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■オープニング本文 嵐の門の向こうにあると推測される、新たな儀『あるすてら』を発見せよ。 『あるすてら』を見出すために、飛空船使用を許可する。 一三成か、大伴定家か。 その文書に花押を記した者の名には二通り、文書の内容は受け取る者の立場で幾つかあれど、目指す場所は一つ。 嵐の門解放がなり、いよいよもって『あるすてら』の存在が現実味を帯びてきたと判断した朝廷は、その探索を改めて命じていた。朝廷に忠誠を誓う者には命令を、新たな土地に利益を求める者には許可を、居並ぶ国々には要請を。 受ける側には功名心に逸る者、まだ形のない利益に思いを馳せる者、他者への競争心を熱くする者、ただひたすらに知識欲に突き動かされる者と様々だ。 人の数だけ動く理由はあれど、嵐の門も雲海も、ただ一人で乗り越えることなど出来はしない。 『あるすてら』を目指す者は寄り集まり、それでも心許ないと知れば、開拓者ギルドを訪ねる。 新たな儀を求める動きは、これまでとは異なる多くの依頼を生み出していた。 ――鬼咲島。 開拓者たちが牌紋との激闘を繰り広げた空を、開拓者ギルド相談役の橘鉄州斎(iz0008)は見上げていた。彼がここにいるのは、朝廷の命を受け、嵐の門の捜索に乗り出したためであった。 「いよいよ門の向こう側へ向かうことになった。新大陸をこの目で確かめることが出来るといいがな」 橘は捜索のために同行している開拓者たちを振り返った。 「門の向こうがどうなっているのか、分からないのか?」 開拓者の問いに、橘は首を振る。 「安定はしていないそうだ。俺は嵐の門が開かれたのをこの目で見たこともないのだが。門の中はまだ不安定な状態にあり、これまでの開拓の記録によると、門が開かれた頃には、中にアヤカシの存在も確認されているようだな」 「順風満帆な船出とはいかないわけね」 「そう言うことだ。実際、門の向こうに何があるか確かめるまでは、開拓計画は終わりではないと言うことだな」 そこへ、飛空船の船長がやってきた。 「橘さん、それに開拓者のみなさん、出発の準備は整いましたぜ」 「ご苦労さん。――よし、では行くか。目指すは、新大陸『あるすてら』だ」 そうして、橘と開拓者たちは飛空船に乗り込んだ。まだ見ぬ新大陸を目指す旅が始まる。 |
■参加者一覧
美空(ia0225)
13歳・女・砂
朧楼月 天忌(ia0291)
23歳・男・サ
鬼啼里 鎮璃(ia0871)
18歳・男・志
エルディン・バウアー(ib0066)
28歳・男・魔
モハメド・アルハムディ(ib1210)
18歳・男・吟
将門(ib1770)
25歳・男・サ
鳳珠(ib3369)
14歳・女・巫
リリア(ib3552)
16歳・女・騎
鉄龍(ib3794)
27歳・男・騎
黒霧 刻斗(ib4335)
21歳・男・サ |
■リプレイ本文 「これより嵐の門へ進入を開始します」 船長は言って、舵を切った。飛空船は緩やかに風を切って、嵐の門へと続く雲海へ進路を取る。 「新しい世界に最初の一歩を印す‥‥、美空(ia0225)はとてもわくわくしてきたのでありますよ」 そもそも初めは色々な事を知りたいと思ったことから旅を始めた美空は久々に初心に立ち返って、新天地探索へと志願したのであった。 「美空は目が不自由なので新天地の光景を見ることはかなわないのです。でも新天地の空気を肌で感じて、匂いを嗅いでみたいのであります」 そしてあわよくば新しい踊りを見つけたいなあなどと妄想たくましい美空であった。 「さて、新大陸か。開拓者らしくなってきやがったじゃねェか。不謹慎ながらも楽しませて貰うぜ」 朧楼月 天忌(ia0291)は言って、艦橋から雲海に目を凝らす。 「‥‥つっても今回相棒は無しか。グライダー乗りは初めてなんだが‥‥。心許ねェが、それこそ開拓の心意気ってモンだな。オレ達の戦闘はいつだって理不尽さ!」 「あるすてら、ですか‥‥どんな所なんでしょうね? 探索が楽しみです♪」 鬼啼里 鎮璃(ia0871)は言いつつ、グライダーの具合を確かめていた。好奇心全開でわくわくしている鬼啼里。初めて乗るグライダーにも興味深々で機体の様子を確認する。 「あの門の向こうに見たこともない島が浮いているんだ、やるぞぉぉーー、‥‥で、知的好奇心がゾクゾク、これほどやる気をそそるものはないですね」 エルディン・バウアー(ib0066)は言って、にこやかな笑みを浮かべる。 「新大陸ですか‥‥まだ見果てぬ大地は、どんなものなのでしょうねえ」 「ヤッラー‥‥、新大陸の名は『あるすてら』‥‥、ハーザー、それは氏族の言葉で『月』を意味するのです‥‥!」 モハメド・アルハムディ(ib1210)は興奮していた。伝承では祖先は砂漠の儀に暮していた。それを目にする事が氏族の悲願。以前より新大陸こそその儀ではないかと考えている。彼は伝承を追い、第三次開拓計画に参加して、それを確かめようとしていた。 「あるすてらこそ、必ずやアーニー、私の故郷に違いありません‥‥いや、まちがいなく、そうなのです。私には確信があります。これまでの探索で見て来たものは、氏族の伝承に受け継がれてきたものと合致する」 将門(ib1770)はそんなモハメドを見やりつつ、肩をすくめる。 「新大陸か‥‥何とも心躍る話だが。それは新たなアヤカシとの遭遇ってことにもなるかも知れんよな。確か伝承によれば、あるすてらは滅びたんだろ? 魔の森に包まれたアヤカシの国との道が通じたってのもぞっとしない話だよな」 「そうかもしれませんが‥‥まだ見ぬ大地に何があるのか、これからが本格的な探索と王朝からも命令が出ていますし‥‥新たな世界があるのかもしれません。過去、嵐の門の向こうには泰国とジルべリアがあったわけですからね」 鳳珠(ib3369)は言って、真摯な瞳で雲の道を見つめる。 「新大陸ね、楽しみだけど、本当にこの雲の道が続いているのか、確信はないけど‥‥」 リリア(ib3552)は呟き、眉根を寄せる。 「きっとどこに行ってもアヤカシとの戦いは絶えないんだろうけど、さてね、どんなものかしら」 「新天地か‥‥期待もあるが不安もまた‥‥開拓者の醍醐味だな」 鉄龍(ib3794)は、怪しげな空に目を向ける。 「雲海の距離はどれくらいあるんだろうな。泰国とジルべリアの間の雲の道も、それなりの距離ではあるが。同じくらいだとすれば、アヤカシさえいなければ、そう長くない時間で抜けられるはずなんだが‥‥」 「新しい土地で未知のアヤカシと戦うか‥‥何とも心躍る仕事だな。扉の先にあるのは遺跡かはたまた魔の森か‥‥どっちでも俺は歓迎するけどな。さてと‥‥頑張るとするか」 開拓者ギルドに登録して何とこれが初依頼と言う黒霧 刻斗(ib4335)。冥越生まれの獣人である。心の奥には、暗い過去が影を落としているが、常日頃にそれが表に出てくることはない。 やがて飛空船は嵐の門の内部に入っていく。 「嵐だな」 船長は前方をみやりつつ、舵を切った。正面の雲海は分厚い黒い雲に包まれており、時折ぴかっと稲妻が走っていた。 「こいつは、厄介なことになりそうですぜ」 「嵐の門と言うだけのことはあるな。中は嵐か――鳳珠、どうだ」 天忌は鳳珠の方を見やる。 鳳珠は目を閉じると、スキルあまよみで天候を読んでいた。 「この先も嵐が続きますね。風も激しい嵐になりそうです。視界も不良、飛空船には最悪の天候です」 「ちっ‥‥それでもいくしかねえか。船長、操船は頼むぜ。万が一アヤカシが出てきたら、グライダーで応戦する」 「承知しやした」 鉄龍はリリアに言葉を掛けた。 「リリア、俺と組まないか。少し前に出て、偵察に出ようかと思うんだんが」 「いいわよ。でも本格的な戦闘になったら戻るわよ」 「俺もそのつもりだ。行こう」 二人は仲間たちに言葉を掛けると、グライダーに歩み寄る。 「よし、行くぞ」 鉄龍とリリアはグライダーに乗り、船尾の射出口から雲海に飛び出た。 風を捕えて、流れるように旋回する鉄龍とリリア。二人は船に手を振り、それからグライダーを加速させると、前進した。 鉄龍はリリアに合図を送ると、散開して風雨の中へ入っていく。 「さて‥‥脅威としてはアヤカシの出現も伝えられているそうだが」 鉄龍は前方の渦巻く黒い雲に目をやる。 リリアも別方向から雲海に目を向ける。 「敵の姿はなしね‥‥それにしても、凄い風」 細かい雨が肌を濡らす。瞬く間に体が冷たくなってくるが、これくらいの悪天候には志体持ちなら耐えられる。 飛空船からは、引き続き、鳳珠がままよみを使って天候を読んでいた。 「嵐は収まらないようですね‥‥ますます激しくなっていくようです」 鳳珠の言葉に、黒霧は身を乗り出して、黒い空に目を凝らした。 「凄い風だぞ。これでアヤカシが来たら最悪だな」 鬼啼里はグライダーの具合を確かめつつ、出発に備える。 「アヤカシが来ると厄介ですねえ。お二人の無事を祈るところではありますが。信じてはいますけどね」 「アーニー、私はこの先に必ず、新たな世界があると‥‥信じていますが」 モハメドは言いつつ、周囲を見渡す。 と、衝撃が来て、船体が揺れる。 「おっと、激しくなってきますね」 バウアーは体を支えて、空を見つめる。 ――それから、悪天候の中、2日が経過する。激しい雨風が船体を揺らし、しばしば大きな嵐がやってきて、嵐の門の旅路は困難を極める。まだアヤカシの姿はない。 「ふう‥‥中々タフな仕事だなこれも」 将門は、軽く食事を取りながら、吐息した。みんなほとんど眠っていなかった。 副操縦士が船長の代わりに舵を取っていた。 「皆さん大丈夫ですか。開拓者と言っても、嵐の中の長旅は滅多にないでしょう。まあ、嵐に巻かれて船が落ちるのは、一万分の一程度の確率ですから安心して下さい」 「あのな、縁起でもないことを言うんじゃねえよ」 天忌は握り飯を頬張りながら、頭を掻いた。 「しっかし橘の旦那、本当にこの先に続きはあるんだろうな。今んとこ全く何も手掛かりはないぞ」 「手掛かりはいずれあるだろう。お前たちが苦労して切り開いた道だ。それにあれほどの強固な魔戦獣が守っていた。必ず道は開ける」 橘の言葉に、美空は口を開いた。 「危険な船旅と言うのは、中々にぞっとしないのであります。船が落ちたら、美空たちの運命はそこで終わりですから」 「全く、嵐の門がこんな場所だとはな‥‥予想はしていなかったが、本当に危険だな‥‥」 鉄龍は言って、吐息する。 鳳珠はあまよみで引き続き天候を読んでいた。 「嵐が収まる気配はありませんね。天候は絶望的です」 「さてと、ではまた出るか‥‥行って来る」 鉄龍はグライダーで外に出る。 「気を付けてな」 「ああ」 鉄龍はグライダーを加速させると、嵐の中へ入っていく。 激しい稲妻が黒い雲を切り裂く。暴風が吹きつけてくる。鉄龍はグライダーを風に立てると、風を捕えて前進する。 と、黒い雲の切れ目が見えてくる。青い空が微かに見える。 「あれは‥‥嵐の終わりか?」 鉄龍は前進した。その先に、何かが飛び交っている。鉄龍はグライダーを進めた。 それは、空を飛ぶ人の姿をしていた。 「何だ‥‥?」 グライダーを旋回させつつ、鉄龍は様子を探った。 飛び交う一体が突如、高速で接近してくる。 「何――!」 ――ガオオオオオオオオ! 人外の咆哮を上げて、その不気味なアヤカシは加速してくる。 「何だこいつは」 鉄龍は後退しつつアヤカシとの距離を取って姿を確認する。白骨化したような黒い人型のアヤカシはローブを着ていて、牙を剥いて突進してくる。 鉄龍はグライダーを旋回させ、ミイラのアヤカシに一撃を叩き込んだ。切り裂かれて一撃で消失するアヤカシ。 鉄龍は一気に後退して、船に戻る。 「アヤカシだ。嵐の切れ目に、アヤカシたちが飛んでいる」 「出たか」 天忌に鬼啼里、バウアー、将門に鉄龍、リリアたちは出発の準備を進めて行く。 「船長、船をゆっくり前進させろ。アヤカシは俺たちが排除する」 「は、はい‥‥みなさん気を付けて」 「よし、行くぞ!」 開拓者たちはグライダーで飛び出した。 ――アヤカシとの交戦に入る開拓者たち。 船から支援する開拓者たちは、出撃した仲間たちを信じて外を見やる。 黒霧は甲板の上に立ち上がると、前方を見据える。 「さて‥‥いよいよ始まったか」 黒霧は刀を抜いて、戦闘に備える。初めての依頼で、この状況でも黒霧は冷静だった。 「行くぞ」 船は緩やかに旋回する。 「嵐の海の神様よ〜、美空の舞で御怒りを鎮めてほしいのであります」 グライダーによる探査防衛組には「加護結界」を付与。他の本船護衛の開拓者や、船長ら主要人物には、神楽舞「護」「衛」を付与して、対アヤカシ用の防備を充実させる。 モハメドは思いを巡らせる。伝承では祖先は砂漠の儀に暮していた。それを目にする事が氏族の悲願。以前より新大陸こそその儀ではないかと考えている。 黄金仮面のミイラアヤカシにも心当たりがある。氏族の説話では、太古の昔、王は崩御するとミイラに施され、黄金の仮面を付けられて巨大な三角錐の神殿に葬られたと言う。これは流石に御伽噺と思っていただけにまさかという感情を抱く。尤もその王が何故アヤカシとなったかは見当つきようもない。 またモハメドは嘗て知人の拠点で、全ての儀が同じ高度にあるとは限らないのではないかという仮説を唱えた。天儀の海は下に落ちるが、その上下にも儀があっても良いのではないか。 もしこの仮説が是とすれば門の向こうが別儀の地中や遺跡の中だとしてもおかしくない。アヤカシがそこから来たと考えるならば‥‥。 騎士の魂で全体の守りを固めると、重力の爆音を解放する。 「ビスミッラ!」 重低音がアヤカシを叩きのめし、一気に複数体が消失する。 「――行ったぞ神父!」 天忌は黄金のマスクをかぶったミイラのアヤカシを刀で叩き潰した。さらにアヤカシの集団が突進してくる。 「我が祈りを捧げし神よ、瘴気宿る異界で戦う我らに力を与えたまえ!」 バウアーはホーリーアローを叩き込む。 次々と突進してくるミイラのアヤカシ。 「見たこともないアヤカシですね〜」 鬼啼里はグライダーをジグザグに操りつつ、すれ違いざまにミイラを切り裂いて行く。 と、獣の頭を持った美しい衣服を着たアヤカシが接近してくる。 ――ガオオオオオオオオ! と咆哮が大気をびりびりと震わせ、直後に光が爆発した。 「何ですか――!」 直撃を受けた鬼啼里は、突き刺さるような痛みに、顔をしかめた。 「あれもアヤカシですか‥‥」 「神父! 援護してくれよ! 時間もない、行くぜ!」 天忌は突撃して、獣の頭部を斬り飛ばした。バウアーのホーリーアローが周囲のアヤカシを打ち落としていく。 「個体はさして強力ではないな。攻撃さえ当たれば‥‥」 将門もグライダーを操りながら、ミイラを撃退していく。状況を確認、アヤカシは特に戦闘隊形を取ることなく、飛び回っている。 「それなりに当たるかな‥‥近づいてきてくれた方が嬉しいけど」 リリアはグライダーを操りながら弓を叩き込む。船の近くを飛び、船内の護衛班と連携する。 接近してくるミイラを剣で撃退する。 「ふふん。剣の間合いなら負けないわ!」 鉄龍はスマッシュを使いアヤカシの黄金の仮面を砕く。 「大層な仮面だな、アヤカシにはもったいないくらいだ」 閃光が飛んでくるのを、フランベルジュを盾のようにして防ぐ。 「ああ‥‥そんな攻撃も出来るのか、めんどくさいやつらだなあ!」 グライダーを加速させ、アヤカシを両断する。 「不気味なアヤカシだな‥‥まぁ、斬ってしまえばどれも同じ事だ」 黒霧は甲板の上で、接近してくるアヤカシを叩き落としていた。 「簡単に通すと思ったか?」 刀を切り上げ、アヤカシを叩き斬る。舞い降りてくるアヤカシには横薙ぎの一撃を撃ち込み、撃退する。 ――やがて、アヤカシの抵抗は衰退していき、生き残ったアヤカシは撤退し始める。 「これまでの私や友人達のアヤカシ戦歴では、アヤカシの姿はその土地の文化を色濃く反映していると考えています。特にヒトガタや食べ物の形をした物など。ミイラのような異国の衣装のアヤカシは、あるすてらの風俗を継承していませんか? あるすてらに何者も残っていないのなら、アヤカシの姿形は刻銘に記録に残すべきでしょう」 バウアーは鳳珠の手当てを受けながら、紙にアヤカシの姿を書き記していた。 「どうだ鳳珠。この先はどうなっている」 天忌は鳳珠にあまよみの結果を聞く。 「どうやら、この先は少なくとも嵐は晴れそうですね」 「そうか」 「雲海を抜けます」 船長が言って、船を前進させる。 ――雲が切れた。開拓者たちの視界に、青い空が飛び込んで来る。 「抜けましたか?」 モハメドは後ろを見ると、今しがた抜けて来た嵐の門が、雲海の道が大きな口を開けている。 「何が見える?」 鉄龍は身を乗り出したが、空はどこまでも続いている。 ‥‥そうして、それから何事もなく晴れた空を進むと、小さな島が見えて来た。一キロ四方程度の島で、見る限り何もない。 「とりあえず、着陸しますぜ。最初の島です。方角からしても、間違いありません。ここは嵐の門の向こう側です」 船は島に着陸する。 開拓者たちは船から降りると、空を見上げた。 「ここがあるすてらなのか?」 「これだけ?」 「いや、まだこの先に空が広がっている。先は見えないが‥‥」 「ちょっと、あれは何?」 開拓者たちは、島の中央にある石壇を発見する。 「こいつは‥‥見たことがあるな。魔戦獣との戦いで‥‥」 「とすると、ここは‥‥」 開拓者たちは、石壇を前に、今しがた抜けてきた嵐の門を見上げた。 |