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『Midsummer Night's Dream−Waltz 』
クラウディア・マリウス(ga6559)

 夜空に咲いた華が見せたのは、一時の幻。
 それは、不思議な不思議な時間の流れ。
 硝煙とは、全く関係ないもう一つの物語。


◆◇◆

 ここは聖空学園。
 学園へと続く道は既に夏模様であり、道を彩る鮮やかな青と緑、そして華やかな色取り取りの花達が道を彩っている。ゆっくりと深呼吸をすると、柔らかく、熱い空気が身体に染み渡ってきて少し心躍らせる。校舎のほうからも心躍るような音楽が聞こえてきた。
 そうか、間近に控えている学園祭の準備期間だった。
 カノン・ダンピールはそっと笑みを零しながら人が待っているであろう校舎を目指して歩き始めた。

 ここ、聖空学園では夏の終わり、丁度秋とのさし代わりの時期に学園祭を開いていた。
 3学年から有志で集う実行委員を元に形成され、それは盛大に開かれる。
 体育会系の者達に奪われがちな体育祭とは違い、文科系が華を開かす学園祭での一番の名物はこの学園切っての実力派達が集まっているといわれる演劇部である。そして、何よりも祭りに欠かせない食べ物たちを販売してくれる家庭科部であろうか。
 ここ最近、家庭科部の周りでは素晴らしく美味しそうな匂いが漂い、生徒達を誘惑していた。



 屋上に、アンドリーナのギターが鳴り響く。それは、アンドリーナの心情を物語っていた。どんなものよりも、繊細で正直で。普段の行動とは裏腹に、済んだ音が鳴り響く。
 そんな彼女の音楽に引き寄せられるのはこの学園では数多く居た。
 それは立ち入り禁止の屋上であってもだ。
 隣の特等席は親友とも言えるマチルダの場所で。ニコニコとアンドリーナの音に心を寄せていた。
「――」
 物陰に隠れて、そっと聞いているのは学園の生徒会福会長、蓮杖風華であった。長くたなびく髪に、すっと冷たそうにも見える眼鏡の奥の細い視線。それも今は、穏やかに閉じていて。
 そして、屋上の入り口の上で寝ているのはローズであった。隣には煙を纏いつかせる大津阿澄がニヤニヤと音を聞きいっている。
 そんな屋上近くの非常階段では、凪がその音楽を子守唄代わりにして抱き枕へとしがみつく。
 屋上からの音は、窓を開けていた音楽室へも響きを聞かせ、その音に合わせるかのように小夜はピアノを弾いていた。
 学園の一角に存在する謎の家庭菜園。そんな近くで風紀の腕章を付けつつサボりを決行していた優希は、そっといつも持ち歩いているフルートを乗せて見た。近くで猫と戯れていたケイが聴いてるとは知らずに。
 ほのぼのとソラが作ったお菓子を食べているクロード、そして脇から掠め取っていく幸子。そんな家庭科室にも音楽は流れてきて、京子はそれを鼻歌交じりで聞きとめながら本日の食事を学園内で作っていた。
 夕暮れの中の陸上グランドでは、爽やかな汗を流した真琴が、そっと耳を澄まし。遠くから、そんな真琴を見つめる真仁の姿も目に入る。

 そして、学園の門をくぐったカノンはそんな音楽の競演の様子を聴いて足を再び止めていた。
 自分が、通っているこの学園の不思議な魅力に心が弾む。
 まだ、人と接する事が苦手だけれども。それでもこんな時、ここにきてよかったって、そう感じる。
「‥‥これ、ゆっくり聴きたいな」
 どうせなら、セッションとして。
 ばらばらな場所で織り成された音を、一つの場所に集めて。
 そんな、夢を見たいと願っていた。



「音楽、聴きたいんです」
 ゆっくりと、何かを思い出しながら語るカノンにローズは微笑みながら聞いていた。
 たしか、音楽と行ったらアンドリーナ辺りだろうか。よく放課後に音が届いていた覚えがある。そして小夜。彼女もまた、音楽室で良く奏でていることを知っていた。
 ここではないが、ケイなんかも良い音を出していた覚えがある。
 うまく促せば、実行委員の催し物として出せるかもしれない。
「もう一度、聞きたいなぁ」
「もう一度聞きたい、それなら実現させて見るのも手かもしれませんね」
「え?」
「折角なんです、ステージを作って募集をかけてみればいいんですよ」
「募集、ですか?」
「ええ、舞台が出れば使う人も現れる。ちょうど演劇部でも使うはずです。野外にしちゃいましょ」
 ウキウキ気分で既にローズの中では何かの企画が出来上がっているらしく‥‥。
「それでは、楽しみですね」
 カノンは、それをにこやかに頷いていた。



「ソラー、腹減ったぁ」
 がらりと開いた家庭科室の扉は少し長めの髪を無造作に結んだ少年の登場で外へと匂いが漏れていった。
「クロ! まだ出来てないよ?」
 パタパタと制服にエプロン姿のソラは少年・クロードに向かって走り寄って来る。所々はみ出た毛が彼女の癖毛を告げているのだろう。ふわりと結われたみつあみが走ると共に上下していた。
「んー、出来るのまってるぅ」
 がたっと引き出した椅子に座りつつ、テーブルの上に投げ出された腕。それに沿うように伸びた格好から抜き出た顔は、中々の美少年である。
「まっててね♪ 今日は学園祭に出す試作をしてるの」
 その姿ににっこりと笑みを返し、ソラは来た方向へと戻っていった。
「まぁまぁ、そんなに高価なものは作りませんが‥‥」
 ふわっと微笑んだのは同じく家庭部に所属する先輩のローズであった。
「京子先輩がレシピを考えて、小夜先輩が味を見て、ローズ先輩が飾り付けするんです」
 ソラがにっこりと説明するものの、決して作るとは言わない辺りが何か含みを持っていた。料理に評判がある京子が監修、そして小夜が味を見ている。しかし、飾りつけだけとは‥‥。そう、このローズに任せてしまったら最後。無事に食べれるものが出来るとは思わないのが常識だったりする。ソラは、言葉には出さないもののほんのりその事を匂わせていた。
「よしっ! 綺麗に焼けたです〜」
 オーブンから取り出したプレートの上に乗っているものをまな板の上へとオーブンシートごと慎重に取り出した。そして、少しガスで温めた包丁を用いて細長くカットしていく。サクッとした感触が、包丁越しに伝わってきた。
 綺麗に四隅を切り落とし、ちょうど手に収まるくらいの長さへと切り分けた物を丁寧に一本ずつラッピングしていった。
「クロちゃん、あーんっ」
 最初にラッピングし終わった一本を、ソラはくてぇっと寝そべっているクロードの口元へと寄せた。嬉しそうにクロードは「あーんっ」と声を出して口を開ける。
 口の中にサクッとした感触、そして甘酸っぱいチーズの味が広がった。
「おおっ! これ、うまいっ!」
 目をキラキラさせて感想をいうクロードにソラは嬉しそうに笑みを浮かべた。
 そんな2人のやり取りを、ローズは残りのケーキをラッピングしながら見つめていた。



「実行委員会、ですか?」
「はい、一緒にどうですか?」
 ローズの言葉にカノンは少し驚きつつ、たまにはそういう参加も悪くないのかもしれないと思っていた。
「この学園に来て、少しは楽しんでもらえたらなと思いましてね」
 突然この学園へと入ってきた少年は学校自体が始めてだった。偶然職員室の前を通りかかった時に教師から面倒見てやれといわれたのが切っ掛けで早3ヶ月。学園生活は慣れた様子だが、まだまだ楽しいことは知ってはいないだろう。
「難しくないですよ、騒ぐだけですから」
「そ、それならば‥‥」
 こっそりグッと拳を握り締め、笑顔で後で迎えに来ると告げる。
「学園祭、ですか‥‥」
 もしかしたら、朝の出来事が実現できるのかもしれない。そんな淡い期待を持ちつつ教室へと入って行った。



「それでは、主な活動はどんなことでしょうか?」
 初めての実行委員会の集まり、顔通しが終った直後に質問が飛んだ。
「えっと‥‥国谷さんでしたっけ」
 福会長も勤める蓮杖はまだ話も始まってないのにと思いつつ、にこやかに少女を見つめた。
「はい、国谷真仁です。生徒会主体、そうだと思っていたのですが、有志を集めてということを伺いました。でも、何を始めるのですか?」
「そうね、1年生にとっては不思議なのかもしれないわね」
 そういうと印刷物を配り始めた。そこには主な活動内容、そしてこれから新たに考えていきたい事が記されていた。
「例年、学園祭では実行委員会を立ち上げてます。もちろん、各クラスへの連絡係と言うことも有りますが、それは決定事項になるのでクラス委員がすることです」
 ホワイトボードへと向い、いくつかの事項を書き始める。
「私達は高等部になったことにより先生方からの規制は既に外れています。自分達で作る、それが求められていますから‥‥」
 ゆっくりと周りを見回し、そしてすっと眼鏡を直して微笑んだ。
「皆さん、頑張りましょうね」

「面倒ごとは好きじゃないんだが‥‥」
 壁にもたれながら、ケイはそっと囁いた。
 勧誘された者、不本意ながら拉致された者、自ら立候補した者様々な立場から成り立った学園祭実行委員。一体何が起きるのやら、不安なスタートが今まさに始まったばかりだった。





「まこーっとせんぱいっ!」
 後ろからいきなり抱きついてきた少女に、真琴は思わず前へと倒れそうになった。
「な、何するんだ! 雑賀!」
「いやーん、いけずぅ〜。あたしと、真琴先輩との仲な・の・に♪」
 ハートが飛び交うようにウィンクを見せつつ、幸子はそのまま離れようとしない。
「は、離せッ! 離さないと遊んでやらんぞ」
「ぇー、それはナッシングですよー。せんぱぁい」
 むぅっと頬を膨らませは慣れるも、未練タラタラな瞳で見つめてくる。
「はぁ、それで。何のようなんだ?」
「あ、そうそう。真琴先輩も実行委員ですよね?」
「そうだが‥‥」
「屋外ステージ、あたしが取り仕切らせてもらうので参戦するのです!」
 グッと拳を突き出し、真琴の腹へと‥‥
「まてぇ! お前のそれ冗談にならないしっ!」
 決まる寸前に、手首を押さえとめる。そう、幸子の拳は実は冗談にならないのだ。
 なにしろ合気道の有段者だったりするのだから。



「京子先輩、今日は何を作るのですか?」
 放課後、京子は凪を連れ家庭科室へと来ていた。いつものようにソラと、何か出来るのを待っているクロードが既にいたのだが、そんなことお構いもせず勝手知ったる何とやらといった状況だ。凪はボーっとした様子で導かれるまま椅子についていた。
「あれ? 京子また何か作るの?」
 ガラッと開いた扉から現れたのは小夜。手には楽譜を持っているところから先程まで音楽室にいたのだろう。
 くんくんと、漂い始めた匂いを犬のように嗅ぎ、きらっきらの瞳で見つめる。
「小夜、貴女の分は無いけど?」
 その様子に苦笑を交えながら、包丁を握る手を止めはしない。
「平気よ、味見するだけだもん」
 ぷくっと脹れつつ、それでも視線は京子の手元へと向っていた。
「ソラ、お皿出してくれる?」
「は、はいっ!」
 パタパタと食器棚へと走り出すソラの後ろを、クロードはのんびりとつき従う。
「クロちゃん、これ運んでね」
「おうっ!」
 ふわりと取り交わされるやり取りは、見ているものですら幸せにするのには充分なほど暖かなものだった。
「さてと、本日は新鮮取れたて野菜の‥‥」
 もちろん新鮮取れたてとは学園内の一角に京子が勝手に作った家庭菜園から仕入れたものであり、その食材の豊富さは底が知れない。ありとあらゆるものを作っており、作ってないのは米と小麦‥‥そんなところだろうか。いつの日かもっと広大な敷地で時給規則が補えるようにと企んでいるらしいのだが、それが成功することはとても大変であろう。
「さすが京子。出汁が効いてるわねぇ」
 いつの間に鍋に近づいたのだろうか、小夜はうっとりとした様子で味見をしている。
「小夜、早いわよ。凪、これお前の分よ」
「‥‥美味しい‥‥」
 器に少し口付け、少しだけ目が見開かれた。いつも表情の見えない顔が、少しだけ緩む。その様子に、京子は満足げに頷いたが、それ以上進まない箸にむぅっと頬を膨らませる。
「お前ねぇ‥‥しっかり食べないと口移しで食べさせるよ!」
「‥‥そうなの?」
「〜〜〜!? じょ、冗談に決まってるでしょ! さっさと食べなさいっ!」
 脅しのつもりで言った言葉が平然と返されてしまい、京子は耳まで真っ赤になりつつも食べることを言い含めていた。



「あら、真仁。いい顔するようになったじゃない」
 演劇部の練習中、幸子は共に劇の練習に励む真仁の様子に同姓ながらもドキッとした。 ここ数日、彼女はまるで見違えるような変化を見せているのだ。
「はい」
 にっこりと微笑む姿は、自信に満ち溢れていて。
「私も一生懸命なれること、大好きなもの、見つけましたから」
「ん、よしよし! 何か分からないけど、頑張っちゃおう!」
 バンっと力強く叩かれた肩は、いつもより痛かった。だけど、同時に励ましの言葉が温かく、幸子にも、真仁にもほのかな幸せが生まれてくる。
「‥‥頑張れよ」
 そんな様子を、物陰から眺めていたケイは、くすりと笑いながら呟いていた。
 ここにも、また一つ思いの華が咲いたんだなと。
 手元にあるノートへと、何かを書きとめながら。ケイは、魅力的な声で歌を口ずさんでいた。



 ローズは優しくカノンを見つめていた。一所懸命に書類を作成している姿を隣で間違いを見つけたアンドリーナによって注意されている。
「だから、なんでそんなに手間取るわけ? しんじらんない。アンタ、馬鹿?」
 チラチラと視線を逸らしつつ、一つ一つ「ここが違う」「ああ、また!」などと文句を言っているのだ。
「まぁまぁ、アンドリーナ。そんなに怒鳴らなくてもいいじゃないかな?」
 ふわりと笑いながら声をかけてきたローズに気付くと、より一層眉間に力が入り、頬が僅かに膨らむのがわかった。
「怒鳴ってないわよ! ちゃんと出来ないのが悪いんでしょ? 精々二人で仲良く作ってればいいわ!」
 そんな捨て台詞を言い放つと、ドタドタと苛立たしげに足音を立てて部屋を出て行く。もちろん、お約束のように扉の閉め方は乱暴であった。
「うっ‥‥ぼ、僕がきちんと出来ないから悪いんですね」
 アンドリーナが去った扉を見つめつつ、カノンは半分泣きそうな顔で肩を落としていた。そんな様子にローズは苦笑すると、くしゃりと頭を撫で上げる。

「大丈夫、そんなに気にする事無いと思うよ」
 そうでしょうか? と見上げるカノンに、ローズは平気だよと笑顔を返すが、内心はあのお姫様にも困ったものだと首を傾げたくなっていた。


――どうして、どうしてこんなに苛立つのよ!
 部屋を出た後、アンドリーナはいつものように屋上へと駆け上がってきていた。何かあった時、屋上でギターを掻き鳴らすと少し落ち着いてくるのだ。
 でも、今は何故かいつものようにすぐに掻き鳴らす事も難しかった。
 膝の上に抱いたギターに感情を移すことよりも、何故か心の乱れが酷く‥‥ギターごと膝を抱えてしまうのだ。
 あの素直な少年に関わるといつもそうだ。そして、物事を見通しているあの先輩も。
「レナちゃん?」
「‥‥マチルダ」
 いつの間に入ってきたのだろうか。マチルダがアンドリーナを見つけ、少し見下ろす形で見つめていたのだ。見上げると、視線が絡み合う。
「トナリ‥‥いい?」
 こくんと頷くと、人懐っこい笑みを浮かべちょこんと隣に座り込んだ。
「‥‥弾かないの?」
 ギターとアンドリーナの顔を見比べ、マチルダはきょとんとした表情で尋ねてくる。クルクルふわっとした髪が、それに合わせて揺れる。
「‥‥気分が乗らない‥‥」
 拗ねたように言いよどむそんなアンドリーナをマチルダはそっと包み込んだ。
「ムリ、いくない」
「‥‥‥うん」
 何故だろうか。彼女の前では少しだけ素直になれた。コツンと合わさる額。伝わる体温が、優しい気持ちを贈ってくれた。



「真琴! サッカーやろうぜ!」
 真琴を探して屋上にやってきた同級生の男子たち、しかしその場で見つけたのは。
「〜〜!!」
 幼馴染の風華の作ったお弁当を嬉しそうに食べていた真琴の姿だった。
 ニヤニヤと笑みを浮かべつつ、同級生達はあること無い事を口にして真琴へと言葉を投げかける。
 昔だったなら、そんな事を気にしなかったかもしれない。だけど‥‥思春期を迎えた青年にとってはそれはとても平常心ではいられなく。
「う、うっせぇ!! 関係ねぇじゃねぇかっ!」
 食べていたはずの箸を怒りに任せて風華の膝の上へと乱暴に置き、真っ赤になりつつ苛立たしげに立ち上がった。その様子を見て尚更同級生達は囃しを加熱させていくのも気付かずに。その場に立ち上がったまま、屋上から飛び出ようとした時だった。
「――っ」
 不意に抵抗を感じてみた先には、細く小さな手。
 風華が、袖をつかんでいた。
「ふ、風華!?」
 思わず昔のように名前で呼んでしまって。
 見ると、潤んだ瞳で見つめてきていて。真琴はどうしていいのかわからなく、戸惑いが隠せなかった。
 そんな真琴の様子で気付いたのか、風華も自分の行動にびっくりをして小さな悲鳴を上げ耳まで真っ赤に染め上げる。


「募集?」
 廊下に貼られていたのは一枚のポスター。
 そこに記載されていたのは、野外ステージ参加者募集の言葉。
「演劇部主催、音響は貸し出し‥‥」
 この学園の演劇部は、かなりの実力を兼ね備えていることは有名であった。機材も、それなりに揃っているだろう。
「‥‥屋外」
 腕が、疼いた。
 アンドリーナの心に、何かが触れたようだった。


 何かが、動き出した。
 そんな、そんな‥‥青空の下で。


◇◆◇

「んっ‥‥」
 少し肌寒さを感じて朧は目を開いた。
 周りを見ると、そこにはたくさんの友人達がいて。
 手の触れた感触にそっと視線を向けると、そこにはちょっと丸まったままのお日様の友人。桜の彼女にそっと手を伸ばして夢の中に居るようである。
「お、起きたか?」
 声のする方向を向くと、雑音の中が落ち着くと言い張る友人が、紫煙を纏いながら見つめていた。
「ええ、ちょっと寝てしまったみたいですね」
「いいんじゃねぇの? みんな、いい顔してたぜ」
 なんの夢見てたかしらねぇけどな、そんな事を笑いながらOZは足をふらふらとさせながら空を見上げた。
 そういえば、最初の目的は花火だった。
 いつしかそれは夢の狭間へと招待され。
「そうね、真夏の夜の夢‥‥そんな、良い夜じゃない」
 後ろから現れた黒蝶、ケイの言葉に納得をしてしまう。
――あんな、平穏があれば良いですけど。

 見た夢の優しさに、いつかそういう日が訪れる世界になると良いなと、心の中で呟いた。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
【ga0187 / 柚井 ソラ / 男 / 16 / スナイパー】
【ga0598 / ケイ・リヒャルト / 女 / 18 / スナイパー】
【ga1031 / ロジー・ビィ / 女 / 22 / ファイター】
【ga2331 / 国谷 真彼 / 男 / 31 / サイエンティスト】
【ga2494 / 叢雲 / 男 / 22 / スナイパー】
【ga3078 / 朧 雪乃 / 女 / 20 / グラップラー】
【ga4015 / OZ / 男 / 26 / スナイパー】
【ga5172 / 空閑 ハバキ / 男 / 22 / エクセレンター】
【ga5710 / なつき / 女 / 21 / エクセレンター】
【ga6073 / 雑賀 幸輔 / 男 / 26 / スナイパー】
【ga6138 / 緋沼 京夜 / 男 / 32 / ファイター】
【ga6523 / アンドレアス・ラーセン / 男 / 28 / サイエンティスト】
【ga6559 / クラウディア・マリウス / 女 / 16 / サイエンティスト】
【ga6931 / 暁・N・リトヴァク / 男 / 24 / スナイパー】
【ga7201 / 不知火真琴 / 女 / 24 / グラップラー】
【gz0095 / カノン・ダンピール /男 / 18 / NPC:一般人】

<夢設定>
*性別変換
*名前変換
・ロジー → ローズ
・真彼 → 真仁
・叢雲 → 蓮杖風華
・雪乃 → 優希
・OZ → 大津阿澄
・ハバキ → マチルダ
・なつき → 凪
・幸輔 → 幸子
・京夜 → 京子
・アンドレアス → アンドリーナ
・クラウディア → クロード
・暁 → 小夜
(他:変更なし)

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛

 この度は発注ありがとうございました。
 学園物でさらに性転換物ということで、はい。
 なんと言いますか、凄い世界でした。
 内容的には、抜粋したものに成ってしまいましたが、互いに読み比べて補正していただけたらと思います。
 完成版が見せれないくらいの抜粋具合で申し訳なく。
 なるべく設定どおり…と言いますか、いい具合に皆様の丸投げ感が愛情たっぷりと塩で塗り込められた感じに思ったのは、もはやキノセイですよね?
 CTSの中では見られない、そんな物語になっていたらいいなと思います。

 それでは、またお会いすることを願いまして。

 雨龍 一
なつきたっ・サマードリームノベル -
雨龍 一 クリエイターズルームへ
CATCH THE SKY 地球SOS
2009年10月19日

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