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『■羽目外し羽子板■ 』
シェラ・シュヴァルツ2080



 近くの皆様も遠くの皆様もごきげんよう。
 私は相変わらずソーンの硝子森在中で出歩けません。
 いえいえどうせ動く物じゃないので普段通りということなんですけれどね。
 え?なんだかちょっとノリが違う?
 そんな事は……多少はありますけれど、ほら、そのテーブルの上にある書。
 マスタが席を離れた途端に開いて(よくある事です)そのまま何か物語を綴り始めまして。
 書棚ではまま見受けられるのですけれど、その……物語が今回はなんだか少し、戻ってきたマスタが溜息をついて見ないふりをしちゃいまして、ええまあ要するに変な物語なんですよね。場所もよく解りませんし。

 ……ご覧になります?


* * *





 どん、と据わった目で仁王立ちするクライン・マンション管理人。
 多分まだ十代の少女な筈の彼女は朱春。
 そして彼女を遠巻きに見守る男が三名。
「うーん流石に力持ちだねぇ」
「力持ちというレベルじゃないです坂上さん」
「いや……あれやばいんじゃねぇか」
「やばいってどっちが」
 冴えない中年男・坂上ののどかなコメントに反応した、前半後半の差はあれど同じ二十代の男達。
 ジェラルドの言うのに問い返したアルバート。自分で「どっちが」と問いながら思わず見比べて「どっちもかな」と遠い目になる。
 彼らがなんとはなし距離を取って見る先で朱春と対峙する複数の影。
 それらはとても――賑やかだった。

「ふん!どのような場所であれ我らの肉体は怯まぬ!」
「鳥肌立ってるです」
「このようなもの――ぬぁ!」
「汗が落ちて困るので却下」
「この美しい肉体の価値を理解せぬか小娘!」
「……エントランスくらい綺麗にしとくのが管理人です変態」

 ごす。

 表情を変えずに朱春が軽く、その細い腕に持ったものを振るう。
 景気良くそれが空を裂き見事な軌跡を描きつつ対峙していたいわゆるビルダーだろうか、それにしても行き過ぎた感のあるマッチョ達の一人にめりこみ相手を吹き飛ばした。その凶器ともいえるブツのシルエット。
「そもそもあれは何処から発掘したんだ」
「何処かの部屋だろうなぁ」
「やー凄いなぁ朱春ちゃん」
「あれはもう羽子板じゃねぇ」
「使えるのは彼女だけだろ」
 そう。それは巨大な鉄製羽子板。
 明らかに人間には振り回せない何処の何方様用だと問いたくなるサイズの、自分より大きなそれを朱春は片手で扱っているのだ。見れば足元には羽根も……持ち上げるのさえ苦労しそうな、人に当たれば致命傷なものが。
 そんな羽子板もとい凶器に襲われたマッチョAはどうなっているのだろうと見てみれば。
「ついに人が――あれ?」
「生きてるな」
「あっちも凄いねぇ」
 見守る男達の前でマッチョAはむくりと起き上がり、めりこんだ壁の欠片を振り落としていた。
 その壁の有様に朱春は目の据わらせ具合を強化する。
 機嫌をそのまま反映したような荒々しさで羽子板の先を床にごとんと叩き込み、何処とも知れぬ場所と繋がっていた一室から湧いて出た露出過多なマッチョ集団を睥睨すると彼女は言い捨てた。
「部屋から元の世界に戻るです」
 静かな声のおどろおどろしさを理解したのは住人の男達だけだ。いや坂上は笑顔を変えないので理解していないのかもしれないが、他二名はちらちらと視線を交わして天を仰ぐ。なんとなく、素直に終わりそうにない気がして。

 ……えてしてそういう感覚は当たるものである。

「その羽子板のミニチュアがざかざか転がってたわよぉ」
 ほぉら、とジェラルドの姉の声が頭上から響くのと。
 ちょうどマッチョ達を直撃する勢いで(無論Aと同じく無事だったが)鉄製羽子板セット平均サイズが降り注ぐのと。
「……ああ……」
「馬鹿女が……」
 一体どちらが先であったのか。
 項垂れたジェラルドとアルバートの前で、ある意味予想通りにマッチョ達はそのプチ凶器を拾い上げると朱春に宣言したのである。

「我らの自由を阻むなど叶いはせん!」
「然り!我らの肉体は誰にも奪われる事はない!」

 そして外に飛び出していった。
 マッチョAが食らった一撃は意外と恐ろしかったのかもしれない。
 一目散というやつだ。
 呆然と見送る一同。
 そして彼らは沈黙の後、頭上からエレナが「あら散ったわよ」と言うまで誰一人動く事は無く。

「誰も奪ったりしないし出来ないよな……」
「聞こえてねぇぞアルバート」
「……」
「朱春ちゃんがちょっと怒ってるかなぁ」
「凄く怒ってますよあれ」
「エレナ狙ってたんじゃねぇだろうなタイミング」
 それでも部外者な気分で男達が会話する。
 彼らの顔が、坂上以外の二人限定としても引き攣ったのは、エントランスで巨大鉄製羽子板を抱える朱春の声が耳に届いてだ。
「……いい度胸です」
「え」
「――ちょ、待てスバル!」
「気をつけてね朱春ちゃん」
「あらまあほっとくと大惨事」
「てめぇ酔ってるだろエレナぁ!」
 慌てて二人が追いかける。咄嗟に転がった鉄製羽子板を手に取ったのは何かの予感だったのか。
 その後ろ姿にも呑気に「行ってらっしゃい」と声をかけた坂上鷹臣。
 彼だけが、エレナの言葉を最後まで聞いていた。

「あいつらの出てきた扉――閉めなくていいのかしらぁ」

 うっふっふ、と笑うアルコール結構入ってるらしい彼女の声は上階からでありながらとても綺麗に響き渡った次第。


** *** *


 筋賀筋年。

 シュヴァルツ総合病院にはそんな言葉が豪快に書かれた紙が掲げられていた。
 なかなか達筆である。
 が、見る者はいない。
 いっそ寒々しい程に人気も無く熱気も無く、主人のフレンズなる人面草や霊魂軍団さえも居ないのだから。
 無駄に暑苦しい空気さえ溢れて垂れ流しうっかり触れれば染まりかねない世界を構築している彼らが何故、本拠地とも言うべきシュヴァルツ総合病院に居ないのか。
 それは新たな年を迎えた早々まで遡る――というか、親父愛キャッチしたマッチョ達に感激した一人の男が愛妻の愛情溢れる血の仕置きから逃れてマッチョとの合流を試み、妻がそれを追い、娘が両親の起こす騒ぎを想像して嘆息しつつ後始末の為に更に追い、という連鎖の結果なだけだ。


 その逃げた男を追うのはカリスマカカア天下と称される紅色番犬ラブハニーことシェラ・シュヴァルツ。
 彼女の愛は激しく厳しい。というかかなりバイオレンス。
 とんずらこいた夫が捕まった時にどういう惨劇もとい愛の仕置きが繰り広げられるのか当初から非常に危険であった。

「オーマはいるかい?」

 凄味のある美しさもそのままに彼女が潜り抜けたのはとあるマンションの一室。
 夫の気配を探るままに移動した先では数名の男女があれこれと話し合う姿があり、そして黒髪を綺麗に束ねた女性とシェラは対面したのである。
 聞けば彼女はこの建物に来る途中で筋肉集団及び己の夫であるオーマ・シュヴァルツも見掛けたと言う。特徴からするに間違いなくオーマだ。
 その女性と共に発端、というか屋外に集団が出て行った経緯を聞きながらシェラは静かに笑っていた。旦那とっ捕まえたら絞るぞアアン?的な笑顔である。当人は今頃体中総毛立っている事だろう。
「こりゃあ……イイ、夢を見せてやらなきゃ駄目みたいだねぇ……ふふ」
 くつりと咽喉を鳴らすその笑みの壮絶さよ。
 しかしまあ、今現在シェラの周囲に居る人々はいい加減マッチョ軍団から神経磨耗している事が発覚しているのでたいして怯えたりはしなかった。多分これも、今頃とある青少年を巻き込んでいる夫だけが察知して恐怖している筈。


** *** *


「ふぐぅおっ!」
 ひゅ、と風を裂く音に二人が反応するより早くオーマ・シュヴァルツの巨躯が少年の眼前から消えた。いや、消えたのではなく、飛んだ。
 音を聞いた方角へ向きかけた顔をぎぎぎと少しばかり固く動かして、世間一般の常識を持つ櫻紫桜少年が見たものは――側頭部に鉄球(羽根付)をめり込ませて歩道の片隅の倒れ伏すオーマの姿。
「生きてますか」
 思わず問う。
 ぴくぴくと指先が痙攣している。何故か血が出ていない。
「…………」
 無言のまま、紫桜は彼を見下ろした。
(でも生きてそうだ)
 どうにも通常の反応を返せないのだがどういう心理なのだろう。
 静かに見遣るばかりの傍目には無情極まりない紫桜の前で、彼の推測の通りにオーマががばりと起き上がる。鉄球がぽろりと落ちて微妙に陥没している頭が見えるも髪だけだったらしく一振りすると戻った。
「ええと……大丈夫みたいですけど、大丈夫ですか」
「無論!この程度で俺は倒れねぇ!」
「はぁ」
 白々とした紫桜の問いにも威勢良くオーマが応じ、彼は勢い良く立ち上がるとおもむろに上半身を曝け出す。どういう意味があるんだろう、とぼんやり思う紫桜。
「たかが頭に流れ弾!たとえそれがクリティカっても起き上がる!」
「流れ弾だったんですね」
「一発食らった程度で気絶なんざ下僕主夫失格だぁ――っぶっ!」
「…………あー……」
 もう、何と言えばいいのか。
 ポージングまで決めてやっぱりあの変な一団と似ているなぁと思った紫桜の前で、オーマは再び鉄球を今度は後頭部に受けて電柱に突っ込んだ。顔面から景気良く埋まっている。
 ぴくりとポージング決めた余韻の残る腕が引き攣る様を視界に映しつつ紫桜はしばし天を仰ぎ、その清々しさ溢れる空を見てから眼前の無事じゃない筈なのに無事そうな鉄球食らった自称『下僕主夫』に静かに手を合わせた。

「ご愁傷様です」

 他に何を言えというのか。
 チィーン……とどこからともなく響いてきそうな空間で一人合掌する若者。
 だがそんな静かな世界も長くは続かなかった。

「つまりアッチにラブボディ集団がいるって事だな!」
「うわ!」
「少年!アッチに行く道を教えてくれ!」
 前兆無くがばりと跳ね起きたオーマが同時に訳の判らない声を上げたのである。
 起き上がるやいなや瞳をきらきらと輝かせて自分の頭蓋に的中した鉄球の飛来元へと顔を向けてなお叫ぶ。見計らったように向かってくる鉄球第三弾。だが今度はオーマも視界内の事でもあり問題なく応戦した――問題ないのはオーマにとってであり、紫桜としては非常に問題だったのだけれども。
 鉄球を打ち返すべくオーマが手に持ったのは。

「どこから出したんですかそれ!」

 それは、人の身長程もある、というか人の形をした何気にピンクがかったゴールデン桃色等身大……いやつまり褌一丁のどこぞのマッチョをイメージした兄貴型羽子板であって。
「ぬぅおおおりゃぁっ!」
 ばちん!
 本能的に鳥肌立てて後退りしかける紫桜の前でオーマがそれを振り鉄球第三弾を打つ。
 鉄球は見事にあらぬ方向へと弾かれ(そしておそらく何処かの雑居ビルの窓を割る)同時に等身大羽子板の褌マッチョがウインクひとつ。それは物か!?物なのか!?と問いたくなる現象に続いて紫桜の周囲にもさりと出現する熱い視線の人面草と霊魂軍団。そして乱舞するのはウインクに応えて発生したとしか思えないハートの嵐。
(……ここはどこだろう……)
 日常が目一杯崩壊しているような感覚を覚えつつ、紫桜は沈黙しがちな思考の中でようやくそれだけを考えた。


** *** *


 そもそもは適当な広場でも無いかと訊ねられていただけだった筈の紫桜少年が、見知らぬ大男即ちオーマのマッチョワールドに引きずり込まれる事になった決定的な理由といえば鉄球だ。
 では鉄球はどこから、なぜ、飛んだのか。
 それは少女二人に原因があるのだ。


「当たったような、当たってないような」

 軽々と己の身長以上の羽子板(鉄製)の上で鉄球を弾ませつつ――無論、ぶつかる音はゴンゴンと物騒なものだ――某マンション管理人朱春が言えば、何処に繋がっているのか解らない糸電話を指先で摘むようにしながら華奢な体躯のサモン・シュヴァルツも鉄球を飛ばした方を見た。
 彼女らの周囲には何故だか頭を抱えて怯えるマッチョと昏倒するマッチョの二種類があちらこちらに見られるのであるが、さて原因はと言えばやはりサモンの持つ糸電話から洩れる怒鳴り声であろう。
 豪快な文字で『桃色むふふんビビリガタブルマッチョ☆大胸筋抹殺デスらぶコールくん1号★』とタグを付けられているそれは、実は(不本意ながら)父親であるオーマの秘蔵親父レアアイテムコレクションから奪って来た一品。となれば糸先は彼女らの暮らす世界であり――。

『この筋肉馬鹿!人様に迷惑かけて!』
『とっとと戻って来て買出しの一つも片付けなさい!』
『アンタ覚悟は出来てるんでしょうねぇェ?』

 等々非常に凄味のある女性陣の声が洩れ聞こえている次第。
 誰かの台詞が溢れる度にビキニパンツ一枚のマッチョ達はビクゥ!とその巨体を震わせて雨に濡れた小動物の如くにふるふると怯えて謝罪する。つまり、多分声の主達は彼らの――いわゆる奥方であろう。
 そんな家庭内のヒエラルキーも明らかな光景だが、少女二人は何処吹く風とばかりに鉄球の行方を見えぬままに辿っている。ビキニマッチョの家庭内順位なぞ知った事では無いのだ。という次第で、高所からそちら方向を確かめる役目はサモンの相棒たる六枚羽の銀龍・銀次郎。
「……当たってる、みたい……」
「変態ですか」
「……変態、は…変態…だと、思う」
「ふむ」
 サモンが眉を寄せる原因は、無論当たった先の人物を察知したからであるが、頷いて次の鉄球を用意する朱春を止めない。見事な流れ弾を食らったのは父だが助けるいわれは無い。捕獲するいわれはある。となるとむしろ攻撃は正当だ。
「じゃあ、迂回してあっちも回収するです」
「……そうだね……」
 その方がいい、と今は羽子板になっている相棒の銀次郎を意識の中で交わしながら朱春がテニスでもするように、鉄球を高々と上げるのを冷静に見る。
 羽根が妙に浮き立つ鉄球が重量からは想像もつかぬ高さに飛び、勢いをつけて落下。それを朱春があやまたず巨大な羽子板で掬い上げるようにして捕らえ――ガァンと響いた音は反響して高く軽やかな音になり。

 そして今度は明らかに狙ってオーマに直撃したのである。
 一度目は豪快な流れ弾であったがいっそ見事な狙撃ぶり。

「じゃあ行くですか」
「……うん」
 波長が合うのか、朱春とサモン、仲良く頷くと周囲のマッチョを見渡した。
 思うところは同じだ。

 これどうしよう。邪魔くさい。

 始末すれば時間がかかる。しかし放置も出来ない。
 無言で周囲の昏倒もしくは恐怖に震えるビキニマッチョ達を見る少女達。
 解決策を提示したのは別の人間だった。

「……ええと、俺が梱包しとくので、二人とももう行っちゃって良いですよー」

 むしろ行っとけ、と思っているのも明らかに、疲れた顔で笑ったアルバート。
 朱春追跡の途中でジェラルドと別れてサモンに追いつかれ、少女二人が仲良くビキニマッチョ達を片付ける様を見た彼は新年早々精神がかなり磨耗している。
 ぶっちゃけ笑顔が疲れているだけでなく、やけっぱちだった。
 なので。
「えー……朱春ちゃんとサモンちゃんという女の子がマッチョを大量に制裁しました。俺はもう泣きそうです。以上」
 二人が彼の言葉に甘えて去った後、八つ当たり気味にビキニマッチョを縛り上げてからジェラルドに連絡兼ねてかけた携帯電話のその台詞。遠い目をして語る姿が少し煤けていたらしい。


** *** *


 ミラー、ワセリン、プロテイン。
 そんな奇怪な花道だけど、誘導する最後の一押しはやはり言葉だった。

「――と、いう訳で是非とも貴方のその素晴らしい肉体で助けて頂きたくて」
「任せるがいい!この肉体でもって如何なる苦難も退けてくれよう!」
「では、お願いしますね」
「うむ!我らに任せておけぇい!」

 そんな遣り取りも幾度目か。
 シュライン・エマが行く先々で遭遇するビキニマッチョな『物体』を言葉巧みに誘導する先は出て来たマンションである。具体的な部屋の位置まで何気に伝えて誘導してみた最初の一団を、上手く蹴り込んだと酔っ払いもといエレナから伝えられ、これはいけると判断したのだ。
「上手いもんだねぇ」
「それほどでも」
 ふふ、と互いに笑み交わす相手はシェラ・シュヴァルツ。
 聞くに彼女の夫も似たようなノリで、暮らす世界から飛び出してきたのを追っているというのでナビを兼ねて一緒に移動しているところ。
「それで、シェラさんの旦那様はどの辺りかしら」
「コイツの反応からすると」
 手に収まっているのは物騒な形状の、おそらくは羽子板。
 ぎらぎらと眩しい鎌をつけたそれが微弱な気配を探知しているという話なのだが、仕組みは解らない。解らなくても問題無い。
 大人の女性二人が見守る前で物騒な分類・一応羽子板な凶器はかたかたと震えたかと思えば何やら訴える様子で鎌の先を震わせた。じぃと見る二人。
「……あの辺だね」
「ああ、じゃあ少し狭いけれど近い通りがあるわ」
「無論そっちで行こうかね」
「じゃあこっち」
 時折足を止めては見かける『物体』ことビキニマッチョを言葉巧みに誘導する時間を差し引いても、二人の移動は迅速だった。
 着実に、シェラの目指す相手に近付いている。
 と、風を切る凄まじい音が聞こえてシェラは足を止めると空を仰いだ。気付いたシュラインも、優れた聴力故に既にその方向を見据え。
「あの、バカ」
 呆れた風情でシェラが小さく呟くと向かってくるそれに応じるべく羽子板を構え――人面鉄球へと豪快に振り抜いた。鉄球のその人面を咄嗟に理解出来ず呆然と立つばかりのシュラインの前で鉄球から人面は消え、更に鉄球の色だの質感だのも変わりながらまた飛んでいく。

 コォ――――ン……

「……今、人の顔が」
「あれはオーマが打ったんだろうね」
「…………」
 長い沈黙を可能な限り短くして深呼吸。それで精神を落ち着かせた。
 平然と返すシェラの言葉に『物体』の対処だけでも随分と面倒だと考えているシュラインは、ただ静かに「そう」と頷くばかり。



 かくて、少女二人の位置から放たれた鉄球(三個目)はオーマに弾き返され、シェラの手により更に打たれ、そして。



「――ぐぉっ!」
「…………もう俺、案内しなくていいですか」

 巡り巡って三度、オーマの頭蓋を直撃した。
 そしてそれを生温く見る紫桜。まだ立ち去りかねている。


** *** *


 昨今の商売は迂闊に正月休みも取れないものだ。
 初売りセールと大々的に宣伝ぶちまけたそのデパートも規模に相応しく、年明け最初の営業日には大層な人出であった。
 その人出の中を何組かの奇妙な――程度の差こそあれ、確かに奇妙な人物が複数。

 ざわざわと人の集まる中心に、男達は立っていた。
 多くはビキニマッチョの露出群。
 一人はその露出群と似た造形の巨大羽子板を持つ男――オーマ。
 そして居心地悪そうに距離を取る、紫桜。

 ずるずると、半ば引き摺られる勢いで去り損ねて紫桜少年は初売りデパートまで案内させられたのである。
 何があったのか、ビキニマッチョ達もこのデパート方向に集合したらしいので「バーゲン!?こうしちゃいられねぇ!」と瞳を輝かせたオーマの選択も間違ってはいなかったようだ。
「よぅし!じゃあお前達の2005筋集大成をこの腹黒同盟総帥オーマ・シュヴァルツが確かめてやるからなぁ!」
「なに!?腹黒同盟!?」
「あのエルザードでも有名な!」
(どこで有名なんだろう)
 聞き覚えの無い単語に突っ込みを入れる。内心で。
 実際に紫桜の口を通ったのは控えめなお伺いだけであった。
「もう俺、帰っていいですか」
「お?助かったぜ少年!なんならお前も羽子板勝負に」
「遠慮します」
 礼のつもりか得体の知れない装丁のパンフレットらしき物を何処からともなく取り出しつつ誘うオーマに、ばっさりと即答する紫桜。なんとなーく疲れた顔付きだったのがここにきて初めて眩しいくらいに健やかな笑顔になった。
「俺、羽子板得意じゃないので」
「そうか?なんなら俺が教えても」
「結構です」
 どこまでも爽やかにお断り。
 流石にオーマもそこはかとない不穏さに「そうか」と身を引くと、気分を入れ替えるように頭を振って兄貴型羽子板を振り翳した。
「よし!じゃあそろそろ始めるとするかぁ!」
 景気付けに一振りするやいないや、兄貴羽子板を中心に桃色に光が迸りそこから現れる人面の羽根――そうかこうして出て来たのかと感心するよりも先に、紫桜は静かに距離を取った。
 人込みから、見覚えのある男性が合図をしているのに気付いた事もある。
 その男性は某マンションの住人で、ジェラルドと言って、そして。
「ぐはっ!」
 ごん、と人々が思わず手を止める程の惨たらしい音が一つ響いた。
 オーマ・シュヴァルツ、四度目の昏倒。後頭部にめり込むのは三度目と同じく隕石じみた巨大な羽根付きの……鉄球じゃないのは誰のものだろう。
「見つけたよ、オーマ」
「やっぱりマンションで擦れ違った人だったのね」
 前者の妙に迫力のある声に倒れて意識の無い筈のオーマがびくりと跳ねた。
 濃い肌色を脱色の勢いで白くしながら声の方を見ると同時、さながら十戒の如くに人が割れて大層な美女がそれぞれに現れた。手前の紅髪の女性にオーマの視線は固定されている。
 あ、と紫桜が瞬いたのは続いて現れた女性の方で、馴染みの怪奇探偵の事務所に必須の有能事務員ではないか。シュラインも気付いて互いに会釈しながらどちらともなく対峙する夫妻から距離を取って合流した。
「……あ?だからこっちじゃ今から夫婦喧嘩が起きるっつってんだよ」
 傍で怒鳴るジェラルドの声にシュラインと紫桜は挨拶した体勢のまま首を傾げ合う。
 夫婦喧嘩?
「……あれが?」
「喧嘩なんですか……?」
 ぐるりと巡らせる視線の先を揃って訝しく見遣った。

「待て待て待て待て!話せば解る話せば――ぅどわっ!」
「愛の語らいに言葉なんざいらないよ!そら」
 オーマが打てば等身大の兄貴型羽子板がウインクしてハートは飛ばすわ、人面羽根が飛ぶわ、妙な霊魂だの人面草だのが発生するわ。相手のシェラが鎌付いた羽子板振れば人面羽根が羽根を切り落とされて人面鉄球になる代わりに隕石もどきの羽根(しかも巨大だ)が出るわ、やたらとプレッシャーを感じさせる霊魂は出るわ人面草は出るわエトセトラエトセトラ。
 周囲に倒れ伏すビキニマッチョにたかる熱視線人面草と霊魂。それを威圧する別の人面草と霊魂。マッチョ達には時に凄まじい打撲痕――飛び交う非常識な羽根か。羽根なのか。
「だっ!い!痛!痛ぇ!シェラ!お、おまっ!」
「年が明けるなり妻子を放っておくなんて酷いじゃないか、ねえ?」
「――ぐふぁ!げふ!」

 サンドバックじゃないのかなー。
 薄ら寒い気持ちで見る何処かの世界の夫婦喧嘩。
「愛の形も色々だわね」
「そういえば草間さんは」
「武彦さんは『物体』に迫られて事務所なの」
 あ、なんか黒い。
 妻に延々と巨大隕石タイプの羽根をぶつけられているオーマを眺めるシュラインに浮かぶ笑みは何処かおどろおどろしい。草間の怯えようは随分なものだったのかもしれないとついと紫桜は視線を逸らした。
 そこでふと、視界に映ったもの。
 ――ああ。
 自分は今年、ずっとこういう巡り合わせなのだろうか。
 もう笑うしかない。
「どうしたの紫桜君……え」
「げ」
 引き攣った紫桜の気配に振り返るシュラインとジェラルド。
 その先に人込みの向こうから、羽根のついた妙に優美な羽子板を構える紅色も鮮やかな美少女がいて、傍に朱春がいて、それから、それから。
「どうして食べ物頬張ってるんでしょうね」
「むしろ羽子板まで食べ物頬張ってるのって何かしら」
「……えー、俺もマンション帰ります。以上」
 それぞれに言う間を摺り抜けて鉄球が五度目の狙撃をオーマに。
 まるで除夜の鐘のように盛大に響いてそれはフロアに落下した。無論直撃食らったオーマは沈没である。が、即座に起き上がるとまた何か胸を張って言いかけてシェラに打ち込まれてエンドレス。
 シュラインと紫桜は静かに一度だけ、夫婦の戦いを見ると視線で頷き合った。
「ある程度は物体も片付いたし、一段落したら引き取ればいいと思うのよね」
「俺も道案内なだけなんです。だからもういいですよね」
 うん、と静かに頭を振って仲良く背を向ける。ジェラルドは既にとんずらだ。

「あけましておめでとう朱春ちゃん、と」
「サモンちゃんです」
「初めまして。おめでとうサモンちゃん」
「ええと、はじめまして」
「……オーマが…迷惑、かけて……ごめん」
 歩きながら話す内に夫婦の会話と呻くビキニマッチョは遠くなる。
 サモンが幾分気にする様子を見せたが「後始末は任せるです」と朱春に言われ(多分アルバートだろう)その上どこからともなく漂うデザートの甘い香りに羽子板が再度反応したので静かに背を向けた。
「何か食べていたの?」
「銀龍とかいうのが甘い物食べに走ったです」
「銀龍?」
「……銀次郎、相棒……だから」
「へえ。綺麗ですね」
「あ、ついでに武彦さんと零ちゃんにお土産買おうかしら」
 わいわいと和やかに話しつつ、問答無用でサモンを引っ張る銀次郎。
 遭遇する前にも地下のデザートに誘惑されて少女二人を引き摺っていったらしい。
「お店の人がたくさんくれたです」
「……うん」
 両手一杯にデザート入った紙袋提げて歩く少女達。
 さりげなく分担して紫桜とシュラインも受け取ると、仲良く並んでデパートを後にした。



 夫婦喧嘩については、まあ。
 ――何かの見世物だと思ってくれるんではなかろうか。


** *** *


 奇怪な花道を通ってマンションに入ると、まだ飲んでいたらしいエレナがぐだぐだになって出迎えた。
「うふふ、あの部屋で皆詰まってるわよぉ」
 つつつとシュラインに近付いて耳打ちするので確かめにまず向かう。
 その後に何故かサモンと朱春がついてきかけてぐいと銀次郎変じる羽子板に引き摺られた。
「うわぁ!」
 律儀に紙袋からデパ地下スイーツ群を取り出していた紫桜の背中にまず銀次郎が元の六枚羽の姿に戻りつつ飛びつき、次いで引っ張られたサモンが乗る。危うく顔面から床に突っ込みかけた紫桜が鍛えた両腕で踏ん張って堪える姿がシュラインと朱春の位置からは良く見えたり。
「紫桜に乗ってるとデザート出ないですよ」
「……ごめん…銀次郎も、ほら」
 きゅ、と謝るように身体を揺らす銀龍に紫桜は苦笑するしかない。
 戻ってきた朱春とサモンが左右から紙袋の中身を出すに任せて紫桜は距離を取った。
 誘われるままに息抜きがてらマンションまで来たが、花道からして有り得ない。
(何しに出たんだったか……ええと、初詣、だったっけ)
 溜息をついて二階の通路を見る。
「……」
 見るんじゃなかったなぁと心底思った。
 状況は解らないが、シュラインが溜まっているビキニマッチョに何か話しかけては一室に誘導しているのだ。そしてマッチョが覗き込んだところに背中から蹴りを入れて押し込んで。
「……シュラインさんも、大変だな」
 とりあえずそう呟いてみたのは逃避も兼ねている。

「途中から疲れたから頼んだ人が戻るまで待っててもらったの」
 などとのどかに笑う酔っ払い。
 酔っ払った相手に理屈は通用しない。笑って流してその分も蹴り込みで発散しつつシュラインは何度もマッチョを蹴り入れる。実はちょっと楽しい。
「まったく、新年からこれだなんて」
「うふふ。だって何処に繋がってるか解らないものぉ」
「エレナさんも飲みすぎよ」
「うっふっふ。あの子も可愛いわねぇ」
「サモンちゃん?」
「かぁわいいわぁ」
 お菓子を食べてなんて愛らしいの、と咽喉を鳴らして笑う。
 やれやれと肩を竦めつつシュラインはまた『物体』を呼んで適当に理由をでっちあげると出て来たという一室を覗かせた。
「何も無いではないか」
「もう少し奥なんです。そう、もう少し」
「む」
「はい、さよなら」
「ぅぬぁあああああああっ!」
 こうして蹴り込んでいく。
 シュラインの顔に浮かぶのは非常に爽やかかつ健やかな、新年に相応しい清々しい笑顔。

 そんなそれぞれの姿を尻目に甘味を堪能するのは銀次郎だ。
 大層幸せそうに身体を揺らしつつ貪っている姿に、サモンは『ダイエット』という単語を考える。この相棒の体重は今日だけで、どれだけ増加しただろう。
 もぐもぐもぐもぐ。
 その銀龍と一緒になって静かに生クリームだのカスタードだのを口周りに溢れさせて食べる少女達。
 シュヴァルツ夫妻が見れば記念写真の一枚も取りたがるようなサモンの姿であった。


** *** *


 そのシュヴァルツ夫妻が戻ってきたのは日も落ちかける頃。
 とはいえ妙な騒動は随分と時間を取ったので、それ程待った訳でもない。

「迷惑かけたね」
「いやいや片付いて良かったねえ」
 のんびり返す坂上の頬に軽くキスを落としてシェラは縛り上げたビキニマッチョ達を放り出した。ぐえ、だの、むぎゅ、だのお約束な呻きが上がるが気にしない。
「先に放り込んでおいた方がいいだろうね」
「そうね。蹴り込んでおくわ」
 にっこりと笑うシュラインがシュークリーム頬張った朱春の協力を得て件の一室へと向かう。
 ややあってドスドスと靴先めり込んでそうな音が連続して、それから消えた。
「なんだか皆ストレス溜まったみたいですね」
 言外に「俺も溜まりました」と主張する紫桜の生温い視線の先ではエレナがサモンの生クリームつけて食べる姿にうっとり蕩けそうなというか愛でる顔で向かい合う姿。
 わーやばい。
 実際に手を出しはしないだろうから思うだけだが、傍目にやばい。
 でもなぁと巡らせる視線の先では何故かバーゲンの紙袋を抱えて戻ったアルバートとジェラルド。どういう経緯でああなったのかは知らないが、二人はシェラの従僕のような状態で両手一杯に紙袋を提げて戻ったのである。
 背後に男二人を従えてエントランスに立ったシェラはまさしく女王様風味だった。
「何が凄いって、通貨違うのに買物ナチュラルにしてる事がよ」
「いや、俺は弾かれ続ける旦那尻目に目当てを確実に入手するのが凄いと」
「……その旦那さんは?」
 ぐったりと床に懐く男連中を足元に見ながら紫桜が問うと、寝そべったまま二人は無言で管理人室を指した。漂う香りと合わせて考えるに――料理。
「大丈夫なんですか」
「得意らしいから、もういいだろ」
「俺はもう知らないよ」
「……」
 しばらく静かにそちらを紫桜も見ていたが、エプロンをつけたシュラインが一度往復したのを見て大丈夫だろうと判断した。オーマには悪いが、垣間見えたウサギ模様の桃色エプロンな姿では少しばかり、不安だったので。

 ともあれ、これで後は折角だからと誘われて皆で食事をして、終わり。



 の、筈だった。



 シェラがキス魔でとにかく親愛の証に抱擁だのキスだのする事で慌てたりもしたが、それでも皆和やかに食事していたのだ。マッチョは返送したしこれで面倒なブツは無いと安心して。

「よっし!じゃあここはひとつ少年の2005筋集大成を!」
「は?」
「謙遜しなくても鍛えてるのは解るぜ少年」
「いえ、だから」
「遠慮せずに行くぜ!そら――っ」

 問答無用で手渡されて握る間もなく打ち込まれそうになる羽根。
 それが無かったのは、オーマの妻子がそれぞれの特徴的な羽子板から放った一撃のお陰だった。渡された得体の知れない兄貴型羽子板標準サイズを静かにオーマの前に置いて紫桜は距離を取る。なんとなく手を洗いたいような。
「紫桜君。もう少し離れておいた方がいいわよ」
「あ、はい」
 シュラインに言われて更に距離を取り、それを確かめたシェラがオーマの前に仁王立ちに。
「確か初夢っていうやつは元旦か正月二日の夜に見るモンだったかねぇ?」
 強烈な一撃で流石にすぐには動けないのだろうか。
 ぴくぴくと痙攣するオーマの前でシェラは本来の相棒である大鎌を持つ。
「それじゃぁひとつだね、今年を飾るに相応しい最高最狂の【初夢】を見せてあげるよ、覚悟はいいかい――オーマ?」
 嫣然と、笑う。
 そして。

「…馬鹿は…どこに行っても馬鹿のまま…なんだね…」

 父の仕置は母に任せたと言わんばかりに離脱したサモンがちょこんと座る。
 その呆れた様子の言葉を皮切りに夫婦の会話はエスカレートし。

「待て!待てシェラ!最後にゃあ俺が皆乗せて遊覧をだなぁ!」
「それは良い案だけど、他が余計だよ」
「いや折角鍛えて――っぐは!おう!」
「そもそも途中で逃げたんだったかねぇ……ふふ」
「いや、その、ぎゃあぁ!」

「遊覧って?」
 悲鳴をBGMにしてシュラインと紫桜がサモンに話しかける。
 夫婦の遣り取りは小遣いカットにまで及び、哀愁を誘うオーマの声がエントランスに響き渡っているところだ。
「……多分、オーマが獅子になって、空…飛ぶつもりで、いたと思う」
「あら、それは惜しいわね」
「でもあれ大丈夫なのかな。終わったら飛べないんじゃないですか?」
「飛べるなら、武彦さん達も呼びたいけれど」
「…しぶとい、から……大丈夫だよ……」
「あ、じゃあ呼んだらどうですか」
「そうね」
 朱春と一緒に甘味をまだまだ食べている銀次郎のもとへサモンが向かう。
 遊覧はきっと夜になってからだろうし、紫桜も帰宅が遅れる旨を再度家族に連絡するとエントランスの隅にゆっくりと腰を下ろした。
「――武彦さん?ええ。私」
 シュラインの柔らかい声が聞こえる。

 騒々しいマンションのエントランスの中で色々な声が混ざって広がって。


「つかれた」


 それはきっと誰もが考えた事だろう。
 紫桜もそれだけ呟くと、うんざりと息を吐いた。





** *** *


 ……ね?
 なんだか妙なお話でしょう。

 でもまあ、折角の物語ですからマスタも書棚には納めるみたいですけれど。

 え?それ閲覧禁止?ああ、危険物なんですね。
 はぁ。何処かで起きた事ですか。
 それはまた……。

 関わった方には、私労いの言葉を差し上げたいと思います。


 お疲れ様でした。

 良い一年でありますように。





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┗━┛★PCあけましておめでとうノベル2006★┗━┛

【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

※東京怪談

【0086/シュライン・エマ/女性/26/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【5453/櫻紫桜/男性/15/高校生】

※聖獣界ソーン

【1953/オーマ・シュヴァルツ/男性/39歳(実年齢999歳)/医者兼ヴァンサー(ガンナー)腹黒副業有り】
【2079/サモン・シュヴァルツ/女性/13歳(実年齢39歳)/ヴァンサーソサエティ所属ヴァンサー】
【2080/シェラ・シュヴァルツ/女性/29歳(実年齢439歳)/特務捜査官&地獄の番犬(オーマ談)】

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■         ライター通信          ■
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 あけましておめでとうございます。
 新年早々に妙ちくりんな場面に遭遇し参加頂きまして、ありがとうございました。。
 色々とプレイングが活かせなかったり置き換わったりしているかと思いますが、ご容赦下さいませ。キャラはそれ程壊れなかったかな、と思っています。

・シェラ・シュヴァルツ様
 一家で御参加ありがとうございます。
 ナマ絞り途中で逃げるとどうなるんだろう倍増かしらと少しわくわくしつつ、羽子板関係はあまり表に出せず申し訳ありません。バーゲンでの競争にはさぞや優雅に勝利されたろうなと思います。
PCあけましておめでとうノベル・2006 -
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聖獣界ソーン
2006年01月05日

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