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『羽子板、大会? 』
梧・北斗5698



「あ、ステラちゃん」
 自分の暮らすアパートの前で、ステラは声をかけられて振り向いた。
「郵便のお兄さん、こんにちは〜です」
「今日の郵便物ね」
 爽やかな笑顔で郵便物をステラに渡す配達員の青年。受け取ったステラは一瞬で青ざめる。
「あ、あわわわ……!」
「ど、どうしたのステラちゃん?」
「せ、先輩から手紙が……!」
 そのまま彼女は白目をむいて倒れてしまった。

 部屋の隅でステラは真っ青な顔でうずくまっている。
「よ、よりによって正月早々に……ムチャクチャですぅ」
 頭を両手で抱え、ステラは「あー」やら「うー」やら唸る。
「こ、こうなったら……ふふふ。羽子板で大会を開いて、それにかこつけて……」
 彼女はにたりと、意地の悪い笑みを浮かべる。

***

 梧北斗&遠逆欠月ペア――

「よ! ステラ。今年はドジが少しは減るといいな?」
 現れた北斗の言葉にステラがムッとする。
「新年早々なに言うんですか。失礼な人ですねぇ」
「そうだよ。女の子に失礼なこと言わないの」
 一緒に来た欠月に叱られる北斗は普段着のジーンズにパーカー姿だ。肩をすくめる北斗に欠月は呆れたような溜息を吐き出す。
 北斗はきょろきょろと辺りを見回した。この公園にはステラと北斗、欠月しかいない。
「こんな狭い公園でやるのか? それに、他に人はいないのかよ?」
「あなたたちが一番乗りなだけです! それに別の空間でやりますぅ。こんな狭いとこでやれるわけないじゃないですかぁ」
 ぷぅっと頬を膨らませるステラは二人に羽根突きで使用する羽子板を渡す。明らかに不審そうにして羽子板の表と裏を何度も見る北斗にステラはムスっとする。
「普通の板ですよぅ! 仕掛けなんてないですぅ!」
「いや……おまえのことだからなんかあるのかなって……」
「失礼な! とっとと先に行って待っててくださいっ!」
 小型のラッパのようなものを北斗たちに向けるステラ。ぴかっ、とラッパの口が光ったと思ったら、北斗たちは公園ではなく別の場所に立っていた。
 そこは巨大な体育館だった。ラインだけ引かれた床を見て、北斗は乾いた笑いを洩らす。
「なんか大げさだなぁ……。
 そうはそうと……俺、羽根突きなんてやったことないんだけど。……欠月、おまえは?」
「残念だけど、したことないね」
 肩をすくめる欠月に、北斗は苦笑するしかない。
(それにステラが絡んでるからな……。何か起こりそうな予感がヒシヒシと……)
「ま、やるからには勝ちたいよな!」

 神崎美桜&遠逆和彦ペア――

「今日はお招きありがとうございます。羽根突き、初めてなのでとっても楽しみです」
 にっこりと微笑む美桜は「あ」と呟いて頭を深々と下げる。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」
「あ、丁寧なご挨拶ありがとうございますぅ。こちらこそ、今年もよろしくですぅ」
 慌ててステラも頭をぺこっと下げた。
 振袖姿で現れた美桜の後ろには、黒いコートを着た黒服の和彦が居る。彼はステラに小さく微笑んだ。
「美桜と組むのは俺になる」
「あ、はい。了解ですぅ」
 ステラはラッパを構え、二人に向けた。
「別の空間でやりますぅ。入った順に試合が開始されますので」
 あ、とサンタの少女は後ろからごそごそと羽子板を取り出した。
「一般人の方専用のものなので、特殊能力とか使うとすぐに破壊されてしまうほど脆いです。気をつけてくださいね」
「わかった」
 受け取って頷く和彦の手を、不安そうに美桜が握る。そして二人の姿はそこから消えてしまった。

 移動した先では先に別のペアが待ち受けていた。
 ラインが引かれたコートの中で、北斗と欠月が羽子板を片手に美桜と和彦を迎える。
 体育館の中にアナウンスがかかった。
<では、第一試合開始>



 十種巴……ペア?

 公園にやって来た十種巴は振袖姿だ。桃色の着物の彼女は公園でぽつんと待つステラを見つけ、元気に手を振る。
「あけましておめでとう、ステラ!」
「あっ、十種さ〜ん。おめでとうございますぅ〜」
 ステラも満面の笑顔になった。だがすぐに首を傾げる。
「あれぇ? なんでお一人なんですか?」
「それが……ペアを組む相手が捕まらなくて……。ねぇステラ、一緒にやらない?」
「ええーっっ!」
 悲鳴をあげて首を左右に振り、嫌がる。だが巴は彼女の両手を掴んでぶんぶんと上下に振った。
「大丈夫! 私がサポートするからがんばろっ」
「で、でもぉ……」
「こう見えて着物はけっこう着てるから、普通の人よりは動きが速いと思うの。ダメかな」
「…………」
 ステラは肩を落とし、渋々頷いた。
「仕方ないですね。相手がいないのではわたしがやるしかないですぅ」
「やった! 絶対勝とうね!」
「…………」
 疲れたように笑って返すステラは、次に公園に現れたペアにぎょっとしたのだった。

 菊坂静&…………ペアの、数分前。

(羽子板大会かぁ……ステラさんに誘われたけど、欠月さんは用事で無理だって言ってたし……)
 ぼんやり思いながら歩いていた静は、自販機の傍の壁に背をもたれて缶コーヒーを飲むフレアの姿に目をとめる。
(フレアさんだ……。お正月でも変わらず、って感じだな……)
 前に見た時と同じ白い帽子と白いコート姿だ。寒くないのだろうか?
 静は少し足を速め、フレアの前に立つ。
「明けましておめでとうございます、フレアさん」
 頭をさげるとフレアは少し驚いたような顔をし、「あぁ」と小さく洩らした。
「そういえば今はココでは正月か……。時間感覚が完全に狂ってるな……しっかりしないと」
「?」
 意味不明なことを呟くフレアは「気にするな」と微かに笑う。
(……フレアさんて、あんまり顔が見えないけど……よく見るとやっぱり可愛い顔してると思うんだけどなぁ……)
「なんだ。アタシの顔に何かついてるか?」
 帽子のツバを引いて顔を隠すフレアに静は慌てて両手を振った。
「あ、いえ。
 ……えと、あのっ」
「ん?」
「フレアさん、もし良かったら羽子板大会のペアになってくれませんか? 参加したいけど、ペアを組みたかった人がちょうど用事で……身代わりみたいな事をしてごめんなさい」
 肩を落とす静を眺め、フレアは小さく笑った。
「可愛いヤツだな、おまえは。いいとも。アタシでよければ組んでやろうじゃないか」
「えっ、本当ですか?」
「ある程度は力が制限されているが……。まぁ大丈夫だろ」

 と、いうわけで静はフレアを連れて公園に現れた。そこに居たのはステラと、桃色の振袖姿の少女だ。
「ぎゃーっ! なんでフレアが来るんですかぁ!」
 悲鳴をあげて嫌がるステラの様子に巴はきょとんとしている。フレアが薄く笑った。
「……なるほど。おまえが開催していたのか。羽根突き大会だったか?」
「は、『羽子板大会』ですよぅ!」
「ふ〜ん。だがやるのは羽根突きだろ?」
 バカにしたように笑うフレアの様子にステラは泣いてしまう。
「うえ〜ん、部長には言わないでくださいぃ〜」
「いいとも。じゃあアタシが参加しても文句はないな?」
「ぎえーっ! フレアが入ったらフレアが優勝しちゃうじゃないですかぁ〜」
 うえー、と泣き続けるステラであった。



<代表者、前へ。先攻を決めます>
「じゃ、俺が行くぜ」
「どーぞ」
 北斗に向けて肩をすくめる欠月は、ちらりと相手のコートを見る。
 北斗たちの対戦相手は美桜と和彦だ。和彦は美桜に何か言い聞かせている。
「美桜が取れないものだけは俺が拾うから」
「どうしてですか?」
「……俺が全部やったらおまえが参加してる意味がないだろ。ほら、ジャンケンして来い」
 美桜はちょこちょこと歩いて二つのコートの境目のラインのところに来る。北斗が彼女を待っていた。
 じゃーんけん……。
 すごすごと美桜が戻ってきて告げる。
「……負けました」
<先攻、ホクトチーム>
 北斗の真上に羽根が出現し、受け取る。
 北斗は羽根を軽く挙げる。そして打った。だが微妙な手応えに「はれぇ?」と呟く。
「野球じゃないんだからそういう打ち方したらダメだよ北斗」
「ンなこと言ってもこの板、壊れそうで……」
 思いっきり振ったヤツのセリフではない。
 飛んできた羽根を美桜が待ち受ける。
「えい!」
 だが大きく振った羽子板は掠りもしなかった。こん、と小さな音を立てて羽根が落ちる。
 美桜は後方の和彦のほうを振り向き、真剣な表情で言う。
「空振りました」
「見ればわかるし、一々報告するな」
 ぴしゃりと言われて美桜はガーンとショックを受けた。そんな美桜の頬に墨でバッテンマークがつく。
<勝負を続けますか?>
 アナウンスに美桜は頷いた。
「やります!」

 美桜の顔はほとんど丸やバツ印で占められている。ミスを連発したのは美桜だけだ。着物の裾を踏んづけたり、転んだり……。
<勝者、ホクトチーム>
「いえーい!」
 北斗と欠月がパン! とハイタッチをする。
 和彦は美桜を見て呆れた。
「莫迦だな……顔が真っ黒だぞ」
「うぅ……」
「だから着物はやめろと言ったんだ」
 美桜はハンカチを出して顔を拭くが、顔からは墨が落ちない。刺青とまではいかないが、少なくとも水で落ちるものではないらしい。
 そこに別の二組が到着する。巴に支えられているぐったりしたステラと、静とフレアだった。
<第二試合、トグサチーム対キッサカチーム>
 見えざる力によって、強制的にコートから前の2チームが追い出された。
 静は欠月の姿に「あれれ?」と困惑していたが、フレアに引っ張られてそれどころではない。
「ほら行くぞ」
「あ、は、はいっ」
 一方巴は、燃え尽きているステラの首をぶんぶんと揺すった。
「ステラってば! ほらしっかり立って!」
「ダメですぅ……十種さんはフレアの凄さを知らないからですぅ……」
 白目を剥いて唇から涎を垂らす有り様だ。
<代表者、前へ。先攻を決めます>
 巴は慌てて若葉色の布でたすきがけをし、ステラを置いて出てくる。相手のチームは静が代表らしく、彼が出てくる。
 ジャンケンの結果、先攻は巴になった。
 謝る静にフレアは不敵に笑う。
「なあに、構うものか。勝つのはこちらだ」
「なにを……! よしっ! 負けないから覚悟してよっ!」
 ビシ、ビシ! と人差し指を巴は周囲の男性陣にも向ける。フレアは「元気のいい子だなあ」と呟いていた。
<先攻、トグサチーム>
 羽根が巴の目の前に出現した。巴はそれを掴む。
 静がごくりと喉を鳴らす。後方に腕組みして突っ立っているフレアを見遣った。
「羽子板を使った羽根突きか……僕は小学校以来です。フレアさんはやったことあります?」
「これでも田舎の出身なんでな。こういうレトロな遊びはよくやっていた」
 意外だと驚いている静に向け、巴が羽子板を振った。コン、と小気味のいい音がして羽根が飛ぶ。綺麗な放物線を描いて静のコートに入って行く。
 静がそれを打ち返す。
「ステラ、行ったよ!」
「ぎゃー、うわー、いやー」
 巴の言葉にあわあわと慌てるステラはずでんと転げた。羽根が床に落ちる。ステラの顔にバッテンマークが浮かび上がる。
<勝負を続けますか?>
「やるわ!」
 巴の声に「えー」とステラが情けない声をあげた。
 今度はフレアの目の前に羽根が出現する。彼女はそれを掴んで静のほうに投げようとする。
「いいですよ、フレアさんが打ってください」
「……この板でか? まぁ構わないが……本当にいいんだな?」
 念を押すので静は警戒するものの、頷く。
 フレアは軽く羽根を投げ――――コッ。
 と、小さな音がした瞬間、巴の頬の横をチッと音が通った。床に羽根が突き刺さる。
 羽子板をくるくると回して眺め、フレアは「ふむ」と頷く。
「角を使ったらなかなかの威力が出るな」
 無造作に腕を振ったのにこの威力! 巴は青ざめてしまう。ステラが「ぎえー」と泣き声をあげた。
「手加減してやれ、フレア!」
 場外から和彦が叫んだ。欠月も頷いている。どうやらこの二人はフレアの知り合いらしい。
 フレアは腰に片手を当て、フンと鼻を鳴らした。
「カズと欠月か……。暇な連中だな。なんならおまえらが相手でも構わないけど?」
 挑発的に言われたが、欠月はムスッとして黙り込み、和彦はぐっ、と言葉に詰まった。
 フレアはふっと笑うがステラを睨みつける。
「空間が歪んでいるのはそのせいか。交わるはずのない世界がここで交差している……。ステラ、後で話がある」
「ぎゃーっ! いやあぁぁぁぁっっ」
 鼻水を出していやいやと首を振るステラ。
<勝負を続けますか?>
 アナウンスが響いた。



<決勝戦、ホクトチーム対キッサカチーム>
 場外では顔にバッテンマークを二つつけた巴と、ほぼ美桜とそっくりな状態になっているステラの姿があった。二人ずつベンチに座って試合を眺めている。
「欠月が相手か。ほ〜う、多少本気を出してもいいのか?」
 フレアは静に尋ねる。静は困ったように欠月たちを見遣った。
 北斗は冷汗を流して欠月に訊く。
「お、おまえでも勝てないのか……?」
「正直……フレアに勝てたことは一度もないんだ……」
 苦い顔をして洩らす欠月の言葉に北斗は青ざめる。
 ステラは唇を尖らせた。
「そりゃそうですよぅ。フレアはワタライじゃないですかぁ……戦闘力が桁違いですぅ。勝てるわけないですぅ」
「わたらい?」
「そういう部署っていうか、課っていうか……」
 ぶちぶちと言うステラは巴にそう応える。巴はちんぷんかんぷんだ。
 美桜は和彦に尋ねる。
「お知り合いですか?」
「…………知り合いっていうか……」
 顔色の悪い和彦は嘆息する。
「幼い頃から世話になっている人物なんだが…………相変わらず姿が全く変わっていないというか……」
 げんなりする彼の様子に美桜は不思議そうにフレアを見遣る。帽子で顔が隠れているので、口元の笑みしか見えない。
「ずっりーよ! ハンデくれよ、ハンデ!」
「角を使うのはナシだ!」
 北斗が喚き、続けて欠月が言い放つ。フレアは片眉をあげるがしばらく黙ってから「いいだろう」と頷いた。
「側面もナシ!」
 慌てて欠月が付け加えると、フレアは押し黙ってしまう。
「……う〜ん、バレていたか」
「当たり前だ! おまえのやりそうなことはわかってるんだからなっ!」
「お、おい欠月、落ち着けよ……」
 いつもと逆で北斗が欠月を落ち着かせている。
<代表者、前へ。先攻を決めます>
「あ。じゃあ今度はフレアさんがどうぞ」と、静が言う。
「俺でいいのか?」と、北斗は欠月を見遣った。欠月はフレアを睨んでいて聞いていない。
 フレアはスタスタと歩いて来る。北斗も慌てて出てきた。
 北斗はフレアを見つめる。いつもは別の世界で助けてくれる頼もしい護衛が、今は完全に敵だ。
「な、なんでおまえがここに居るんだよ……」
「見舞いの帰りだ。気にするな」
「気にするって〜……」
 なんだか半べそ状態になる北斗であった。
 二人は構え、ジャンケンをする。結果は北斗の負けだ。
 戻って来たフレアは「そうそう」と静に言う。
「あそこに居る欠月はおまえの知る欠月じゃないから、気兼ねなくやるといい」
「ど、どういうことですか?」
「別の世界の欠月……と考えたほうがいいな」
 静にとっては意味がよくわからない。フレアは「あまり気にするな」と軽く笑って言った。
 そして熾烈な戦いが幕を開けた。
 羽子板を壊さないようにと注意を払いながら打ち合う北斗と静。たまに欠月がそこに入って打っていたが、フレアが全て打ち返していた。
 全く決着がつかない。羽根を打ち返す音だけが響く。
 それが長く続き、見物していた巴は欠伸を洩らす。
 先にスタミナが切れたのは静のほうだった。足がもつれる。羽根を落としそうになった瞬間、フレアがそれを打ち返した。
「……アタシのパートナーがもう無理らしい。せっかくの楽しい遊びだが、ここまでだ」
「勝手に終わらせるなよ!」
 北斗が打ち返す。フレアは小さく笑った。
「続けてもいいが、ここからはアタシが全部拾うぞ」

 結果……。
<勝者、キッサカチーム>
 降参したのは北斗だった。体力がなくなり、ミスを連発するようになった北斗がとうとう白旗をあげたのであった。
「悪い……欠月。も、もう無理だ……」
「し、仕方ないよ……。ボクも続けられる自信なかったし……」
 欠月も荒い息を吐いている。
 静は充分休憩させてもらったので少しは体力が戻った。
「す、すごいですねフレアさん」
「まぁ、そもそもおまえたちとは体力が違うからな」
「ほらぁ〜、だからフレアを入れるのは嫌だったんですよ〜!」
 わ〜んと泣くステラの肩を巴が優しく叩いた。その気持ちは十分にわかる。
 ほらみろ、という顔をしている和彦に美桜が囁く。
「お知り合いの方、凄いんですね」
「…………」
 ノーコメント、ということらしい。



「じゃあ一組ずつ帰ってもらいますぅ」
 真っ黒な顔のステラを見て北斗が「ぶっ」と吹き出した。こんな近くから見るとかなり強烈だ。
 北斗と欠月がまず最初に帰ることになった。
「今日は疲れたけど面白かったぜ!」
「ご参加、ありがとうございました〜」
 頭をさげるステラはラッパを二人に向ける。二人はすぐに姿を消した。
 次は美桜と和彦だ。
「あの……このラクガキ、どうやったら消えるんでしょうか?」
「元の世界に戻ったら消えてますから安心してください〜。今日は本当にありがとうございました」
 ステラの言葉に安堵する美桜は、和彦と共に姿を消す。
 次は巴だ。
「わたしを待たずに帰ってくださいね。わたしはこの後、ここの片付けをしますので」
「手伝うよ?」
「大丈夫ですぅ」
 笑顔のステラに「そっか」と呟き、巴は手を振った。
「楽しかった! でもステラ、もうちょっと頑張ってよね、次は」
「は、はい!」
 姿を消した巴を見送り……最後は静となる。
 フレアは軽く首を傾げてステラを見遣った。
「で、なんでこんな催しを? どうせ上からの命令だとは思うけど……」
「うぐ……。なんでもないですぅ」
 目を逸らすステラをフレアが凝視している。とうとう視線に耐えられなくなったようで彼女は降参した。
「実は皆さんのエネルギーを集めていたんですぅ」
「エネルギー?」
 静は不思議そうにする。
「はい……。白熱した戦いには熱血のパワーが集まりますぅ。そ、それを集めていたんですぅ」
「……集まったの? ステラさん」
「は、はい。少しは」
 ステラはしょんぼりと肩を落とした。
 フレアが彼女の耳を摘んで引っ張る。ステラが悲鳴をあげた。
「そんなことだろうと思ったよ」
「いったぁ〜い!」
「ま、まあまあフレアさん。僕も今日楽しかったですから……」
「そ、そうですよぅ。皆さん楽しんでくれ……あだー! 痛い痛いぃ〜!」
 耳の痛みに暴れるステラに「反省しろ」とフレアが冷たく言い放つ。静は苦笑するしかなかった。



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┗━┛★PCあけましておめでとうノベル2007★┗━┛

PC
【0413/神崎・美桜(かんざき・みお)/女/17/高校生】
【5698/梧・北斗(あおぎり・ほくと)/男/17/退魔師兼高校生】
【6494/十種・巴(とぐさ・ともえ)/女/15/高校生・治癒術の術師】
【5566/菊坂・静(きっさか・しずか)/男/15/高校生・「気狂い屋」】

NPC
【遠逆・和彦(とおさか・かずひこ)/男/17/退魔士】
【遠逆・欠月(とおさか・かづき)/男/17/退魔士】
【ステラ=エルフ(すてら=えるふ)/女/16/サンタクロース】
【フレア=ストレンジ(ふれあ=すとれんじ)/女/17/?】

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■         ライター通信          ■
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 ご参加ありがとうございます、梧様。ライターのともやいずみです。
 最後は体力切れでしたが、いかがでしたでしょうか?
 少しでも楽しんで読んでいただければ幸いです。

 今回は本当にありがとうございました! 書かせていただき、大感謝です!
PCあけましておめでとうノベル・2007 -
ともやいずみ クリエイターズルームへ
東京怪談
2006年12月28日

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