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『『雨上がりの夕方 水溜りに映った彼女達の笑顔』 』
天樹・燐1957)&御月・清瀬(2924)


 店の角に置いた観葉植物に水をやりながら私はさりげなく視線をウインドウの向こうに向けた。
 店の前の通りを歩いていく一組の親子。
 母親と仲良く手を繋いで歩く幼い女の子はもう片方の手に一輪の小さな向日葵を持っていた。
 硝子越しに私の視線を感じたのかこちらを見て咲き零れる花のように笑いながら黄色い小さな向日葵を私に振ったその女の子に私は微笑みながら手を振った。
 瞳に残る花の黄色。
 ふとその鮮やかな黄色がふいに嗅いだ香りに懐かしい記憶を思い出すが如くに私に彼女の言葉を思い出させる。


『私は向日葵と一緒だから…』


 向日葵。
 夏に咲く黄色い花。
 高い高いどこまでも高く青く澄み切った空に凛と咲く大輪の花のような太陽をいつも眺めている黄色い花。
 恋焦がれるように太陽をいつも眺める花を自分と同じ、と言った少女があの夏の雨上がりの日に胸に吸い込んだ世界の香りはどのようなモノであったのだろうか?
 頬にかかる髪を耳の後ろに流しながら私は小さく吐息を吐く。
 硝子越しに見る空はとても青くって澄み切っていて、そして水彩絵の具の青を塗ったキャンバスに重ね塗りした白のような雲は風に流れてゆっくりと進んでいく。
「いい天気ね」
 夏の始まりの日。
 今日もとても暑くなりそうだ。
 私はくるりとウインドウに背を向けると、そのまま厨房があるカウンターの方まで歩いていって、そして如雨露代わりに使っていたポットをカウンターに置くと、かけていたエプロンを脱いで、綺麗に折りたたんで、カウンターの向こうに居る弟に手渡した。
「どこか行くの、姐さん?」
「ええ。ちょっとそこまで散歩に」
 私はにこりと微笑んで弟にそう告げると、店の出入り口にある傘立てに突っ込んであった白の日傘を手に持って、店の外に出た。
 からーん、という扉の鐘の音に送られながら外に出た私を待っていたのは夏特有の蒸し暑く体に纏わりついてくるような空気。だけどその空気にそれを感じた私は小さく微笑んで、手に持つ日傘をさすと、目的地まで歩いていった。


 +

 学校の周りに植えられた木々はこの東京で暮らす蝉たちには貴重な場所なのだろう。
 一学期最後の期末考査を終えて歩く私の耳朶に届くのは蝉たちの短き命を謳歌する華やかな歌だ。
「今日も暑いわね」
 頬を伝い顎から滴り落ちる汗を手の甲でぬぐいながら私はげんなりと誰にとでもなく今日の日の感想を言った。
 おそらくは完全に気温は30度を超えているはずだ。そしてそれに付け加えてテスト期間中のための睡眠不足。
「うーん、ダメね。弱ってる」
 左手に2科目分の教科書とノートが入っただけの軽い鞄を持って、空いた右手の指を折り曲げていく。数えるのは家に帰ってからのやりたい事。
「熱いシャワーを浴びて、クーラーにあたりながらお昼ご飯を食べて、冷たいジュースにアイスクリーム…カキ氷のイチゴでも可。いえ、カルピスでもいいわよね。それでぐっすりと布団で寝て、起きたらテスト期間中に我慢していた漫画を読んで…」
 やりたい事はたくさんだ。
 たくさん過ぎてちょっと時間が足りなく思えて私は一日が48時間ぐらいあればいいのに、なんて想ってしまう。テスト期間中にさんざん想った事をまだ想う自分に私は苦笑する。
「さてと、それにしても…お昼は何にしよう、かな?」
 とりとめもない事ばかり考えてしまうのは、ここ数日、数学の公式やら英単語やら、漢文・古文の文法やら、化学式などを頭に詰め込みすぎたせいであろうか?
 脳細胞を満たす難しい情報を私は他愛も無い思考でどんどん押し流していく。
 お昼は何にしようか、それで始まった思考が行き着いた先はちょっと最初の予定とは違ってしまうが幼馴染が住み込みでアルバイトしているお店でお昼を済ませてしまおうというものであった。
 家に向っていた足を私はその店に向ける。
 歩きながら今度考えるのはお店についてからどんなパンを選ぼうか、飲み物は何にしようか、ってこと。
 と、そんな事を考えていた私の視界の隅に入ったのは鮮やかな黄色だった。
 立ち止まって私はそちらに顔を向けた。
 そこは小さな花屋さんだった。店の前に並んでいる色取り取りの花の中にその黄色を持つ小さな花がある。
 それの名は向日葵。
 いつも青空に咲く大輪の花のような太陽に恋焦がれるように顔を向けている花。


『私は向日葵と一緒だから』


 かつて私があの人に言った言葉が泡のように脳裏に浮かぶ。
 そう、私は向日葵だった。
 空から見ればとても低い低い地上に咲く向日葵が、
 地上から見ればとてもとてもとても高い場所で変わらずに咲き誇る大輪の花のような太陽に憧れるように、
 私は彼女に憧れていた。
 見上げた空にあるのはいつの間にか広がり始めていた雨雲だった。
「さっきまであんなにいい天気だったのに」
 変わりやすいのは人の心と一緒。
 そう、人は変われるのだ。
 ほんの些細な事で。
 そして変わるために必要なのはほんの一欠けらの勇気。
 その一欠けらの勇気で、私は足踏みしていた境界線を……


 越えられた…。


 その一欠けらの勇気をくれたのは天樹燐さんの笑顔――――。


 +

 夏の夕立は部屋の窓から見ればなんとも情緒のある光景だが、自分がその中に放り込まれれば話は別だ。
 あの日の私も突然の夕立に非難したこの公園の傘つきベンチで鞄から取り出したハンカチで、濡れた頬と髪を拭き、それから服を拭きながらげんなりとため息を吐いていた。
 そう、こうやってあの日も私はこの木製のベンチに座って、しとしとと雨が降る公園を眺めていたのだ。
 今こうして眺めている砂場では三人の男の子が山を作ってトンネルを掘っていて、そして女の子たち二人が人形で遊んでいる。
 その砂場の横で母親たちがしゃべっていて……
 だけど私があの日眺めていた雨の日の公園には彼女がいる光景があった。雨が降る中、忘れられていったスコップだけがぽつんとある砂場を背にして彼女は立っていたのだ。


 +

 あの日も私はこの道を歩いていた。
 だけど今のようにちゃんとした目的があって歩いていた訳ではない。
 あの時の私はただ回遊魚のようにあてもなく歩いていただけであった。
 ひょっとしたらある日突然置いていかれた両親を探していたのかもしれない……。


 そう、夕暮れ時の人込みの中、
 時折感じた恐怖。
 前を歩く母親はそのまま私を置いていってしまうような気がして、
 そして幼い私は懸命に自分のスピード以上のスピードで歩くのだ。
 だけどそんな私は、まだ幼くって足も短くって、バランス感覚だって悪いから、
 だから転んでしまって……。
 ――――――――――――。



 ―――――――――――――――――――現実に置いていかれてしまった私。
 亡くしてしまった両親。
 溢れるのは悲しみと、
 後悔。
 もしも時間が戻るならば、言いたかった言葉があるからそれを伝えたい。
 もしも時間が戻るならば、後悔する言葉があるからそれを伝えたくない。


 いつ会えなくなるか判らないから その一瞬が大切・・・


 知ってしまった悲しみ。
 わかってしまった時の大切さ。
 

 だから私は置いていかれるのを嫌うのだ。
 だけど私はそれを表には出せない。
 意地っ張りなのだ。
 自分の弱みを人に見せたくないのは、
 恰好をつけているのではなく、
 人に嫌われるのが怖いから。
 弱い自分を見せて、
 そんな自分の弱さが見せてしまった人の重みになってしまったら…
 そしてそれで嫌われてしまったら、
 そしたら私は………
 ――――――――――また独りになる。置いていかれる。もうどうすればいいのかわからなくなるから………それで。それで。
 それはハリネズミのじれんまと一緒だ。
 本当は人に触れたいくせに、だけど自分の持つ針で相手を傷つけるのが怖くって触れられないハリネズミ。
 私の場合は私が抱く私の弱さ。
 私は抱く、どうしようもない弱さを、怖さを。
 ――――――――――置いていかれたくないの。
 ――――――――――誰かに嫌われたくないの。
 私は誰かに私の抱く弱さを知ってもらいたい。その弱さを許してもらいたいのかもしれない。親とはぐれて迷子となった道で蹲って泣いている幼い子どものように優しい誰かに頭を撫でてもらいたいのかもしれない。
 優しい誰かを求めるのは、私の弱さを支えてもらいたいから。隣にいてもらいたいから。その弱さを受け入れて……許してもらって。
 ―――――――――――――――――だけど私がその優しい誰かと触れ合う時に恐怖するのは、私が抱く弱さのせいで、その優しい誰かに嫌われること。


 弱いから誰か優しい人を求めて、
 弱いから誰か優しい人に嫌われるのが怖くって、
 だから私は笑顔と言う仮面を、
 いつも顔につけていて――――――


 誰にも見せられない
 本当の
 私の表情――――


 ―――――――それがどうしようもなく救いが無いように思えて。


 そんなあの頃の私が彼女、天樹燐さんに憧れたのは当たり前の事だったのだろう。
 彼女を初めて見た時も私は思えばあてもなく歩いていた。
 ―――――はぐれてしまった親を、無くしてしまったモノを、探しているみたいに。
 ふと見た場所。そこにあの人はいた。
 燐さんはいつも弟さんや妹さんと楽しそうにしていて、
 家族の居ない私はそれが羨ましくって、
 そしてその中でいつも背を伸ばして前を向き、微笑んでいる彼女の姿にいつしか憧れを抱くようなっていた。
 そう、あの頃の私はただ回遊魚のように街を歩いていたのに、それなのに燐さんを見つけてからは、私は気付けば燐さんがいる喫茶店の前の通りを行ったり来たりする挙動不審な子をやっていた。
 今思えば本当に笑ってしまう。まるで燐さんに一目惚れした内気な男の子のようなのだから。
「あ、見えてきた」
 私の視界に映るのは、公園の中にあるベンチの屋根。
 木製のそれを視界に映して、私はとくん、と心臓を大きく脈打たせる。
 その木製の傘の下で、私は燐さんと初めて言葉をかわしたのだから。
 ぽつん、と私の頬を何かが濡らす。頬に手をあてる私を打つ雨。あの時と同じ夕立。
「きゃぁ、ちょっと」
 激しい夕立の中私は走った。
 あの時と同じように。
 そして行き着いた先。
 あの時と同じように公園の入り口から公園に飛び込んで、そのまま傘のあるベンチを目指して、忘れられていったスコップだけがぽつんと残る砂場を背にして立った私は、そこにやっぱりあの時と同じように木製のベンチに座る燐さんを見て、動きを止めるのであった。


 +

 想う事は同じなのであろうか?
 以心伝心?
 とにかく私はくすりと笑ってしまった。そして立ち尽くす彼女に手首を縦に振って、
「ほら、早く中に。濡れるよ」
「あ、はい」
 そして彼女、清瀬さんは傘の中に入ってきた。
 そう、あの時と同じように。
 あの時、雨が降る中で立ち尽くす彼女に私は微笑んだ。
 そして彼女は傘の下に入ってきて、私が座るベンチの端に立った。
 それからが…ちょっと私は実は内心で笑ってしまっていた。
 だって清瀬さんったら、私をちらりと見て、
 それで私が視線を感じて、ちらりと清瀬さんを見て、
 私たちの視線が一瞬合うと、
 清瀬さんは真っ赤な顔をして目を逸らして。
 それはまるで思春期の両想いの男の子と女の子のようで、
 それで、ね。私は笑ってしまったのだ。
 だけど私は実はもう一つ、彼女に言っていない秘密がある。
 本当は私はあの夏の夕立の日の前から清瀬さんに見られていた事に気付いていた。
 硝子の向こうから私を見つめる彼女の瞳は、だけどどこかとても哀しそうだった。


 アクアリウムの中の魚のよう・・・
 優雅にしなやかに水の中を泳いでいるようで、
 だけど閉塞された水槽の中で、
 息苦しさを喘ぎながら泳いでいる。
 ―――――ならばあの少女の心を閉じ込める水槽は何なのだろう?


 ずっと私はそれが気になっていて、
 だからと言って声をかけるのは躊躇われていたのだけど(清瀬さんは多分声をかけた瞬間に逃げ出して、もう二度と来ないように思えたから)、
 しかしこれはとてもいい機会のように思えた。
 そう、思えば昔、私があの人に救われた日もこんな風に雨が降っていたから、だからそれがなんだか縁のように思えて、それで。
 ベンチの横にぽつんと立つ清瀬さんに私は微笑んで、
「少しお話をしませんか? 雨宿りの時のおしゃべりは楽しいんですよ」
「え、あ、はい」
「さあ、そんな所にいないで、ここに座って」
 ぱんぱんと私の座る横を叩いて、そして彼女は私の横に座って、
 そして私が自己紹介すると、彼女も訥々と自分の事を話し始めてくれた。
 その彼女の声は元気が無かった。気落ちする事があったそうだ。それで…
「それであなたを見に行こうと想って…」
 彼女は顔を俯かせながら言った。
「どうして?」
「私は向日葵と一緒だから」
「向日葵?」
「はい、向日葵。私は………私はとても弱くって、だけどその弱さを人に見せられなくって、嫌われるのが怖かったんです。弱いから人を頼りたいのに、だけど弱いから人を頼れなくって。だから笑顔だって…浮かべられない。私はね、私は燐さんのようになりたい。燐さんのように心から笑えたらって」


 微笑み。
 笑うこと。
 心から笑える事は幸せなこと。


 その時私は、やっぱり彼女は私と同じなのだと想った。
 あの頃のあの人と出逢う前の私と同じだと。
 あの頃の私はもう何もかもに疲れ、
 絶望し、
 すべてが灰色に見えて、
 歩くのをやめていた。
 今ならば歩くのをやめる…立ち止まるのは別に悪い事ではないと思える。
 だけどその時の私にはそれはとても弱く感じられて。
 そう、それはこの清瀬という少女と同じであったのだ。
 彼女は弱い自分に罪悪感を抱いている。
 だけど私はあの人と出逢えて、教えてもらった。
 だから次は私の番。
 やはりこれは縁。雨が結んでくれた縁。
 私はすぅーっと雨の匂いをふんだんに孕んだ空気を吸い込んで、言葉を紡いだ。彼女の雨に濡れた髪をハンカチでそっと拭きながら。
「私が微笑むのは自分を励ますためで、そして何よりも大切な人たちに笑っていて欲しいからなんですよ」


 そう、笑顔は周りの人みんなにかけられる幸せの魔法。
 誰かが笑っていれば、
 そうしたらその微笑みを見る誰かは、その微笑みで幸せになれて、
 そしてその微笑みを浮かべる私はその私の微笑みを見て浮かべられた微笑みを見て幸せになる。
 それが微笑みの魔法。
 幸せの環。


「ねえ、清瀬さん。人と人との関係ってまずは信じあう事から始まるんじゃないかしら。いつか出逢う大切な人に対してあなたがまず最初にすることはその人を信じること。心の奥底から、あなたに手を差し出してくれるその人を信じれば、そしたらその時にその人に対して浮かべられる表情は心の奥底から浮かべられる笑顔になるから。大切なのはほんの一欠けらの勇気。その一欠けらの勇気は必ず幸せとなってあなたに還ってくるから」
 それを聞いた…それからたくさんのおしゃべりをした彼女は、私と別れる間際に雨上がりの世界の空気を胸いっぱいに吸い込んでいた。
 彼女が吸い込んだ雨上がりの世界の空気の匂いは、
 彼女が吸い込んだ雨上がりの世界の空気の香りは、
 どのようであったのだろうか?
 それから清瀬さんは私を姉と慕ってくれて、喫茶店に来てくれるようになった。



 あの日と同じように私と清瀬さんは雨がやむまでベンチに座って仲良く話をした。
「ん、何ですか、燐さん?」
 小首を傾げた清瀬さんの頬にかかった髪を私は掻きあげてやりながら、にこりと微笑む。
 雨はいつの間にかやんでいた。
 雨上がりの夏の夕暮れ時の空は綺麗なすみれ色。
 私はベンチから立ち上がると、きょとんと小首を傾げた彼女の右手を引っ張って、そしてそのまま彼女を連れて行く。
 アスファルトにできた大きな水溜りの場所まで。
 そしてその水面に私たち二人は黒髪に縁取られた美貌を映すのだ。
 私はその水面に映る自分に向かってにこりと笑う。
 その私を見てくすくすと笑う清瀬さん。


 ねえ、気付いている?
 その今のアスファルトに出来た水溜りの水面に映るあなたの微笑みは、
 しゃんと真っ直ぐに背を伸ばして凛と上を向いて咲き誇る夏の花 向日葵のように綺麗に咲き誇る花のように美しくいい笑みだって・・・・・・・



 ―――――清瀬さん。



 ― fin ―




 **ライターより**


 こんにちは、天樹燐さま。いつもありがとうございます。
 こんにちは、御月清瀬さま。はじめまして。
 このたび担当させていただいたライターの草摩一護です。
 このたびは素敵なプレイングをありがとうございました。
 今回もそれにほんの少し色をつけて贈らせていただきました。



 弱さは誰もが抱えていますよね。
 その弱さは、人によってはプライドで隠し続け、
 または誰かに嫌われたくなくって、隠してって。
 でも弱さというのは悪くは無いですよね。
 人ならば弱さを抱えていて当然で、
 そして弱さがあるからこそ、気付けるモノ、見れるモノもありますよね。


 だから弱さというのは誰にでもあるのだから、だったらそれをどうすればいいのかと言えば、見ればいいのかな?と想います。それを受け入れてしまって、そして次にするのは余計な事は考えずにただ周りに差し出されている手を見る事でしょうか。
 その手は家族であったり、
 恋人であったり、
 友人であったり。



 その手は優しさで出されているのだからだからその手を握るのは良いと想います。それを自分が弱いからだ、なんて責める事は絶対にしなくってもいいことだと。だってその手はあなたを想い、あなたのために出されているのだから。大切なのはその手を取ってからそれからどうすればいいのか、という事を考える事。でもそれを考えている時はあなたの手は差し出された手を握っているのだから、だから考えるのは弱さを必至に隠して独りでがんばっている時よりも楽なんじゃないのかな?
 そして繋いだ手があるからこそ、行ける場所もあると思います。
 立ち止まるのも、引き返すのも、迷うのも悪いことじゃありません。そして繋いだ手があるからこそ、そこからまた自分の行きたい場所に行くのには独りで歩こうとしていた時よりも行けると。



 清瀬さんが笑えるようになったのはそういう事なのだと思います。
 弱さを必死に隠していた清瀬さんはだけど燐さんと出会えて、
 そして燐さんに出会って、彼女からとても大切なモノをもらって、
 それで清瀬さんは笑えるようになる。
 もしもこの後を想像するのであれば、清瀬さんはきっと燐さんにもらったその大切なモノを今度は彼女が他の誰かに渡すのでしょうね。そう、燐さんがあの雨の日に出逢った人にもらったモノを清瀬さんに渡したように。


 差し出される手を取るとはそういう事なのではないのでしょうか?
 そうやって伝えられてきた大切なモノは本当にたくさんあると思います。


 それでは燐さま、清瀬さま、本当にご依頼ありがとうございました。
 失礼します。

PCシチュエーションノベル(ツイン) -
草摩一護 クリエイターズルームへ
東京怪談
2004年06月21日

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