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『地平線(こころ)の彼方から 』
葉月・政人1855)&風宮・駿(2980)&高千穂・忍(2138)


 テクニカルインターフェース社内の奥深くにある射撃訓練場で『葉月生還』の知らせを受けた高千穂 忍は、的に向かって右手に装備した銃を祝砲代わりに打ち鳴らす。それが命中した瞬間、だだっ広い空間に乾いた音を緩く響かせる。だが、その余韻は彼を楽しませるまでには至らない……片目の割れたFZ-01のマスクに彼を楽しませるほどの硬度はすでになかった。昨日、彼は足元に転がっていたマスクを大将の首よろしく持ち帰り、それに向かって憂さ晴らしをしている最中だった。自分には自分の考えがあり、上には上の考えがある……それを噛み砕こうとした途端イライラし始め、自分でも驚くほど暴れたくなってしまったのだ。昨日の夜中はチンピラどもを相手にひとりずつ口から血を吐くまで腹にキックを食らわせ、乾いたアスファルトを血で染めた。もちろん自分の白いジャケットも血にまみれ、その姿は悪魔さながらだった。その時忍が自分の顔を鏡か何かで見たのなら、間違いなく我に返っただろう。しかしそんな機会にも恵まれず、彼は悪魔の仮面をかぶったまま真夜中の街をさまよった……
 極度の興奮状態にある忍は眠ることすらできず、今日は今日でここにいる。緑の戦鬼・アスラになった時に愛用するふたつの銃を持ち出し、葉月をこの手で倒せなかった恨みとも嫉妬とも取れる行動ををただただ繰り返す。主のいなくなったマスクに照準を合わせ、そのトリガーを引く指に力を込めて何度も何度も撃つ……乾いた音と金属の匂い、そしてあの時の残像だけが今の忍を動かしていた。誰が彼を癒すわけでもなく、ただ時間だけが無駄に過ぎていくその中で、彼は特殊な通信機から発せられる音を耳にする。銃をリズムよく撃ち終えた後だったのでそれを気持ちよくキャッチすることができた。そのおかげで彼は信じられないような吉報を受け取ることになる。忍は耳元でさえずる小鳥に珍しく礼を述べた。

 「ありがとよ……よく俺に連絡してくれた。」

 満面の笑みを見せ、忍はその部屋から踊り出る。その身に鎧を装着するために階段をひとっとび、踊り場でわずかに跳ねながら上を目指す。その姿はいつのまにか高千穂 忍の姿からザ・グラスホッパーに変わっていた。

 「FZ-01……じゃない。今はダンタリアンか。まさかお前が戻ってくるとはな。俺にとっては願ったりだ。」

 彼の心はすでに装着を終え、目的の場所へと走っている……目の前に現れる敵を粉砕するためが彼のすべてだった。


 すでに一緒だった少女を安全な場所まで逃がした葉月は得体の知れない褐色の強化服『ダンタリアン』を信頼して戦う以外に方法がなかった。このまま仲間たちがやってきても認識番号不明の強化服を身にまとっている以上、排除に相当する存在に扱われてしまう可能性がある。それ以前に行方不明になった自分が蘇っているなどと誰も予想していないだろう。結局、室内から遠慮もなく威嚇射撃を繰り返す工作員が満載の病院の敷地内に引き返したのだ。広大な敷地が高くそりたつ壁に囲まれたここなら、多少の騒動が起きても大丈夫だろうと信じ、葉月は銃を構えて壁の近くに立っている一本杉の陰で息を潜めていた。
 実は葉月は少女にひとつお願いをしていた。それは警視庁にこの病院の存在と自分が未知の強化服を奪って戦っている事実を電話で連絡することだった。通報した時間を計算すると、そろそろチームが動き出してもおかしくない。彼らさえくればなんとかここから脱出することはできるだろう。葉月は助けを待ちながら、たまに木陰から身を出してはあらぬ方向に銃を発射するという動作を繰り返していた。自分の意思でまったく違うところに銃口を向けているはずなのに、なぜか思ったところと違う場所に銃声が弾ける……時間が経つとともにそのぶれが大きくなったのだが、葉月はそれに気づいていない様子だった。自分に向かって響く銃声が耳の奥で大きく木霊するようになる頃、ようやく彼は自分に変化が起きていることに気づいた。だがその時、厳重なゲートを豪快にぶち破って一台のバイクが姿を現す!

 「ダンタリアン……そこか。お前、かくれんぼのつもりか?」

 病院内に突入してきたのはウインドスラッシャーにまたがり出陣した緑の戦鬼だった! 葉月は思わず大きく退いた……頼りにしていた仲間ではなく、最大のライバルが目の前に出現したことに驚きを隠せない。彼は名を呼ばれたことで諦めたのか木陰から静かに姿を現し、銃をホルスターに収めて脇に抱えていた槍を構える。しかし先手を取ったのはアスラだった。バイクをダンタリアンめがけて走らせながら両手に銃を持ち、それを横にかざして交互に連射する!

 「ぐあぁ、ぐあぐあぐあぐあぁあっ!」
 「食らええぇぇぇーーーっ!!」

 そしてそのままウインドスラッシャーで葉月を跳ね飛ばしたアスラは座席からジャンプし、今度は背後に向かって銃を軽快に打ち鳴らす! あの暗い射撃場に響く音とともに葉月の悲鳴が残酷なシンフォニーを奏でる。その声で悦に浸るアスラ……眠気はとっくの昔に消え失せていた。

 「うおおおぉぉぉ、うわあぁぁぁぁーーーーーっ!!」
 「これだ、これなんだ……! 戦いはいい……いいぞ、戦うんだぁ……!」

 崩れ落ちる褐色の強化服に向かって呼びかけるアスラ。その声は興奮に震えていた……そして強い声で呼びかける。

 「立て、ダンタリアン! 一度は死んだ男なら、俺の心を満たしてくれるはずだ……葉月、立てよ……!」

 挑発にも敬意にも取れる言葉を受けた褐色の戦士・ダンタリアンは立ち上がることができない。戦いは始まったばかりでそれほど大きなダメージを受けたわけでもない。しかし、彼は小刻みに震える手を抑えることができない。なぜそれができないのか……その理由は葉月自身にあった。本当ならあれほどの銃撃なら手にした槍を風車のように回して弾くことができただろう。だが、手が震えてそれをさせてくれなかった。とっさに避けようにも足がすくんで動かない。葉月はすべての攻撃を受けて自分の変調の理由を思い知らされた。しかしその頃には震えが全身に広がり、アスラの望む戦いを演じるどころではなくなってしまった。震えることしかできない自分をじっと見つめる彼の姿は哀れに映った。
 葉月はアスラを見た瞬間、淡い光の中に包まれながら白銀の魔王に倒された事実を思い出した。そう、彼は心の奥底に蘇った記憶との決着をまだつけていなかったのだ。あの刹那、絶望と苦境の中でただ愚直なまでに信じた自分の願い……それを蘇る時に忘れてしまったのだろうか。葉月の身体にはその時の恐怖しか残されていなかったのだ。周囲の音などもう聞こえない。ただ自分の身に起きた忌まわしい過去を何度も何度も思い出す葉月に戦意など微塵も残されていなかった。だが、アスラはその場に留まることを許さない。ゆっくりとダンタリアンの背後に迫り、その後頭部を思いっきり蹴ってアスファルトの地面にめり込ませる!

 「ぐがぁ……ぁあっは……!」
 「なんだ、怖気づいたのかぁ! お……まえ、本当に葉月か?」

 アスラの出現で威嚇射撃もなくなって静かになった病院の敷地内……そこに響く無残な音。地面の奥底までその顔をめり込ませようというのか、アスラの足にどんどん力が入っていく。小さく砕かれていくアスファルトと褐色のマスク。しかし葉月は動かない。抵抗すらしない。アスラが不思議がるのも当然だった。
 その言葉に反応するかのように、一台のバイクが破壊されたゲートを飛び抜けてこっちにやってくた! けたたましく鳴り響くサイレンの音、青く輝くボディー……それはあのFZ-01の出現を思わせる。しかしその右肩には『FZ-01E』と刻印されていた。この強化服は破壊されたFZ-01のあらゆるシステムを簡素化して作られたエコノミータイプだった。彼はふたりと距離を置いてバイクから降りると、いつものようにガトリングライフルを手に持つ。そしてそれをアスラに向けそれを容赦なく発射する!

 「とりゃあぁぁぁぁ!!」
 「なんだ、なぜだ! なぜFZ……うごおおおぉぉぉーーーーっ!!」

 いくつもの火花を舞わせながらアスラの身は後ろへと吹き飛ばされる。彼はこのダメージを受けながら思い出していた。この威力、この積極性……あれこそがFZ-01だと認識した彼は、倒れながらもマスクの奥で不敵な笑みを見せた。アスラが奇襲を受けたことで病院内から再び援護射撃が始まる。FZ-01Eを狙って攻撃するスナイパーもいた。だが、いくらエコノミーでも普通の銃弾で傷つくほどのやわな強化服ではない。それらを弾き返し、威風堂々と立つFZ-01E。その時、アスラがさっと身を起こすとなぜか病院に向かって正確な射撃を3回行った……中からは数人の射撃手の悲鳴が響いた。それを聞きながら鬼のようなセリフを吐くアスラ。

 「これは俺の獲物だ……邪魔をするな!!」

 その言葉に対する返事はすぐに態度で現わされる。またすぐに敷地内が静かになった……聞き分けのいい部下に満足したアスラは両手に銃を持ったまま、ゆっくりとした足取りでダンタリアンではなくFZ-01Eに向かう。一方のFZ-01Eは何度か小さく後ずさりながらその間合いを探る。

 「おいおい逃げるなよ……遊んでくれるんだろう? この俺と。」
 「お、お前はアスラだな! 警視庁対超常現象班所属の風宮 駿、FZ-01Eが相手だ! ついでに葉月先輩も返してもら……も、もしかしてあの褐色の強化服に入っているのは……?!」
 「ダンタリアンは弱すぎて面白くない。お前じゃないとダメなんだよ、今の俺には。」
 「だ、ダルタニアン? 三銃士の主人公……? 先輩、大丈夫ですか! その強化服に入ってるんでしょう!?」
 「訳のわからないことを抜かすな! 戦えぇ!!」

 風宮が本人と確認する前にアスラが射撃を開始した! FZ-01Eも手にしたガトリングライフルで応戦しようと試みるも、ダンタリアンに気を取られていたせいもあり反撃が遅れてしまい、挨拶代わりの攻撃を全部受けてしまった!

 「うわあぁぁぁーーーっ!」

 思いっきりのけぞりバイクにもたれかかったのを見てアスラは一気に間合いを詰める!

 「何も終わっちゃいないんだぜ……!」

  アスラがダンタリアンと同じように背後を狙おうと銃口を定める! しかしFZ-01Eはガトリングライフルを地面に捨て、高周波単結晶ソードを装備し応戦する! アスラの速度に救われたか、必死の突きはなんとか胸に命中しアスラは再び後ろにのけぞる……

 「うがっ!」
 「今だ、ここで狙えば……!」

 バランスを崩した相手に向かって剣を大振りするFZ-01E……その時、地に伏していたダンタリアンがようやく頭を上げた。自分の目の前に広がる戦いを見た葉月はある錯覚を起こす。今まさに自分がFZ-01Eに入ってアスラと戦っていると勘違いしたのだ。しかし、FZ-01Eの剣の振りはあまりにも大きく無駄があった。すぐさま自分が戦っているのではないことに気づく葉月。そして思わずダンタリアンのマスクから声を張り上げた!

 「どちらでもいい、身をよじるんだ! 早く!!」
 「えっ……?」

 「うりあぁぁぁ!!」

 のけぞったと思われたアスラはFZ-01Eを誘い出すためにわざと大げさに演技しただけだった! オーバーヘッドキックのように左足で向かってきた敵の胸を狙って思いっきり蹴り上げる! 体を大きく広げていた風宮はそれをまともに受けてしまう。吹き飛ばされるFZ-01Eをなんとアスラの身体から出現した小型ミサイルが追撃する!!

 「うわああぁぁぁぁあーーーーっ!」
 「まだだ、お前に安息の時はない! うらあぁぁぁぁ!!」

 ミサイルが空中で破裂し、FZ-01Eは爆風とともに地面に叩きつけられる。そしてさらにアスラが二丁拳銃でロックを奏でるがごとく落下点めがけて打ち鳴らす! その猛攻に耐え切れない風宮はただの的と化していた。大きな悲鳴が周囲を騒がしくする……

 「うわうわうわ、あがががが………!!」
 「どうした……お前は俺を倒すんじゃなかったのか! 葉月、お前はそんなものだったのか!!」

 目の前の戦いが一方的になっていく……四つんばいになった葉月は青い戦士だけを必死に目で追っていた。ただ、彼はアスラにその名を呼ばれているから前を見ているだけだ。だが、敵は自分を見てくれない。自分も敵を見ていない。自分に似た戦士がそう呼ばれ、ただひたすらに戦っている。なぜ彼は戦うのだろう……なぜ彼は戦えるのだろう。葉月は打ちひしがれた戦士を見て、呆然とそれだけを考えていた。その時、すでに手の震えは消えていた。
 百戦錬磨のアスラに比べ、新米刑事で葉月の二番手に位置する風宮では実力が違いすぎる。もうFZ-01Eのボディはもうボロボロになろうとしていた。風宮は練習用でこれを使用していたので強化服の取り扱いには問題なかったが、装甲そのものに問題が出始めていた。エネルギー残量が赤く染まっている。警告音も静かに鳴り響いている。だが、無数の弾丸を受けながらも立ち続けている……FZ-01Eは敵に屈することなく戦い続けていた。その時……

  チュイーーーーーン!

 銃でFZ-01Eを躍らせるアスラに向かって一発の銃弾が命中した。それは無意識のうちにダンタリアンがホルスターから銃を抜いて放った一撃だった。アスラは首をそちらに向けると、静かに言い放つ。

 「今、いいところなんだ……邪魔するな。お前も蜂の巣にするぜ?」
 「できるものなら……できるものならやってみろ!!」

 槍を杖代わりに使い、ゆっくりと立ち上がった葉月はアスラに向かって恫喝する。恐怖に怯えた様子など微塵も見せない堂々とした立ち姿……それは風宮が聞き間違いで強化服の名前を認識したあの名前、『三銃士』で語られる英雄・ダルタニアンと呼ぶにふさわしい。自分の理想と戦うことを思い出した葉月に恐怖も震えも消え去った! 両手で槍を構え、戦う姿勢を見せるダンタリアンを鼻で笑うアスラ。

 「なんだと、生意気に。だったら、FZ-01よりも先にお前から壊してやる。」

 右手の銃を振りかざし、それを連射するアスラ。しかしそれを槍を風車のように回転させることで防御する葉月! そして一気に間合いを詰めたかと思うと、そのまま大きく跳び、鋭い武器で敵に襲いかかる! それに呼応するかのように両手に持っていた銃をホルスターに華麗に収めると、アスラは格闘戦でそれに応じる。突きだけでなく薙ぎ払いなどを織り交ぜながら多角的な攻撃をするダンタリアンに対し、アスラはそれを手で払いながら隙を突いて手刀などで反撃する。一歩も譲らぬ格闘の最中、忍は徐々に熱さを忘れて冷静になっていく……そして今対峙しているダンタリアンに葉月が入っていることを思い出すのだった。

 「とぅわぁ! はっ! たっ! 葉月……お前の首は、俺のものだ!」
 「はあぁぁ……っと! アスラ……心配するな。僕たちが絶対に確保してやる! とぅわっ!」

 葉月がなぜか後方にジャンプしながら強気な心を垣間見せる。さっきまで震えていた彼はもうどこにもいなかった。ダンタリアンは槍を片手に軽業師のような動きでアスラを翻弄する。アスラがそれを追おうとしたその瞬間、背後に強烈な攻撃が大きな音を立てて遠慮なく襲いかかる!

  ガガガガガガガガガガ!!

 それはFZ-01Eが放ったガトリングライフルの音だった! 葉月と戦うことに必死になっていたアスラはその背中に全弾受けてしまう!

 「あがががががっがが……あの素人め! 生意気に不意を突きやがる!」
 「やっぱり……やっぱりダルタニアンの中には葉月先輩が……!」
 「俺の戦いの邪魔をするな。やっぱりお前からだ……FZ-01! うりあぁぁぁ!!」

 アスラがFZ-01Eに両腕を振り上げて向かっていく! それにめがけてライフルを撃つ風宮だったが、アスラは直前で大きく跳躍しキックの体勢に入った! その速度は徐々に早くなり、周囲の風を切る音がはっきりと聞こえる!

 「お前から葬ってやる……っ!!」
 「はっ、あ、危ない!!」
 「風宮くん、しゃがむんだ! うおおおぉぉぉぉぉっ、間に合えーーーーーっ!!」

 葉月は槍のスイッチを押し、蒼い力を全体に包ませたままアスラに向かってそれを投げた! ダンタリアンの槍とアスラのキックの競争になった……しかし、空気抵抗の少ない槍がアスラに追いつくのが早かった! 炎のように燃え盛る青いパワーはFZ-01Eに激突寸前のアスラを貫いた!!

 「い、今からでは止まら……うごおおぉぉぉぉーーーーーっ!」

 身体中にボディーカラーとは違う色のダメージを帯びたまま、サッカーボールのように何度も地面に弾むアスラの身体……そのダメージは大きい。関節部分からは煙が上がり、明らかに戦闘を続行できる状況ではなかった。アスラはどこからともなく近づいてくるウインドスラッシャーにジャンプで飛び乗ると、そのままいずこともなく走り去ろうとする。

 「はぁ……はぁ……や、やるな、お前ら……ま、またな。デートは回数を重ねていろんなものを感じるもんなんだぜ……あばよ。」

 ダンタリアンを左手で作った銃で指差しながら逃げていくアスラ……彼らがそれを見送ると、また施設から銃弾の嵐が襲いかかる! FZ-01Eはガトリングライフルを捨てながら走ってダンタリアンに近づき、その名を呼んだ。

 「葉月先輩!」
 「その声はやっぱり風宮くんだったのか……ありがとう、助かったよ。」
 「何を言ってるんですか、先輩。俺は何もできなかった……先輩に助けられたようなもんです。なのになんで……」

 風宮は懸命に戦った自分をねぎらうにはあまりにも大きな言葉だということを強調する。逆に自分の不出来な部分を叱ってほしいと思っていた。しかし、今の葉月からはそんな言葉は出てこない。ただ、自分を見る目でFZ-01Eを……そして風宮を見つめていた。

 「今まで……現実にFZ-01が戦ってるところを見たことがなかったからかな。自分が何を思って戦ってるのかを、その戦いの中で冷静に考えることがなかったから……風宮くんのおかげで僕は自分を取り戻すことができたんだ。だから、今はありがとうなんだ。」
 「先輩……………と、とにかく今は早く逃げましょう! 塀の外にサポートのトレーラーが待ってます! そのダルタニアンと一緒に行きましょう!」
 「ダルタニアン……か。よし、行こう!」

 自分の必死さが知らず知らずのうちに葉月を目覚めさせる要因になったことを心の中で照れていた風宮だったが、周囲を包む銃声でふと我に返った。そしてここから脱出することを進言し、葉月もそれに同意した。FZ-01Eもダルタニアンも装備品を回収し、そのまま振り向かずに病院施設から立ち去っていった……

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市川智彦 クリエイターズルームへ
東京怪談
2004年04月09日

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