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『『TRPG HB』 』
眞宮・紫苑2661)&シン・ユーン(2829)&香坂・丹(2394)


【丹】

 大学にもチャイムがあればいいのに、と、黒板に文字は書かずに、ただ黒板の前の教卓に置かれたマイクに向かってだけ話しているような、90分間延々と独り言かのようにノートに書かれた自分の研究成果を読んでいるだけの教授を眠気と戦いながら見据えて、香坂丹は想った。
 この講義を受講したての時は、もぉ〜う、先生、面倒臭がらずに黒板に文字を書いてよぉ〜〜〜。こっちは授業料を払っているんだから! とかなんとか想いながら教授が喋る事を一生懸命ノートにも取っていたりしたが、今はこの講義の単位は、出席日数と考査期間に教授に提出するレポートさえしっかりとやってあれば、簡単に取れる事がつい先日、後期考査の時間割発表がされた時に説明されているので、今はただ丹は真ん中より少し前の席で、机に頬杖つきながら一生懸命眠気と戦っている。
 他の生徒はほとんどが眠っている。
 起きているのは最前列に座っている、真面目なんだろうけど、皆からはちょっとおかしな目で見られている人たちだけ(とは言っても、考査期間になれば、この人たちは講義をサボってる人たちから偉く頼られるのだけど)。
 丹も好奇心旺盛で、何事にも一直線で、猪突猛進な性格ゆえに真面目に講義を受けているけれども、それでもこのお経講義、と揶揄される講義だけは苦手だ。
 とても眠い。
 こくり、と舟をこいで、慌てて周りを見る。誰かに自分が眠りかけて、顔を机で打ちそうになったのを見られていた日には最低だ。
 しかし周りは全員寝ていて、丹はほっと一息ついた。
「やれやれね」
 おかげで眠気はすっきりと吹き飛んだ。
 手首の腕時計の文字盤に目をやると、14時15分。
 講義終了までにまだあと15分あった。
 長い。お布団とお風呂でなら、これぐらいの時間はあっという間に流れてしまうのに。
「早く終わらないかな?」
 呟く。
 それはこっそりと呟いたのだけど、ただ寝息と、教授のマイク越しのぼそぼそとした声だけが響く教室ではちょっと普段よりも大きく響き、そして、まるでそれが聞こえてしまったかのように教授がノートを閉じた。
 丹ともう数人しか起きていない教室に、講義の一番最初、ガイダンスでしか聞いた事のないチョークが黒板を叩く音が響く。
 明後日までに今日説明した末子成功譚について学校指定レポート用紙50枚で、今日の講義で取り扱った例題などを使い論文を仕上げてくる事。表紙も必須。単位の評定(50点満点評価)にします。
 ――――丹はもちろん我が目を疑い、そして自分がまだ起きているのか、それとも悪い夢を見ているのかも判断しかねる内に、その悪夢の文章は黒板消しで綺麗に消され、
 そして教授はゆっくりとした緩慢な動きで出席表を配り始め、それで起きた生徒は黒板に書かれていた悪夢の文章も知らずに、出席表に名前を書いて、教室を出て行ったり、携帯電話で友人に出席表が配れ始めた、と連絡しだして、
 その悪夢を知る数少ないうちのひとりである丹は、自分が幸福なのか不幸なのかわからずに、ただただ大きくため息を吐いた。


【ユーン】

 今日はどうやら招かざるお客が来るらしい。
 それでもそれは自分にとって、という事だけで、彼は他の者にとっては客なのだ。
 眞宮紫苑。ユーンは知っている。
 その綺麗な顔立ちをした青年がしかし、闇に生きる殺し屋である事を。
 それは偶然の出会いであった。
 ユーンにとっては2回目の彼との出会い。
 眞宮紫苑にとっては初めての出会い。
 紫苑が知らず、ユーンが彼を知ったのは、あの廃墟での運命の邂逅。
 彼はそこで人を殺した。
 そしてまた出逢った。
 その本能が鳴らす警鐘はしかし、自分の身に関しての警鐘ではない。
 自分の身は、自分で守れる。
 彼にじゃれつくのは、ユーンの大切な者たち。だから感じる焦り。


 大切な物を壊されないように――――


 汚されないように――――


 そしてもしも自分に、自分の大切な物に彼が牙を剥くのなら、容赦はしない。
 ――――それはひょっとしたらトラウマなのかもしれない。
 ユーンは前にとても大切な物をどうしようもなく不条理に奪われたから………。
 槍と拳銃。拳銃を使う紫苑の間合いはユーンよりも広いが、しかし拳銃が一撃必殺であり、強力な殺傷能力を有している分だけ、そのデメリットもまた大きい。
 拳銃が銃弾を吐き出す回数は決まっている。そしてその回数を凌ぎきれば、もはやユーンは紫苑に新たな銃弾を装填する暇は与えはしない。
 槍で、殺す。
 牙を剥くのなら。
 自分の大切な物を怖し、汚そうとするのなら、許しはしない。
 絶対に、殺す。
 しかし紫苑にはその気は無いようだ。今は紫苑はユーンが眞宮紫苑という男の正体を知っている事を知らないから、違う一面を見せているが、だがもしもユーンが紫苑が殺し屋である事を知っている事を知ったら、彼はどのような態度に出るのであろうか?
 延々と続くようなどこかユーンに対しては白々しい日常を演じているようなユーンと紫苑の時間、それをしかし自分から壊してやろうか? と、望むのは、
「おーい、あまりはしゃいで、商品や預かり物の時計を落とさないでくれよー」
 ひょっとしたらただの妬きもちかもしれない。
 返事だけはいい声を聞きながらユーンはくすりと笑いながら肩を竦めた。


【紫苑】

 赤。夜の闇の中に浮かんだそれは、彼、眞宮紫苑が口にくわえ、火をつけた煙草の灯りだった。
 冬の凍えつくような夜の風に、紫苑は口から吐き出した紫煙を乗せる。
 高層ビルの屋上から紫苑は向かいのホテルの一室を見据える。今、彼を包み込む夜気よりも冷たい目で。
 凍えつくような夜にも紫苑の身体は心地よい緊張感に包まれている。
 彼は好きだ。この緊張感と高揚感が。
 人を殺す行為に身を震わすのではない。命のやり取り、自分の命をかけて人と殺りあう行為が好きなのだ。
 彼は、屋上から飛び降りる。
 高層ビルとその目標が居るホテルとの間でぶつかり合い、暴れる風は計算に入れている。
 紫苑の痩躯は風に浮き、それを計算に入れて、彼は向かいのホテルの屋上に、飛び降りた。
 狂って、いるのだろうか?
 いかに風を計算に入れていたとはいえ、それは、確実ではない。
 一か八かの賭けだ。
 それでも彼はそれがやれた。圧倒的な自信があったのだろうか? それとも、死を恐れないのだろうか?
 えてして人間には時折、そういう部類の人間が居る。楽しめる事の出来る人間。自分の命さえ、賭けの代償にして。
 深夜の屋上に飛び降りた彼は唇の片端を吊り上げた。
 そして立ち上がると共に懐のホルスターから抜き払った拳銃の銃口を、その扉のノブへと照準して、トリガーを引く。
 発射音は消音装置によって消されている。
 ただ、硝煙の匂いだけが、彼が身体に纏ったロング・ラークの香りと混じり合って、紫苑の鼻腔をくすぐった。
 対象の部屋へと行く。
 対象はベッドの上で楽しんでいた。
 紫苑には覗きの趣味は無い。
 それに欲情する事も無い。
 ただ二人の吐き出す荒い呼吸、発汗、身体の動き、それで、男がすぐに欲望を排出する事を見抜き、そしてその隙を突くべく、ベッドルームの入り口の陰から、冷めた目で二人の情事を見ていた。
 そして彼のその先読み通りに男は女の下で輩出し、ぐったりとし、上に乗っていた女も、淫らな腰の動きを止めて、顔にかかる乱れた髪を片手で掻きあげて、
 その女の後頭部に紫苑は気配を感じさせる事無く、銃口を押し当てた。
「動けばあんたのその小奇麗な顔が朱に染まるぜ?」
 ただ、事実だけを淡々と述べる紫苑の声に重なったグロテスクな音は、枕の下に隠しておいた拳銃を取ろうとした男の首を、紫苑の長い足が踏み潰した音だ。
 絶命した男を見て、女は絶句したようだった。
「仕事は趣味でやってるんでね。だからこそあんたは大人しくしていてくれよ? 俺は女を殺す趣味は無いんでね」
 女は頷く。
「よし、じゃあ、あんたが俺のクライアントから盗み出したチップを返してもらおうか?」
 部屋にたゆたう血と性と、硝煙の香りにぞっとするような冷たく、だけど綺麗な微笑を浮かべながら紫苑は頷いた。



 ――――――――――――『TRPG HB』


 まだなんだか悪い夢を見ているような気がする。
 最悪だ。明後日までに論文50ページ。
 歩きながら丹は苦悩が浮かんだ顔を片手で覆って、この世の不幸全てをその身に背負っているような深い深いため息を吐き出した。
 そんな丹の背中に優しく笑いかける声がある。
「どうしました、そんな深いため息を吐いて。香坂さん。幸せ、逃げちゃいますよ」
 丹は振り返る。ユーンが居た。
「あ、こんにちは、ユーンさん。えっと、お買い物ですか?」
 ここはショッピングモールだ。
 今日の講義はあれで終わりだったので、丹は生協で学校指定のレポート用紙と、レポート用の表紙を買って、だけど何だかその足で家に帰って、論文執筆作業に入るのが嫌で、ぶらぶらとしていたら(そんな時間も無いのだけど)、ユーンと出逢ったという訳だ。
「えっと、ユーンさんはお買い物ですか?」
「ええ、今日は客人が来るのでね。お茶菓子を買いに」
「ああ、だったらそこのケーキ屋さんのイチゴのタルトなんかお勧めですよ」
 にこりと笑う丹。
「でも、甘い物はお嫌かな? あ、よかったらお付き合いしますよ」
 丹は嬉しそうに言う。
 ユーンは甘やかに微笑んだ。
「それは心強いのですが、生憎ともう買ってしまって」
 包み紙を見せるユーン。
 丹はちょっと落胆してしまう。ユーンには悪いが、彼と一緒にお茶菓子のお買い物でもすれば、よい気晴らしとなって、楽しそうだったのだが。
 その丹のわずかな表情の移り変わりにしかしユーンは気づいた。
 にこりと優しく微笑む。
「ひとつ、頼まれてもらえませんか? 香坂さん」
「え?」
 しゅんとしかけた丹は、目を輝かせた。
「何ですか?」
「はい、このお茶菓子を、持っていってもらえないでしょうか? もうお客人も来ている頃ですし。俺はちと、まだ用事があるので、帰れないんです」
「あ、はい。わかりました。私でよかったら」
 ころころとしたかわいらしい笑みを浮かべながら丹はそれを受け取った。
 受け取って、それから小首を傾げる。
「あの、でも私で大丈夫ですか? お客さんが、来るのでしょう?」
「ええ。でも大丈夫。お客さんも香坂さんを見たら喜ぶと想いますよ。かわいい女の子に接待されて喜ばない人はいませんからね」
 にこり、と微笑みながらさらりとそう口にしたユーンに丹は嬉しいやら、恥ずかしいやら、顔を真っ赤にして、彼の背中をぱしん、と叩いた。



 +++


 時計の秒針が刻を刻む音が無数。
 時計の精霊をこの時計屋『羈絏堂』では見られるという。
 それは鶏のような姿をしていた。
 火のついたロング・ラークを口にくわえて、紫苑はその時計の精霊を見つめている。
 ただただ他に動く物が見当たらない静かな店内には秒針の音が刻を刻む音だけが響き続けて、それは何だかとても不思議な感覚を紫苑に抱かせた。
 ―――――進み行く刻からまるで自分だけ切り離された場所に置いてけぼりにされたような疎外感と、焦り、そしてほんのわずかな安堵。
「まったく」
 口にくわえたロング・ラークの紫煙をくゆらせて、紫苑はくっくっくと笑う。
 何故だかそんな事を考える自分に笑えたのだ。
 どうしてだろうか? 先ほどまでは随分と二人が居て煩かったのに、今はその二人があまりにも遅いお茶菓子に我慢できずに近所の駄菓子屋に何かめぼしい物を探しに行って、それで静かになりすぎたこの空間に自分は柄にも無く寂しいと感じているのかもしれない。ただただ刻は進んでいくのに、どこか今が永遠に続いているような、この刻の空間に。
「やれやれだね、俺も。俺が留守番か、時計屋の。いや、こういうのも悪くはないねー」
 顔を片手で覆って、くっくっくと笑う。
 そうしていると、誰かの気配を『羈絏堂』の扉の向こうに感じた。
 殺意や敵意は無い。ただ躊躇っている感はある。
 そしてその気配は自分の知っている気配であった。
 紫苑は立ち上がり、その相手を迎えに行く。
 扉を開けると、そこに居た彼女は驚いたように長い睫を何度も瞬かせて、笑った。



 +++


「何だ、ユーンさんのお客さんって紫苑兄さんか。かしこまって損しちゃった」
 丹は紫苑を引き連れるような感じで店内に入っていく。
 その彼女の細い背中をわずかに見開いた目で見つめ、それから紫苑は苦笑した。
「つれないね」
 肩を竦める紫苑に丹はウェーブのかかった髪をひとつ振って振り返る。
「でも私、ユーンさんには気を遣わせちゃったみたい」
「ん?」
「論文50ページ明後日までにやってこい、って先生に言われちゃって、それはもう、海よりも深くずどーんと落ち込んでいたの」
「元気出た?」
「うん。これからぱーっとたくさんお喋りして、パワーを注入して、がんばるぞ、って」
 両拳を握る丹に紫苑は微笑む。
 ユーンは丹の落ち込みを見抜いて、ここに彼女を寄越した。
 ここには彼女の友人である紫苑が居る。彼とそれを忘れてしまうぐらいにお喋りすれば、元気になるだろうし、それに紫苑は聞き上手だし。
 だから大丈夫。人に囲まれる事で、悲しい感情は薄れて、消えていくから。
 囲まれた人との時間は確かに進んで、そしてその時間が前に行けなかった足を、前に進めてくれるから、大丈夫。
 大丈夫。
 うん、大丈夫ですよ、ユーンさん。
 小さく息を吸い込んで、丹は紫苑に微笑んで、またウェーブのかかった髪をひとつ振って、前を向く。
 なんだか優しさが嬉しくって、泣きそうだったから。
「紫苑兄さん。お茶、煎れますね」
「ああ。美味しい奴を頼むよ」
「あら、私が煎れるお茶はいつだって美味しいですよ。なんていったって、愛がありますから。愛が」
 立てた右手の人差し指を左右にリズミカルに振って、丹は笑った。



 +++


 先ほどまで刻が刻まれていく音だけが奏でられていた部屋に、とても賑やかな別の音が奏でられるようになった。
 まるで春を待つ冬の世界に、ようやく春風が吹き始めたかのように、静かで寂しげな空気が雪が溶けるように和らぎ、温かくなる。
 丹の歌うようなその声は、紫苑の心に少しずつ染みが広がるように溶け広がっていっていた感覚を上手に分解して、とても優しい温かな物を、溢れるぐらいに注いでくれる。
「どちらが助けられているのやら」
 紫苑は天井を見上げて、くすっと呟いた。
 仕事は趣味。
 趣味と言い切って、明日を自分が生きるために、今日の自分は誰かを殺す。
 今日という日に積み上げられた無数の自分のこの手が奪った人の躯。命。
 だがどれだけ待ったって、明日は来ずに、ただ延々と今日が続くばかりで、それが少しこの時計の秒針が刻を刻む空間では顕著に感じられて、心が珍しく弱っていたけど、その刻を刻む音を消し去るぐらいの丹の優しく温かい、元気な声は、心に心地良かった。
 変わらぬ今日。来ない明日。ただ俺たちは、黙って永遠に来ない明日を夢見て、今日を足掻くしかなくって、それはきっと虚しい努力にも似てはいるのだろうけど、でも、今日という日のこの一時は、そんな今日の中にあって、とても嬉しい時間だ。冷めたコーヒーが入ったカップに、新しく熱いコーヒーを注ぎ足して、カップの中にある液体を少しでも温めるように、丹の声は俺の冷めた心を温める。
 口にくわえかけた煙草は、丹が自分の隣に座ったから、くしゃくしゃの煙草の箱に戻した。
 丹はそれを見てにっこりと微笑んで、ユーンに手渡された茶菓子を食べながら、お茶を飲んだ。
 喉から胸に落ちた温かみは心地良く、身体のうちに、ぽぉーっとした温もりが宿って、丹は満足げに一息吐いた。
 ふいに隣で紫苑がぷっと吹き出す。
「丹ちゃん、年寄りみたい」
 その失礼極まりない紫苑の言葉に丹はショックを受けたように目を見開き、金魚のように口をぱくぱくとさせた。
 そして両手でパシパシと紫苑を叩いた。
「はわぁ、酷い、紫苑兄さん。花も恥らうぴちぴちの二十歳の乙女に向かって、その言い草」
「嘘嘘嘘。冗談。冗談だって、丹ちゃん」
「本当に?」
「本当に」
 上目遣いで見る丹に紫苑はこくこくと生真面目そうな表情を浮かべた顔を頷かせた。
 それをまじまじと緑色の瞳で見つめていた丹は一言で切り捨てる。
「うそ臭いな〜」
「うわ、ひどぉ」
 と、飾らない言葉のやり取りをして、二人でまた笑う。
「で、丹ちゃん、論文って、どんな事を書くの?」
 紫苑はさらりと会話の方向転換を図る。
 その方向性に丹は落胆した。
「忘れていたのに」
 ぼそっと恨みがましく呟く。
 肩を竦める紫苑。
「わざと。だって丹ちゃん、つれないから」
 思わず半目になる丹。ぷぅーっと頬を膨らませる。
「ごめん。俺が天然なだけ」
 尖らせた唇から頬を膨らませていた息を吐いて、丹は肩を竦めた。
「末子成功譚についてです。末子、末の子は神様に好かれているとか何とか。ほら、三匹の子豚、梨取り、ちょっと数は多くなっちゃうけど七匹の子ヤギ、すべて末の子が成功するでしょう? こういうのは日本だけではなくって、世界で見られて、そこら辺から末の子は上の子よりも優れている、っていう説。まあ、そこら辺のところを書くんです」
 落胆する丹。
「50枚。つまり50枚目の半分以上まで」
「へぇー、面白いね。末子成功譚か。他にはある?」
 そう言われれば、ネタには困らない。丹はしばし頭の中にある引き出しを探って、それを口にする。
「あとは女神信仰? 昔はこの日本でも女系性が取られていた事があって、女の神様もちゃんといたりして、それが祭られていたんです。今の社会のように男係性になると、そういった女の神様は歴史の闇に葬られちゃうんですけど。その名残がほら、穴に隠れちゃった女の神様とか。それでそういった女の神様として広く崇められていたのが蛇神なんです」
「うぇ、蛇なんかを神様として崇めているのかよ?」
 嫌がる紫苑に丹はくすりと笑った。
 彼女もだんだんと乗ってきた。それに大好きな民俗学の話だし。
 右手の立てた人差し指をリズミカルに振りながら、丹先生の授業は続けられる。
「ほら、蛇は脱皮して、成長するでしょう? その生態が人の憧れである不死に見立てられて、蛇神は不死、再生の神様として広く崇められているんです。この日本にだって実際に蛇神を祭っている神社はあるんですよ。あとは蝶もです」
「俺は蝶の方がいいな」
 丹はにこりと笑う。
「あとはほら、旅人に優しくしたら、そしたら見返りがある、という話。そういう伝説がある地域は実はその反対、頼ってきた旅人を殺して、それによってその村は生き残ってきたりしているんです。それを忘れないように、でも自虐的な事はしたくないっていうんで、旅人に優しくして、ってお話を残して。あとは南極や実は日本の昔話の一つに見られるバナナ伝説なんかもあるんですよ」
 そしてしばらく美人女教師丹先生の歌うような声でされる授業は続いた。
「はい、今日の講義はここまで。質問があったら次の講義までにレポートにまとめて私に提出してください」
 言って、お茶を啜る。
 それから二人でくすくすと笑う。
「でも丹ちゃん、すごいね。ちゃんと勉強している。すごく楽しかったよ」
 楽しい授業、というのは教える側にとっては最高の褒め言葉。
 丹はとても嬉しそうに、そしてどこかくすぐったそうに微笑む。
「そんな事はありますよ」
「民族学が好きなんだな」
 その紫苑の言葉に丹は頷く。
「はい。民俗学、大好きですね。それで希望としては、民俗学のフィールドワークに
出かけた先で、こう、民俗学を題材としたような連続殺人事件なんかに巻き込まれたりして、それで事件を解決しようとする私に凶器を振り上げて迫りくる影。でも私は、その迫る影の気配を察して、スーツ裏にあるホルスターから拳銃を抜き払い、後ろを振り返ると共に拳銃の銃口を犯人に照準して」丹は立ち上がり、その一連の仕草をする。振り返ると共に、拳銃のゼスチャーをした右手を背後に向けた。「それ以上近づくな!(死神が死を宣告するような感情を押し殺した無機質なトーンの声でありながら、どこかせせら笑うような冷たい、艶やかな声)、って」
 そして名女優丹は、紫苑ににこりと嬉しそうに微笑んだ。いつか気配を読めるようになるのが彼女の夢なのだ。
 が、その顔が、苦虫を噛み潰したような不満そうな顔になったのは、鬼気迫る自分の迫真の演技に紫苑が感動するのではなく、笑いを噛み殺すような顔をしているから。
「ちょっと、紫苑兄さん。私のハードボイルドの演技に何かご不満でも? カッコよかったでしょう?」
 しかし紫苑は、笑いを噛み殺す表情を変えない。堪えながら言う。
「……か、かわいい………いや、えっと………カッコいいよ、うん」
 思わず半目になる丹。尖らせた唇で文句をさえずる。
「カッコいい………笑うなら笑えばいいのに。ぶぅー」
 膨れた丹に紫苑はとうとう笑いを堪えきれずに大爆笑してしまい、ますます丹は頬を膨らます。
「………いや、ホント、悪ぃな。あんまり可愛くってさ、台詞とのギャップが」
 丹は驚いたように両目を見開く。
「可愛いんじゃなくって、ハードボイルドなのにぃー」
 笑う紫苑を半目で睨めつけて、しかし丹は天啓を受けたかのように顔を輝かせて手をパンと叩いた。
「私がするからいけないんだ! そうだ、紫苑兄さんがやってくれたらいいんだ♪ ね、ね? 紫苑兄さんやってくれますよね? 私が刺客の役をしますから」
 どこかかまいたがってもらっている時の仔猫かのような表情で丹は紫苑に詰め寄る。
 今度は一変して困ってしまう紫苑。
 その彼の焦りようがまた新鮮で、丹はますます目を輝かせて両手を合わせる。
「俺がやるって何でだよ。刺客の役って、殺気も出せねぇのに無茶言うな。いや、その前に殺気出して俺の後ろに立つなって……あー、兎に角、やんないからな!!」
「そんな〜〜〜。絶対カッコイイのにー、残念だなー、もったいないなー、やってくれなくちゃ私って笑われ損って事になっちゃうな〜〜〜?」
 おねだり顔の丹。さすが女の子。天性の感覚で女の子は男にどういう表情をすればいいのかわかっている。丹は困る紫苑にかまわずに上目遣いでお願いする。
「ね、紫苑兄さん。ハードボイルドごっこしましょうよ〜〜〜」
「あ、あのな」
 仔猫以上小悪魔未満の絶妙な丹の甘え具合にたじろぐ紫苑。
 だが、そんな彼の瞳に鋭い光が宿ったのは、その転瞬後。いつの間にからしくなく、いつもはほとんど無意識にやっている外への気の探りが、おろそかになり、そしてもうどうしようもないぐらいの間合いにまで凄まじい殺気の接近を許してしまったからだ。
 果たしてその殺気の正体は?
 無駄な動き無く紫苑の手が、懐の拳銃へと伸び、音も無く店内へと入ってきていた殺気の主に視線を向けた。
「紫苑兄さん?」
 不思議そうな声を出した丹。
 彼女にはわからなかった。そのほんの一瞬とも言える時間の、しかし紫苑には永遠に続くかもと思えた長い時間の、殺気との戦いを。
 長い睫を忙しなく瞬かせる丹。
 そして紫苑の視線の先を見る。
 また不思議そうに、丹は目を瞬かせた。
「えっと、ユーンさん、お帰りなさい」
「ええ、ただいま、香坂さん」ユーンはにこりと微笑んだ。それからその笑みのまま、「眞宮さんも、いらっしゃい」、紫苑にも挨拶をした。
「え、ええ」
 肩を竦める紫苑に丹はきょとんと小首を傾げる。
「どうかしたんですか? 紫苑兄さん」
「あー、や、何でもないよ」
 と言って、紫苑はちらりとユーンを見た。
 どこかボタンを掛け間違えたような、そんな感情のすれ違いを感じて。



 +++


 紫苑の視線をさらりと受け流して、ユーンは自分の指定席につく。
 殺気を感じさせて入ったのは、ただの意地悪だ。
 それから彼は何が起こっているのかわかっていない丹に改めてにこりと微笑み、紫苑にはん? と微笑んだ。
 ユーンはまだ紫苑をはかりかねている。実力がある事は認めている。彼がわからないのは、その性。
 彼はユーンの大切な物の傍に置くのが相応しいかどうか。
 それでも落ち込んでいた丹を彼に任せたのは、彼ならばまだ他人との距離や接する事に戸惑いを覚える自分よりも上手くやれると想ったから。
 そして彼は上手くやってくれていた。
 それはいい。つまりそういう事なのだ。自分は彼を扱いかねてはいるが、認めてはいる。
 壁があるのだとすれば、それは自分の中に。しかしその壁の向こうに居る紫苑が問題。
 堂々巡り。永遠にこの問題への答えは出そうにはない。
 案外とあの廃墟での事が無ければ自分たちは上手くやれたのだろうか?
 ユーンは肩を竦める。考えても、答えは出ない。
 そしてユーンは改めて二人ににこりと微笑んだ。



 +++
 

 丹からして見ればそれは普段の魔法の時計を作る職人さんで、誠実なユーンだ。
 だから紫苑を見て、小首を傾げる。
 紫苑は肩を竦めて、言った。
「ハードボイルドごっこ」



 +++


「あ、酷い! 自分たちばかり」
 丹は頬を膨らませる。
 それはいつもの彼女の顔。心配そうな顔は丹には似合わない。
 言って紫苑はユーンを見る。
 そこにあるのもいつもの顔。
 でも、彼はそのユーンの表情を、ぞっとした心持で見ていた。
 思えば最初に出会った時から違和感は感じていた。
 この男は只者ではないと。巧妙に隠してはいたが、闇と血の匂いを紫苑はユーンから感じていた。そして先ほどのスキル。
 間違いない。ユーンは相当にやる。
 ならばその彼の真意はどこにある?
 敵か、味方か。
 自分は?
 自分は――――
 俺はユーンさんの事は嫌いじゃない。
 だが、仕事は趣味、そう言い切る彼は、戦いを、自分の命のやり取りさえも楽しむ傾向があった。
 そして純粋に想う。



 ユーンさんと俺、強いのはどちらだ?



 と。
 だがここで戦うわけにもいかない。
 だから彼は、ハードボイルドごっこ、と言ったのだ。
 そう、ハードボイルドごっこ。
「TRPGって知ってる、丹ちゃん?」
「え? ええ。うちの大学にもTRPG部ってありますよ?」
「そう。それ。さすがにガキみたいに銀弾鉄砲を持って遊ぶのは辛いから、そっち。それでハードボイルドごっこしようや」
 にぃっと紫苑は笑った。



 +++
 

 ユーンは肩を竦める。
 それが紫苑からの挑戦状だという事はわかっていた。
 達人クラスになれば、目を合わせただけで気の戦いを行う事が出来る。
 そしてそれを彼はTRPGでやろうというのだ。
 望むところ。
「いいですね、面白そうだ。じゃあ、それをやりましょう」
 ユーンが了承すると、丹は微笑んだ。
「じゃあ、私がマスターをやりますね。まずは場所ですね。場所は、どこにしましょうか?」
「廃墟、がいいんじゃねー。ユーンさん、好きだし、廃墟」
 不敵に笑う紫苑にユーンは苦笑する。
「では、廃墟で」
 ゲームの場所は廃墟。丹はその廃墟の詳しい見取り図を説明する。モデルはつい先日やっていた怪奇番組の廃病院だ。
「そうですね。では、その廃墟には悪人に囚われた姫がいます」
 丹は囚われの自分を。そしてそれを助けに来てくれた二人を想像し、
 ユーンは紫苑を、
 紫苑はユーンを想像する。
「俺は持つ武器は拳銃だ」
「俺は槍です」
「では二人とも、まずはハードボイルドな登場シーンの説明描写を」
 にこりと丹が笑う。彼女にとってはこれはそういう遊びだ。
 二人は苦笑し、
「赤。廃病院の闇に現れた彼の吸う煙草の明かりが灯る」
「湿気と埃の匂いが飽和しきれないほど含まれた空気を突っ切り、彼は廃病院に侵入した」
 なるほど。二人の中では廃病院という場所に紫苑は先に居て、そこへユーンが踏み込んだ。
 丹は嬉々とした表情を浮かべて、サイコロを振るい、指示を出す。
 それにユーンと紫苑は上手く乗りながら、しかし二人は精神世界内では戦いをしている。
 紫苑の射撃スキルは凄まじかった。
 拳銃は一撃必殺の武器であり、そしてその力を内包している弾丸数だけ有している。しかし逆に言えばその弾丸数を発射しきれば、それは無力と化し、ユーンは新たに紫苑に弾丸を装填させる暇など与えずに、紫苑を倒す事が出来るのであるが、
 しかし紫苑は弾丸の兆弾を利用して、廃墟のどこにユーンが居ようが狙ってきて、そして、ビリヤードの弾が互いを弾きあうように弾丸は兆弾し合い、ユーンに紫苑が弾丸を装填する暇を与えてしまっていた。
 紫苑の装填は素早い。そのタイムラグはほとんどと無かった。
 そうなればユーンが不利か。彼は体力を削られていっている。
 彼の身体のあちこちが弾丸という鋭いあぎとによって肉が削り落とされ、血が噴出し、彼の身体を赤に染めていた。
 傷口から零れ落ちる血と共に彼の体力は奪われている。体温が失せていく。
 そして紫苑は冷静であり、容赦が無かった。
 油断する事無く、弾丸を発射する。
 ユーンの身体が銃弾によって穿たれていく。
「俺は、兆弾を利用し、相手の腹部を撃ち抜いた。相手は相当の強者。上手く重要な内蔵が傷つく事は避けたようだが、しかし出血多量に寄って意識は朦朧としているはずだ。だから俺は、新たに撃った銃弾による兆弾から敵が逃れるその隙をついて、新たに銃弾を装填する」
「敵は強い。だが俺は諦めない。諦めたらそれでお終いだ。腹部の傷から溢れ出す血を止めようともう片方の手で銃創を押さえる。指の隙間から零れ落ちる血はかまいはしない」
 丹は二人が戦っている相手に気づく事も無く、ゲームを進める。
「廃病院の時計は、戦闘の緊張によって息を吹き返したかのようにおもむろに時を刻みだす。その秒針が刻を刻んだ音が、廃病院の戦闘の緊張を飽和しきれぬほどに孕んだ空気を揺らした。そしてそれが合図だ。最後の激突の」
 丹はサイコロを振るう。
 出た数は、主人公プレイヤーの攻撃を示す目。
「俺は槍を構えて走り出す」
「俺は静かに銃口を照準する」
 兆弾の必要は無い。
 ユーンは突っ込んできたのだから。
 紫苑はユーンに銃口を照準し、トリガーを引き続ける。
 銃口からあがる硝煙。吐き出された銃弾は鋭い獣の咆哮かのような銃声と共にユーンを襲う。
 それをユーンは槍で弾く。
 しかしその弾かれた銃弾すらも利用して、また紫苑は兆弾によって突っ込んでくるユーンを殺そうとする。
 真正面から、そして兆弾によってあらゆる方向から襲い掛かってくる銃弾は、ユーンを………
 ユーンの身体を銃弾が穿っていく。
 それでも器官の重要な部分に来る銃弾は槍で弾く。その隙を狙う銃弾は、遅延性の毒のようにユーンの身体を削っていく。命を削っていく。
 紫苑は静かにトリガーを引き絞る。
 だがそれが奏でた音は弾切れの音だった。
 それがユーンが身を犠牲にして待ち続けたチャンスだった。
 彼は銀の槍を紫苑へと投げたのだ。
 紫苑の目が見開かれる。それはユーンの武器なのだから。
 しかしそれにはそういう使い方があるのだ。
 銃は槍によって、弾き飛ばされ、そしてユーンは紫苑に向かっていく。
「俺は両手の指を広げた」
 紫苑はただ冷静に言う。
 相手は手負い。無手でも、簡単に殺せる。
 ユーンはただ淡々と述べた。
「息を吹き返したその時計の刻を、俺は短剣へと変える」
 短剣にしたのはもはやそれだけしか体力が無かったからだ。
「「これで戦いが決する」」
 丹はごくりと緊張でカラカラになった喉に無理やり押し出した唾を嚥下した。
 そしてユーンは突っ込んだ。
 ――――――――――――――。



【ラスト】


 丹の胸の奥でまだ心臓が軽快なワルツを踊っていた。
 先ほどまでやっていたTRPG ハードボイルドはそれほどまでの緊張を彼女に感じさせたのだ。それは心地良く彼女の心を高揚させた。
「香坂さん。これはお土産です」
 まだどこか夢見心地の丹にユーンは笹で包んだお土産を渡した。
 丹は小首を傾げる。
「これ、中身何なんですか?」
 はしゃいだ声で言う。
「笹の中身も笹だったりして」
 紫苑が悪戯っぽい笑みを浮かべて言う。
 丹は苦笑する。
「そんなわけないじゃないですか! 笹の中身はやっぱりお団子ですよ♪」
 そういえば少し小腹が空いた。お団子だったら嬉しい。それはきっと笹の匂いがするとても美味しく甘いお団子だろう。
 ユーンはにこにこと笑っている。
「開けてみてもいいですか?」
「ええ」
 頷くユーン。
 そしてそれを開いて、丹は微笑んだ。
「植物の種ですね! どんな植物なんですか、ユーンさん」
「それは秘密です」
 唇の前でユーンは人差し指一本を立てた。
 丹はたくさんの植物の種を見ながら、どんな植物が育つんだろう? うふふふ。楽しみ、と微笑んだ。
「で、ユーンさん、俺へのお土産は?」
 自分を指差して笑う紫苑にユーンは笑みを崩さずに言った。
「では、茹ですぎたパスタでも持ってきましょう」
 それに紫苑と丹は困ったような顔をする。
「えっと、それって、ハードボイルドにかけて?」
 紫苑は困ったように訊いて、頷くユーンに、丹はくすくすと楽しそうに笑った。
「それ、強引過ぎます、ユーンさん。もうやだー」
 本当にとても楽しそうな丹の笑い声に、ユーンも紫苑も顔をあわせて、そしてくすくすと笑った。


 丹はひとり、道を歩きながら手の平の上の笹の包みを見て、くすくすと微笑む。
 本当にどんな植物が育つのだろう。すごく、楽しみだ。
 まずは家に帰って、そしたらこれを植えて、それから熱いココアを入れて、論文作成だ。
 とても心が楽しいから、だからがんばれる。彼女はスキップを踏むように、橙色の光が溢れる家路を急いだ。


 皆を送ったユーン。
 後片づけをしながら自分の震える手を見る。
 その手をぎゅっと握り締める。
「眞宮紫苑、次にやったら勝てるかどうかわからないな」
 呟き、それからユーンはふっと微笑む。
 それでも体感した彼の殺人スキルに、殺人を楽しむ感は感じられなかった事に安堵したように。



 紫苑は民家の塀に背中を預ける。
 それの冷たさが戦闘に高揚した身体に心地良い。
「今回は運良く引き分けだったが、次にやればどうなるか、わかったモノじゃない。敵にはまわしたくねーな」
 紫苑は、前髪を掻きあげて、橙色の夕方の空を見上げた。その表情はそう言いつつ本当は………



 短剣をユーンは紫苑の腹部に突き刺し、しかし紫苑は筋肉を締めて短剣を抜かせないようにして、そしてそれをやりながら紫苑もユーンの銃弾に穿たれた腹部の傷を鷲掴んだ。
 二人はそのまま互いに戦闘不能に陥ったのだった。



【END】



 ++ライターより++


 こんにちは、眞宮紫苑さま。
 いつもありがとうございます。
 このたび担当させていただいたライターの草摩一護です。
 今回はご依頼ありがとうございました。
 ハードボイルドで、冷徹でありながらも、丹さんやユーンさんを大切に想い、そして丹さんのお願い攻撃に焦る紫苑さんを書けてとても嬉しかったですし、楽しかったです。^^
 面白いですよね。本当に。^^
 そして冒頭のお仕事シーン、ユーンさんとの戦い、そこで見せた紫苑さんの違う顔も本当に素敵で、書いていて面白かったです。^^



 こんにちは、香坂丹さま。
 はじめまして。
 このたび担当させていただいたライターの草摩一護です。
 今回はご依頼ありがとうございました。
 前々から丹さんの事は存じておりまして、今回書かせていただける機会をいただけて、とても嬉しかったです。^^
 いかがでしたか? PLさまの中にあるイメージを壊していないといいのですが。
 かわいらしく元気一杯で、とても楽しく、そして紫苑さんにハードボイルドごっこをお願いするシーン、そしてハードボイルドの真似をして、紫苑さんに笑われて、怒る姿も本当にかわいらしくって、すごくほのぼのとした楽しい気分で丹さんを書かせていただけました。^^
 本当にすごく楽しかったです。^^



 こんにちは、シン・ユーンさま。
 いつもありがとうございます。
 このたび担当させていただいたライターの草摩一護です。
 今回はご依頼ありがとうございました。
 いかがでしたか、ハードボイルドごっこは?
 運が良かった、運を引き寄せるのも実力のうち。あえて自分の必殺の武器を手放す事で紫苑さんの隙を作り出し、そして動き出した廃病院の時計の刻を使った攻撃、それはユーンさんの実力なのでしょう。
 そしてそこまでユーンさんが追い込まれてしまったのもまた、紫苑さんの実力。
 今回は引き分け、そういう事になってしまったのですが、しかし次は一体どうなるのか? 今回は場所もまた、二人の戦いに影響を及ぼしていたのですから。
 すごく興味があります。^^
 そして紫苑さんに対して殺気を向けながらこっそりと店内に入ってきたユーンさんは本当にお茶目さんですね。^^ この部分も本当に書いていて、面白かったです。^^



 それでは今回はこの辺で失礼させていただきますね。
 ご依頼、ありがとうございました。
 失礼します。


PCシチュエーションノベル(グループ3) -
草摩一護 クリエイターズルームへ
東京怪談
2005年12月14日

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