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■オープニング本文 武天、とある町で‥‥。 町は賑やかだ。荷が集まり、商店街は活気にあふれている。沿岸地域から運び込まれた塩乾魚、また色んな種類の漬物が並び、それに武天の特産品である醤油や味噌を扱った店が軒を連ねる。また理穴から輸入された女性用の華やかな着物が人目を引く‥‥。 この地域でも決してアヤカシの被害がなかったわけではない。これまでにもアヤカシの襲撃はあった。だが、何とか氏族に仕えるサムライたちがアヤカシを撃退し、町の平和を保ってきたのだ。 少なくとも町の周辺に魔の森といった危険地域はなかった。もっともアヤカシの突発的な被害は村々で起こっていたが‥‥。 その日もサムライたちが巡回して、町の様子を見て回っていた。立ち並ぶ商店で足を止め、民人から変わりはないか尋ねて回っていた。 武天の家屋は普通木造建築である。一般の民家も大抵平屋作りであるが、繁華街や大きな屋敷などは二階建ての建物も存在する。 季節は夏。立ち並ぶ民家の間には風鈴が鳴り響き、料理屋や酒場の前では女将が打ち水をしていた。人々は日陰を求めて移動する。 そんな真夏の平凡な日常風景にも、サムライたちが気を緩めることはなかった。 最近のアヤカシ被害の件数は日を追うごとに増している。アヤカシは町中であろうと実体化するのは天儀では子供でも知っている日常時である。 と、その時だ――。 突然町の一角で大きな爆発が起こった。 「何だ?」 空にはもくもくと黒い煙が立ち昇っている――。 サムライが駆けつけた時、すでに町の一角は地獄絵図と化していた。 一帯は炎に包まれ、空中から次々と中型・小型の鬼が実体化して、地面に降り立ってくるではないか。 鬼は逃げまどう人々に襲い掛かり、民家にも侵入し始めている。 「鬼アヤカシの群れか‥‥すぐに応援を呼べ! 俺たちだけでは手が足りん!」 熟練のサムライが若いサムライを怒鳴りつける。 悲鳴と怒号が錯綜する中、鬼は人々をなで斬りにし、生かしたまま食らい付いていく。残酷なようだがアヤカシにとって人間は餌に過ぎないのだ。 と、ボスの赤い大鬼が咆哮し、口から炎を吐き出した。紅蓮の炎が家屋を焼き尽くしていく。 また青い大鬼は腕から電撃を放って家屋を焼き払っていく。 「ぐっ‥‥この化け物どもが」 吹き付ける炎の熱風に顔をしかめながら、熟練のサムライは戦闘区域に踏み込んでいく。 と、逃げ遅れた子供が、呆然と大鬼を前に立ち尽くしている。 「いかん‥‥!」 サムライは走った。疾風のように子供を抱き上げる――。その背中から紅蓮の炎が吹き付けられるが。サムライは跳んだ。跳んで家屋の二階に転がり込む。だがそこもすでに炎が回っており、中型鬼が待ち受けていた。サムライは子供を抱きながら刀を抜くと、屋根に上がって逃げ出した。 「いいか、とにかく、ここから離れろ。さあ、行くんだ」 サムライは適当な場所へ降り立つと、子供を逃がす。 「鬼どもの好きにはさせんぞ」 サムライは振り返ると、再び戦場に向かって走り出した。 神楽の都、開拓者ギルド――。 「また、武天でアヤカシ被害が出たようです。氏族から援軍要請が来ています」 受付の青年は集まった開拓者達に状況を説明する。 「とある氏族領の町で鬼アヤカシの群れが出現、鬼の総数は五十体ほど。赤い大鬼と青い大鬼に統率されているようです。すでに氏族のサムライ達が十数名、交戦に入っていますが、昼夜を問わず行われるアヤカシの攻撃に町の一区画は壊滅。アヤカシに占拠されたようです。サムライ達は態勢を立て直して反撃するつもりのようですが、そこで開拓者を雇うことに決めたそうで。何と言っても、まだ民が生き残っています。鬼は占拠した場所に止まっているようですが、これ見よがしに人質を食らっていると‥‥。急ぎ、町へ向かって下さい。味方の出発準備は整っています」 平穏だった町に白昼現れた鬼アヤカシの群れ。これ以上の被害が出る前に、鬼たちの暴走を食い止めねば‥‥。 |
■参加者一覧
赤城 京也(ia0123)
22歳・男・サ
青嵐(ia0508)
20歳・男・陰
右意 次郎(ia1072)
26歳・男・志
川屋 花子(ia1201)
11歳・女・巫
ルオウ(ia2445)
14歳・男・サ
蛇丸(ia2533)
16歳・男・泰
天川 真言(ia2884)
20歳・男・志
斉藤晃(ia3071)
40歳・男・サ
翔(ia3095)
17歳・男・泰
琴月・志乃(ia3253)
29歳・男・サ |
■リプレイ本文 九人の開拓者達は、瓦礫と化した町に到着した。十五人の氏族のサムライたちは開拓者達の到着を待ちわびていたようである。 「よくぞ来てくれた。此度は感謝する」 開拓者達とサムライ達は打ち合わせを済ませると、早速破壊された町の中へ進入していく‥‥。 「うっ‥‥」 赤城京也(ia0123)は異様な臭気が立ち込める戦闘区域に入って足を止めた。 民の亡骸が横たわっている。無残な姿で‥‥。 「おのれアヤカシ‥‥一人でも多くの人を救うためにも‥‥できるだけ急ぐ必要がありそうですね」 「ああ、此処には‥‥とても多くの無念が渦巻いています、ね。悲しいでしょう、悔しいでしょう‥‥ならば」 青嵐(ia0508)は式神人形を使った腹話術で人形を動かしていた。 「共に、逝きましょう‥‥」 「こうしている間にも町の人たちは食べられているのですね。少しでも多くの人を助けるためにも素早く行動に移りましょう」 川屋花子(ia1201)は亡骸に念仏を唱えながら呟いた。 「さっさと鬼どもを蹴散らして終わりにしようぜえ。全く、アヤカシどもの凶行を見ていると胸が悪くなるぜ」 ルオウ(ia2445)は言って顔を上げる。 「取り巻きだけでもさっさと消えてもらいましょうか。これ以上の非道は許せませんね」 蛇丸(ia2533)は屋根の上から飛び降りてくると、冷ややかに言ってきらりと瞳が光る。 「無辜の民が犠牲となっていく‥‥そんな世は終わりにしましょう。鬼アヤカシを討伐して民の供養とする、僕は誓いますよ」 天川真言(ia2884)は真摯な瞳で破壊された町並みを見つめる。 「ここで殺された人の無念を、何としても晴らしてやります」 「美味い酒が飲めればそれでいいんやけど、こいつらがいるとそうもいかんわなあ。全く邪魔な奴らやで」 斉藤晃(ia3071)は言って思案顔で顎をつまんでいた。 「まだ生存者がいるんです‥‥早く助けに行かないと」 翔(ia3095)の言葉に琴月・志乃(ia3253)は頷いた。 「とりあえず、行こう。ここは地獄の一丁目かも知れんけどな。みな、ふんじばっていこうや」 開拓者達は二つの班に分かれる。青鬼警戒の京也、翔、志乃に青嵐が付き、赤鬼警戒のルオウ、斉藤晃、真言に花子が付いた。蛇丸は単身建物の上から戦場を伺いながら、遊撃の位置に付く。 「では、行きましょうか」 京也は先頭に立って戦場に踏み込む。 ‥‥サムライ達が咆哮などで陽動を掛けると、にわかに戦場が慌しくなる。鬼がそこかしこから飛び出してきて、怒りの声を轟かせる。 小型鬼を率いた中型鬼の群れが現れて、ガオオオオオ! と咆哮する。あちこちから響いてくるサムライ達の咆哮で群れは混乱しているようだ。 そんな鬼を横目に、京也、翔、志乃、青嵐らは捕まっていた民人のもとに辿り着く。 家屋の中、無残な亡骸が横たわっていたが、生き残っていた民はがたがたと震えて奥で息を殺していた。 「大丈夫ですかみなさん。助けに来ました」 駆け寄る京也に、民は「おお」と泣き崩れた。 「アヤカシは元気ですねえ、外は大変なことに‥‥なっています‥‥急いだ方がいいでしょう‥‥」 青嵐は相変わらず式神人形で腹話術を操りながらこっくりさんのように状況を知らせる。 「さ、早く! 一刻を争います! あいつらが戻ってくる前に」 翔は子供達を抱きかかえると、怯える民人たちを奮い立たせる。 「さあ早く! 生きてここから出るんです! さあ立ち上がって下さい!」 「はよせんとほんまにみんな食われてしまうでえ」 志乃はのんびりと言ったが目は笑っていない。 「さ、行きますよ」 京也はみなを先導して脱出する――と、そこへ鬼の一団が駆け込んでくる。 「ちっ! 来たか!」 中型鬼に統率された小型鬼の一団だ。鬼たちは開拓者達を見て油断なく間合いを詰めてくる。 中型鬼は後方に控えて小型鬼を怒鳴りつけている。 そこへ蛇丸が飛び降りてきた。 「早速出てきましたね。民人は任せて下さい。何とか脱出します。鬼を食い止めて下さい」 「頼んだぞ蛇丸‥‥俺たちは、この外道どもをここで切る!」 京也は烈火のごとく怒りを露にし、太刀を構え直した。 「さ、行きましょう!」 蛇丸は民を先導してその場から離れる。 鬼の関心はすでに民人に無く、開拓者達に向けられていた。 「ガオオ!」 中型鬼の合図で小型鬼が一斉に襲い掛かってくる。 開拓者達は狭隘な通路に鬼を誘いこんで逆襲に転じる。 「容赦せんぞ! 叩き切る!」 京也は太刀を一閃して小鬼の腕を吹っ飛ばした。 翔も疾風のように小鬼の攻撃をかわすと、拳と蹴りを叩き込んでいく。 「鬼どもが! 往生せいやあ!」 志乃も太刀の一撃を小鬼に叩き込む。ずしっと小鬼は地面に叩き伏せられる。 小鬼は数では勝るが、個々の戦闘力では開拓者が勝っていた。次々と深手を負って後退する。 「ガオオオオ!」 苛立たしげなわめき声を漏らして、中型鬼が棍棒を振り回して突撃してくる。 「お出でなさい風姫」 青嵐は符を投げると、斬撃符を召喚する。カマイタチのような式が中型鬼の顔面を切り裂いた。一撃で中型鬼の頭部が両断される。 苦悶の声を上げる鬼アヤカシに京也たちは集中攻撃を浴びせて打ち倒す。崩れ落ちて瘴気に還元するアヤカシ。 生き残った小型鬼は逃走を試みるが、開拓者達は一匹足りと逃がさず全滅させる。 ルオウ、斉藤、真言、花子たちも民の脱出は蛇丸に任せ、アヤカシ集団との交戦に入っていた。 「はっはー! かかって来いや! どいつもこいつも叩き切ってやるぜ!」 「恥知らずの鬼もおったもんやな、一匹たりとも抜かせはせんぞ」 「みなさん! 敵は多数、一旦後退し、隘路に敵を誘い込みましょう」 真言は刀を構えながら、牙を剥く斉藤とルオウに呼びかける。 「まあ、達人も多勢に無勢では逃げることから考えるというしなあ」 斉藤は斧で威嚇しながら、後退する。 小さな花子は真言の後ろに隠れながら鬼の様子を伺っていた。 「き、きっと、こっちが逃げれば追いかけてくると思うんです‥‥! 皆さん強いから、きっと大丈夫です!」 斉藤は花子の頭をぽんと叩くと、「逃げるぞ」と言って後退する。 後退する開拓者達を鬼は追いかけてくる。 隘路に鬼を誘い込み、数の上では互角の戦いに持ち込む。 「小鬼の一匹や二匹! 俺に勝てると思うなよ!」 ルオウは突撃してくる小鬼の攻撃を受け止めると、刀を叩き込んだ。ぐしゃっと小鬼の肉が砕けて鬼は悲鳴を上げる。 「そーれ!」 斉藤は小鬼の頭上に斧を振り下ろした。斧は小鬼の脳天をかち割り、胴体まで切り裂いた。鮮血を舞い上げて倒れる小鬼。斉藤が容赦なく止めを差すと、小鬼は瘴気に還って消滅する。 「大鬼を倒す前にやられるわけには行きませんよ‥‥ここでお前達を倒し、大鬼の手足を切り取ってやる」 真言は小鬼に止めの一撃を加える。小鬼は崩れ落ちて瘴気に還る。 小鬼が全滅したのを確認して、中型鬼は逃げ出した――が斉藤の咆哮に引き寄せられてそれも叶わず、開拓者の集中攻撃の前に消滅する。 「‥‥そっちへ行ったぞ!」 「奴らを生きて帰すな! 民人の仇だ! 一匹残らず葬ってやるぞ!」 氏族のサムライたちは人質が救出されたことを受けて反撃に転じる。 ――ガオオオオオオオ! 鬼の咆哮が市街に響き渡る。壮絶な戦いが破壊された戦闘区域で展開する。最初分散していた中型鬼と小鬼の群れは、やがて大鬼のもとへ集まっていき、戦いはでんっと鎮座する大鬼との直接対決に向かって動き出す。 蛇丸は逃がした民を振り返ると、怯える人々を励ました。 「俺たちが必ずアヤカシを倒します、けどみんな、少しここから離れるように。もしも鬼が逃げてきたら巻き込まれる可能性もありますから。みな避難していて下さい。どちらにしろ戦いも最後、あの大鬼を倒せるかどうかに掛かっていますから‥‥」 蛇丸はそう言うと、戦場に駆けて行った。 ひときわ大きな赤鬼と青鬼は開拓者達とサムライがやって来たのを見て、残酷な笑みを浮かべている。 赤鬼と青鬼は棍棒をゆらゆらさせながら、手下の中型鬼と小鬼を怒鳴りつけて逆襲を命じる。 「大鬼は任せろ。雑魚を頼むぞ!」 開拓者たちは氏族のサムライ達に言って、仲間たちとともに大鬼に立ち向かう。 建物の上から踊りかかった蛇丸は、青鬼に水桶の水をぶっ掛けた。雷を使うらしいので、あるいは水に濡れていれば自分の雷でダメージを受けるのではないかと。 青鬼は唸るような声を上げると、蛇丸に棍棒を振るった。蛇丸は体を捻りながら棍棒をかわす。 京也、翔、志乃、青嵐が青鬼を取り囲む。 「グルルルル‥‥」 青鬼は腕を一振りすると、掌から電撃を飛ばした。 直撃を受けてよろめく京也。 「ぐ‥‥やるな、さすがにこいつは一人ではきつい」 翔は青鬼の側面から飛び掛った。空気撃を打ち込むが、青鬼は微動だにしない。 ぶん! と棍棒の一撃を何とかかわす。 「でやああああ!」 志乃はその背後から攻撃を仕掛ける。万力を込めて太刀を振り下ろすと、ざくっと青鬼の背中が切れた。 「グオオオオ!」 青鬼は苛立たしげに棍棒を振り回すと、直撃を受けた志乃は吹き飛ばされた。 「風姫さん、風姫さん、お出でなさい」 青嵐は青鬼が電撃を飛ばす瞬間を狙って斬撃符を飛ばした――! 式は電撃を切り裂くと、青鬼に直撃する。 「グオ!」 青鬼はぐらりとよろめく。 「今だ! これが今の私にできる最強の攻撃‥‥受け切れるかっ!」 京也は気力を込めて地断撃を放った。青鬼は直撃を受けてよろめいたが、態勢を整えると、突進してくる。 ――赤鬼は花子に向かって火炎を吹き付ける。 ゴオオオオオオ! と火炎に包まれる花子だが――仲間達も驚いたことに、花子は炎の中から無傷で姿を見せると、腕を一振りして力の歪みを放った。 「鬼アヤカシ‥‥これでも‥‥受けなさい!」 ぐにゃっと赤鬼を取り巻く空間が歪んで打撃を与える。赤鬼は苦痛にわめいた。 「ちびっ子ちゃんもやるねえ! こっちも行かせてもらうぜ!」 ルオウは地断撃を叩きつける。大地を走る衝撃派が赤鬼を直撃するが――。 「グオオオオオオオオ!」 赤鬼は突撃してくる。 力の歪みを連発する花子。 鬼の側面から蛇丸が飛びかかって蹴りを加えると、赤鬼は苛立たしげに棍棒を振り回す。 その間隙を縫って真言は炎魂縛武を叩き込む。紅蓮の炎に包まれた刀が赤鬼を切り裂く。 斉藤も渾身のスマッシュで斧を叩きつける。 「ちったあダメージにならあ!」 だが赤鬼は開拓者達の攻撃をものともせずに真言と斉藤を棍棒でなぎ倒した。 「野郎! 噂通りさすがにしぶといぜこの怪物は!」 斉藤は口もとの血を拭うと、再びスマッシュで切りかかった。 「てめえが倒れるまで何度でもやってやるぜ!」 「受けよ炎魂縛武‥‥民の無念を食らえ!」 真言も再び切りかかる。 「うおおおおお!」 「はあ!」 ルオウと蛇丸も果敢に攻めかかる。 だが、連続攻撃を受けながらも、赤鬼は崩れることなく反撃してくる。 斉藤のスマッシュ、真言の炎魂縛武、ルオウの強打、蛇丸の蛇拳を食らってなお反撃する赤鬼だが、さすがに体中の傷から血が吹き出している。 「グオオオオ‥‥」 傷だらけになって後退する赤鬼。 京也たちも青鬼を攻め立てていたが、大鬼は中々崩れない。 「しぶとい奴だ‥‥私の地断撃を受けても倒れないとは‥‥」 「さすがに、大鬼といったところですか」 「どこまでも憎たらしい奴やなあ。何ちゅう体力や」 「残念ですが‥‥俺も練力がありませんねえ」 開拓者達は傷だらけで仁王立ちする青鬼を見つめる。 中型と小鬼はサムライ達に幾らか討ち取られていたが、まだ抵抗を続けている。 と、赤鬼と青鬼は示し合わせたように一歩、また一歩後退すると、残っていた中型と小鬼を呼び集めて開拓者達に叩きつけ、自らは一目散にその場から逃げ出した。 「大鬼が逃げるぞ!」 「野郎! 怖気づいたか!」 開拓者達は中型と小鬼を振り切って大鬼を追撃する。 二体の大鬼は町中に飛び出すと、逃げまどう人々に目もくれずに意外な速さで逃走していく。 開拓者は町中で本格的に戦うわけにはいかず、と言って残された中型と小鬼を放置しておくことも出来ず、仕方なく追撃を断念する。 大鬼が町から完全に姿を消したことを確認して、開拓者達は戦場に戻り、残党の小鬼らを片付ける。 ‥‥戦闘終結後。 「無念だ。大鬼を逃がすとは‥‥」 「雑魚を捨石にして逃げやがったな。この次に会ったら、必ず仕留めてやる」 開拓者達はリベンジを誓う。 町には平和が戻ったが、破壊された家屋や放置された遺体が痛々しい‥‥。 「ご苦労だったな。今回は助けられた。ひとまず鬼を撃退できたことを良しとしよう」 氏族のサムライ達は厳しい顔つきで開拓者たちの労を労った。 これから町では復興作業が進められていくことだろう。開拓者達は、一抹の悔しさを滲ませて、町を後に、一路神楽の都への帰路に着くのだった。 |