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『嬲られ人形 』
高科・瑞穂6067)&鬼鮫(NPCA018)


それで、面白い話はどこからかって?
いや、ここからだ。ここからだったはずなんだけどよ。
……何か、忘れちまったなぁ。手ごたえは、全然無かったっていうか。
戦闘自体は、くそつまんなかったから覚えてねぇわ。
悪かったよ。思い出す、思い出すから……。



顔をあげた鬼鮫が、目をぎょろりと見開き、笑った。
それが合図だった。
床を蹴り、瑞穂が飛びあがる。
すばしっこく動きながら、瑞穂は鬼鮫に向かって銃を乱射する。
弾が切れると、またガーターベルトから銃を引き抜いて、撃つ。
先ほど、急所を狙ったそれとは違い、今度は一見闇雲に撃っているかのように見えた。
が、すぐに鬼鮫は気付く。下手に狙われるから、銃弾を避けようとする。
しかし、速さで勝る瑞穂の銃弾は、鬼鮫の皮膚を的確に削っていった。
思わず、鬼鮫の口から舌打ちが飛ぶ。
「あら、さっきの大見栄は何だったのかしら?」
瑞穂はにやにやと笑いながら、銃を撃つ。
そして鬼鮫の体の皮膚が剥け、血で全身がドロドロに濡れたころ、瑞穂は最後の銃を捨てた。
「降参する気になったかしら」
腕を組み、わざと甘い口調で鬼鮫に問いかける。
瑞穂が腕を組むと、胸が両腕に乗っかり、こちらに差し出しているかのように見えると、鬼鮫は笑った。
その笑いに侮辱を感じたのが、瑞穂の顔が笑顔からみるみる怒りへと変わる。
「何、馬鹿にしてるわけ」
「いいや。どっちかっつーと、お前のその格好のほうが俺を馬鹿にしてんだろうよ」
「こんなメイド服を使っている、お前の屋敷に問題があるわよ」
「ま、そいつは俺の趣味じゃあねぇんだが」
掌を重ねて、指を鳴らす。
更に手首をぶんと振ると、鬼鮫の手首はぽきっと軽快な音を鳴らした。
「そんなにその服が嫌なら、リメイクしてやるよ」
「……つまらない冗談だわ」
銃を使いきった瑞穂は、肉弾戦に入るべく腰を落とした。
臀部のラインが弓なりに強調され、スカートはもはや尻にかぶさっている布きれに過ぎない。
と、地面を強く蹴って、瑞穂が飛んだ。
ひらりとスカートが舞い上がり、黒いショーツとガーターベルトが露わになる。
「はぁぁ!」
細くしなやかな足が空を切り、鬼鮫の顔面に叩き込まれた。
「ぐっ」と鬼鮫が呻くと、既に床に着いた瑞穂がもう一度、今度は槍で突き刺すような蹴りを鬼鮫の腹部に飛ばした。
重みのある鬼鮫の体は後ろに飛ぶことなく、その場で瑞穂の蹴りを受け止めた。
ぐり、と瑞穂の足が鬼鮫の体に捩じり込む。
鬼鮫から血生臭い息が漏れた瞬間、瑞穂は後ろへ飛び退った。
鬼鮫はよろめき、右へ左へ足がふらついている。鬼鮫の動きは鈍かった。
対して、瑞穂の俊敏な動きは、まだ体勢を立て直せていない鬼鮫の動きを捕らえる。
さっと飛び上ると、爪先で鬼鮫の頭部を強く蹴りあげた。
さすがに、致命傷だったか。鬼鮫は声を上げることもなくその場に崩れ落ちた。
「呆気なかったわね。死んだのかしら」
瑞穂が鬼鮫を覗き込む。が、うつ伏せになった鬼鮫の様子は窺いしれない。
「一応、捕縛ってことになってるんだから、死んでもらっちゃ困るのよねぇ」
組織が言うほど、大した相手ではなかったな。瑞穂はひとり笑って、鬼鮫の体を軽く蹴る。
「ま、虫の息でもあれば十分よね」
そして、とどめとばかりに大きく足を振り上げた、その時、
鬼鮫の長い手が、下から瑞穂の軸足を掴んだ。
「あっ!」
急激にバランスを崩した瑞穂は、慌てて振り上げた足を戻そうとする。
が、それより速く、鬼鮫が瑞穂の足を引きずり投げる。
勢いよく床に投げ出され、瑞穂の体が床を擦った。
「ん、うぅ」
起き上がろうとする瑞穂の上に、黒い影が乗る。
はっと瑞穂が顔を上げた瞬間、鬼鮫の太い足が瑞穂の腹を踏みつけた。
「うぐぇっ!」
瑞穂の口から、声ですらない生理的な嗚咽が漏れる。
強烈なその一撃は、瑞穂の身体から自由を縛りあげる。
ぴくぴくと震え、何とか呼吸をしようとする瑞穂の口からは、喘ぎにも似た艶めかしい音が零れている。
「おいおい、お前がやったのと同じことをしたまでだぜぇ?」
そう言うと、鬼鮫は足の爪先で瑞穂のぐりぐりと胸部を弄ぶ。
恥辱に瑞穂の顔が歪む。しかし、未だ腹に受けた衝撃は、正常な呼吸を奪っていた。
「は、ぁ、あっ、あっ」
「おらよっ!」
「あうっ」
ようやく、呼吸が落ち着いてきたというころを見計らい、鬼鮫は上から脇からと執拗に腹部を蹴りあげた。
ぼす、ぼす、と嬲られる度に、瑞穂の体はびくん、と跳ね上がる。
「うぅっ、うぐ、ぐう」
やがて、悲鳴がくぐもりだした頃合い、鬼鮫はじっと瑞穂の顔を見た。
「……んだよ、まだそんな顔すんのかよ。とっとと諦めやがれ!」
何が気に障ったのか、鬼鮫はいきなり瑞穂の顔面を激しく蹴りあげた。
声を上げることもできず、ただ痛みに瑞穂はのた打ち回る。
比較的、ダメージの少ない両腕で顔をつつみこむと、中でもわっと血の匂いが広がった。すると、瑞穂の腹にまた衝撃が走った。
鬼鮫がまた蹴ったのだ。反射的にえびのように丸まった瑞穂の身体、太腿を鬼鮫は軽々と抱えあげた。
「あ、や、やぁ」
天地無用の状況に戸惑い、情けない悲鳴を瑞穂が零した瞬間。
恐怖に歪んだ瑞穂の顔を、サッカーボールを蹴るかの如く、強く蹴りあげた。
それと同時に鬼鮫が手を離すと、瑞穂の体は重力に無抵抗なまま、後頭部から床に叩きつけられた。
「あがぁ……っ!」
もはや、大声で叫ぶことすらできない。虫の息なのは瑞穂の方だった。
それでも、生きようとする体は、うつ伏せの状態でびくびくと痙攣を繰り返す。
「退屈だ」
鬼鮫は、ようやく呟いた。
「もっと楽しませてくれるんだと思ったぜぇ、血沸き肉踊る戦闘がしたかったのによぉ、とんだ期待外れだぜ」
なぁ、と笑いながら、鬼鮫は瑞穂の背中を踏みつける。
豊かな胸は瑞穂の上体に潰されながらも、弾力でもってその存在感を保っていた。
鬼鮫が背中をぐりぐりと弄ぶと、瑞穂の両乳房はぐりぐりと地面にこすられた。
「んうう、うぅ、んむぅ」
大きく口をあけることもできなくなった瑞穂から漏れるのは、悩ましげな吐息に似た鳴き声だった。
もはや、瑞穂にはじめの威勢はなかった。屈辱的な扱いもはねつけることができない。
「ま、お前の顔を見た時から、予想のついたことだけどな。お前みたいな奴は嬲られてるのがお似合いなんだよ。嬲られて、ヒィヒィ泣いてればいいんだよ」
鬼鮫はにやりと笑うと、うつ伏せの瑞穂の背中に乗った。
その重さに、「ぐぇ」と瑞穂がまた鳴く。鬼鮫は、足の爪先の方を向いて座った。
目の前には、擦れ過ぎて生地が破け、半ば剥き出し状態の瑞穂の尻があった。
それを叩くと、瑞穂が又呻く。
何度も尻を叩くと、やがて瑞穂から声が出るようになった。呼吸が落ち着いた、ということだろうか。
しかし、鬼鮫が上にいる限り、瑞穂は動くことができない。
「あぐ、ひ、ひぃぃ」
鬼鮫が、瑞穂の両太腿の付け根に手をかけた。
動物的勘で危険を察知したのか、瑞穂がいやいやと子供のように泣いている。
「傑作だな、お前のリアクションはよ!!!」
そう笑うと、鬼鮫は瑞穂の両太腿を掴み上げ、無理矢理に持ち上げて反らせた。
「うぐあああっ、あぁああっ、あぎああああああっ!!」
身体の限界を、遥かに超えた角度まで折ったとき、鬼鮫は高らかに笑った。
PCシチュエーションノベル(シングル) -
並井澄 クリエイターズルームへ
東京怪談
2009年04月13日

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