃符が止めを差した。 ぼろぼろに崩れ落ちていく泥の塔。瘴気となって還元した。 「手ごわい相手‥‥でも、それだけに、ここには何かがある気がするわね」 薫は言って、周囲を見渡す。 と、べしゃっ! べしゃっ! とまた同じような音が響いてくる。 「まさか‥‥まだ来るの?」 続いて現れたのは、中型の泥人形である。泥をまきちらしながら前進してくる。 『侵入者を倒せ‥‥』 泥人形たちは、意味不明の言葉を繰り返しながら、接近してくる。相当な数だ。 「逃げるか?」 「いえ、進みましょう」 薫が言うと、鬼啼里も前に出る。 「今回は行ける所まで行ってみましょう。とりあえずはですが」 「結構だ」 橘は刀を握り直すと、泥人形に突撃する。 「ブローディアとメイユは練力を温存しろ。ここは後ろで待機してくれ」 「お守りします」 夏が重突を構えて、魔術師二人の護衛に付く。 「行くぞ!」 再び突撃する開拓者たち。泥人形を次々と粉砕して行く。 『侵入者を倒せ‥‥』 呪文のように泥人形の声が暗闇に響き渡る。 開拓者たちは泥人形を潰して潰して打ち砕いて行く。 やがて、泥人形の前進を撃破した開拓者たちは、周囲を見渡す。 「どうなっているの、ここ?」 前方に改めて明かりを照らす飛鈴。 空間が広がっている。 「進むしかないようでありますね」 烏夜が罠を探りながら前進する。 前進する開拓者たちは、空間を探った。すると、ここは広大な広間であることが判明する。 広間の中心に、巨大な戦士の像が立っていて、これは紛れもなく石像であった。 像の足元には文字が刻まれている。 「読めるわね‥‥何かしら」 風葉が明かりを灯して見る。 「開門の宝珠を探し求めてきた者たちへ告げる。偉大な力を持つ宝珠は、封印を解き放つ力を持っている。それは封印された過去を解き放つものである。嵐によって閉ざされた道筋を、宝珠が照らし出すであろう。だが心せよ。宝珠は巧みな知恵によって隠されており、強力な番人によって守られている。宝珠を手に入れるには、命を賭す覚悟が必要であろう。そして、その隠された道は‥‥駄目、肝心なところが読めないわね」 「こちらに道があります」 鬼啼里は、広間の一角から伸びる通路を発見する。 「道はここだけですか‥‥」 夏はマッピングすると、思案顔で地図に目を落とす。 「ダンジョン攻略ってのも簡単にはいかないものね〜」 カズラは、意外に踏破してきた部分が少ないのに肩をすくめる。 それから、開拓者たちは広間を後にして通路を進んだ。次の分岐点を調べてから、まだ先があるところで手持ちの松明が底を突く。 「まずいわね‥‥そろそろ帰らないと迷子になっちゃうわよ」 「こっちから外気が流れてくるアル」 行き止まりの隠し扉から、最初の出発地点に戻った。 「出発地点です、ここが」 「そうか‥‥」 安堵の息を漏らす。 仕掛けを動かして扉を開くと、開拓者たちは遺跡から脱出するのだった。 |