▼作品詳細検索▼  →クリエイター検索


『WS・新春ドリーム〜銀髪夫婦の新年〜 』
クラーク・エアハルト(ga4961)

 元旦はその年一年をどう過ごすかを決める大切なときである
 
 年越しから初日の出、初詣を済ませる人もいればゆっくりとした朝を迎え、のんびりと初詣をする人もいる

 日本や中国では当たり前の行事だが、今では欧米人もその流儀に習うものも出ている
 
 この銀髪の夫婦もその一つであった‥‥
 

〜年明けのお誘い〜
「ところで、初詣にいきませんか?」
「急な話‥‥というわけでもないけれど、どうしたの?」
 2010年元旦のお昼。
 寝起きのクラーク・エアハルトがキッチンでコーヒーを入れながら椅子に座るレオノーラ・ハンビーに話を切り出した。
 クラークは昨日、日本のとある旅館で騒いでいたらしく、まだまぶたが開ききっておらず、足取りもどこかおぼつかない。
 そんな旦那の姿をレオノーラは心配しながらも、年明け一番のデートに誘ってくれたことを嬉しく思った。
「まずは目を覚ましてからにしましょうね。着替から連れて行くところまでやって欲しいというならやるけど」
 甘い小悪魔の囁きがクラークへと投げられる。
 外見の年齢はレオノーラの方がしたなのだが、精神面ではクラークが負けていた。
「だ、大丈夫ですよー。コーヒーを飲んで食事を済ませればいつもの僕に戻ります」
 誘惑に傾きそうだったクラークだが、目をパッチリと開けて自分がエスコートをするという強い意志を瞳に輝かせる。
「場所の目星はあるの?」
 クラークの姿にレオノーラは母親が浮かべるような慈愛に満ちた笑みを作った。
「日本、京都の大きくはないですが、人気はそれなりにある神社を教えてもらいましたから。ラストホープの小さな神社もいいですが、折角なので遠出しましょうよ」
「じゃあ、それで行きましょう。朝食の方は今から私が作るわね」
 軽い足どりでレオノーラは椅子から立ち上がるとキッチンへと鼻歌を歌いながら向かう。
 新年から楽しい事が一つ起きた。
 
〜郷に従うわけではないけれど〜
「この着物というのも、なかなか良い物ですね。レオノーラも似合っていますよ?」
「そう? ありがとう♪」
 袴姿のクラークは花札柄の赤色の着物を着るレオノーラを褒める。
 キッチリと体にフィットする洋服と違い、余裕の多い和服は不思議な気分だった。
 人気のある神社であるためか、昼過ぎというのに人の往来が多く、腕をしっかり組んで歩かなければ逸れそうである。
 引き寄せるとレオノーラの姿が一段とよく見え、アップに纏め上げられた髪によって出来た項が綺麗だった。
 桜のような香りがクラークの鼻腔をくすぐる。
「混んでいるわね‥‥この習慣はびっくりよ。私は去年も京都に来ていたけどクラークはいなかったわね?」
「そうでしたね。あの時は年末のV1でお茶をご馳走するので精一杯でしたよ」
 一年前の出来事を思い出しクラークは苦笑した。
 レオノーラに興味を持ち、初めて誘った時である。
 そこからの一年で今は夫婦となって初詣に訪れることとなった。
 人生何が起きるかわからない‥‥。
「あ、ついたようですね。えっと、お賽銭を入れて‥‥二回手を叩いて一礼? うーん?」
 話している間に賽銭箱の前へとたどり着いた。
 作法についてクラークが首を左右に捻りながら悩んでいると隣のレオノーラが「回りにあわせればいいのよ」と助け舟をだす。
「そうですね‥‥」
 賽銭を投げ込み、拍手(かしわで)を二回打ち、頭を下げて祈った。
 じっと祈ったあと、人ごみから二人は外れる。
「何をお願いしたの?」
「二人とも健康に過ごせます様にと祈ったのですよ」
 笑顔でレオノーラへの問いかけにクラークは答えた。
 これからの戦いは激しくなっていくだろう。
 だからこそ、二人とも無事でいて欲しいと願わずにはいられなかった。
「健康ね。傭兵だから体が資本だから健康第一よね? お守りでも買っていく?」
 自分の願い事についてはあえて触れないレオノーラが社務所の方を指さす。
「いいですね、御神籤も引いていきましょう」
 二人は手をつなぎ直して社務所へと足を進めるのだった。
 
〜今年の運勢は?〜
「大吉‥‥夫婦円満。将来は変化せずに安定しすぎると悪いことになる‥‥といったところでしょうか」
 難しい漢文じみた御神籤の内容を解析していたクラークは唸る。
 夫婦円満はいいが、安定しすぎると悪いというのは余りいい結果とはいえなかった。
 これで大吉なのは普通なのか、そうでもないのか余り御神籤を引いたことの無いクラークには判断ができない。
「私の方は凶ね。夫婦で違った場合どうしましょう?」
 ぴらぴらと御神籤を見せるレオノーラの顔は困っているというよりはクラークの回答に期待をしているようだ。
「えっとですねー。そう、確か木の枝に結ぶと厄が取れると聞いていますですよ」
 しどろもどろになりながらクラークは友人、知人から聞いてきた作法を思い出して答える。
「じゃあ、そうしましょう。教えてくれてありがとうね♪」
 一生懸命に答えてくれたクラークへレオノーラは優しく微笑み頬への口付けを返した。
「あはは‥‥あの、レオノーラ。今年もよろしくお願いします」
「ええ、今年もよろしくね。私の旦那様」
 クラークは口付けされた頬を掻きながら、言っていなかった新年の挨拶を口する。
 今年一年、夫婦生活という新たなスタートを二人はきりだした。
 何が起ころうとも一緒に元気に過ごそうと心に誓って‥‥。
 
━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
【整理番号 / PC名      / 性別 / 年齢 / クラス 】
 ga4961  /クラーク・エアハルト/ 男  / 28 /スナイパー

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
毎度お世話になっています。
橘真斗です。
新春ノベルいかがでしょうか?

結構こちらで補完してしまった部分も多いですが、戦闘の最中のホノカな幸せ模様を描いてみました。
御気に召していただければ幸いです。

それでは、運命の交錯するときまでごきげんよう。
WS・新春ドリームノベル -
橘真斗 クリエイターズルームへ
CATCH THE SKY 地球SOS
2010年02月08日

投票はログイン後にできます。

ログインはこちら












©Frontier Works Inc. All Rights Reserved.