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『なつきたっ!SOS〜偶然という名の贈り物〜 』
シーヴ・王(ga5638)

夢かと思った

でも、手には思い出作りになるようなペアチケットがある

たまたま、買い物した商店街で

たまたま、やっていた福引で

たまたま、特賞の旅行が当たった

これだけ偶然が重なれば運命のような気がしてくる

よし、京都にいこう


〜夏の京都で〜
「流石、特賞でありやがるですね。綺麗な宿、です」
「一体いくらするんだろう‥‥ボーナスとかじゃないとこれないところだよね」
「ライディは少しは仕事のこと忘れるです」
 一泊二日の小旅行で京都の宿に訪れたシーヴ・フェルセンとライディ・王は予想以上の部屋に驚く。
 和洋室と呼ばれるタイプの部屋で寝室はベッドで広い和室と個別の露天風呂つきという豪華さだ。
「景色もいいでやがるですね」
 窓を開けて一歩部屋から出てみれば京都の自然や寺社仏閣がいくつも見える。
 ラストホープの近未来的に進んだ世界とは違う光景、違う空気に心が安らいだ。
「荷物を置いたら、散歩に出かけようか? 旅館の観光マップいくつか持ってきたからさ」
 入り口で部屋に荷物を持ち込んできたライディがシーヴに問いかけるとシーヴも振り向きながら首を縦に振る。
 短いバカンスはこうしてはじまった。
 
〜秋の兆しを感じつつ〜
 夏の終わりということもあり涼しげな山間の道を歩けど蝉の声が聞こえない。
「蝉の声を聞かなくなったら日本は秋らしいです」
「中国でも同じだよ。蝉については逸話もあってね? 蝉は声が聞こえても姿が中々見えないから姿を消す魔力があるっていわれていたこともあるんだ」
 手をつなぎながら二人一緒に歩いているとライディが故郷の話をはじめた。
 シーヴは楽しそうに中国の逸話について話すライディを見上げながら思わず頬を緩ませる。
 大切な人の笑顔というものはどうしてこんなにも心が温まるのだろうか‥‥。
「中国はまだ戦いが続いていやがるですが、シーヴも頑張って平和にするです」
 繋いだ手をぎゅっと握り、強い意志を持った瞳でシーヴはライディを見上げた。
「ありがとう、俺も何かできればしたいな‥‥災害ボランティアでもいいし」
 シーヴの瞳を見つめ返しながらもライディは同じように力の篭った目で見つめ返す。
 そんな真剣な話をしていたところに香ばしい匂いが漂ってきた。
 焦げ付いているようで、甘い香り‥‥。
 視線を漂わせると時代劇などでよくみる団子屋が進行方向に立っていた。
「団子屋さんだね。いってみようか」
「はいです」
 ライディに手を引かれながらシーヴは団子屋のところまで歩く。
 近づくほどにみたらし団子の匂いが強くなり、また餡団子など美味しそうな団子が並んでいるのが見えてきた。
「お団子ください」
「少々お待ちください」
 外国人観光客にもなれているのか給仕の格好をした女性が注文を受け取るとサービスのお茶を置いて準備にかかる。
 木で出来た長椅子に二人はすわり、お茶を味わいながら外の景色を見上げる。
「ほっとするです‥‥ライディは疲れてねぇですか?」
「疲れてないよ。それよりも久しぶりにシーヴと一緒でゆっくり出来て嬉しいくらいだよ」
「よかった‥‥シーヴと一緒です」
 暖かい日差しを受けながらお茶を飲む若者らしくない幸せを二人は味わうのだった。

〜異文化こみにゅけーしょん〜
「くっ、む、難しいでやがるです」
 旅館で出された見た目麗しい懐石料理が次々とテーブルに並び、それを食べている。
 箸の使い慣れていないシーヴだったが、負けん気の強さか頑張っていた。
「無理せずフォークとか使えばいいのに‥‥はい、あーん」
 料理と格闘する恋人を微笑ましく見ていたライディが上手に箸を使って焼き魚の肉をツマミ差し出す。
「あ、あーん‥‥です」
 照れつつもシーヴは口をあけて魚の味を堪能した。
 けれども、照れが先行して味が良くわからない。
「美味しい?」
「お、美味しいでやがるです。日本の料理は見た目が綺麗で食べるのが勿体ないくらいです」
 素材の色合いを上手く使い、器にも拘った和食の懐石にシーヴは目を輝かせた。
「こういうところじゃないと食べれないからね。旬の食材らしいから、素材を本当に大事にしているんだね」
 料理を口に運びながら、ライディも笑顔で料理を食べ続ける。
 焼物や煮物などの料理を食べ終え、一息ついた。
 気がつけば日も暮れて、夜の景色に鈴虫の鳴き声がBGMとして響きだす。
「食べた食べた‥‥そういえば、お風呂の用意してくれたみたいだね」
 料理を持ってきた女中さんから聞いた話をライディは持ちかけた。
「旅館の温泉があるようですね‥‥けど‥‥」
 シーヴはそういいながらもチラチラと部屋についている露天風呂に視線が向く。
「けど‥‥だよね」
 返事でない返事をするライディも視線はシーヴと同じように露天風呂へ注がれていた。
「「じゃあ、一緒に!」」
 示し合わせたわけでもなく言葉が被り、一瞬沈黙が訪れる。
 そして、二人は互いに笑いあいながら夜空を見上げる露天風呂で混浴をしに向かったのだった。
 
〜楽しい時間はすぐに過ぎて〜
「ん‥‥うわぁーっと」
 朝、スズメの鳴き声と共にライディは目覚める。
 体をぐっと伸ばすと、程よく鍛えられた体がシーツの上から出てきた。
「昨日、本当に久しぶりに‥‥いや、あえて口にすることじゃないよね」
 肌を塗らす汗の正体を口にしようとしたが、頭を振って閉じる。
 そのとき、寝室に備え付けられている鏡に目がいった。
 首筋にキスマークが見える。
「え、なぁ!?」
「大きな声を出してどうしたですか?」
 胸を隠すようにシーツを引っ張ったシーヴが驚くライディを寝ながら眺めクスクスと笑った。
「い、イツカラオキテイタノデスカ?」
「ライディが起き上がって昨日のことを思い返して言わなかったところから見てたです」
 シーヴはライディの慌てる様子を見ながら微笑みを続ける。
 湿った髪を軽く手で掻き揚げるシーヴにドキっとしながらもライディは苦笑をした。
「ずるいな‥‥」
「いつもライディがシーヴをドキドキさせてやがるんでお返しです」
 苦笑するライディの手をそっと握りシーヴはチロリと舌をだす。
「しょうがないな‥‥もう少し、ゆっくりしてから帰り支度しよう。朝食もまだだから」
 握られた手を握り返したライディはシーツの中に潜りつつシーヴのおでこにキスをした。
 帰りまでの最後となるゆとりを逃さぬように二人はしばしベッドの中で話し合う。
 偶然からはじまった小旅行は大切な思い出の残る旅となった。

━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名      / 性別 / 年齢 / クラス  】
 ga5638  / シーヴ・フェルセン/ 女  / 18 / ファイター】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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このたびは発注ありがとうございました。
橘真斗です。

二本目でなにやらラブを増せとのご要望(?)のようなのでこのように仕上げました。
いかがだったでしょうか?
これ以上ラブを増すと私くちから砂糖が止まらなくなりそうです。

話がそれましたが、なつきたでの発注ありがとうございました。
NPCが愛されているというのは作った親としてもありがたい話です。

これからもCTS等で仲良くしていただけたらと思います。

それでは運命の交錯するときまでごきげんよう。

なつきたっ・サマードリームノベル -
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CATCH THE SKY 地球SOS
2009年10月13日

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