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『 いかがわしいマジックショー 』
柴樹・紗枝6788)&桃・蓮花(7317)&(登場しない)

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 サーカス団員達が住まうテント。その内部は、実に広い。
 外から見れば、ほんの少しばかり大きなテントにしか見えないのに、
 どうしてこうも広大な空間が内部に広がっているのか。
 その辺りは企業秘密らしく、誰にも理解らない。
 団員すらも知らない状況のようだ。
 全てを把握しているのは、サーカスの団長のみ……とのこと。
 何とも不思議なサーカステント、その内部地下にある団長の部屋。
 やたらと広いそこは、宴会場も兼ねる場所だ。
 ここは毎夜、どんちゃん騒ぎ。毎日が宴会である。
 今日も今日とて、宴会場は大賑わい。
 会場にいるのは、ほとんどが人外なる者だ。
 もっと理解りやすく言うなれば、動物だらけ。まるで動物園である。
 まぁ、団長が団長だけに、こうなるのも無理はない気がするが。
 宴会場をパタパタと駆け回る少女が二人。紗枝と蓮花だ。
 いつの間にやら女性(とういうかメス?)を口説きに、
 どこかへ消えてしまった団長の代わりに、彼女らがおもてなしをしている。
 まぁ、いつものことなのだが。
 ショーが終わって疲れているのに……と、二人とも内心はキツそうだ。
 おもてなしをすることを嫌だとか面倒だと思うことはない。
 ここにいる人達は、全員が常連客だ。
 いつもショーを見に来て盛り上げてくれる大切なお客様。
 感謝の気持ちを込めて、おもてなしするのは当然のこと。
 お酌をするだとか、膝枕をしてあげるだとか……その辺りまでは構わない。
 だが、エスカレートしてくると、さすがに面倒なことになってくる。
 紗枝も蓮花も、それを思うと、どこか笑顔が引きつってしまう。
「おーい、紗枝ちゃん! 蓮花ちゃん!」
(きた……)
 呼び声にニコリと微笑み応じるものの、二人とも冷や汗。
 二人を呼びつけたのは、団長の親友でもある人物だ。
 サーカスを立ち上げる際、誰よりも協力してくれた人物。
 無論、失礼などあってはならない。まさに神様のような存在である。
 呼びつけて早々に、二人は御願いされた。
 いや、御願いというより命令されたというべきか……。
 ご所望なるは『妖艶なマジックショー』
 要望から察することは容易い。今日も、随分と酔いが回っている御様子だ。
「う〜……」
「覚悟を決めるネ」
 俯く紗枝の背中をポンと叩いて告げた蓮花。
 そんなこと出来ませんと断ることが出来ないことが何とも、もどかしい。
 気持ち的には、お断りしたいのだが、そうもいかない、この事情。
 加えて、準備万端である、この状況。
 次に欲しがるであろうポイントを予想していた団長、見事なりや。
 紗枝も蓮花も、妖艶なマジックショーという要望に応じることができる技を身につけていた。
 すぐさま応じることが出来てしまう、この状況……。
 恥ずかしそうに俯く紗枝の横顔を見やり、蓮花はクスクスと笑った。

 とりあえず余興としまして。セクシーな移転ショーをば。
 恥ずかしそうにしながらも進行していく紗枝。
 蓮花はコクリと頷き、生脱衣を始めた。
 自身の身体から剥いだのは、とても可愛らしい桃色の下着。
 間近で生脱衣が行われたことに、会場にいる者達の鼻息が一気に荒くなった。
 要するに、今、蓮花は上も下も下着未装着な状態なわけだ。
 客等の目が、蓮花にザクザクブスブスと刺さるのは当然と言えよう。
 すっかり蓮花に釘付けな客等に苦笑を浮かべつつ、
 蓮花から受け取った下着を、自分のベストのポケットへと突っ込んだ紗枝。
 ふぅ、と小さく息を吐き落としてから、紗枝はカウントダウンを開始。
「スリー・ツー・ワン……」
 ゼロ、と同時に、蓮花が勢い良く紗枝のベストを剥ぎ取った。
 目にも留まらぬ速さで、黒いホットパンツもズルリと下げる。
 マジックは大成功である。
 紗枝のベストの下、白い肌を更に映やす桃色のブラジャーと、
 ホットパンツの下、白い肌を更に映やす桃色のパンティ。
 確かに、下着はベストのポケットの中に入ったのに。
 いつの間に、装着したのだろう。というか、何故に装着出来たのだろう。
 見事な転移ショーに感心する客達。
 拍手喝采を浴びながら、紗枝と蓮花は黒いボックスの中へ入り、いつもの団員服へとお色直し。
 身体のラインがハッキリとわかる、何ともセクシーな衣装である。
 お色直しを終えた二人は、ピッタリと左右対称に息の合ったダンスを少々披露し、
 二人揃って黒い椅子の上に登ってポーズを決める。
 すっかり良い気分になっているのだろう。客等は、全員が全員、満足そうにキャッキャと笑っている。
 決めたポーズを同時に崩し、二人は腕を交差して、ピラリと互いのスカートを捲り上げた。
 露わになるのは、これまた可愛らしい赤いギンガムチェックのパンティだ。
 その可愛らしいパンティには、何やらチャックのようなものがついている。
 客等の視線を引き付けた二人は頷いて、互いのパンティの中へ手を突っ込んだ。
 何が起きるのかと思いきや。
 出てくる、出てくる、次から次へと色とりどりのハンカチが溢れ出てくるではないか。
 セクシーな演出であることに、見た目が綺麗なことも相まって、客等は大喜び。
 ハンカチを出し尽くした二人は、椅子の上で再びポーズを決めてペコリと一礼。
 だが、これで終わりではない。最後に、もうひとつ。とっておきの大技があるのだ。
 チラリと紗枝を見やった蓮花。
 その視線は、覚悟は良いアルか? 的なものだ。
 覚悟なんて出来ません。出来うることならば、今すぐここから逃げ出したいです。
 俯き頬を赤く染め、泣きそうな表情を浮かべながらも頷いた紗枝。
 所詮は叶わぬ望みですとも。従うしかないんですよね。わかってますとも……。
 覚悟を決めた(というか諦めた)様子の紗枝を確認し、蓮花はニコニコと微笑む。
 まるで鏡に映る姿のように、ピッタリと息の合った動き。
 二人は、可愛らしいパンティの中にタマゴを一つ入れた。
 何だ何だ、何が起こるんだ。どよめく会場。
 客等の期待を背負い……フィナーレへ。
 二人はクネクネと腰を揺らし、妖艶なダンスを踊る。
 まるで骨のない軟体動物かのような動きだ。
 彼女等の身体の柔らかさは、異常レベルかもしれない。
 妖艶なダンスに魅了されてしまった客達。
 ダンスが終わって、そこでようやく彼等は気付く。
 先程まで、二人のパンティの中に入っていたはずのタマゴが見当たらない。
 ぷっくりとした膨らみが、まるっきりなくなっているのだ。
 これもまた転移ショーのようなものなのかと、あれこれ予想する客達。
 どよめく会場の妙な雰囲気を一蹴するかのように。
 二人は、自身のパンティにあるチャックを開けた。
 すると……。
「ピヨ」
「ピヨ」
 ひょっこりと出現したのは、可愛いヒヨコ。
 玩具ではない。本物のヒヨコだ。
 パンティから飛び出し、ちょこちょこと歩きながら鳴く二匹のヒヨコを目の当たりにして、
 客等は一瞬沈黙したが、すぐさま我に返って大喜び。
 熱気ムンムン最高潮の中、マジックショーは終演。
 紗枝はクルリと後ろを向き、自身のパンティをズリ下ろして、垂れ幕付きのTバックを披露。
 垂れ幕に記されているのは、感謝の言葉。心を込めて。
 ― ありがとうございました(はーと) ―


 宴会が終わり、後片付けをしている最中、
 紗枝が何度も溜息を落とし、蓮花がそれを笑うのも、またいつもの光景。
「いい加減、慣れるべきだと思うネ」
「無理よ〜……。もう嫌……。普通のショーがしたい……」
「普通? アハハハ! 今更何を寝ぼけたこと言ってるネ」
「……そうなんだけどね」

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 ■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

 6788 / 柴樹・紗枝 / ♀ / 17歳 / 猛獣使い&奇術師(?)
 7317 / 桃・蓮花  / ♀ / 17歳 / サーカスの団員・元最新型霊鬼兵

 シチュエーションノベル発注ありがとうございます。
 お久しぶりで御座います!またお会いできて嬉しいです^^
 不束者ですが、これからも宜しくお願い致します。
 発注、ありがとうございました^^
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 櫻井かのと (Kanoto Sakurai)
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PCシチュエーションノベル(ツイン) -
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東京怪談
2009年01月19日

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