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『パンパレ〜二つの顔を持つ吸血鬼〜 』
クラーク・エアハルト(ga4961)

自分は真祖の吸血鬼。
見た目は子供だけれど、気の遠くなるような日々を過ごしてきた。
最近のお気に入りは骨董品店の九尾狐。
サングラスと日傘を持って今日もお手伝いにでかけるのです。

〜お手伝い〜
「トリック・オア・トリートなのです」
 骨董品店に入ったクラーク・エアハルトは見た目どおり10代前半の元気な挨拶をする。
「トリック・オア・トリート、今日も来てくれたのね? ありがとう」
 店の奥からは白銀の尾を9本揺らすレオノーラ・ハンビーが緩めに着物を身に纏って出てきた。
「今日もお店のお手伝いするですよ」
 はたきを手に持ったクラークは埃をパシパシと叩き落としていく。
「そんなに気合入れなくてもお客さんは殆ど来ないから大丈夫なのに‥‥でも、ありがとうね」
 クラークの健気な行動にレオノーラは思わず微笑んで、店内にあるものを確認していった。
 陶器から妖刀まで幅広く置いてある店内は骨董品店というよりは博物館のような雰囲気がある。
 大きくないため、ところ狭しと並んでる品々の奥にはまさに『掘り出し物』が眠っていそうな雰囲気だ。
「と、届かないです」
 棚の上の皿がずれているのが気になったクラークが背を伸ばして動かそうとするも背丈が足りずに触れることさえできない。
「ほら、これで大丈夫でしょう?」
 後ろからクラークを抱きしめるようにしてレオノーラがクラークを抱き上げるとクラークは皿の位置を直した。
「これで大丈夫です」
「ふふ、ありがとう。少し休憩しましょうか。お茶いれるわね」
 満足げに微笑むクラークに微笑を返したレオノーラは嬉しそうに尻尾を揺らしながらクラークと共に奥の座敷へ向かう。
 座敷につくと紅茶とお菓子を用意して二人は一息ついた。
 
〜好きなもの〜
「う〜‥‥モフモフなのです」
 店番をしていても暇になったクラークがレオノーラの揺れる尻尾に抱きつき毛布のように包まりだす。
「クラークは私の尻尾が好きなのね」
 うっとりと毛並みを堪能するクラークをレオノーラの尻尾がさらに包みこんでいった。
「気持ちいいのです‥‥暖かくて優しい感じがするです」
「そうなの? 可愛いこといってくれるわね」
 尻尾にくるまれているクラークの頭をレオノーラは撫でて喜ぶ。
「うとうとしてくるです‥‥起きてお手伝いしな‥‥きゃ‥‥」
 暖かい毛布に包まれている状態のクラークはうつらうつらと船をこぎ始め、そのまま眠った。
 しばらくして、目を覚ました時は既に日が沈みかけている。
「ふあ!? ぐっすり寝すぎてしまったです!」
 ゴシゴシと目を擦りながら起き上がったクラークは慌てて尻尾から抜け出した。
「今日はお祭りだものね」
「そうなのです、共同墓地の桜の下で待ち合わせて一緒にいきません?」
 慌てて身なりを整えたクラークはレオノーラをデートに誘う。
「ええ、良いわよ。今日は早めに店じまいするから、また後で会いましょう」
 クラークの誘いを承諾したレオノーラはクラークを見送ると看板を『本日終了』へとひっくり返したのだった。

〜夜の姿〜
 レオノーラがお祭りらしい浴衣姿でまっていると、昼間とは違い低く誘うような声が聞こえてくる。
「トリック・オア・トリート‥‥こんばんわ、レオノーラ」
「クラーク? なんだか、とっても見違えちゃって‥‥一瞬、気づかなかったわ」
 声の主の姿を見てレオノーラは目を丸くして驚いた。
 背丈は自分より高くなり、伊達眼鏡に黒いバンダナをつけている青年にクラークはなっている。
「昼間と夜で姿は変わりますが本質は変わりませんよ。一種の戯れですかね」
「ふふふ、どちらでも私は構わないわよ。どちらの貴方でも魅力的だから」
 背丈の高くなったクラークの腕にレオノーラは抱きつくと艶やかに微笑みを浮かべた。
「では、お祭りに参りましょう」
 レオノーラをエスコートするようにクラークは腰に手を回すと祭り会場である大魔神社へと向かう。
 大魔神社では町の人間が集まり、喧騒を奏でていた。
「あ、射的がありますね‥‥落としたら欲しい景品がもらえるようですからとってあげますよ」
 出店の一つに射的屋を見つけたクラークはコルク銃を用意する。
「じゃあ、あの猫の置物が欲しいわ。カウンターにおきたいの」
 レオノーラが指差した先にあるのは一番上の段にあり、明らかに陶器で倒せそうもない置物だった。
「いいでしょう、待っていてくださいね」
 クラークは真剣な目で置物を見ると身を乗り出せるだけ乗り出してコルク銃の引き金を引く。
 1発、2発、3発と置物かかすかに動くが倒れる気配が無かった。
「大丈夫? あと2発よ」
「大丈夫ですよ、ほらね?」
 4発目を当てると置物が揺れ、5発目で置物は落下する。
「約束の景品ですよ」
 クラークがコルク銃と交換するように品物を受け取るとレオノーラに見せた。
 レオノーラがそれを受け取ろうと手を伸ばすが、ひょいと高く取れないところへ持っていく。
「トリック・オア・トリート‥‥お菓子をくれなきゃ悪戯するぞっと‥‥」
「お菓子? 甘いものであればいいのかしら‥‥じゃあ、これで‥‥」
 置物を取り上げているクラークへレオノーラは飛びつくように抱きついてその唇を奪った。
「甘いお菓子を上げたのだから頂戴ね?」
「確かに、甘いお菓子をいただきました」
 キスをされたクラークはレオノーラを抱きとめながら置物を手渡す。
「これから楽しい夜を過ごしましょう」
 強くレオノーラを抱きしめるとクラークは神社から夜の街へと消えていくのだった。
 

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名      / 性別 / 年齢 / クラス 】
 ga4961  /クラーク・エアハルト/ 男  / 28 /スナイパー

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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どうも、いつもお世話になっています。橘真斗です。
ハロウィンらしい設定でしたので十分に生かせるように考えてみましたがいかがでしたでしょうか?

夜の街に消えてどうなったかはご想像にお任せします。

今回も楽しいシナリオを書かせていただきありがとうございました。
それではまた運命の交錯するときまでごきげんよう。

パンパレ・ハロウィンドリームノベル -
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CATCH THE SKY 地球SOS
2009年11月02日

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