『パンパレ〜小悪魔と吸血鬼のデート〜 』

シーヴ・王（ga5638）

シーヴは小悪魔でやがるです。
今日はライディとお祭りデートなので、ちょっと気合を入れてミニチャイナにガーターストッキング。
ドッキリも用意してやがるですから、覚悟するです‥‥ライディ。

〜待ち合わせ〜

　人の血を吸って花を咲かすという桜の木。
　共同墓地の中央に立つこの木は待ち合わせに向いていた。
「だーれだ？」
　シルクハットにスーツで、マントを羽織ったライディ・王の両目が白くて細長い指のある掌によって塞がれる。
「シーヴだよね？　手の暖かさでわかるよ」
　目を塞がれながらもライディは口で笑いながら答えた。
　笑った口からは尖った犬歯が覗いている。
「ま、当然でありやがるです。他のモンの名前なんざ言った日にゃ‥‥」
　手を離しながら悪魔の尻尾を揺らし目線をあわせるようにコウモリ羽で飛んでいるシーヴは眩い笑顔を浮かべた。
　何もいわないところが逆に怖い。
「そ、そんなことあるわけないよ‥‥うん、無いからね！」
　ライディも慌てて訂正するがこちらは逆に怪しくみえるものだ。
「本当ですか？」
「本当だよ‥‥そうだ、何か話があるっていっていたけど‥‥」
　誤魔化すようにライディが待ち合わせのときにいっていた話を持ってくる。
「実は‥‥ライディの赤ちゃんが出来たです」
　シーヴはモジモジと両手の人差し指を絡めながら話を切り出した。
「な、なんだってーっ！？　挙式前に出来ちゃうなんて‥‥両親へのご挨拶とかお兄さんへお詫びとかしなくちゃ」
　一瞬驚いたライディだが、すぐにこれからの予定をぶつぶつと唱えだす。
「や、ちょっとした悪戯告白ですよ。でも‥‥本当に欲しいでありやがるですよ？」
　腕にきゅっと抱きついてシーヴは上目遣いに甘えた。
「善処‥‥してもいいのかな‥‥う〜ん」
　吸血鬼にしては美女相手に煮え切らないライディであった。
　
〜大魔神社祭〜
　ライディと腕を組みながらシーヴは境内に並ぶ出店を回っていく。
　ベルゼカバブとか、髑髏あめなどポピュラーなメニューが立ち並び興味を惹かれたシーヴはライディを引っ張りまわしていた。
「あれ美味しそうでありやがるです」
「そ、そうだね‥‥」
　腕を組んだ状態で出店を回っているため、シーヴの程よく膨らんだ胸がライディの腕にあたりライディの意識は先ほどのこともあって集中できていない。
「疲れたですか？」
「そうじゃ‥‥ないんだけど‥‥」
　チラチラとチャイナドレスの開いた胸元を眺めるライディをからかう様にシーヴは笑った。
「あ、あのアクセサリーとか欲しいです」
　そのままむぎゅっと胸を押し付けるようにしてシーヴはライディをアクセサリー売り場へと連れて行く。
　キラキラと光る宝石がはめ込まれた骨のアクセサリーがいくつも並んでいた。
「うーん、これなら買えるかな？　じゃあ、同じもの二つください」
　ネックレスを二つ購入するとライディはシーヴの首にかけて笑う。
「似合うよ」
「おそろいで嬉しいです」
　シーヴもライディに笑いかけるとそのまま買い物やら遊戯遊びに没頭し始めるのだった。
　
〜盆踊りと共に夢はさめ〜
　出店の全制覇をした二人は境内の一角で休憩をしている。
「はい、ライディ。トマトジュースでありやがるです」
「ありがとう、盆踊りにも参加してこようか」
　シーヴから差し出されたトマトジュースを美味しそうにストローですするとライディはマントを翻して立ち上がった。
「はいです」
　シーヴも立ち上がり境内の中央に立つ櫓を囲って踊る人々の中に二人は混ざり合う。
　太鼓の叩く音にあわせて腕を上げたりポーズを決めたりしながら秋の夜を楽しんだ。
「ライディ‥‥一緒にいられる事が、シーヴにゃ幸せです」
「俺もそうだよ。ずっと一緒にいようね、シーヴ」
　踊りながらも二人は互いを見つめあい、心を通わせる。
　キスをするかと互いの顔が近づいたとき、視界が暗転した。
「ん‥‥どこですか？」
　気づけばシーヴはライディの部屋でパジャマ姿で横になっている。
　隣ではまだ夢を見ているのか規則正しい寝息をたてているライディが寝ていた。
「夢‥‥でやがったんですかね‥‥不思議な気分でやがるです。子供‥‥いつできるんですかね」
　積極的に胸を当ててライディを引っ張りまわしていた夢の中での行動を思い出してシーヴは思わず顔を赤くする。
　きっと、同じようなことがあっても真剣にライディは考えてくれるだろう‥‥。
「こうして一緒にいられることが‥‥今は幸せです」
　夢の中のようにシーヴはライディの腕に抱きつくと寝顔にキスをした。
　

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号　／　ＰＣ名　　　　　　／　性別　／　年齢　／　クラス　　】
　ga5638　　／　シーヴ・フェルセン／　女　　／　１８　／　ファイター】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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どうも、橘真斗です。
このたびも発注ありがとうございました。
今回はいつものように三人称形式でシーヴさんにはガンガン動いてもらい、ライディはオロオロとしてもらう展開です。

いつまでも初々しさを残しつつも、これからのことについては考えていかなければなりませんね。

男なのだから責任持たなくてはいけないですよ、はい。

ギリギリの納品となってすみませんが、これにて完成とさせていただきます。

何かと忙しく交流できる機会が減っていますが、なんとか持ち直していこうと思いますのでこれからも宜しくお願いします。
それでは、また運命の交錯するときまでごきげんよう。

パンパレ・ハロウィンドリームノベル

橘真斗

CATCH THE SKY 地球SOS

2009年10月30日