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『blow.?U 』
高科・瑞穂6067)&鬼鮫(NPCA018)

 鬼鮫は脇腹を何度か擦ると真っ直ぐに姿勢を正し、瑞穂の方へ完全に向き直った。瞳は怒りに燃え、常人ならば背筋も凍るほどの凄まじい表情で瑞穂を睨みつけていた。
「やっとその気になってくれたようね」
「ふざけてんじゃねぇぞ。一介のメイドが…」
「あら、本当に私がただのメイドだと思ってるの?」
「…違ぇな。さっきの感じは戦闘慣れしてる奴の攻撃だ」
 瑞穂はニヤリとほくそえむと、腕を組んだ。腕に挟まれた瑞穂の豊満な胸が身体の中心に集められ、圧倒的な存在感を出している。
 埃の舞う、決して空気の綺麗な場所ではない地下室。唯一天井近くに備え付けられている、もう何年も磨かれていない曇った明り取り窓から僅かに光が届くだけ。その中で、大柄な鬼鮫と全く対照的で小柄で豊満な姿の瑞穂が互いに睨みあっている。
 鬼鮫は指をパキパキと鳴らし、ゆっくりと腰を低く落とし拳を構えた。
「そんなに相手にして欲しいなら、相手になってやろう」
「ふふ。光栄ね。せいぜい楽しませてちょうだい」
 瑞穂も同様に腰を低く、右の手は細くくびれたウエストの横に拳を作り、左手も同様に拳を作り顔の前に構えた。
 一息吐く間に、瑞穂は地面を強く蹴り攻撃を仕掛けてくる。蹴り上げた先から埃が舞い上がった。
「はぁあぁぁっ!」
 細くしなやかな瑞穂の足が宙に弧を描きながら鬼鮫の顔面に唸りを上げて飛ぶ。
 鬼鮫はその瑞穂の攻撃を太い腕でカバーするとすかさず瑞穂の腹部目掛けて拳を唸らせた。が、一瞬早く鬼鮫の拳をスカートの裾を鮮やかに翻しながら身体を回転させて避け、すぐに反対の足を上げ踵で鬼鮫の左顔面に蹴りを食らわした。
 ゴキッと言う鈍い音を立て、見事に鬼鮫の頬を打ち抜いた瑞穂の踵はヒュッと音を立て地に足を着ける。
 よろめいた鬼鮫の首は右側を向き、口の中を切ったのか口の端から血が流れ出た。瑞穂は攻撃の手をやめず、続け様に攻撃を繰り出した。
 細く長い白い腕は空を裂くように唸り、鬼鮫の鳩尾を打ち抜く。予想以上に深くめり込んだ瑞穂の拳に目を剥いた鬼鮫は、涎を吐き出しながら前のめりになる。
「ごほっ…!」
「まだ終わらないわよ!」
 続け様に瑞穂は恥らう事も無く大きく足を振り上げ、前のめりになった鬼鮫の後頭部目掛けて踵を振り落とした。ひらりとスカートの裾はめくれ上がり、形の良い尻が露になるが瑞穂は特別気にかける様子はない。
 鬼鮫は腹部を押さえ、前のめりになりながらその場に膝を着き苦しそうに呻いた。
 目の前に曝け出された鬼鮫の首筋に、その白い美脚を跨るように足を引っ掛け腰を捻り首の骨を捻り上げる関節技を仕掛ける。
 ゴリュ…という音を響かせ、鬼鮫の首は尋常では考えられない方向にひんまがった。
 瑞穂はまるで蝶のようにヒラリと大腿部を大胆に曝け出し、スカートの裾を翻しながら着地した。
 鬼鮫はその場に膝を着いたまま身動きが取れないのか、そのままの姿勢で動かなくなった。その様子を見た瑞穂は小さくほくそえむ。
「相手になってくれるって言うから、少しは期待したのにその程度? 期待して損したわ」
 ツカツカと靴音を立て、まるでモデルのように腰をくねらせながら歩み寄る瑞穂は、口元に笑みを湛えたまま俯いている鬼鮫の前に立ちはだかった。
「首の骨を狙ったんだもの。もう生きていても虫の息よね。そのままじゃあんまりにも可哀想だから、この一撃で楽にしてあげるわ!」
 瑞穂は左足を振り上げ、再び鬼鮫の後頭部目掛けて踵を落とそうとした。その次の瞬間、確かに目の前に存在していた鬼鮫の姿がフッと消え去った。
「えっ!?」
 振り切った瑞穂の足は虚しく空を切り、バランスを崩した瑞穂は前傾につんのめった。
 背後に転がり込んだ鬼鮫は殺気立った表情を浮かべる。いささか油断しすぎたか…。そう心の中でごちた。
 目の前で、無防備に背後と前のめりになって露になる白い尻を前に、鬼鮫は鼻で笑いながら抉りこむような重いパンチをその臀部に食らわせた。
 ボスンッ! と言うサンドバッグを殴った時のような重い音と感触が、鬼鮫の腕にかかる。
「うぶっ!」
 臀部に強い衝撃を受け、バランスを保てず、瑞穂は顔面から地面に叩き付けられた。みっともないほどに尻を突き上げ、スカートは大きくめくれ上がりあられもない姿を曝け出す。
「はっ…はぅぅ…」
 瑞穂は痛みから腰を幾度と無く振りその身を捩る。顔面を保護する間もなくストレートに打ち付けてしまったせいもあり、鼻血が止まらない。おまけに口の中も切ってしまい顔を押さえる手の隙間から鼻血とも口からの出血とも取れぬ血が流れ落ちていた。
 めくれ上がったスカートから露骨に露出する色白の尻は、攻撃を浴びせられ赤く腫れていた。
 ふざけた女だ…。
 鬼鮫は苛立ちを隠しきれず、目の前でさながら悩殺でもするかのように身を捩り悶絶する瑞穂の姿を見下した。
 首の骨をやられかけた鬼鮫は幾度と無く首を振り、擦り上げる。
 あと一歩間違えていれば、いくら治癒能力を持ち合わせる俺でもヤバかった。いけ好かない女だ。
 鬼鮫はキュッと目を細め、目の前に転がる瑞穂の腹部を思い切り蹴り上げた。
「はうっ!」
 瑞穂は目を剥き涎を吐き出す。そして身体の奥底にまでズンと重く痺れるような衝撃を耐えるように、腹部を押さえた。
「いい気になってんじゃねぇぞ、女」
「ぎゃうっ!」
 続けて同じ場所目掛け鬼鮫の足先が唸りを上げてめり込んだ。鳩尾に深く入ったのか、瑞穂は更に涎を吐き出し、身体を丸め込んだ。
 付け上がっているだけの女ならまだ可愛げもある。こいつのように減らず口を叩き、俄か腕に覚えのあるような女はタチが悪い。
 鬼鮫はもう一度足を振り上げ、瑞穂の腹部に蹴りこむとゴリ…とした感触が足伝に伝わり、骨にひびが入ったようだ。
「ひうっ!」
 更にもう一発蹴りをお見舞いした。
 瑞穂は腹部を4度蹴られ、その度に涎を吐き出しては全身を打ち震わせ、くぐもった声で低く呻きながら腹部を押さえ苦しそうに息を吐く。
 うっすらと見開かれている瞳には涙が光り、少しばかり胸元がきつかったメイド服の後ろのチャックが衝撃で下がり色白の背中が俄かに覗いていた。
 苦しさから縮こませた身体はさながら芋虫。仄白い大腿部は艶かしく動きまわり、ニーソックスはその動きに合わせてずり下がっていた。尻は足が動く度に揺れ普通の男であればドキリとさせられる事だろう。
 いくらなんでもこんな格好で戦うなど、こいつ、気は確かか? それとも、これも作戦の内と言う事か? まぁ、どちらでも俺には関係ないが。
 鬼鮫は問答無用に、瑞穂の臀部目掛け突き立てるような蹴りを喰らわせた。
 ズズンと衝撃が走る。瑞穂はその衝撃に無意識にも腰が浮き上がり、先ほど倒れたように高々と突き上がった状態に戻る。
「みっともねぇなぁ。あれだけふんぞり返って話していた奴が、今じゃこんな無様な姿かよ!」
 ドズンと音を立て続けてその臀部に蹴りを入れると、僅かに身体が跳ね上がった。
「ぎゃっ!」
「さっきから言いたい放題、随分とコケにしてくれたじゃねぇか。その落とし前はもちろんつけてくれるんだよな?!」
 更に臀部目掛け蹴りを入れた。同じ場所に続け様に攻撃を加えた事で、形の良い色白の尻は赤黒く腫れ俄かに形も崩れてきている。
 …笑える程いい様だ。
 瑞穂は苦痛に顔を歪め、息も絶え絶えに身を捩りながら悶絶を繰り返した。
PCシチュエーションノベル(シングル) -
りむそん クリエイターズルームへ
東京怪談
2009年04月02日

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