その日はとんでもなく厄介な出来事がつづく一日だった。
マーフィの法則、というものがある。
失敗する可能性のあるものは必ず失敗する、Anything that can go wrong, will go wrong――もっと言ってしまえば、悪いことはつづくとか、重なるとかそういう意味だろう。トーストのバターを塗った面が下に落ちるのだ。
半分ジョーク、科学的に立証されているかどうか怪しいにしても、今日の俺は,
まさに『マーフィの法則』の好例なんじゃないか。
そんなことを思いながら、緑川勇は盛大な溜息をつくのであった……。