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『Let's make this a good year! 』
鹿沼・デルフェス2181

「新年明けましておめでとう御座います、ルーリィ様」
 鹿沼・デルフェスはそう言って目の前の少女に笑顔を向けた。
彼女に呼応するように、その場にいる者たちからも同様の言葉が沸く。
たちまち騒がしくなった8畳ほどの店内、その中央に立つのは長い金髪の少女。
「どうも、明けましておめでとう…ってどうしたの?これは何の集まり?」
 少女はきょとんとした顔を浮かべて、年齢も性別も様々な面々を見渡した。
デルフェスは、この店の主でもある少女に向かって、普段どおりの落ち着いた微笑を浮かべて言った。
「新年早々、お邪魔かしらと思ったのですが。
ルーリィ様方は日本で新年を迎えるのが初めてとお聞きしましたので、日本のお正月を味わってもらおうと集まったのですわ」
 少女ー…ルーリィは、デルフェスの言葉を聞いて眼を丸くする。
「本当?嬉しい!折角日本にいるんだもの、日本式にしなくっちゃね。
ええっと、まずは何をするんだっけ?私、初めてなもんだから」
「初めてだからわかんねーんだろうが。まだ寝惚けてんじゃねーのか、頭?」
 けけけ、とルーリィの横で意地悪そうな笑いがあがった。
その主は、ルーリィの横にいた褐色の肌の少年。
手を頭の後ろのほうで組み、にやにやと笑みを浮かべながら、珍しい来客たちを眺めていた。
ルーリィは少年のほうを向き、眉をしかめる。
「失礼ね、リック。もうとっくに起きてるわよ」
「眼は開いてても頭は寝てるってな。おめーにとってはいつものことで…って。
よぅ姉ちゃん、ニッポンのショーガツってな、なんか美味いモンでも出んのか?」
 デルフェスはふいにかかった言葉に、少々眼を見開きながら言った。
「ええ、御座いますわよ。柔らかいお餅に、日本の伝統的なおせち料理。それから…」
「モチならさっき食ってたぜ。こいつが近所のスーパーで買ってきたやつなんだけどよ」
 少年、リックはくいと顎でルーリィを刺した。
デルフェスはその言葉に、ふふっと思わず笑みを溢す。
「勿論、市販のお餅もそれなりに美味しいと思いますが。
やはりつきたてのお餅は格別ですわよ?比べ物になりませんわ」
「へぇ、おモチってついて食べるんだ。なんだか面白そうね。
…あ、紹介遅れてご免なさい、初めての方もいらっしゃるみたいだから、ちゃんと自己紹介しなくちゃね。
私はルーリィ、この店の店主です。そしてこっちがリック。ちょっと…言葉が乱暴な子なんだけど。
皆さん仲良くしてあげて下さいね」
「ええ、勿論ですわ。宜しくお願いします、リック様」
 デルフェスはそう言って、ルーリィの隣で頬を膨らませているリックに向かって言った。
そして暫し考え、ルーリィにだけ聞こえるように小声で囁く。
「わたくし、何か変なことを申しましたでしょうか?リック様のご機嫌が…」
「ああ」
 ルーリィは心配そうなデルフェスの表情を見て、けらけらと笑った。
「あの子、私が子供扱いしたから怒っちゃったみたい。気にしないで?いつものことよ」
 そしてルーリィは、彼女たちの周りで、店を物色している面々に向かって笑いかけた。
「お正月のイベントみたいだし、場所は広いほうがいいわよね。
うちの店の裏庭が空いてるの、そっちに移動しても良いかしら?」








                  ◆◇◆








「へぇ、こんなところに庭があったんだ。この前来たときは気づかなかったな」
 しっかりとした足取りで臼を運びながら、彼瀬蔵人(かのせ・くろうど)は、すこし広めのその庭を眺めた。
そこは庭といっても、庭園といったものではなく、ただ使い道のないスペースが空いている、といった風な場所だった。
店のある建物の背後にあり、周りにそれほど高い建物がないせいか、日当たりは良い。
何も飾りっ気のない場所だが、一応草むしり程度はしてあるらしい。
とりあえず、くつろぐには不向きだが、大人数で餅つきをするにはもってこいの場所のようだった。
「この臼、どこに置けばいいかな?」
「真ん中あたりでいいんじゃねーの?…それにしてもオッサン、力あるよなぁ。重くねーの?」
 手持ち無沙汰なリックは、蔵人を見上げて呆れるように言った。
「オッサンって…一応、まだ20代なんだけどなあ。
力?ああ、このぐらいは普通に持てるぐらいの力はあるからね」
 それとも、きみ手伝ってくれるかい?
 蔵人はそう言って、面白がるように笑った。リックはとんでもない、というように肩をすくめ、
「するわけねーじゃん。俺か弱いからさぁ、ンなもん持ったら身体壊しちゃうんだよ、これが」
 そうすっ呆けたように言い、リックはくるりと背中を向けて、
背中から生えている小さな黒い羽をぱたぱたと動かしながら、あたりをうろつき始めた。
蔵人は臼を庭の中央付近にドスンと据え、リックの黒い羽を見て暫し呆然とする。
 …さすが魔女の店の従業員だ。
「蔵人さん、これも臼のあたりで良いんでしょーかね?」
 よっこらしょ、と言いながら杵を抱えてきた長身の男が、呆然としている蔵人に向かって声をかけた。
蔵人は慌てて振り返り、
「ええ、良いと思いますけど…えーと」
「あ、シオンです。シオン・レ・ハイって言いますです」
 シオンはそう言って、40代とは思えない人懐っこい笑みを浮かべた。
そして、ふっと真顔に戻り、蔵人を眺める。
「…どうかしましたか?」
 蔵人は訝しげな顔で尋ねた。
「いえ、良い身体してますねえと思いまして。一体何を食べればそんながっしりと…。
そういえば、あそこの重箱は蔵人さんが?」
 そう言って、シオンは庭の端に据えつけられた長い机の上に乗っている、五段重ねの重箱を指差した。
蔵人は、ああ、と頷いて、
「そうですよ。人数が多くなるかなあと思って、多めに作ってきちゃいました。
それにルーリィさんたちは外国人だし、あまり日本食に馴染みがないかなあと思って。
良かったら、シオンさんもあとでー…」
 どうぞ。
そう言い掛けた蔵人は、なにやら生暖かい視線を感じて固まった。
その視線の主はシオン。きらきらと眼を輝かせて、手を組んで蔵人を見上げていた。
「是非、是非っ!頂きますっ!ああ、何て良い人なんでしょう」
「そ、そんなお礼を言われるほどのことではー…。シオンさん、お腹空いてるんですか?」
「ええ、恥ずかしながら。今でなくとも、昨日もおとついも、そして明日も空いてることでしょう」
「つまりそれって、常時ってことですね…」
 蔵人とシオンが、落ち着いた雰囲気を持つ大人の男性として、そんな間の抜けた会話を交わしている頃。
先程シオンが指差した重箱のあたりでは、女性陣が揃いのエプロンを着て、用意を始めていた。
「餅米、炊き上がりましたわよ」
 そう言って、暖かな湯気をたてる釜を両手で抱えながら、デルフェスが女性陣に言った。
「うわぁ。その釜、デルフェスさんが?」
 そう言って眼を丸くしたのは、佐々木杏里(ささき・あんり)。今時珍しい釜を見て、驚きの声をあげた。
デルフェスは、まだ若いー…何しろ20歳に満たない少女だー…の驚きの声を聞いて、思わず笑みが零れた。
「ええ、やはりこういうものは、然るべき道具で行うのが一番なのですわ。確かに少々古いものですけれど」
「あの木の道具も、デルフェスさんが持ってきてくれたのよね。重くなかった?」
 杏里とデルフェスがつけているのと同じ、薄いピンクのエプロンをかけたルーリィが言った。
彼女はステンレスの長方形バットを長机の上に並べながら、感心したように、臼と杵を眺めた。
「えっ、あれ、デルフェスさんが一人で持ってきたんですか?!」
 ルーリィの言葉を聞いて、杏里は目を見開いてデルフェスを眺める。
…まだ20代そこそこに見えるこの華奢な女性の何処に、そんな力があるのだろう。
 その当のデルフェスは、ふふ、と意味深な笑みを浮かべた。
「お邪魔するのに、まさか他の方に手伝わせるわけにもいきませんでしょう?
それにわたくし、案外丈夫なので。あれぐらいなら、まだ軽いほうですわ」
「へぇー…鍛えてらっしゃるんですねえ」
 杏里はそう言って、感嘆のため息を漏らした。
 そして、その彼女たちのすぐ傍では。
「Wow?Youのそのboxはナニ?」
 小学生ほどの少女が、まだ4,5歳程度の少年の頭に乗っているものを、興味深そうに眺めていた。
少年ー…彼瀬えるも(かのせ・えるも)は、
明らかにアメリカ人の容貌を持つ少女に戸惑いながら、眼をぱちくりさせる。
「ぼ、ぼっくす?えるもは、かのせえるもっていうの」
「Oh.えるもね?meはローナよ、ローナ・カーツウェル。それで、そのboxは?」
「ぼっくす?」
 永遠にその愛らしい問答が繰り返されるかに思われたそのとき、
ローナたちの頭の上から、呆れた様な声が降ってきた。
「箱だよ、ハコ。坊主の頭の上に乗ってんのは何だってさ」
 ローナはその声に驚いて見上げた。
「リック!After a long timeね!羽根は?black wingは?」
「…おめーの頭ン中では、俺イコール羽根かよ。ちゃんとあるから心配すんなって」
「Realy?ね、またアレやって!バサーって、greatなの!」
「バーカ、あれは疲れンだよっ。そうほいほいとやってたまるかっての。大体お前、なんでこんなとこにいんだ?」
 リックはそう言って、不思議そうにローナを見下ろした。今日行われるのは正月のイベントだという。
どこからどうみても立派なアメリカ人であるローナは、見かけによらず日本通だったりするのだろうか。
「Buー、Stinginessね!me?meはヒマだったからヨ。New yearは面白いTVもないし!
リック、あのgentlemanは?」
 そう言ってローナは、この前店で見たあの長身の男性を探して、きょろきょろと見渡した。
リックは苦笑して、
「あー、あいつならショーガツ早々デートだとよ!ハツモーデとかいうのに行ってらぁ」
「Oh!デート?銀埜もcornerにおけないネ!」
「だからお前、どこでそんな言葉覚えた……ん?どーした、坊主」
 リックはそう言って、きょとんとしているえるもを見下ろした。
えるもは不思議そうな声で、
「ぎんやちゃん?ここ、ぎんやちゃんのおうちなの?」
 といった。リックはローナと顔を見合わせ、
「そだぞ。お前、知らないで来たのか?」
「gentlemanとリックはfriendsなのよ!知らなかったの?」
 二人の言葉に、こくこくと頷くえるも。
「えるも、くろーどちゃんといっしょにきたの。ぎんやちゃん、いないの?」
「ああ、今ちょっと出かけてら。ンでえるもだっけ?坊主、何頭に乗っけてんだ」
 リックはそう言って、えるもがその小さな頭の上に掲げている大きな箱に眼をやる。
その箱は黒塗りの一見ありふれた重箱だったが、えるもの小柄な身体と比べてみると、妙に大きく見えてしまう。
えるもはリックの視線が重箱に注がれているのを感じ、嬉しそうに笑った。
「くろーどちゃんがつくったの。おいしいのー」
 えるもはその味を想像しているのか、蕩けるような笑みを浮かべながら、頭の上の重箱をよいしょ、と下ろす。
そして危なっかしい手つきで、それを長机の上に置いた。
「あら、新しいおみやげ?」
 デルフェスらと共に、のんびり作業をしていたルーリィは、自分の横に置かれた重箱に気がついて目をやった。
そしてえるもに笑いかけ、その小さな頭をぽんぽんと撫でる。
「ありがとう、重かったでしょ?中身は何かしら」
 そう言って、重箱の中身を覗き見ようと箱に手をかける。
「えへへ。くろーどちゃんの、りくさく…?なの」
「へぇ?蔵人さんって案外お料理がお上手なのね。あらー…何かしら?」
 ルーリィはそういって、ひょいと蓋の上にあったものを手に取った。
そしてそれを不思議そうにしげしげと眺める。
「冬なのに、こんな綺麗な葉っぱ。一体何処にー…」
「……あっ!そ、それだめなのっ!きえちゃうのっ!」
「え?」
 ルーリィがえるもの剣幕に驚いて目を丸くしたところでー…。
彼女がつまんでいた緑色の葉が、掻き消えるように消えた。
「え、えっ?さっきまであったのに?」
 ルーリィはあわてて、自分の手のひらを裏返してみたり、足元を覗き込んだりしていた。
だが勿論、緑色の葉はどこにもない。
「え、えーとっ…そんなに大切なものだった?ご、ごめんなさい」
 ルーリィは申し訳なさそうにえるもを見てー…そして、思わず固まった。
先程まで花が咲くような笑顔を浮かべていた子供は、今にも泣き出しそうなほど顔が真っ青になっている。
 無論、それを見逃すリックたちではない。
「うわっ、お前最悪!何こんなちっせえの泣かしてんだよ!」
「What!ルーリィ、何やったの!?えるも、可哀想よ!」
 リックはしてやったり、というようにわざとらしくルーリィを責め立て、
ローナはえるもの様子に純粋に驚き、目を丸くしている。
そして当のルーリィはというと。
「そ、そんなこといわれても!私何もしてないわよ、落ちてた葉っぱ取っただけだもの!
それに大体、まだ泣いてないわよ!」
 おろおろと慌てふためいていた。彼女の言葉は至極真っ当だが、この状況は明らかにルーリィのせいである。
年端もいかない子供を泣かせる寸前まで落とすという、ある意味最低な罪を犯してしまった彼女は、
どうにか名誉挽回しようと気を取り直したようだ。
「え、えるも君?ごめんなさい、私が悪かった…のよね?
あの葉っぱが消えちゃったのと、何か関係があるのかしら」
 なんとかえるもを宥めようと、しゃがんでひきつり笑いを浮かべながらのルーリィの言葉に、えるもは辛うじて頷いた。
「あ、あれがないと…へんしんできないの」
「へんしん?」
 何のことだろう。
ルーリィがそう首をかしげたとき、えるもが思い出したように顔をあげた。
「るーりぃちゃん、かがみ、あるですか?きつねにならないうちに、つくらなきゃなの!」
 えるもはそう身振り手振りを交えながら、一生懸命訴える。
ルーリィは頭の中で思わずハテナマークを浮かべながら、スカートのポケットをさぐった。
「小さいのしかないけど…これでいいかしら?」
 ルーリィが差し出したのは、手のひらサイズのポケットミラー。
えるもはそれを見て、こくこくと頷いて鏡を受け取った。
そして小さな鏡を覗き込み、祈るようにそれに映った自分の顔に見入る。
ルーリィが不思議そうに見守っていると、えるもの頭の上に、いつの間に現れたのか、ちょこんと小さな葉っぱが乗っていた。
「……え?いつの間にー…」
 そう言ってルーリィは手を伸ばしかけ、寸前で止める。そして我ながら学習能力が無い、と軽い自己嫌悪に陥った。
「るーりぃちゃん、ありがとなの!たすかったーなの」
 えるもは鏡で新しい葉っぱを確認すると、安堵の笑みを浮かべてルーリィに鏡を返す。
そしてくるりと振り返り、リックとローナに向けて、めっと人差し指を立てる。
「るーりぃちゃん、わるくないの!えるも、ないてないの」
 その言葉に、うっと固まるリック。ローナはというと、きょとんと首をかしげている。
「What?えるも、ダイジョーブ?」
「だいじょーぶなの!だからもういいの」
 そんな子供たちの姿を見て、ルーリィは思わず安堵のため息を漏らしていた。
…これからは不用意に変なものを触らないようにしなければ。
 そう彼女が心に新たな誓いをたてたところで、臼のあたりに移動していたデルフェスから声がかかった。
「ルーリィ様、それに皆さん。そろそろ本番ですわよ!」








                   ◆◇◆








 飾りっ気のない庭ー…ただの広場のようにも見える、その中央にでん、と置かれた臼。
その中からは、炊き上がった餅米からほかほかと暖かそうな湯気が立ち上っている。
その臼を見て、そういえば、と首をかしげて杏里が口を開いた。
「この木の臼…と杵、デルフェスさんが持ってきてくれたんですよね。
随分古そうですけど…年代物なんですか?」
 デルフェスはその言葉を聞いて、微笑を浮かべて頷いた。
「ええ、わたくしがお世話になっているお店…アンティークショップ、レンに置いてあった品ですわ。
年代物ですが、その分丈夫ですわよ」
「アンティークかよ。んじゃなんだ、こう…変なものでも憑いてんじゃねーか?
ちゃんとうまく突かねーと、祟っちまうぞーみたいな」
 リックは両手を掲げてお化けのような真似をしながら、からかうようにケケケと笑った。
デルフェスはというと、リックの言葉に全く動じず、
「あら。リック様、知ってらしたんですの?」
 とさらっと言ってのけた。
…思わず固まるその場の面々。
デルフェスは重い空気に気がつきもせず、受け水の用意をしながら微笑を浮かべて言った。
「祟るとは少し違いますが、曰くつきではありますわね。
この時期に、この臼と杵で餅つきをしないと、女の子の声で一晩中泣くのですわ。
ですからそれを鎮めるためにも、丁度良いとー…あら皆さん、如何なさいました?」
 思わず臼から一歩、そして二歩と後ずさりをしている面々に気がつき、デルフェスは首をかしげた。
「早く突かないと、お米が冷めてしまいますわよ」
 全く理由がわからない、という顔で皆を促す。
「〜…っ!そ、そうよね!早くしないと固まっちゃうもの。
それに、要はお餅つきをすればいいだけの話よね?なら大丈夫よ!」
 どこか自分自身に言い聞かせるようにルーリィが発破をかけた。
…やはり魔女といえども、曰くのある品物は怖いらしい。
「は、ははは。そーだよな、さっさとやっちまおうぜ。早く餅食いたいしよ。
…んで、誰が突くん?」
 気を取り直して、腰に手をやったリックが、周りの面々を眺めた。
「えるもとローナ、それから杏里とルーリィはー…パスだろ、杵持てそうにねーもん。
俺もパスな、か弱いから」
 そう言って、ケケケと笑う。
ルーリィはハァ、とため息をつき、
「何言ってんの、あんたは面倒くさいだけでしょ。
…でもそうね、私もー…遠慮したいかしら。それ程力に自信はないしー…」
「あ、あのっ。なら不肖ながら私が!」
 そう言って心底楽しそうな笑顔で右手を上げたのはシオンだ。
「ご飯のお礼も兼ねて、皆さんのお役に立ちたいと思います!」
 そう言って堂々と胸を張る。
リックは何故か呆れたような顔で、くいくいとルーリィのスカートを引いた。
そしてぼそっと呟く。
「…飯の礼ってなんだよ?あのオッサンに何かご馳走したっけ?」
「…………さあ?」
 まあいいじゃない。
そう言ってルーリィは、シオンの笑顔に釣られたのかにこにこと笑う。
リックは主の笑みを見て、ハァとため息をついた。
 …何でこの店には、こんな能天気な奴らばっかりが集まってくるのだろう。
リックの内心の呟きはよそにして、シオンは張り切り度が最骨頂に達したようだ。
フンフン、と鼻歌を歌いながら、ぐいとシャツを捲り上げてやる気満々だ。
そしてくるっとデルフェスのほうに向き、右拳を固めながら言った。
「デルフェスさん、私の腕を石にして頂けますか?」
「…石に、ですか?」
 シオンの言葉に、思わずきょとんとした表情を浮かべるデルフェス。
シオンはこくんと頷き、満面の笑顔で言った。
「はい!何も杵で突くだけがお餅つきではないと思うんです。
正拳突きでやってみるのも楽しいのではないかと!」
「…シオン様が良いのなら、わたくしは構いませんがー…」
 面白いことを考えるお方ですわね。
そう言ってデルフェスは苦笑した。
そして彼女はシオンの右腕に軽く手をあて、なにやらブツブツと呟きだした。
シオン、他の面々が見守る中デルフェスの指先に青い光が灯り、
彼女が指先をシオンの手の先までゆっくり動かすと、シオンの右腕が淡い光で包まれる。
だがそれも一瞬のことで、眼を見張っているうちにその光は止んだ。
「…むっ…?」
 シオンは自分の右腕をしげしげと眺め、不思議そうに首を傾げた。
だが次の瞬間、まるで右腕の先に重りがぶら下がったかのような重力を感じ、思わずガックンと腕を下げた。
そして一言呟く。
「………お、重い…」
「そりゃ当たり前だろっ!!」
 シオンの言葉に思わずツッコミを入れてしまうリック。これも哀しい彼の習性の一つだ。
 そんな彼らを尻目に、頬に指を当てていた杏里が呟くように言った。
「突くのはシオンさんとしてー…受けるのは誰が?」
 そして思いついたように、手を合わせて弾んだ声で言う。
「あ、私、杵はもてませんけどそれぐらいなら出来ますよ!
難しそうですがー…?どうかしました?」
 杏里は、くいくい、と服の袖を引っ張られる感覚に、思わず横を向く。
杏里の横に立ち、無言で彼女の袖を引っ張っていたルーリィは、苦笑して臼を指差した。
その指したほうを見た杏里は、思わずぎょっと目を開いた。
 臼の傍らにいたのは、なんと彼女たちと揃いのエプロンを身に着けて、用意万端といった風に待ち構えている蔵人だった。
杏里とルーリィ、二人の視線を受けて、どうかしたか、という風にきょとんと首を傾げる巨漢の受け役。
そして、ああ、と呟いて手を叩いた。
「駄目ですよ、正月は女の人が休むときなんだから。
こんな腰を痛めるようなことはさせられません。女の人はそちらで休んでてください」
 と、有無を言わさぬ笑顔でそう言い放つ。
少女二人はその言葉に思わず顔を見合わせ、複雑な苦笑を漏らした。
…何とも、古臭い思想の持ち主のようだ。
「よぅし。何とか頑張りますよー蔵人さん!」
 やっと準備が出来たのか、右腕を抱えながらシオンが張り切って言った。
だが、その言葉と裏腹に、その足取りはフラフラと何とも覚束ない。
 …大丈夫なのだろうか。
その場にいる全員の心中にそう浮かんだのも知らず、シオンは獣のように吼え、右腕を振りかざしー…。
「…シオンさん?」
 数秒そのままで固まっているシオンを訝しげに仰ぎ見る蔵人。
腕まくりした手を水につけたまま待っている蔵人は、それだけでも腰にくるというものだ。
「……………」
 その場の面々の視線を一気に集め、右腕を高くあげたままの状態で固まっているシオンは。
「……………お、重い」
 そうぼそっと呟くと、その体勢のまま、背中から倒れこんだ。
石と化している右手だけは、地面にめり込んでしまっている。
「………シオンさーん。大丈夫ですか?」
 笑って良いのやら心配してるのやら、なんとも微妙な表情を浮かべたルーリィは、
地面に仰向けで寝っころがっているシオンを覗き込んだ。
シオンははらはらと涙を溢し、
「うぅ、不甲斐ないです。お役に立てませんでしたー」
 と地面にめり込んだまま言った。
その言葉を聞いて、思わず無言で顔を見合わせる面々。
その心中には、同じ言葉が浮かんでいたとか。
 ……そりゃそーだろ、と。















「ええと…じゃあどうしましょうか?この際僕がやっちゃってもいいけど」
 石になったままの右腕をぶらんと垂らし、はぁと肩を下ろして壁にもたれて座っているシオンを見て、
蔵人は苦笑して言った。
…どうやらデルフェスによると、石化は暫く元に戻れないらしい。
こうなったら僕しかないか、と呟き、蔵人は片手で杵を持ち上げた。
臼と杵を一人で持ってきたというデルフェスの実績もあるが、蔵人の性格上、女性にそんなことはさせられない。
仕方ない、と思いつつ杵の柄を握りなおした蔵人の腕を、小さな手が掴んだ。
ん?と首をかしげて見下ろすと、そばかすが浮かんでいる小さな顔が蔵人を見上げていた。
蔵人が口を開く前に、少女ー…ローナがにっこりと笑っていった。
「Hey、Senior man!meを忘れちゃだめよ!」
「……へ?」
 蔵人は思わず目を点にして、素っ頓狂な声を上げた。
「…えーと…?」
「突くのは何もSenior manだけじゃないよ!meだって突けるね」
「……何を?」
 分かりきっていることなのだが、思わず尋ねてしまう。
「オッサン、鈍いなーっ。このガキは自分で突きたいんだってさ!
ぶつくさ言ってないで変わってやれば?じゃないとこいつ、何するかわっかんねーぞ」
 少々呆れたような笑みを浮かべ、横からリックが口を出す。
どこか思い当たる節でもあるのか、ハァとため息をつきながら。
「いやー…でも。こんな小さな子にねえ…?」
 だが蔵人はまだ踏ん切りがつかないらしい。
煮えきれない態度の彼を見上げ、ローナはむぅ、と口を尖がらせた。
そして蔵人の隙を見て、ぱっと杵を奪うように手に取る。
「meはもうkidじゃないよ!リックと一緒にしないでねっ」
「…なんで俺が出て来るんだよ」
 ローナに言われ、思わずむすっとした顔で反論するリック。
だがローナはにや、と笑い、
「リックは杵がheavyだからやらないんでしょ!meは大丈夫よ、気にしないね!」
「…へいへい、わーったよ。でも助けてやんねーからな!」
「リックにhelpなんかしないから、気にしないで!No problemよ!」
 そう言って、ローナは両手で杵を抱える。…彼女の身長と同じぐらいのそれを。
「…ルーリィさん、大丈夫なんでしょうかっ」
 その様子をはらはらと見ていた杏里は、思わず傍らにいたルーリィに眼をやった。
ルーリィは苦笑しながらもローナの嬉しそうな笑顔を見て、
「だー…大丈夫なんじゃない?ローナちゃんは、無謀なことをするような子でもないしー…多分」
「まあ。何とも活発的なのですね」
「活発的っていうか、そういう問題でもないと思うんですけど!」
 あくまで見守る態度を取っているルーリィとデルフェス。
そこまで気が大きく持てない杏里は、やはり心配そうに、杵を振りかぶっているローナを見つめるのだった。
「…はぁ。ローナちゃん、気をつけてね。無理だと思ったら遠慮なく代わるんだよ!」
 もうこうなったら仕方ない。そう腹をくくって受け側にまわった蔵人は、向き合って杵を抱えているローナに言った。
ローナは答える代わりに、ニッと笑った。
 そして勢い良くー…その反動で小さな細い身体を浮かび上がらせながらー…湯気を立てている餅米に、杵を叩きつけた。












                   ◆◇◆










「うわぁ、突きたてのお餅って、すっごい良く伸びるのねえ!」
 小皿に乗った餅を、箸で上下に動かし、感動したような声をあげるルーリィ。
「ルーリィ様、お味は如何?」
 そのルーリィの様子を楽しげに見つめていたデルフェスが彼女に尋ねる。
伸ばしていた餅をぱくりと口にし、ルーリィは暫し固まった。
そしてぐっと空いている拳を握り、震えるように言う。
「〜……っ!おいしっ!お餅ってこんなに美味しかったのね!
日本人っていいなあ、こんな美味しいもの、毎年食べられるんだから」
「最近は餅をわざわざ突く家庭も少なくなってるけどねぇ。
食料品店で気軽に買えるしー…でもやっぱり、突きたては格別だね」
 そう言って、黄粉がふんだんにかかった餅を美味そうに口に運ぶ蔵人。
見かけによらず、甘党らしい。
「蔵人様、お疲れ様でした。ローナ様との息もぴったりでしたわね?」
「はは…初めは戸惑ったんだけど。いやあ、最近の子供は力が強いね」
 考え方を改める必要がありそうです。
そう照れたように言い、頭をぽりぽりと掻く。
その当のローナはというと、少し離れたところで、リックやえるもと美味そうに餅を平らげていた。
「あ、そうだ」
 思いついたように、蔵人が顔をあげる。
持っていた小皿を机の上に置き、傍らに置いてあった重箱を取った。
「これ、僕が作ったんですけどー…お節です。良かったらどうぞ召し上がって下さいな」
「はい、もう召し上がってます!」
 そう満面の笑顔で言ったのはシオン。
やっと石化が解けた彼は、餅そっちのけで、蔵人作のお節をひょいぱく、と摘んでいた。
「いやあ、蔵人さんってほんと料理お上手ですね!」
 ありがたや、ありがたやと箸を両手であわせて、拝む真似までする。
蔵人はシオンの勢いに少々気圧されながらも、その隣にあった一段の重箱を指した。
「ええと…これも僕が作ったんですけど」
「ああ、えるも君が持ってきてくれたものよね?中身は何?」
 餅をはぐはぐと食べながら、ルーリィが尋ねる。
「ああ、お稲荷さん。少し大きめだけど…えるものリクエストで」
「へぇ、美味しそう!あとで頂くわね」
「ええ、どうぞ。あとはそっちの重箱に、羊羹も入ってます。…お節とは関係ないんだけどね」
 そう少し照れたように言う蔵人。…やはり甘党説は本当らしい。
「羊羹ですか?あ、私も甘いもの好きなんですよっ。あとで是非ー………」
 羊羹、の言葉に飛びつくように言った杏里が、思わずうっ、と口に手をあてた。
そしてそのままの状態で固まってしまう。
「…杏里様?如何されました?」
 彼女の尋常ではない状態に、思わず席を立つデルフェス。
ルーリィと蔵人、そしてシオンも心配そうに顔を見合わせた。
口に手を当てたまま、ぷるぷると震える杏里を、デルフェスは眉を曇らせおろおろと覗き込んだ。
先程まで元気に餅を食べていた杏里は、顔面蒼白で今にも倒れそうな程だった。
「………?」
 そこで、デルフェスは、ん?と考え込む。
………餅?
「……もしや。お餅が喉に詰まってしまったのでしょうか…」
 餅といえばこれしかない。
「た、大変!呼吸困難になっちゃうわよ」
 慌てて席を立ち、うろたえるルーリィ。
シオンと蔵人は顔を見合わせ、頷いた。
「デルフェスさん、ちょっと退いて下さいね」
 未だにしっかりと握っていた箸ー…ちなみに自前のものらしいー…を皿に上に置き、シオンは席を立った。
そして杏里の背後に回ると、
「物が詰まったときはこれですよ!せーのっ」
 盛大な掛け声をあげ、杏里の背中をバシン、と叩いた。
「…?まだですか?そーれっ」
 何も変化が起こらないのを見て取り、もう一度と、勢い良く叩く。
まだまだー…と腕を振り上げたとき。

     ――……ごくんっ。

「ぷはぁっ!!」
 杏里の喉が大きく動いた。
ぜいぜい、と肩で大きく息をしている杏里の背を撫でながら、
シオンは真っ赤になった彼女の顔を覗き込んだ。
「杏里さん、どーですか?大丈夫ですか?生きてます?」
「だっ…だい…じょーぶですっ!すいませんっ…」
 げほごほ、とまた盛大に咳き込む。
「杏里さん、お水ですわ。お気をつけてくださいましね」
「は、はい…っ」
 デルフェスから水を受け取り、杏里はハァーと肩をおろした。
…もう大丈夫のようだ。
 しかしそれにしても。
「シオンさん、ありがとう!どこであんな技を?」
 ルーリィはほっと安心したように、シオンに尋ねた。
シオンは、はっはっは、と笑みを浮かべ、グッと親指を立てて高らかに言った。
「バイト先でおじいちゃんが同じ状態になりまして!
お年寄りには日常茶飯事ですからね、正月の代名詞みたいなもんですよ」
「…………お年寄り…」
「うぅ、助けてもらったのはありがたいんですけど…!
私、おじいちゃんと同レベルなんですね…」
 まだ18歳なのにぃ、とがっくり肩を落とす杏里。
その杏里を見て、ルーリィたちは何も言えず、苦笑を漏らすしかなかった。














「むぅ、絶対負けないよっ!」
「へっへー、こればっかりは譲ってやんねーからな!」
 広場の片隅では、いつの間にかローナとリックが羽根突きを始めていた。
といっても本格的な道具があるわけはなく、木の板にボールを使った、他のゲームになっていたが。
「ろーなちゃんもりっくちゃんもすごいのー。ふたりともがんばるのー!」
 採点係のようなポジションにいるえるもが、二人に声援を送っている。
だがえるもの足元に書いてあるものは、得点ではなく、ただの落書きと化していたが。
 その様子を微笑ましそうに眺めていたルーリィたちのところに、シオンが近づいてきた。
「あら、シオンさん。リックたちと遊んでいたんじゃなかったっけ?」
「ははは、ローナさんに追い出されてしまいました。missばっかりで楽しくない!だそーです」
「……へ、へえ…」
 ルーリィは思わずひきつり笑いを浮かべた。
というのも、先程ローナと対決していたシオンが、
ことごとくボールを地面に落としていたのを目撃していたからだ。
…確かにあれでは、ゲームにならないだろう。シオンには気の毒なことだが。
 だがシオン自身は全く気にしていないようで、ルーリィたちの手元を興味深そうに覗き込んできた。
「何やってるんですか?おいしそーですねえ」
「もう少しで出来上がりますわよ、シオン様も召し上がりますか?」
 そういったのはデルフェス。ボウルの中でなにやら力を込めて捏ねている。
「デルフェスさんが、店のあった薬草を使って草餅っていうのを作ってくれてるの。
美味しそうでしょう?」
 成る程、ボウルの中では大きな餅の塊が緑色に染まっていた。
ヨモギ餅ならぬ、薬草餅といったところか。
「…出来ましたわ。杏里様たちもどうぞ、如何?」
 ふぅ、と息をつき、蔵人と一緒に彼の作った羊羹を口にしていた杏里に声をかける。
「わぁ、是非頂きますっ!身体に良さそうですね」
 やってきた杏里は、切り分けられた薬草餅を見て声をあげた。
蔵人も面白そうに、その緑色の餅を眺めている。
「はい、どうぞ召し上がって下さいな、ルーリィ様」
「ありがとう!いただきまーす」
 デルフェスから手渡された小皿に乗った薬草餅を、ぱくりと口に含む。
程なく口内に広がる、薬草の苦味、そしてかみ締めるほどに滲み出す甘味。
「うん、これも美味しい!お餅って工夫次第で、色んな味がでるのねえ」
 ほう、と感心したようにため息をつくルーリィ。
「そうだよねえ、これに餡子なんていれても美味しいと思うよ」
「アンコ!いいですねっ。甘いもの好きには堪りませんね」
「だねえ」
 その味を想像してか、ほわんとした笑みを浮かべる杏里と蔵人。
どうやら甘党同士で意気投合しているらしい。
「皆様の楽しんでいる顔を拝見すると、わたくしも嬉しくなりますわ。
ルーリィ様、日本のお正月は如何だったでしょうか?」
 デルフェスは、ふふ、とにこやかな笑みを浮かべてルーリィに尋ねた。
ルーリィはにっこり笑って頷く。
「美味しいし、楽しいし…最高ね!星で言うなら、3つ付けちゃうわ」
 ルーリィは、最近見た料理番組を思い出し、3本指を掲げた。
彼女の中では、今回の正月は満点、3番星なのだった。


 そして晴れやかに澄み渡る青い空が、今年を象徴するようにどこまでも広がっていた。



 Let's make this a good year -----… to you.













  おわり。







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            [あけましておめでとうPCパーティノベル]       
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【2181 / 鹿沼・デルフェス / 女性 / 463歳 / アンティークショップ・レンの店員】
【1936 / ローナ・カーツウェル / 女性 / 10歳 / 小学生】
【2938 / 佐々木・杏里 / 女性 / 18歳 / 退魔師&『トランス』ヴォーカル】
【3356 / シオン・レ・ハイ / 男性 / 42歳 / びんぼーにん(食住)+α】
【4321 / 彼瀬・蔵人 / 男性 / 28歳 / 合気道家 死神】
【4379 / 彼瀬・えるも / 男性 / 1歳 / 飼い双尾の子弧】

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                   [ライター通信]              
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◆こんにちは、または初めまして。ライターの瀬戸太一です。
この度は当WRに依頼して頂き、誠に有り難う御座いました^^
こういった限定商品を執筆するのは初めてのことで、試行錯誤しながらですが、
楽しんで書かせて頂きました。
参加されたPC・PL様方にも楽しんで頂けると非常に光栄です。
◆今回のこのノベルからの試みですが、私の異界にて、
納品した商品に関しての個人的感想という項目を設けました。
そちらで私なりに今回の感想を述べておりますので、もし良ければご覧になって下さいな。

◆それでは、大変遅れましたが、皆様良い一年をお送り下さいませ。
感想・ご意見等おありの方は、テラコンよりお気軽にどうぞ^^



あけましておめでとうパーティノベル・2005 -
瀬戸太一 クリエイターズルームへ
東京怪談
2005年01月17日

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