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『+ 新たなる出会いの風に + 』
明姫・リサ7847)&ルナ・バレンタイン(7873)&(登場しない)



 講義終了後明姫 リサ(あけひめ りさ)はホワイトボードに書かれていた文字を消している教授に幾つかの質問をしていた。素肌にライダースーツ、加えてOという豊満な胸ゆえチャックがきちんと閉める事が出来ずバストの大部分が露出した格好の持ち主に質問されている教授の視線は泳ぎっぱななしだ。
 講義後思い思いに談話している中、リサと教授の様子を可笑しそうに見ていたのは同講義を選択している四人の女子大生のグループだ。携帯を弄り親指と人差し指をくっ付けOKサインを出しながらちらちらと視線を向け声を掛ける機会を狙う。
 やがて彼女達はリサが回答を得て別の場所に移動しようとするところを後ろから肩を叩いた。


「リサー、これから合コンに行かないー?」
「合コン?」
「そうそう、リサっては今フリーでしょ。折角のそのバストサイズOという武器が宝の持ち腐れじゃないの。ボーイフレンド位作ったら?」
「武器って、……胸は好きで大きいんじゃないわ」
「まったまたー、謙遜しちゃって! まあ別に無理にカップルになれっていうんじゃないからさ。気晴らしにどう? なんでも今日は他学科の女子も来るそうよ。イギリスからの留学生だって話。確かリサって日英ハーフだったわよね。気があうんじゃないかな」
「イギリスからの留学生。へえ、それはちょっと興味が湧くわ」
「でしょでしょ! ねえ行こうよー!」



 女生徒達の誘いにリサは一考する。
 幸いにも今日はバイトもないし明日は講義もない。むしろ今からどうやって過ごそうか考えあぐねていたところだ。とはいってもサキュバスの血を引くリサとしては軽々しく男性と付き合うことは出来ない。無意識に精気を吸い取って相手を廃人、下手すれば殺しかねないからだ。
 そんなリサの興味を引いたのは合コンに参加する男性ではない。「イギリスからの留学生」だ。
 リサは顎の下に指を置いてくすっと微笑む。同時に青い瞳が少しだけ妖しく光った。


「そうね、今日なら行ってもいいかな」



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 第一印象は互いに似たようなものだった、と二人は後に言い合う。


 合コン会場である居酒屋に一番近い駅にてリサ含む女子大生達は本日の合コン相手グループ達を待っていた。彼らがやってくると女子大生のうち誰かが声を掛けそれとほぼ同時にリサも視線をあげた。
 銀色の髪に青い瞳、男子生徒の中一人だけ女性だったルナ・バレンタインを見た瞬間リサは彼女が噂の留学生なのだとすぐに気付く。ただ格好があまりにも露出度の高い服に加えリサよりかは小さいがそれでも常人よりかは遥かに豊満なバストを持つ相手に驚きを隠せない。
 ルナの方も本日の合コン相手のグループを興味津々で観察し、やがてリサを見て視線が止まった。そう、彼女もまたリサの胸を見て驚愕の表情を浮かべていたのだ。やがてルナはひゅぅ、と小さな口笛を吹き笑った。


「この大学ではあたしが一番胸が大きいかなと思ったけど上には上がいるものなのね」


 その言葉が聞こえたリサもまた似たような事を考えていた。周囲の女性といえばC、大きくてもDといった比較的一般的なサイズの持ち主ばかりだ。けれどルナの胸は明らかに「一般」を越えている。
 互いに互いの胸の大きさに驚いてはいるものの集まった他の男子生徒達の方も彼女達に視線を集中していた。無理も無いことと言えよう。


 予約時間が迫ってきていたので挨拶もそこそこに皆で居酒屋に移動し予約していた個室へと移動する。室内は集まった十人が座席に座っても後ろを余裕で歩けるほど空間があり天井からぶら下がったオレンジライトが優しく部屋を照らす。
 入り口に対して左にはリサ含む女生徒達のグループ、右にはルナのいる男子生徒のグループが腰を下ろした。全体的に数えてみれば男子生徒四名、女子生徒六名と女性の方が多い。リサはそれに対して疑問を浮かべるも彼女自身は別段男性とカップルになる気もないので人数が合わなくても大丈夫だろうと考える。
 端から自己紹介を始めれば当然リサの順番も回ってきた。


「私の名は明姫 リサ。学部は法学部よ。兄弟は妹が二人いるわ。父は日本人だけど母方がイギリス人で、私は日英ハーフになるわ」
「はいはいはーい、胸のサイズは何カップですかー!」
「Oよ」
「ちょ、でけェ!」


 机の上に乗るほど巨大な胸に男子生徒が生唾を飲む。そんな視線に慣れているリサは特に気にも留めず自分の前に座っているルナへと順番を回す。ルナの番になると男子生徒だけなく女子生徒側も視線がその胸元へと集中した。


「あたしの名前はルナ・バレンタイン。イギリスからこの日本に留学してきたの。前まではイギリス空軍のパイロットをしていたわ。まだまだこの国の事が分からないから困ってる時声を掛けるかも。その時は優しく教えてね」


 最後にウィンクというおまけをつけてルナの自己紹介が終わる。さばさばした彼女の雰囲気に皆興味を持ったようだ。
 簡単な自己紹介の後運ばれて来た酒を各々手にしながら乾杯する。其処から先は各自好みの異性に対してのアピールタイムとなり会話もにぎわっってくる。
 特に興味を持たれたのがイギリスからの留学生であるルナ。そして巨乳のリサだ。
 下心丸出しで二人に接する男子達の言葉に対しても慣れた様子で臆する事無く返事をしていく。セクハラまがいな冗談も場の雰囲気から発せられるも二人はあっさり流していた。


 酒も進み誰が言い出したか王様ゲームをしようと言うことになった。
 番号が書かれた割り箸を一斉に引き抜き手元に寄せる。ルナが王冠のマークが付いた其れを引くとにやりと口端を持ち上げた。


「四番、今日の下着の色を言う!」
「あ、私だわ。今日は付けてません」
「ええ! 上も下も!?」
「上も下も。私は素肌にライダースーツを着るのが好きなの」


 リサが回答した瞬間、皆が声をあげて笑う。一部の男性は口笛を吹く。
 ルナはリサの快活な答えに更に相手への興味を深めつつ皆の分の割り箸を集めた。
 次の王様は男子生徒の一人で、彼はこれまた「五番と八番がキスをする」といった下心丸出しの要求を口にした。五番はルナ、八番がリサという組み合わせだと知った瞬間男子陣が一斉に唾を飲み込んだのは言うまでもない。だがそこはそこ、キスは互いの頬へ送りその回はあっさりと終わった。


「え、うそ! その人私の母方の従姉だわ。本当世間って狭いわね」
「彼女がリサの従姉かぁ。うん、言われて見れば似てるわ。特に胸」
「胸がでかいのはお互い様でしょう。ルナだって人目惹き付けるほどの巨乳のくせに!」
「そっちには負けるわよ。そっか、じゃあいつか三人でお話できたらいいわね」


 時間が過ぎれば意外な事が明らかになってきた。
 なんとルナの親友がリサの母方の従姉だというのだ。この意外な接点に二人の心は高揚する。他のメンバーは各自好みのタイプとカップルとなりつつあるというのに二人といえば異性はそっちのけで談話に花を咲かせる。
 やがてラストオーダーの時間となり居酒屋から出る事となった。しかしなんやかんやと過ごしていたらあっという間に終電を逃してしまう。カップルになった男女はそれを狙っていたのか、嬉々としてホテル街へと歩いていってしまった。
 残されたのはカップルを作らなかった――いや作る気のなかったリサとルナだけ。二人は駅前の高級ビジネスホテルへと向かいそのままツインで部屋を取り夜を明かす事にした。


「ルナはシャワー浴びないの?」
「んー、もう面倒だからこのまま寝ちゃう」


 バスルームへと行くリサに気だるそうに応えるルナ。
 合コンの時から妙に気の合うリサに自分でも不思議な感覚を覚えながら彼女はふぁあと欠伸を漏らした。
 一人ベットの上で寝転がりつつ暇を感じてテレビを付けてみればそれは有料放送で、男女の裸の絡みが流れてくる。わぁお、と小さく声を漏らしつつも甘く愛撫を重ねる肉体を見遣れば汗を流したリサがバスローブを身に纏って上がってきた。
 一瞬リサは何故そんなものが付いているのか分からなかったが相手が日本慣れしていない事を考えれば一目瞭然。偶然弄くって付けてしまったのだろうと思い、濡れた髪を丁寧にタオルで拭いながら自分が今宵夜を共にするベットに潜り込んだ。
 すると不思議な事にルナがリサのベットに入ってきた。


「ルナ、ベットは二つあるから向こうで寝ていいのよ」
「んー、今日はこっちで寝るわ。なんだかそうしたい気分なの……」
「テレビ付けっぱなしよ。せめて消してから入ってきて頂戴」
「面倒〜……」


 既に睡魔に襲われ蕩けた目をしているルナは腕を伸ばしぱしぱしと棚を叩く。けれど手先にリモコンが触れる前に彼女は力尽きてしまった。
 くうくうと寝息を立てるルナにリサはシーツを掛けてやり、呆れた息を吐き出しながらテレビの電源を落とす。
 ―― 熱が引かない。
 締まりきらない胸元を晒し手で風を送りながらリサは暫しルナの寝顔を観察する事にした。



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「ちょっとー、その手やらしいー!」
「あはは、柔らかさはそっちの方が上かな?」
「ルナも充分柔らかいわよ。ほらこんなにもふにふにしてる」
「やだ、ちょっとくすぐったい」


 早朝、ホテルの大浴場にて二人は楽しく会話しながら湯に使っていた。
 朝六時という時間ゆえ二人以外の客はいない。それゆえ彼女達はまるで子供の様にはしゃぐ。湯の飛沫や湯気が彼女達の豊満な胸元を隠そうとするけれどたわわに実ったその柔らかな肉は隠しきれない。


「さてっとそろそろレストランに朝食を食べに行きましょうか」
「ルナは今日講義とかあるの? もし無かったら一緒に買い物でもしない?」
「うん、それ良いわね。あたしも今日は暇だしリサに街を案内してもらっちゃおうかな!」


 タオル片手にルナが浴槽から立ち上がる。リサもそれに倣う。
 ルナの笑顔に自然とリサも笑みを浮かべながらタイルの上を歩いていった。


 ―― 尚、入れ替わりに大浴場に入ってきた女性陣が彼女達の胸に驚きつつ羨ましそうに注目したのは言うまでもない。






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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【7847 / 明姫・リサ (あけひめ・りさ) / 女性 / 20歳 / 大学生/ソープ嬢】
【7873 / ルナ・バレンタイン (るな・ばれんたいん) / 女性 / 27歳 / 元パイロット/留学生】


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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、発注有難う御座いました!
 二人の出会い、そしてお色気コメディということでこういう形となりました。胸中心ということで本当に胸ばっかりですがいかがなでしょうか? 気に入っていただける事を祈ります!
PCシチュエーションノベル(ツイン) -
蒼木裕 クリエイターズルームへ
東京怪談
2009年05月08日

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